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論文

Microstructural evolution in tungsten binary alloys under proton and self-ion irradiations at 800$$^{circ}$$C

宮澤 健; 菊池 裕太*; 安堂 正己*; Yu, J.-H.*; 藪内 聖皓*; 野澤 貴史*; 谷川 博康*; 野上 修平*; 長谷川 晃*

Journal of Nuclear Materials, 575, p.154239_1 - 154239_11, 2023/03

 被引用回数:4 パーセンタイル:80.03(Materials Science, Multidisciplinary)

This study examined the effects of alloying elements such as Re and Ta on the microstructural evolution of recrystallized W under proton and self-ion irradiations at 800$$^{circ}$$C. Although the number density of voids increased with increasing proton-induced damage level, the void density in W-Re and W-Ta alloys were lower than that of pure W. Herein, the addition of Re and Ta to W suppresses the void formation process. In the proton-irradiated W-3%Re, a lot of dislocation loops were observed at 0.05 dpa which is the stage of nucleation. The evolution process up to 0.2 dpa was characterized by loop growth via the absorption of clusters and point defects. The dislocation loops then coalesce and grow large, and the dislocation lines become tangled at 1 dpa. At 0.05 dpa, the dislocation loops in pure W have already evolved into the tangled dislocations. Solute Re may inhibit the mobility of small dislocation loops and SIA clusters. In W-3%Ta irradiated at 0.05 and 0.2 dpa, the coalescence process of the elongated dislocation loops was observed. Solute Ta may inhibit the mobility of SIA clusters. Although no voids and rafts were observed in self-ion irradiated W-3%Re to 0.2 dpa, not only dislocation loops but also voids and rafts were observed in pure W to 0.2 dpa. The solute Re would suppress the raft formation and then the void formation under self-ion irradiation.

報告書

水銀ターゲット容器内壁のキャビテーション損傷観察に関する技術資料,1; 遠隔操作対応試験片切出し装置の開発

直江 崇; 木下 秀孝; 涌井 隆; 粉川 広行; 羽賀 勝洋

JAEA-Technology 2022-018, 43 Pages, 2022/08

JAEA-Technology-2022-018.pdf:7.84MB

大強度陽子加速器研究施設(Japan Proton Accelerator Research Complex, J-PARC)の物質・生命科学実験施設に設置されている核破砕パルス中性子源水銀ターゲットでは、高エネルギー陽子線入射時に水銀中に発生する圧力波が引き起こすキャビテーションによって、ステンレス鋼製のターゲット容器内壁に激しい壊食損傷が生じる。陽子線強度の増加と共に攻撃性が高くなるキャビテーションが引き起こす壊食損傷によって、熱応力を低減するために厚さ3mmで設計されたターゲット容器先端部では、長時間の運転により壊食痕からの水銀漏洩や、壊食痕を起点とした疲労破壊などが生じる懸念がある。これまでに、高出力での長期的な安定運転を実現するために、キャビテーションによる壊食損傷を低減するための取り組みとして、容器内壁への表面改質の適用や、水銀中への微小気泡注入によりキャビテーションの発生源である圧力波の抑制、先端部の2重壁構造化を進めてきた。損傷低減化技術の効果を確認するために容器内壁に形成された損傷を観察する必要があるが、中性子源の運転中に内部を観察することは不可能であるため、運転を終えたターゲット容器の先端部から試験片を切出し、内壁の観察を実施している。ターゲット容器の破損による水銀の漏洩を防ぎつつ、運転出力によって変化する適切な容器の交換時期を検討するためには、運転出力と損傷の関係を明らかにすることが必要である。これまでに、高放射線環境で遠隔操作可能な試験片切出し装置を開発し、実機水銀ターゲット容器からの切出しを通じて、遠隔操作性や、より確実に試験片を切出すための切削条件の検討や切出し手法の改良を重ねてきた。本報では、実機ターゲットでの作業経験、及びモックアップ試験の結果に基づいて改良した遠隔操作による水銀ターゲット容器先端部からの試験片切出し手法に加えて、これまでに実機から試験片を切出した結果の概要についてまとめる。

報告書

耐熱セラミックス複合材料の照射試験,2; 第2次(98M-41A),第3次(99M-30A)予備照射試験中間報告

馬場 信一; 根本 誠*; 相沢 静男; 山地 雅俊*; 石原 正博; 沢 和弘

JAERI-Tech 2005-055, 157 Pages, 2005/09

JAERI-Tech-2005-055.pdf:19.06MB

高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた高温工学に関する先端的基礎研究の課題の1つとして「耐熱セラミックス複合材料の照射損傷効果に関する研究」のため、材料試験炉を用いて一連の予備照射試験を進めている。本報告は、このうちの第2次及び第3次の照射試験について記載したものである。両試験の照射温度は973K-1173K及び1273K-1473K,高速中性子照射量1$$times$$10$$^{25}$$m$$^{-2}$$( E$$>$$1MeV)の照射条件のもとで行った試料について、直径寸法の基本統計値,寸法変化及び熱膨張率の結果について報告する。

報告書

水銀ターゲット容器の破損確率評価解析

石倉 修一*; 志賀 章朗*; 二川 正敏; 粉川 広行; 佐藤 博; 羽賀 勝洋; 池田 裕二郎

JAERI-Tech 2005-026, 65 Pages, 2005/03

JAERI-Tech-2005-026.pdf:2.86MB

本報は、大強度陽子加速器計画(J-PARC: Japan Proton Accelerator Complex)の中核施設である物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源となる水銀ターゲット容器(3重壁構造)の構造健全性評価を行うための基本データとするために、水銀容器及び保護容器(別名セーフティーハルで2重壁リブ構造)で想定される荷重条件下(水銀容器及び保護容器の内外圧と定常熱応力,水銀容器内の25Hzの熱衝撃に伴う圧力波による応力)で発生する応力値をもとに、実験から求められた照射と壊食による材料強度劣化(疲労寿命の低下)を考慮して、確率論的手法により破損確率の算定を行った。水銀容器と保護容器の破損確率を評価した結果、(1)水銀容器は圧力波による応力サイクルと壊食による疲労強度の低下が大きいために、5000hrを仮定した寿命中の破損確率は12%である。(2)保護容器は圧力波が作用しないために寿命中の破損確率は10$$^{-11}$$と十分低く、破損する可能性はほとんどない。したがって、万が一水銀容器が破損して水銀が漏洩した場合でも、保護容器が漏洩水銀を収納するとともに、同時に水銀漏洩検知器が機能することにより、漏洩水銀は保護容器内部に閉じ込めることが十分可能であることを定量的に示した。

論文

Present status of the liquid lithium target facility in the international fusion materials irradiation facility (IFMIF)

中村 博雄; Riccardi, B.*; Loginov, N.*; 荒 邦章*; Burgazzi, L.*; Cevolani, S.*; Dell'Ocro, G.*; Fazio, C.*; Giusti, D.*; 堀池 寛*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.202 - 207, 2004/08

 被引用回数:14 パーセンタイル:65.50(Materials Science, Multidisciplinary)

国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、重陽子-リチウム(Li)反応による加速器型中性子源であり、国際協力で3年間の要素技術確証フェーズ(KEP)を2002年末まで実施した。本報告では、液体LiターゲットのKEP活動の結果、それを反映した設計と今後の展望について述べる。液体Li流動特性評価のための水模擬実験及び液体Li流動実験,液体リチウム純化系開発のためのトリチウムと窒素不純物制御用材料特性評価,放射化したターゲットアセンブリの交換のための遠隔交換アームの概念設計と基礎実験,安全性評価,計測系の概念検討等を実施した。KEP活動に続いて、Liターゲットの長時間安定運転を実証するため、移行期間を経てLi試験ループを中心とした工学実証・工学設計フェーズを開始する予定である。

論文

Effects of neutron irradiation on some superplastic characteristics of tetragonal zirconia polycrystals containing 3 mol% yttria

柴田 大受; 石原 正博; 本橋 嘉信*; 伊藤 勉*; 馬場 信一; 菊池 誠*

Materials Transactions, 45(8), p.2580 - 2583, 2004/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:26.50(Materials Science, Multidisciplinary)

3mol%のイットリアを含有する正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)に1.6$$times$$10$$^{23}$$J以上のエネルギーの高速中性子を2.5$$times$$10$$^{24}$$(軽照射)及び4.3$$times$$10$$^{24}$$(重照射)m$$^{-2}$$まで照射した。照射による3Y-TZPの有意な体積膨張は無かった。照射後の試験片の超塑性特性を1623から1773Kの温度範囲で、5.0$$times$$10$$^{-4}$$から1.67$$times$$10$$^{-2}$$s$$^{-1}$$の初期ひずみ速度での引張試験により調べた。その結果、照射後の試験片の破断伸びは、非照射の試験片と比較して極めて小さいことがわかった。また、照射後の試験片は、781(軽照射)と693(重照射)kJ・mol$$^{-1}$$という極めて大きい超塑性変形の活性化エネルギーを示した。中性子照射による3Y-TZP中のはじき出し損傷がこれらの主要な原因の一つと考えられる。

論文

Damage evaluation techniques for FBR and LWR structural materials based on magnetic and corrosion properties along grain boundaries

星屋 泰二*; 高屋 茂*; 上野 文義; 根本 義之; 永江 勇二*; 三輪 幸夫; 阿部 康弘*; 近江 正男; 塚田 隆; 青砥 紀身*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 29(4), p.1687 - 1690, 2004/06

高速炉(FBR)及び軽水炉(LWR)の構造材料の劣化評価のため、結晶粒界に沿った磁気及び腐食特性に基づく新しい評価技術の開発に着手した。経年化したFBR構造材料に対し、磁気的方法を適用し、き裂発生以前の初期段階のクリープ損傷を非破壊検出することができる。そこで、クリープ損傷を受けた常磁性のステンレス鋼について、自然磁化に対する負荷応力の効果を調べた。一方、イオン照射したステンレス鋼の粒界近傍の腐食特性及び光磁気特性はそれぞれAFM及びKerr効果顕微鏡を用いて評価した。これらの劣化はCr欠乏等の粒界近傍の性質変化によって引き起こされた。この結果、原子炉構造材料の劣化進行過程の初期段階は、粒界に沿った磁気及び腐食特性によって検出できることがわかった。

報告書

IFMIFターゲット背面壁での中性子照射損傷を受けた低放射化フェライト鋼のトリチウム透過量評価

松廣 健二郎; 安堂 正己; 中村 博雄; 竹内 浩

JAERI-Research 2004-003, 12 Pages, 2004/03

JAERI-Research-2004-003.pdf:0.85MB

IFMIFターゲット背面壁の候補材である低放射化フェライト鋼(F82H鋼)におけるトリチウム透過量に与える中性子照射損傷の影響について評価を行った。その結果、照射損傷により実効拡散係数は10$$sim$$20%減少することが予想され、透過開始後数百秒までの範囲では照射損傷によりトリチウム透過量は10$$sim$$20%以上減少する。またIFMIFターゲット背面壁のF82H鋼における一日あたりのトリチウム透過量は1.3x10$$^{-11}$$g/d(4.7x10$$^{3}$$Bq/d)であり、316ステンレス鋼を用いた場合に比べ約30倍であり、この量はIFMIFの主ループでのトリチウム透過量の約8%に相当する。

論文

Lattice parameter expansion by self-irradiation damage of $$^{244}$$Cm-$$^{240}$$Pu oxide and mononitride

高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 小川 徹; 沼田 正美; 木崎 實

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.842 - 845, 2002/11

($$^{244}$$Cm,$$^{240}$$Pu)混合酸化物及び窒化物固溶体の$$alpha$$線自己損傷による格子の膨張をX線解析により測定した。元の酸化物は$$^{244}$$Cmの$$alpha$$崩壊により、(Cm$$_{0.4}$$,Pu$$_{0.6}$$)O$$_{2-x}$$の組成を持っていた。これを643K及び1073Kで加熱した後、格子定数の時間変化を観察したところ、約5日で変化は収束した。格子定数の膨張率はともに2.6$$times$$10$$^{-3}$$であったが、格子定数の初期値はそれぞれ0.5394,0.5388nmであった。炭素熱還元法により酸化物から窒化物固溶体を調製し、同様に格子定数変化を観察した結果、初期の格子定数は0.4945nmで、膨張率は3.5$$times$$10$$^{-3}$$であり、酸化物に比べて大きい膨張率であった。

論文

Zrイオン照射した3Y-TZPの293$$sim$$1573K焼鈍による特性の変化

佐久間 隆昭*; 本橋 嘉信*; 小林 友和*; Harjo, S.*; 柴田 大受; 石原 正博; 馬場 信一; 星屋 泰二

日本機械学会関東支部茨城講演会(2002)講演論文集(No.020-3), p.125 - 126, 2002/09

セラミックス材料はほとんど塑性変形を示さないが、数種のセラミックスでは極めて大きな塑性変形(超塑性)を示すことが近年明らかになった。熱・機械的特性に優れたセラミックスを複雑形状へ加工することが可能になることから、超塑性セラミックス材料は高温炉内材料として魅力的であるが、照射による材料特性変化についての研究はほとんど行われていない。本研究では、典型的な超塑性セラミックス3Y-TZPを供試材としてZrイオン照射を行い、照射による材料特性の変化や焼鈍による照射の影響の変化について調べた。その結果、照射により粒界が相対的に弱くなり粒界の機械的特性が低下すること、また、この照射の影響はその後の1173Kでの焼鈍により取り除かれることがわかった。

論文

Study on creep-fatigue life of irradiated austenitic stainless steel

井岡 郁夫; 三輪 幸夫; 辻 宏和; 米川 実; 高田 文樹; 星屋 泰二

JSME International Journal, Series A, 45(1), p.51 - 56, 2002/01

FBRの構造材に対する代表的な破損モードの1つに、繰り返し熱応力に起因するクリープ疲労がある。しかし、照射材のクリープ疲労特性についてはほとんど報告されていない。ここでは、SUS304鋼照射材の低サイクル疲労試験を行い、最大引張側での保持時間が疲労寿命に及ぼす影響を調べた。供試材は熱間圧延したSUS304鋼である。歪波形は完全両振り対称三角波,試験は真空中,550$$^{circ}C$$,歪速度0.1%/sで行った。最大引張側での保持時間は、360s,3600sとした。中性子照射は、550$$^{circ}C$$で1.4-3.4x10$$^{25}$$n/m$$^{2}$$(E$$>$$0.1MeV)まで行い、弾き出し損傷量及びHe生成量は、それぞれ約1~2dpa及び約1~11appmであった。保持時間のない場合、照射により疲労寿命は低下した。照射材の疲労寿命は、保持時間の増加とともに低下した。疲労寿命の低下は、非照射材の場合と同程度であった。クリープ疲労寿命予測法(時間消費則,延性消耗則)により照射材の疲労寿命は、ファクター2の範囲で予測できた。

論文

Post-irradiation annealing and re-irradiation technique for LWR reactor pressure vessel material

松井 義典; 井手 広史; 板橋 行夫; 菊地 泰二; 石川 和義; 阿部 新一; 井上 修一; 清水 道雄; 岩松 重美; 渡辺 直樹*; et al.

KAERI/GP-195/2002, p.33 - 40, 2002/00

最近の軽水炉圧力容器材の照射損傷研究では中性子照射効果の焼鈍による回復効果の研究が行われており、JMTRを用いた照射試験と照射済試料の焼鈍さらに焼鈍後の照射効果の研究が計画された。このため、材料試験炉部では照射後に試料の焼鈍と交換を行い、その後、さらに再照射が可能なキャプセルを開発した。本再照射キャプセルの開発には、交換可能な内部キャプセルから延びた熱電対のシース線の接続を着脱可能にするための気密コネクタと、試料交換のためのキャプセル底部プラグに使用するメカニカルシールの技術開発が必要であった。開発・製作した再照射キャプセルによる照射試験は、照射されたキャプセルのカナルでの取扱いやホットセル内での遠隔操作による試料交換を計画通り実施でき、再照射の際の試料温度も目標範囲を満足するなど、開発目標を達成することができた。

論文

Present status and future programme of HTTR and the innovative basic research on high temperature engineering

林 君夫; 石原 正博; 柴田 大受; 石野 栞*; 寺井 隆幸*; 伊藤 久義; 田川 精一*; 勝村 庸介*; 山脇 道夫*; 四竈 樹男*; et al.

Proceedings of 1st Information Exchange Meeting on Basic Studies on High-Temperature Engineering, p.41 - 58,268, 1999/09

原研が提案し共催となって開かれることになったOECD/NEAの「第1回高温工学分野の基礎的研究の調査に関する情報交換会議」に参加し、HTTR及び高温工学に関する先端的基礎研究の現状及び将来の計画について述べる。HTTRは現在出力上昇試験中であり、2001年に950$$^{circ}C$$、全出力での高温試験運転を実施した後、照射試験を開始する予定である。高温工学に関する先端的基礎研究は、HTTRの建設目的の1つである。その予備試験の成果及び今後の計画を、新素材開発(高温酸化物超伝導体の照射改質、高温用SiC半導体の中性子転換ドーピング、耐熱セラミックス複合材料の照射損傷機構)、高温放射線化学研究、核融合炉関連研究(固体トリチウム増殖材料の照射下物性)、高温炉内計測(耐熱・耐放射線光ファイパの開発等)の各分野について述べる。現在、新素材についてHTTR照射の具体的計画を策定し、照射準備を行っている。

論文

Japanese contribution to ITER task of irradiation tests on diagnostics components

西谷 健夫; 石塚 悦男; 角田 恒巳; 佐川 尚司; 大山 幸夫; 飯田 敏行*; 杉江 達夫; 野田 健治; 河村 弘; 河西 敏

Fusion Engineering and Design, 42, p.443 - 448, 1998/00

 被引用回数:22 パーセンタイル:82.97(Nuclear Science & Technology)

日本のホームチームが現在実施しているITER計測機器要素の照射試験において、今までに得られた結果を報告する。セラミックス絶縁材については、14MeVの中性子による放射線誘起伝導(RIC)の変化をFNSで測定した。また窓材の放射線誘起発光の絶対測定をFNSで行うと共に、JMTRにおいて窓材の透過率変化の測定を行った。更にモリブデン製の反射鏡の照射試験をJMTRにおいて実施した。その結果反射率の変化はみられなかった。JT-60タイプのボロメータの照射試験を$$^{60}$$Co照射の下で行ったが、100MGyの照射量まで正常に動作することが確認できた。

報告書

Effects of primary recoil (PKA) energy spectrum on radiation damage in FCC metals

岩田 忠夫*; 岩瀬 彰宏

JAERI-Research 97-073, 45 Pages, 1997/10

JAERI-Research-97-073.pdf:1.55MB

本報告は、核融合炉14MeV中性子による材料の照射損傷を既存の放射線源を利用した照射実験から予測するために、いわゆる照射損傷の相互比較の物理的枠組を構築することを目的としている。我々は、照射イオンの種類とエネルギーを大巾に変えて極低温イオン照射実験を行い、欧米での極低温電子線、中性子照射実験の結果も合わせて、この相互比較の物理的枠組の構築に成功した。照射粒子が異なると、反跳原子(PKA)エネルギースペクトルが異なるが、その結果生成される照射損傷を特徴づけるパラメータとしてPKAメディアンエネルギーという量を定義した。従来行われてきた照射損傷のDPA評価から出発する場合、照射粒子の相違によるDPA評価からのずれが、このPKAメディアンエネルギーを尺度として統一的に記述できる。

報告書

Development of displacement cross section set for evaluating radiation damage by neutron irradiation in materials used for fusion reactors

真木 紘一*; 佐藤 聡; 川崎 弘光*

JAERI-Data/Code 97-002, 76 Pages, 1997/02

JAERI-Data-Code-97-002.pdf:2.15MB

照射損傷の代表的指標である弾き出し損傷評価に必要な弾き出し断面積セットを、反応のカイネマティクスを用いて算出した。弾き出し断面積セットに内蔵した核種とエネルギー群構造を核融合炉核計算用群定数セットFUSION-J3と同一とし、それぞれ、40核種、125群と42群の二つのセットを作成した。そのセットを用いて、国際熱核融合実験炉ITERを対象に第一壁中性子フルエンス1MWa/m$$^{2}$$に対して、SS316と銅の弾き出し損傷を算出した結果、それぞれ10dpa、13dpaが得られ、過去に特定材料として評価された結果とほぼ一致している。以上より、運転中の中性子束の計算結果をベースに、弾き出し損傷まで通して評価できる核融合核計算システムを構築した。

論文

核融合炉における核設計

真木 紘一*; 関 泰; 佐藤 聡; 林 克己*

プラズマ・核融合学会誌, 71(10), p.987 - 1001, 1995/10

本講座において、主としてDT燃焼核融合炉を前提として、核設計の主要な項目である、放射線遮蔽設計、ブランケット核設計、誘導放射能の評価法、照射損傷の評価法について、それぞれの課題を明らかにし、その評価方法について述べ、設計例或いは計算例を具体的に述べる。

論文

中性子照射研究の進展; 構造材料の日米共同照射試験

菱沼 章道

プラズマ・核融合学会誌, 70(7), p.719 - 725, 1994/07

混合スペクトル炉HFIRとORRを用いた核融合炉構造材料の日米共同照射実験についてこれまでの経緯と今後の計画等について解説した。上記共同実験は、実験炉の候補材料であるオーステナイト鋼の照射挙動を明らかにし、設計に必要なデータを取得することを目的に1984年に原研-米国エネルギー省間で結ばれた研究協力の一環として実施されている。そこでは核融合炉材料の実験手段として最も有力な中性子エネルギー調整照射実験設備を利用し、これまで多くの有用な実験データを取得し、かつ新しい現象等を見出してきた。今後は実験炉より一段と要求性能が厳しい原型炉以降を対象とする候補材料の探索を目的として、低放射化フェライト鋼や低放射化高性能セラミックス材料などの照射挙動の評価を重点的に行う。

論文

Self-irradiation damage in PuN

岡本 芳浩; 前多 厚; 鈴木 康文

Journal of Nuclear Materials, 206, p.94 - 96, 1993/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:60.96(Materials Science, Multidisciplinary)

Puから$$alpha$$崩壊時に放出される高エネルギー$$alpha$$粒子および反跳ウラン原子によるPuNの自己照射損傷について、格子定数測定により調べた。格子膨張は800日を過ぎて0.254%に達し飽和した。格子定数変化率を$$Delta$$a/a=2.54$$times$$10$$^{-3}$${1-exp(-4.39$$times$$10$$^{-3}$$t)}とし、これを時間あたりではなく$$alpha$$崩壊あたりの値として見た場合同位体組成の異なる過去のPuNの報告とよく一致した。Puの同位体組成が変わっても$$alpha$$崩壊あたりの格子定数変化率$$Delta$$a/aはPuNでは同じになるものと考察した。Nellisにより提案された自己照射損傷のモデルを用いて得られたデータを解析した。その結果、生じた欠陥どうしの相互作用が無視できるほど小さいという結論を得た。

論文

X-ray diffraction studies of self-ion irradiated synthetic single crystal diamond

前田 裕司; 春名 勝次*; B.Lu*; 小野 文久*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 80-81, p.1477 - 1479, 1993/00

 被引用回数:6 パーセンタイル:57.37(Instruments & Instrumentation)

人工ダイヤモンド単結晶をタンデム加速器により、100MeVのCイオンおよび3MeVの電子線で照射を行ない、X線測定を行なった。格子定数は照射量に比例して増加した。X線積分反射強度は著しく増加した。完全に近い結晶では入射X線は結晶内反射を繰り返し反射強度が減少する(消衰効果)。照射により反射強度が増加したことは、形成された欠陥により消衰効果が減少したことで説明できる。

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