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服部 博文*; 佐藤 博; 長野 靖尚*
日本機械学会論文集,B, 70(696), p.1919 - 1926, 2004/08
衝突噴流はよどみ点近傍で高い熱及び物質伝達率が得られるため工業上の広い分野で多用されている。また、衝突噴流は物質・生命科学実験施設に設置される減速材容器の冷却に使用される。そのため、その流動及び伝熱特性を明らかにすることは各種機器の性能を向上させるために重要である。本研究では、平面衝突噴流熱伝達場に着目し、高精度差分法による直接数値シミュレーションを行った。熱伝達場に最も影響する衝突距離をパラメータとして計算を行い、特に局所熱伝達場の第2極大値の出現に対する熱輸送機構を精査した。
麻生 智一; 佐藤 博; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 門出 政則*
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.935 - 944, 2003/07
J-PARCの核破砕ターゲットシステムでは、高い中性子強度・パルス性能を同時に実現できる扁平型構造の非結合型モデレータ、及び、高強度冷中性子ビームを広い立体角すなわち多くの利用者に供給可能な円筒型構造の結合型モデレータを設置する。超臨界水素(1.5MPa,20K)の使用を視野に入れた冷減速材の設計においては、容器構造設計とともに、容器内流動の妥当性を最適化する必要がある。扁平型及び円筒型冷減速材容器に関して、アクリル製の模擬容器を用いた水による可視化流動実験を行い、再循環流や流れの停滞域などの流動場を明らかにした。流動解析結果と実験を比較し、解析コードを検証した。これにより容器構造に対する実機容器内水素の温度分布の予測が精度よく可能となった。
麻生 智一; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
可視化情報学会誌, 22(Suppl.1), p.127 - 130, 2002/07
原研とKEKが共同で進めている大強度陽子加速器計画で中核となる中性子散乱実験施設において、その中性子性能は中性子源である核破砕ターゲットシステムに設置する冷減速材に大きく依存している。特に、冷減速材容器内の液体水素の温度上昇が中性子性能に大きく影響を及ぼすことから、これまで実機構造の扁平型容器についてPIVを用いた流動実験及び解析を通して設計を進め、工学的に成立する見通しを得た。その後、多岐の利用者に冷中性子を供給可能な円筒型容器が提案され、この模擬試験体を製作して容器内流動場を把握するための可視化実験及び解析を実施した。PIVを用いた可視化実験と併せて、衝突噴流部の熱伝達率を測定するとともに、熱流動解析を行って実機減速材における温度分布を評価した。講演ではこれらの実験及び解析結果について報告する
大貫 晃; 加茂 英樹*; 秋本 肇
JAERI-Data/Code 99-038, 108 Pages, 1999/08
受動的安全機器設計を行ううえで重要な二相自然対流現象を詳細に解析するツールを整備するため、報告者が開発した多次元二流体モデルコードACE-3Dを改良した。改良版では、乱流熱流束モデルと熱構造体との連成解析機能を追加し、相変化を伴う熱的に非平衡な流れの解析及び外部との熱交換を伴う体系の解析を可能とした。蒸気が水プール中へ噴出する蒸気噴流の実験データを取得し、そのデータを用いて改良機能を検証した。日本原子力研究所で設計された受動的安全炉JPSRの余熱除去系水プール内の熱流動解析へ適用し、同プールの除熱性能を検討した。その結果、改良したACE-3Dコードにより水プール内の二相自然対流現象を精度よく予測できること、並びにJPSR余熱除去プールの除熱性能の高いことを確認した。
井田 瑞穂*; 加藤 義夫; 中村 秀夫
JAERI-Research 98-022, 46 Pages, 1998/03
1995年2月に開始された国際核融合材料照射施設(IFMIF)設計活動の一環として、凹面壁に沿った液体リチウム(Li)ジェットの特性を、多次元熱流体解析コードFLOW-3Dで調べた。IFMIFは、低放射化、耐照射性核融合材料の試験、開発のため、Liターゲット内での重陽子-Li反応で、高エネルギ(約14MeV)の高中性子束照射場を供する。Liジェットは真空中を高速(≦20m/s)で流れ、重陽子ビームによる発熱(≦10MW)を除去する。絞りノズル出口付近の流れに関する流体解析により、流速分布の変遷を明確にした。凹面壁上ジェット内の静圧の影響を受けたノズル内圧力分布により、流れは表面付近では加速され、壁付近では減速された。その結果は水による模擬実験での測定値と一致した。さらに、ビーム照射領域端付近での3次元的対流による影響を、2次元計算で明確にした。自由表面での温度上昇は熱的不安定を起こさない程度に小であった。
井田 瑞穂*; 加藤 義夫; 中村 秀夫; 前川 洋
JAERI-Research 97-030, 45 Pages, 1997/03
1995年2月に開始された国際核融合材料照射施設(IFMIF)概念設計活動(CDA)の一環として、凹面壁に沿った液体リチウム(Li)ジェットの特性につき、多次元数値解析コードFLOW-3Dを用いて調べた。IFMIFは低放射化、耐照射性核融合材料の試験、開発のために、Liターゲット内での重陽子-Li反応により高エネルギー(約14MeV)で高中性子束の照射場を供する。Liジェットは真空中を高速(≦20m/s)で流れ、強力重陽子ビームの熱(≦10MW)を除去する。IFMIF-CDAにて提案された条件下でのターゲットジェット流に関して2次元の熱流体解析を行い、流れが安定な状態で、自由表面での激しい蒸発やジェット内最高温度位置での気泡生成を避けるために十分な温度余裕が有ることを示した。
加藤 義夫; 中村 秀夫; 井田 瑞穂*; 前川 洋; 勝田 博司; T.Hua*; S.Cevolani*
Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 3, p.1260 - 1267, 1997/00
IFMIF-CDA(国際核融合材料照射施設-概念設計活動:1995.2~1997.2)におけるターゲット系概念設計の概要をターゲット部の熱流体特性に重点を置いて述べた。線型加速器から入射する重陽子ビームは最大40MeV,250mAであり、ターゲットLi中でd-Li反応により14MeV中性子を発生させる。ビームエネルギーはLi中で大部分熱に変換されるため、流体Liターゲットの流速は最高20m/sで、最大10MWの除熱を行う。なおビーム照射領域は縦5cm幅20cmの矩形で熱負荷は最大約0.1MW/cmとなる。自由表面の安定化と内部沸騰の防止を行い、安定な中性子場を提供するために、Liジェット流を曲率半径2.5cmのバックウォールにそわせて流す。このバックウォールは約50dpa/fpy以上の中性子照射損傷を受けると予想されるため、交換可能バックウォールの構造検討を行った。
功刀 資彰; 江里 幸一郎*; 横峯 健彦*; 清水 昭比古*
Fusion Engineering and Design, 28, p.63 - 71, 1995/00
核融合炉における高熱流束負荷機器の除熱研究の一環として、プラズマジェットを熱源とした実験を計画している。特に、実験上大気圧下で作動することを想定しているため、本報では、大気圧アルゴンプラズマジェットを取り上げ、伝熱実験上必要となる狭隘な平行平板間に噴出するアルゴンプラズマの熱流動特性の数値シミュレーションを試みた。流路壁材料としては、原研が提案しているSSTR(Steady State Tokamak Reactor)の候補構造材であるSiCを想定し、このSiC板をプラズマジェットとは逆側から固気混相流で冷却する条件を想定した。シミュレーションは、アルゴンプラズマの非平衡性を考慮した2温度1流体モデル及び電子のマクロ挙動を考慮した西沢モデルを用いて行い、SiC壁の冷却方法によって、プラズマ側の熱伝達特性が著しく変化することを示した。
磯崎 敏邦
JAERI-M 88-077, 106 Pages, 1988/04
この論文は、配管破断によるジェット流の周辺機器構造物に与える力学的ならびに熱的影響を明らかにしたものである。
鈴木 光弘; 熊丸 博滋; 田坂 完二; 岡崎 元昭; 松尾 孝*; 岡田 彰*
JAERI-M 84-245, 153 Pages, 1985/02
軽水炉の冷却材喪失事故等の熱水力挙動を解析するコードにRELAP5コードがある。これまでBWRに設置されているジェットポンプの中の流れを解析するモデルがなく、便宜的にその吸込部に小ポンプを設けるなどの方法を用いていた。ジェットポンプ内の運動量交換および形状の影響をとり入れたモデルを岡崎らが開発したが、本報は実際にこのモデルをRELAP5コードに組み込み、ROSA-III実験解析を行えるように改良し、実験結果と比較することによりモデルの性能を評価したことをまとめたものである。ジェットポンプの流れとエネルギーの特性を表わす指標にM、N値(それぞれ流量比、全圧力の差の比)があるが、本モデルがROSA-III装置のジェットポンプを対象として、定常状態と破断後の過渡状態にも適用でき、この特性をよく表わすことができることを示した。BWRのジェットポンプには更に使用上の工夫、モデルの改良が必要である。
矢野 歳和; 宮崎 則幸; 磯崎 敏邦
日本原子力学会誌, 24(9), p.723 - 733, 1982/00
被引用回数:5 パーセンタイル:53.06(Nuclear Science & Technology)本報は、原子炉一次冷却系の瞬時破断を仮定したときに生じるパイプホイップ運動に関し、PWR・LOCA条件のブローダウン特性と反力を解析し、実験結果と比較したものである。ブローダウン反力は積分形の運動量式を用い、臨界流のとき、出口圧力を臨海圧とし、単相流、均質二相流、分離二相流について反力を求めた。試験体系の熱水力物性値は、ノード・ジャンクション法ではRELAP4/MOD5、特性曲線法はDEPCO-MULTIによる熱流体解析から求めた。その結果(1)水撃の解析は特性曲線法が最適であるが、ノード・ジャンクション法でも可能である。(2)ノード・ジャンクション法はブローダウン反力計算に適する。(3)反力の最大値は、Henry-Fauskeのサブクール臨界流モデルが適する。ジェット反力係数は1.08である。(4)よどみ点圧力を飽和圧力とすると、飽和ブローダウンの反力係数は加圧条件と一致する。(5)反力成分のうち、圧力項と運動量項が支配的である。
矢野 歳和; 宮崎 則幸; 磯崎 敏邦
Nucl.Eng.Des., 75, p.157 - 168, 1982/00
被引用回数:9 パーセンタイル:71.12(Nuclear Science & Technology)本報は原子炉一次冷却系の瞬時破断を仮定した時に生じるパイプホイップ運動に関しPWR・LOCA条件のブロ-ダウン特性と反力を解析し実験結果と比較したものである。ブローダウン反力は積分形の運動量式を用い、臨界流のとき出口圧力を臨界圧とし、単相流、均質二相流、分離二相流について反力を求めた。試験体系の熱水力物理量はノード・ファンクション法ではRELAP4/MOD5,特性曲線法はDEPCO-MULTIによる解析から求め、これから反力を算出した。その結果は(1)水撃の解析は特性曲線法が最適であるが、ノード・ジャンクション法でも可能である。(2)ノード・ジャンクション方はブローダウン反力の計算に有効である。(3)反力の最大値はHenry-Fauskeのサブクール臨界流モデルが適する。ジェット反力係数は1.08である。(4)よどみ点圧力を飽和圧力とすると飽和ブローダウンの反力係数は加圧条件と一致する。(5)反力成分のうち破断直後以外は圧力項と運動量項が支配的である。
鈴木 光弘; 田坂 完二
JAERI-M 8670, 46 Pages, 1980/02
本報は、BWRのLOCA/ECCS現象の模擬試験装置であるROSA-III装置に設置されているジェットポンプの特性について述べたものである。実炉のジェットポンプと異なる点は、ジェットポンプの寸法が小さい事の他に、原子炉を模擬した圧力容器の外側に設置されている事である。この相違点が、実際にLOCA/ECCS現象にどの様な影響を及ぼすかを調べることは、ROSA-III試験にとって重要である。本報の特性試験は常温水(圧力は大気圧~20気圧)の水単相流条件下で、ジェットポンプの正流特性(M-N曲線)と逆流時の流動抵抗を調べ、上記のブローダウン時の特性を調べる上での基礎資料としたものである。試験の結果、実炉のM-N特性には流量が大きい場合に近づくが、低流量時にはその周りにバラツクことがわかった。吐出部から吸込部にかけての逆流抵抗係数も実炉(BWR/6.5ノズル)のジェットポンプの値に近いものである。この他、近似する配管部分の抵抗係数も求めた。