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論文

大強度陽子加速器計画の現状と研究構想

大山 幸夫

日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.183 - 191, 2001/01

原研及び高エネルギー加速器研究機構(KEK)は共同して大強度陽子加速器計画施設の建設を進めている。本計画は、600MeV陽子リニアック,3GeV及び50GeV陽子シンクロトロン加速器群により作り出される陽子ビームを用いて、核変換実験施設,物質・生命科学実験施設(ミュオン実験施設,中性子散乱実験施設),原子核素粒子実験施設,ニュートリノ実験施設の建設を目指している。物質・生命科学実験施設における中性子利用では、減速した熱・冷中性子を用いた飛行時間法による広いQ-W領域における中性子散乱による物性研究・構造生物学研究、また、ミュオン実験では、mSR等ミュオンをプローブとして用いた物性研究等が計画されている。原子核・素粒子実験施設では、K中間子,$$pi$$中間子等の2次ビームを用いて極限状態の原子核やストレンジネスを持つ原子核の研究が行われる。ニュートリノ実験では、現在つくばで行われているK2K実験より百倍強度の高いニュートリノを用いてニュートリノ振動や混合状態の精密測定が期待されている。核変換実験施設では、物理実験施設を用いて未臨界炉心の炉特性実験や制御実験を行うとともに、工学実験施設でターゲット・構造材料に関する照射実験や液体ターゲットシステムの実証試験を行う。

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