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小林 史憲; 神谷 潤一郎; 高橋 博樹; 鈴木 康夫*; 田崎 竜太*
JAEA-Technology 2024-007, 28 Pages, 2024/07
J-PARC LINACにおいて、LINACと3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron: RCS)をつなぐビーム輸送ライン(LINAC to 3GeV RCS Beam Transportation Line: L3BT)を超高真空に保つために、真空システムが整備されている。真空システムはLINAC棟及びL3BT棟に設置されており、真空ポンプ、真空計、ビームラインゲートバルブ(Beam Line Gate Valve: BLGV)等の真空機器により構成され、BLGVにてエリア分けされた区域ごとに管理される。既存真空システムでは、それぞれのエリアごとに真空機器が独立に制御され、隣接するエリアの状態に関わらず真空機器が操作できる。このため、ヒューマンエラーによる誤操作の排除が不可能となっている。また、ビーム輸送ラインの真空悪化が生じた場合、その真空悪化ILK信号がMPS伝送信号経由でBLGVリレーユニットに伝送されることにより、BLGVが強制閉鎖される仕組みとなっている。しかしILK信号伝送範囲がL3BTのすべてのBLGVに及ぶ系になっているため、真空悪化の影響を受けないエリアのBLGVも強制閉鎖される。このことは、不必要な開閉動作がBLGVのメンテナンスの頻度を高くしてしまうといった問題を引き起こす可能性がある。また、BLGVの動作はMPS信号経路を利用して動作させていることから、真空悪化ILK信号での開閉信号がすべてのBLGVに一律に送信することしかできず、各個別制御ができない。さらには、真空制御システムのメンテナンスにおいても、MPS信号経路を絡めた作業が必要になり、真空制御システム単独でメンテナンスすることが難しく作業が煩雑であるという問題もある。このような各種課題を解決するためには、まずエリア相互間の機器の情報や真空圧力を監視可能とすることでヒューマンエラーを排除し、安全性を高くする必要がある。さらに、MPS信号経路を真空システムと分離し、各々のBLGVを個別に自動制御をすることで保守性を改善させる必要がある。そのため、L3BT真空システムの安全かつ効率的な保守と運転維持を考慮した制御を実現することを目的とし、真空システム制御系の再構築を実施した。本報告書は、L3BT真空システム制御系の再構築の詳細とその使用方法について取りまとめたものである。
大川 智宏*; 青 寛幸; 池上 雅紀*
Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.251 - 253, 2005/07
L3BTは、J-PARCのリニアックとRCSをつなぐビーム輸送系である。詳細なビームシミュレーションを実施し、電磁石,デバンチャー,スクレーパ等の各構成機器の仕様を確定し、現在、製作中でまもなく設置が開始される。今回、L3BTのビームシミュレーション結果及び各構成機器の製作状況について報告する。
大川 智宏*; 池上 雅紀*
Proceedings of 2005 Particle Accelerator Conference (PAC '05) (CD-ROM), p.3091 - 3093, 2005/00
L3BTは、J-PARCを構成する加速器の一部で、リニアックとRCSをつなぐビーム輸送系である。今回、空間電荷が支配的な領域での分散関数の取り扱いについて詳細に検討し、ビームエンベロープでの分散関数ではなく、ビーム重心での分散関数を0にする方が良いことを確認した。分散関数の取り扱い方法及びL3BTの入射部分についてのビームシミュレーション結果について報告する。