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枝尾 祐希; 河村 繕範; 星野 毅; 落合 謙太郎
Fusion Engineering and Design, 112, p.480 - 485, 2016/11
被引用回数:7 パーセンタイル:51.66(Nuclear Science & Technology)TBMにおけるトリチウム回収システム設計において、増殖材からのトリチウム放出挙動を把握しておくことが必要であり、トリチウム挙動把握のためにはトリチウムの正確な測定が必要不可欠である。酸化銅と水バブラーを組み合わせたトリチウム捕集法は、酸化銅内で酸化して生じたトリチウム水蒸気が酸化銅に吸着する影響で、トリチウム放出速度が実際よりも遅れて測定されることになるため、中性子照射中のLiTiO
からのトリチウム放出挙動の測定には適していない。そこで、酸化銅の代わりに疎水性触媒を適用することによって吸着の問題を解消し、正確なトリチウム放出挙動の測定を可能にした。トリチウム燃料サイクルの観点からトリチウムを水素状で回収することが望まれているため、様々なスイープガス条件における中性子照射中のLi
TiO
からのトリチウム放出特性を調べ、トリチウムが水素状で放出するための条件を評価した。トリチウムを速やかに放出させるためにはLi
TiO
表面の同位体交換反応を促進させる必要で、水素状トリチウムとして放出させるにはスイープガス中に水素を添加することが必須であり、Li
TiO
の温度がトリチウムの放出化学形を決める支配的要因であることが示された。
中沢 哲也; 内藤 明*; 有賀 武夫; Grismanovs, V.*; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1398 - 1403, 2007/08
被引用回数:45 パーセンタイル:92.82(Materials Science, Multidisciplinary)高エネルギーXeイオンを照射したLiTiO
の構造変化をラマン分光法を用いて調べた。Li
TiO
のラマン信号強度が照射により減少した。ラマン信号強度の減少は構造単位(TiO
, LiO
, LiO
)におけるTiやLi周辺の酸素原子の配置に関する秩序の消失、すなわち無秩序化に起因している。このような構造単位の無秩序化は照射量や電子的エネルギー付与量より電子的阻止能と密接に関連していることが示された。
土谷 邦彦; 河村 弘; 田中 知*
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1065 - 1069, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:59.17(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットには、燃料であるトリチウムを造るためにリチウム含有セラミックスが微小球形状(直径0.32mm)として充填される。この微小球の各種特性(物理・化学的特性,熱的特性,機械的特性,照射特性等)を把握することは、ブランケットを設計するうえで必要不可欠である。このため、ヘルツの公式を用いて、YTZ(高強度ジルコニア)ボール及びLi
TiO
微小球の接触応力を求め、微小球の圧潰特性を評価した。直径の異なるYTZボールの最大接触圧力の評価を行った結果、球面と半無限平板の接触として取扱うことにより、セラミックス材料でも本公式で評価可能であることがわかった。次に、リチウム含有セラミックスである理論密度80
85%TDの直径の異なるLi
TiO
微小球を評価した結果、接触応力は約6,000
8,000N/mm
の範囲であり、微小球直径にかかわらず、ほぼ一定であることがわかった。また、製造法の異なるカナダ製Li
TiO
微小球の最大接触圧力も同じであること,
Li同位体比の違いによる最大接触圧力の違いもないこと等が明らかになった。
鈴木 哲; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 廣瀬 貴規; 林 君夫; 谷川 尚; 落合 謙太郎; 西谷 健夫; 飛田 健次; 秋場 真人
Nuclear Fusion, 46(2), p.285 - 290, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:10.40(Physics, Fluids & Plasmas)原研におけるITER用水冷固体増殖方式テストブランケット・モジュール(TBM)に関する要素技術開発の最新の成果について報告する。TBMの製作技術開発に関しては、低放射化フェライト鋼F82HのHIP成型時の結晶粒の粗大化対策として成形後の熱処理法を改善し、1150Cでの均質化後に930
Cで焼きならしを行うことによって十分な細粒を得ることができた。第1壁アーマ接合技術開発に関しては、F82H基板にタングステンアーマを固相接合法の1つである熱間単軸圧縮を適用することにより、直接接合可能なことを明らかにした。また、F82H製第1壁試験体の熱疲労試験を行い、ITERダイバータと同様の疲労寿命評価法が適用可能であることを示した。一方、増殖材開発に関しては、Li
TiO
ペブルの圧縮荷重下における有効熱伝導率測定装置を開発し、その測定を実施した。原研におけるTBM開発は上記のような要素的な研究開発の進捗により、製作技術開発や設計データの取得が完了し、今後、工学規模の技術開発を展開する段階に到達した。
土谷 邦彦; 河村 弘; Casadio, S.*; Alvani, C.*
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.877 - 880, 2005/11
被引用回数:26 パーセンタイル:83.41(Nuclear Science & Technology)チタン酸リチウム(LiTiO
)微小球が、日本及び欧州の核融合炉用ブランケット設計に提案されている。Li
TiO
微小球の製造に関して、低コスト大量製造,リチウムの再利用の観点から湿式法やゾルゲル法が有望である。これまで、直接湿式法によるLi
TiO
微小球の予備製造試験を行い、微小球の焼結密度は80-85%T.D.に達したものの、結晶粒径及び真球度は満足したものではなかった。このため、Li
TiO
の溶解や凝固剤中への滴下効果及びゲル球の乾燥や焼結の効果を調べた。溶解試験では、2種類の30%-H
O
及び30%-H
O
+C
H
O
とも、溶解温度を60-100
Cにすることにより、溶解率は97%以上であった。これらの溶解液を濃縮し、凝固剤として用いたアセトン中に滴下した結果、30%-H
O
+C
H
O
で溶解した溶液を用い、25
Cのアセトン中に滴下した時、ゲル球が生成することがわかった。TG-DTA分析及びX線回折の結果、600
Cまでに4つのピークが観察されるとともに、得られた物質はLi
TiO
であることが明らかになった。
Olivares, R.*; 小田 卓司*; 大矢 恭久*; 田中 知*; 土谷 邦彦
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.765 - 768, 2005/11
被引用回数:9 パーセンタイル:52.06(Nuclear Science & Technology)チタン酸リチウム(LiTiO
)は、核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材の第1候補材として有望視されている。Li
TiO
からのトリチウム放出挙動を把握するため、表面における水素同位体の状態や水分の吸脱着特性を明らかにする必要がある。このため、Li
TiO
表面での水分吸脱着特性,水素同位体の化学状態及び表面の酸化還元状態を調べた。その結果、前処理を施していない試料に対してArスパッタリングを行ったLi
TiO
表面は、LiとOが選択的にスパッタされ、Li組成比の減少,Ti
のTi
への還元が観察された。その後の加熱実験では、473K以上の温度からTiの酸化及びLi空孔の回復が起こり、673Kで完全になる。一方、加熱後の水蒸気曝露により、水は解離吸着した。以上より、Li
TiO
表面のLi及びOの空孔は、H
Oの吸着を起こすこと、Li
TiO
表面はTiO
に近い状態であることがわかった。
土谷 邦彦; 河村 弘; 高山 智生*; 加藤 茂*
Journal of Nuclear Materials, 345(2-3), p.239 - 244, 2005/10
被引用回数:39 パーセンタイル:90.90(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ブランケットで用いられるトリチウム増殖材として、取扱いの容易さ,トリチウム放出特性等の観点からリチウムタイタネイト(LiTiO
)微小球が有望視されている。一方、微小球充填率の向上等から、大小2種類の直径を有するLi
TiO
微小球が求められている。そのため、間接湿式法のうち、脱水型ゲル化法及び置換型ゲル化法を考案し、Li
TiO
微小球の製造試験を行った。その結果、焼結後の微小球の直径を
0.2
2.0mmに制御することができた。また、製造目標値である焼結密度80
85%T.D.及び結晶粒径5
m以下であるとともに、化学形,化学分析値等の特性も十分満足できる結果となった。以上より、JMTRで実施する照射試験用Li
TiO
微小球の製造に見通しが得られた。
Alvani, C.*; Casadio, S.*; Contini, V.*; Giorgi, R.*; Mancini, M. R.*; 土谷 邦彦; 河村 弘
JAERI-Review 2005-024, 28 Pages, 2005/07
本報告書は、国際エネルギー機関(IEA)の「核融合炉工学に関する協力研究協定」に基づいて実施した固体増殖ブランケット開発に関するサブタスクグループの成果をレビューした報告書である。このサブタスクグループ(タスクF及びWG-F)は、欧州と日本の間で2000年から2004年に行われ、熱化学環境下での水素とチタン酸リチウム(LiTiO
)との反応におけるリチウム減損効果について研究を行った。
土谷 邦彦; 河村 弘; 中道 勝*; 佐川 尚司
JAERI-Tech 2005-013, 56 Pages, 2005/03
核融合炉ブランケットを設計するためには、微小球を用いたブランケット構造体の中性子照射試験に関する工学的データが必要不可欠である。工学的データのうち、トリチウム生成・放出特性は、最も重要なデータの1つである。このため、トリチウム増殖材の候補材であるチタン酸リチウム(LiTiO
)微小球からのトリチウム生成・放出試験をJMTRを用いて行い、トリチウム放出特性に対するスイープガス流量,照射温度,スイープガス中の水素添加量等の効果について調べた。本試験において、100
140
CでLi
TiO
微小球からの生成トリチウムの放出が始まり、照射温度の上昇とともにトリチウム放出量が増加した。また、トリチウム放出は、定常状態ではスイープガス流量に影響されないこと、及びスイープガス中の水素添加量に影響されることがわかった。なお、本報告書は、ITER工学設計報告書に対して補筆を行ったものである。
池島 義昭; 石田 卓也*; 土谷 邦彦; 冨田 健司; 海老沢 博幸; 馬籠 博克; 中道 勝*; 北島 敏雄; 河村 弘
JAERI-Tech 2005-005, 37 Pages, 2005/02
JMTRを照射場として、トリチウム増殖材(LiTiO
)微小球充填体を装荷した照射試験体を用いた第1期照射試験(ORIENT-I,JMTRキャプセル名:96M-37J)の終了に伴い、JMTR炉心からの照射済試験体の取出方法の検討及び取出試験を行った。本報告書は、Li
TiO
微小球充填体を装荷した照射済試験体の取出しに備えて行った、トリチウム除去及びトリチウム脱離に関する特性試験及び作業者の内部被ばくに関する試験前評価の結果、並びに、照射済試験体の取出し実績及びそこから得られた知見についてまとめたものである。
土谷 邦彦; 菊川 明広*; 星野 毅; 中道 勝; 山田 弘一*; 八巻 大樹; 榎枝 幹男; 石塚 悦男; 河村 弘; 伊藤 治彦; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1248 - 1251, 2004/08
被引用回数:10 パーセンタイル:54.94(Materials Science, Multidisciplinary)チタン酸リチウム(LiTiO
)は、核融合炉ブランケットで用いるトリチウム増殖材料の有望な候補材の1つである。大小2種類(直径2mm及び0.3mm)のLi
TiO
微小球を混合充填した充填体を中性子パルス運転が模擬できる照射試験体に装荷し、中性子吸収体を回転させた後一定出力とした時と、中性子吸収体を一定間隔でパルス運転した時のトリチウム生成回収特性を調べるための照射試験をJMTRを用いて行った。その結果、R/G(トリチウム回収率との生成率の比)はパルス運転に伴って、波を描きながら増加したが、マクロ的なトリチウム生成回収挙動は一定出力運転させたものと時定数がほとんど変わらないことがわかった。この原因は、トリチウム回収速度の時定数がパルスの周期より十分長いためで、パルス運転の影響はほとんどないことに起因しているものと考えられる。
Ryan, O.*; 小田 卓司*; 大矢 恭久*; 田中 知*; 土谷 邦彦
JAERI-Conf 2004-012, p.136 - 139, 2004/07
チタン酸リチウム(LiTiO
)は、核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材の第1候補材として有望視されている。Li
TiO
からのトリチウム放出挙動を把握するため、表面における水素同位体の状態や水分の吸脱着特性を明らかにする必要がある。このため、光電子分光法(XPS, UPS)及び赤外分光法(FT-IR)を用いて、Li
TiO
表面での水分吸脱着特性,水素同位体の化学状態及び表面の酸化還元状態を調べた。その結果、前処理を施していない試料に対してArスパッタリングを行ったLi
TiO
表面は、Li, O, Tiの順に選択的にスパッタされ、Li組成比の減少,Ti
のTi
への還元が観察された。その後の加熱実験では、400
C付近でTiの酸化,Li組成比の増加,-OHの消滅が見られ、Li
TiO
の価電子構造はTiO
に近い状態になった。加熱後の水蒸気曝露により、水は解離吸着したが、LiOH相は形成されなかった。
星野 毅; 小林 剛*; 梨本 誠*; 河村 弘; 土器屋 正之*; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*; 高橋 洋一*
JAERI-Conf 2004-012, p.140 - 147, 2004/07
チタン酸リチウム(LiTiO
)は、良好なトリチウム回収特性等の観点より、核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材料として期待されている。核融合炉で発生した熱はブランケット内の冷却材へ伝達されることから、トリチウム増殖材料の熱物性を把握することは、核融合炉の設計に必要不可欠である。しかしながら、高温保持による粒成長抑制の面からLi
O/TiO
の組成比を変化させたLi
TiO
の使用が検討されているが、この組成の熱容量,熱伝導率等は、正確に確立されていない。本研究では、Li
TiO
について、Li
O/TiO
の組成比(1.00
0.80)による熱物性への影響について調べた。1100Kまでの熱伝導率を評価した結果、Li
O/TiO
の組成比の減少とともに熱伝導率が低くなること,700K以上では熱伝導率が理論式から算出した値よりも小さくなることを明らかにした。また、熱天秤を用いた重量変化測定及びX線回折により、Li
O/TiO
比の減少とともに不定比性化合物へと変化すること,Li
Ti
O
の第2相が生成することがわかり、この構造変化がLi
TiO
の熱物性データに大きく影響を与えることを解明した。
土谷 邦彦; 星野 毅; 河村 弘; 高山 智生*
Journal of the Ceramic Society of Japan, Supplement, Vol.112, No.1 (CD-ROM), p.S183 - S186, 2004/05
核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材料としてチタン酸リチウム(LiTiO
)微小球が、良好なトリチウム回収性,化学的安定性の観点から、候補材料として注目されている。核融合炉ブランケット開発の一環として、材料試験炉を用いたLi
TiO
微小球の照射試験を計画している。そのため、湿式法により
Li濃縮Li
TiO
微小球を製作するとともに、その特性評価を行った。その結果、本法により、ほぼ同じ微細構造(焼結密度,結晶粒径等)を有するTiO
添加Li
TiO
微小球と無添加Li
TiO
微小球が開発でき、その真球度は1.1以下であった。また、製作した
Li濃縮Li
TiO
微小球について、水素還元速度,圧壊強度等の化学的特性や機械的特性を評価した。
星野 毅; 小林 剛*; 梨本 誠*; 河村 弘; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*; 高橋 洋一*
Journal of the Ceramic Society of Japan, Supplement, Vol.112, No.1 (CD-ROM), p.S354 - S357, 2004/05
チタン酸リチウム(LiTiO
)は、良好なトリチウム回収特性等の観点から、核融合炉ブランケット用トリチウム増殖材料として期待されている。しかし、Li
TiO
は不定比構造を持つため、熱物性データに影響を与えると思われるが、これまでに報告されている熱容量や熱伝導率などの測定値は、研究者により異なり確立されていない。本研究では、Li
O/TiO
の組成比を変化させて作成したLi
TiO
について、レーザーフラッシュ法により1100Kまでの熱物性を測定し、不定比構造による熱物性への影響について比較検討を行った。Li
TiO
の熱伝導率は、Li
O/TiO
比の減少とともに不定比性化合物へと変化することや、Li
Ti
O
の第2相が生成することの影響で低下することがわかった。また、熱伝導率の温度依存性は700Kを境に、理論式から算出した値と明らかな差異が見られ、高温X線回折により格子定数の変化が熱伝導率の温度依存性に大きな影響を与えていることを解明した。
中道 勝; 河村 弘; 内田 宗範*
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.257 - 261, 2003/09
被引用回数:10 パーセンタイル:52.55(Nuclear Science & Technology)ベリリウム金属間化合物は、高温下における機械的特性,高温水との両立性等の観点から、核融合原型炉での中性子増倍材料として有望視されている。原型炉ブランケットの設計では、トリチウム増殖比向上の観点から、中性子増倍材料とトリチウム増殖材料の微小球を混合充填することが考えられているが、この場合、中性子増倍材料とトリチウム増殖材が互いに接触するため、これらの両立性を評価することが必要不可欠である。そこでベリリウム金属間化合物(BeTi)とトリチウム増殖材料(Li
TiO
)との両立性試験とあわせて、比較のため金属ベリリウム(Be)とLi
TiO
との両立性試験を実施した。その結果、Beの場合にはLi
TiO
からBe中へのLiの拡散が認められたが、Be
TiではLiの拡散が認められなかった。本結果から、Be
TiはBeよりもLi
TiO
との両立性に優れていることを明らかにした。
秦野 歳久; 榎枝 幹男; 鈴木 哲; 古作 泰雄; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 44(1), p.94 - 98, 2003/07
被引用回数:28 パーセンタイル:84.52(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットの開発において、微小球充填層の有効熱伝導度を少ない試料体積で精度良く測定する方法として熱線法を採用し、各種候補増殖材微小球についての系統的なデータを取得してきた。試料には候補増殖材であるLiTiO
を用い、充填層として直径2mmのみの微小球充填層と、それに直径0.3mm以下を加えた微小球の混合充填層について有効熱伝導度を測定した。圧縮荷重がない場合一次球充填層に対して混合充填層の熱伝導度は上昇し、それらはSZB式と精度良く一致することを確認した。さらに、ピストンにより充填層に荷重を加えて熱伝導度を測定すると歪に対する熱伝導度の傾きが一定で歪1%につき0.035W/mK増加する結果が得られた。これより原型炉ブランケットの増殖材として有望なLi
TiO
について微小球充填層の有効熱伝導率を測定し、混合充填と荷重の及ぼす影響を初めて明らかにした。
中沢 哲也; Grismanovs, V.*; 八巻 大樹; 片野 吉男*; 有賀 武夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.166 - 170, 2003/05
被引用回数:33 パーセンタイル:87.57(Instruments & Instrumentation)高エネルギー酸素イオン照射したLiTiO
の結晶構造及び化学状態等の変化をラマン分,X線回折及び走査型電子顕微鏡(SEM)で調べた。ラマン分光分析からは化学構造の際だった変化は観察されなかった。一方、X線回折からは1.2E+19 ions/m
までの照射で(002)の回折ピークの減少が他のピークと比較して著しいことが観察された。この結果はLi原子とTi原子の部分的なミキシングが照射によって引き起こされていることを示している。このような照射によるミキシングに起因した無秩序化への移行が表面層での粒構造の消失としてSEMによっても観察された。
柳 義彦*; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-046, 45 Pages, 2002/05
ITER増殖ブランケットにおいて熱サイクルで誘起されるペブル充填層と増殖管との熱機械的相互作用を評価するため、模擬試験体を製作し熱サイクル試験を実施した。ペブル充填層の熱挙動は、ぺブル間ですべりを生じるなどの粒子充填層での複雑な機械挙動により、解析で予測するのは困難である。そのため、実機ITER のBIT(Breeder Inside Tube)設計を模擬した試験体を設計し、熱サイクルによる構造健全性を実証した。増殖材としてLiTiO
ぺブルを増殖管に充填し、中性子増倍材であるBe の模擬材としてAl ペブルを用いた。加熱試験では、増殖管の中心に配したヒータにて、増殖材Li
TiO
を加熱し外部を常温の水で冷却し、増殖材の温度はヒータの出力で制御した。昇温、降温を繰り返す熱サイクル試験の後、X 線-CT 装置を用いて試験体の断層寸法を観察した。試験の結果、ヒータの最高温度600
Cで5 回の熱サイクル試験後においても充填率の顕著な変化は観察されなかった。また、管の膨れやペブルの割れも観察されなかった。以上の結果から、増殖管と増殖ペブル充填層の熱サイクルに対する機械的健全性を確認した。
長尾 美春; 中道 勝; 土谷 邦彦; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.673 - 678, 2001/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットのトリチウム増殖材の候補であるリチウムタイタネイト微小球充填体の中性子照射下での温度及びトリチウム放出特性を評価するため、インパイルモックアップによる炉内照射試験をJMTRを用いて行った。本照射試験は、世界で初めて数百g規模の充填体を用いるため、従来の数g規模の照射試験とは異なり、温度分布の評価が重要となる。そのため、充填体内に熱電対を計33個計装して、照射試験炉の内部温度分布測定を行った。また、中性子及び線分布を求めるための核特性解析には連続エネルギーモンテカルロコードMCNPを用い、その結果得られた試験体内の発熱分布に基づき3次元温度計算コードTRUMPを用いた熱解析を行った。その結果、温度分布の計算値は熱電対による測定値と一致し、本解析手法は核融合炉ブランケット照射試験体の設計に十分有効であることがわかった。