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岩澤 譲; 松本 俊慶; 森山 清史*
JAEA-Data/Code 2025-001, 199 Pages, 2025/06
水蒸気爆発では、揮発性を有する低温の液体に高温の液体が接触した場合に高温の液体から低温の液体への急激な熱伝達により、高温の液体の細粒化と低温の液体の爆発的な相変化が連鎖的に発生する。爆発的な相変化により発生する衝撃波は低温の液体の内部を伝播する。衝撃波の伝播に伴い高温の液体と低温の液体の混合物が膨張することにより、周囲に存在する構造体に機械的な負荷を与える可能性がある。軽水炉のシビアアクシデントでは、原子炉格納容器へ移行した溶融炉心(溶融物)と冷却水との相互作用に起因して発生する水蒸気爆発が原子炉格納容器の健全性に対する脅威となることが想定される。このことから、水蒸気爆発の発生が周囲に存在する構造体へ与える機械的な負荷を評価することが安全評価の観点から重要となる。原子力機構では、実際の原子炉にて発生した水蒸気爆発が周囲に存在する構造体へ与える機械的な負荷を評価することを目的としてJASMINEコードを開発した。機構論的な手法を取り入れることにより、JASMINEコードは水蒸気爆発を数値解析上で取り扱うことができる。本書はJASMINEコードに採用されている基礎方程式、数値解法及び数値解析例を記載した取扱説明書である。本書に記載した数値解析例を参照することにより、JASMINEコードによる数値解析で得られた結果を検証できるように配慮した。入力条件の作成方法、コードの実行手順及び補助ツールの使用方法を記載することにより、JASMINEコードを用いた数値解析を実践できるよう配慮した。本書は「水蒸気爆発解析コードJASMINE v.3ユーザーズガイド(JAEA-Data/Code 2008-014)」の改訂版である。公開されているJASMINE 3.3bの軽微な不具合の修正に加えて、UNIX 系システムで広く使用されているGNU コンパイラー等に適合するための修正を施した最新版を JASMINE 3.3cとした。改訂版は、新規に公開される JASMINE 3.3cによる数値解析の結果に基づき作成されているために、掲載されている数値解析の結果を再現できる。数値解析の実施に際しては、既存研究により提案されている調整係数の決定方法を採用した。
勝村 庸介*; 高木 純一*; 宮原 直哉*; 内田 俊介*; 駒 義和; 唐澤 英年; 三輪 周平; 佐藤 志彦; 永井 晴康; 倉田 正輝; et al.
日本原子力学会誌ATOMO
, 67(2), p.128 - 132, 2025/02
本研究専門委員会では、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)事故後の核分裂生成物(FP)挙動を予測可能な技術に高めて廃炉作業に貢献することと、1F事故進展事象の把握で得られた情報をソースターム(ST)の予測技術の向上に反映させ、原子炉安全の一層の向上に繋げることを目標とした活動を実施している。最初の2年間は、1F廃炉における燃料デブリやFP挙動の予測、およびST予測精度向上に必要な、今後取り組むべき技術課題を摘出した。2023年度からは、本専門委員会を延長し、取り組むべき技術課題に対応した3つのワーキンググループを結成し、技術課題の解決に向けた検討を進めている。本報告では2023年度の活動での検討内容について報告する。
勝村 庸介*; 高木 純一*; 細見 憲治*; 宮原 直哉*; 駒 義和; 井元 純平; 唐澤 英年; 三輪 周平; 塩津 弘之; 日高 昭秀*; et al.
日本原子力学会誌ATOMO
, 65(11), p.674 - 679, 2023/11
本委員会では、東京電力ホールディングス株式会社(東電)福島第一原子力発電所(1F)事故後の 核分裂生成物(FP)挙動を予測可能な技術に高めて廃炉作業に貢献することと、1F事故進展事象の把握で得られた情報をソースターム(ST)の予測技術の向上に反映させ、原子炉安全の一層の向上に繋げることを目標とした活動を実施している。この2年間では、これまでの12年間の1F実機調査や1F関連研究で得られた情報を調査し、1F廃炉における燃料デブリやFP挙動の予測、及びST予測精度向上に必要な課題として「FPの量・物質収支と化学形態」「サンプリング目的とデータ活用」「環境への移行経路」を摘出した。今後、これらの課題の解決に向けた道筋の議論を進める。
平成29年度)安全研究・防災支援部門 安全研究センター
JAEA-Review 2018-022, 201 Pages, 2019/01
日本原子力研究開発機構安全研究・防災支援部門安全研究センターでは、国が定める中長期目標に基づき、原子力安全規制行政への技術的支援及びそのための安全研究を行っている。本報告書は、安全研究センターの研究体制・組織及び国内外機関との研究協力の概要とともに、安全研究センターで実施している9つの研究分野((1)シビアアクシデント評価、(2)放射線安全・防災、(3)軽水炉燃料の安全性、(4)軽水炉の事故時熱水力挙動、(5)材料劣化・構造健全性、(6)核燃料サイクル施設の安全性、(7)臨界安全管理、(8)放射性廃棄物管理の安全性、(9)保障措置)について、平成27年度
平成29年度の活動状況及び研究成果を取りまとめたものである。
秋本 肇
混相流, 10(4), p.360 - 363, 1996/00
本報告は、軽水炉プラントに関する研究開発のなかで、この10年間における混相流技術に関連した分野の動向を概観したものである。安全性研究、熱水力解析コードの改良、原子炉機器の改良、新型軽水炉の設計などのさまざまな分野で混相流技術に関連した研究が行われた。今後の軽水炉開発にとり、安全性と経済性の更なる向上が最重要課題であろう。シビアアクシデント時の現象の把握と解析手法の開発、受動的安全設備の設計の最適化及び信頼性の検証など多くの分野で混相流技術にかかわる課題の解説が要請されている。また、機器開発や設計の効率化のために、詳細な二相流解析を実験に先だって実施して解析的に設計の最適化を進める傾向が強くなると思われる。複雑な混相流挙動を解析的に評価するための詳細解析技術の構築と検証データを取得するための測定技術開発の重要性が一層増している。
村尾 良夫
Proc. of 11th KAIF/KNS Annual Conf., 0, p.587 - 596, 1996/00
原研では、人に優しい将来型軽水炉として、運転保守を容易にし安全性を向上させた原研型受動的安全炉JPSRの概念検討を進めてきた。JPSRでは、減速材密度反応度係数を負の大なる値にすることにより、貫流型蒸気発生器の給水量制御により生ずる除熱量の変化によって冷却材温度が変化し、炉心出力が追従する。この炉心出力の炉物理固有除熱追従性を得るために、ケミカルシムを廃止し、多数の圧力容器内蔵型制御棒駆動機構を採用している。工学的安全設備は、受動的作動原理を採用しており、原子炉一次系に付加した崩壊熱除去熱交換器からの熱を大型水プールに伝え、その水プールを自然循環ループにより格納容器外に伝え、空気冷却器で大気に放熱している。冷却材喪失時には、崩壊熱除去熱交換器により冷却材を冷却減圧させ、蓄圧注入タンク、大型水プールの水を一次系に注入する。このJPSRの安全上の特徴を述べる。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 渡辺 博典
Transactions of the American Nuclear Society, 69, p.539 - 540, 1993/00
環境問題から原子力エネルギーへのなお一層の依存が予想される将来の世界に対して、原研では、保守を容易にし安全性を向上させた受動的安全炉の概念検討を進めている。先ず、炉心出力の炉物理的固有除熱追従性を持たせるには、減速材密度反応度係数を負の大なる値にするとともに、ドップラー反応度係数を負の小さい値にする必要がある。そのため、ケミカルシムを廃止するとともに、炉心線出力密度を低くすることにした。ケミカルシム廃止により制御棒数を増加する必要があり、圧力容器内蔵型制御棒駆動機構を採用した。一方、タービン入口蒸気温度の許容変動は小であるので、炉心核特性との熱水力的整合性をとるために、過熱蒸気領域を長くした貫流型蒸気発生器を採用した。その他、工学的安全設備の受動化とシステム簡素化を行い、保守が簡単であり、かつ、安全性を向上させた受動的安全炉の概念をまとめた。
新型炉検討特別チーム
JAERI-M 89-208, 322 Pages, 1989/12
1100MWtのSPWR2基を一つの炉建屋に収容した700MWeの発電プラントの概念設計を行い、プラント全体にわたり実現性評価を含む統合的な検討を行った。即ち、炉本体(炉容器、主循環ポンプ、蒸気発生器、ポイズンタンク、等)、炉心・燃料、プラント主要系統、補助系統、制御系統に、炉特性(炉心核特性、動特性)解析を行った。また、SPWRを特徴づけるポイズンタンク上部インターフェースとしての水圧作動弁については、1/2モデルの弁を試作して基礎試験を実施し、その実現性を確認した。
村尾 良夫
伝熱研究, 26(101), p.101 - 119, 1987/00
軽水炉安全解析においては、初期に既存の知識と保守的な仮定を組合せた解析手法から、徐々に実験的な裏付けのある解析手法が用いられるようになってきた。このため、多くの実験、複雑な伝熱数値シミュレーション手法の開発が行われてきた。その結果、軽水炉の安全性に関する高精度の伝熱数値シミュレーションの実現も期待されるようになってきた。本稿では、その間の経過と再冠水現象の最適予測モデルの開発の実際ならびに最適予測コードの本命の1つであるTRAC-PF1の問題点について述べ、最後に、今後の課題を述べている。
ペレットの加熱による炉外EP放出実験石渡 名澄; 永井 斉
JAERI-M 85-199, 16 Pages, 1985/12
LWRの燃料損傷事故条件下での燃料からのFP放出割合については、NUREG-0772において貝体的な数値データが提出された。上出の数値データを評価するため、相対的に小規模の実験装置を用いる測定方法を開発した。1500
C以上の温度範囲において、燃料からのFPのCsの放出割合は相対的に大きいので、高周波誘導加熱炉を含む実験装置を用いて、照射済みUO
ペレットからの

Csの放出割合を測定した。照射済みUO
ペレットはNSRR及びJMTR-RABBITを用いて製作した。加熱実験において、

Csの放出割合は、NSRR照射のペレットでは0.51(Ar、12.2分加熱、1500~2080
C)、RABBIT照射のペレットでは、それぞれに0.63、0.59、0.81及び0.78(Ar、10.7分加熱、1500~1740
C;Ar、32.8分加熱、1500~2255
C;Ar+蒸気、22.0分加熱、1500~2230
C;Ar+蒸気+H
、14.0分加熱、1500~2030
C)であった。
石渡 名澄; 山本 克宗; 永井 斉; 広田 徳造; 伊丹 宏治; 都甲 泰正*
JAERI-M 9792, 27 Pages, 1981/11
この報告書は、軽水炉燃料のためのFP放出実験データ集の第3報である。報告書には、第8回FP放出実験の結果の1部分および第9回FP放出実験の結果が記載され、その内容は、第9回実験の照射用燃料棒および吊り下げ棒付き照射用燃料棒の外観、JMTRとOWL-1の運転条件、実験期間中のループ1次冷却水中のI-131とCs-137のレベル変動、そして第8回と第9回の両実験に用いた各燃料棒の照射後試験の記録写真から構成されている。
藤木 和男; 浅香 英明
JAERI-M 9398, 147 Pages, 1981/03
原研安全解析部原子炉データ解析室で実施された、原子力船「むつ」原子炉の過渡変化解析(安全評価解析)の結果について記述したものであり、日本原子力船開発事業団の了承を得て発表するものである。解析項目は、「1次冷却材流量の部分喪失」他計8項目で、そのほとんどは、いわゆるOperational Transientに属するものである。解析の目的は「むつ」原子炉の安全性を証明すると同時にRETRANその他のコードによる軽水炉過渡解析上の手法を確立することである。TMI事故以来、原子力プラントの各種過渡解析の重要性が認識されているが、本解析を通じて少なくともPWRに関する解析手法上有用な知見が得られた。解析結果によれば、8項目の過渡変化においては1次系圧力は139.4kg/cm
G以下、また最小DNBRは2.06以上で安全評価上の基準値に対して十分な余裕のあることが示された。
ペレットからのXe-137とI-137の放出石渡 名澄; 永井 斉
日本原子力学会誌, 23(11), p.843 - 850, 1981/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)反応度送入事故条件下の酸化物燃料よりのFP(主にゼノン,よう素)の放出挙動を明らかにするため、種々の軽水炉燃料をNSRRにおいて照射した後、照射燃料試料系中のCs-137を測定した。NSRR照射に依ってUO
ペレット中に生成したFP(主にゼノン-137,よう素-137)は、UO
の蒸発と相関しつつペレット外に放出された。ここでUO
の蒸発は、固体UO
から昇華した部分および飛散した溶融UO
から蒸発した部分を含めている。350cal/g・UO
以上の発熱量において、蒸発は相当量に達した。
石渡 名澄; 山本 克宗; 永井 斉; 中崎 長三郎; 武田 常夫; 伊丹 宏治; 林 清純*; 都甲 泰正*
JAERI-M 8332, 110 Pages, 1979/07
この報告書は、軽水炉燃料のためのFP放出実験データ集の第2報である。第3回から第7回まで、5回のFP放出実験の結果を記載した。報告書の内容として、燃料ペレットの仕様と形状を含む使用前検査の結果、照射用燃料試料の構成部品および組立状況の概観、JMTRとOWL-1の運転条件、ループ冷却水中のよう素131レベルの経時変化、そして照射済み燃料試料の照射後試験データの一部分が含まれている。
村尾 良夫; 井口 正; 須藤 高史; 数土 幸夫; 杉本 純; 新妻 泰; 平野 見明
JAERI-M 7383, 81 Pages, 1977/12
この実験報告書は、1977年3月から4月にかけて行われたシリーズ5実験の結果をまとめたものである。シリーズ5実験の目的は、(1)ステップ状流量可変方式による低冠水速度でのクエンチ特性の測定、(2)定常状態での炉心内差圧の測定、(3)炉心入口抵抗が小なる時のシステム振動特性の測定にある。 実験の結果次のことが明らかとなった。 (1)低冠水速度のクエンチ特性は、シリーズ4実験のシステム効果実験におけるクエンチ特性と類似している。 (2)炉心内のポイド率は、既存の二相流相関式による予測値よりも小であり、実験より得られた中央部での関係により全区間の定常状態のポイド率が予測できること。 (3)システムの振動は、入口流量変化による蒸気発生量の変化により生ずることがわかったが、定量的な予測はできなかった。
杉本 純
JAERI-M 6985, 36 Pages, 1977/03
再冠水実験における発熱体表面温度測定用の熱電対の取付法について検討した。再冠水実験で従来用いられてきた取付法は、クエンチ時刻を正しく評価できない可能性があったので、各種の熱電対取付法をテストし、好ましい取付法を見い出し、再冠水実験に使用することを提案した。
村尾 良夫; 須藤 高史
JAERI-M 6984, 39 Pages, 1977/03
外側加速の石英管を用いた再冠水実験の観察結果にもとづいて、次の炉底冠水時三種のクエンチ様式を提案した。1)液柱型、2)ドライアウト型、3)液滴再付着型、Blairのクエンチ速度の式、液体の過熱限界の近似式、クエンチ点上流の熱伝達は局所サブクール度の関数であるという仮定ならびにPWR-FLECHT実験データを用いて、液柱型、ドライアウト型のクエンチ速度式が導かれた。又、液滴再付着型クエンチ温度が導かれた。これらの関係は、PWR-FLECHTグループ1実験、Piggott and Porthouseの実験と比較され、かなり良い一致が見い出された。
井口 正; 村尾 良夫; 須藤 高史; 数土 幸夫; 杉本 純; 新妻 泰; 深谷 好夫; 平野 見明
JAERI-M 6983, 298 Pages, 1977/03
この報告書は、1975年12月から1976年1月にかけて行われたシリーズ3実験のデータ集である。シリーズ3実験では、一次系ループ部の流動抵抗、流路外壁温度をパラメトリックに変化させた。また、発熱体表面温度測定用熱電対の取付法の改良の効果や1000
Cまでの耐熱性・耐久性も調べられた。
村尾 良夫; 井口 正; 須藤 高史; 数土 幸夫; 杉本 純; 新妻 泰; 深谷 好夫; 平野 見明
JAERI-M 6982, 44 Pages, 1977/03
この報告書は、1976年6月から7月にかけて行われたシリーズ4実験の結果をまとめたものである。シリーズ4実験の目的は、(1)系圧力の影響、(2)1000
Cまでの実炉に近い熱容量の発熱体による実炉に近い一次ループ系流動抵抗でのシステム効果を調べることである。実験の結果、次のことが明らかとなった。1)系圧力が高いと、炉心冠水速度が大で、クエンチが早く起る。2)炉心冷却が可能である領域を示す炉心差圧(炉心蓄水量)と炉心出力密度との関係が系圧力をパラメータとして、マップ上で表わされた。3)炉心出力密度一定の時、熱的な定常状態が存在することがわかった。
村尾 良夫; 井口 正; 須藤 高史; 数土 幸夫; 杉本 純; 新妻 泰; 深谷 好夫; 平野 見明
JAERI-M 6788, 83 Pages, 1976/12
この実験報告書は、1975年4月~5月にかけて行なわれたシリーズ2B実験の結果を纏めたものである。シリーズ2B実験は、一次系流動抵抗模擬部を有する再冠水テスト部へ、冷却水をダウンカマーラインより一定水頭で注入する実験であり、系圧力は、大気圧、発熱体出力は実験中一定、最高発熱体許容温度600
Cの条件下で、行なわれたものである。本実験の目的は、システム効果の定性的把握と、再冠水実験装置のシステム効果試験装置としての確証試験を行なう事である。実験の結果、ダウンカマー一定水頭注入法の効果、振動現象相互間の対応、炉心内伝熱流動特性の概要を把握することが出来、実験装置上の問題点が明らかと成った。
天谷 政樹
no journal, ,
原子力機構における燃料安全研究の目的は、発電用軽水炉燃料に関する現在の規制基準の妥当性評価、新しい燃料材料で構成される改良型燃料に関する規制のための技術的知見の取得拡充、及び規制に活用可能な燃料挙動解析技術の開発等である。本発表では、原子力機構における反応度事故模擬実験、冷却材喪失事故模擬試験、及び燃料挙動解析コード改良等の現状について報告する。