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小川 徹
JAERI-M 82-098, 32 Pages, 1982/08
被覆燃料粒子のSiC層のPd腐食反応の解析には、Pd-Si-C三元系の熱力学的挙動に関する知見を欠くことができない。本研究では、Pd-Si二元系について、液相の生成の自由エネルギーに解析的表現を与えるとともに、種々のパラジウム・ケイ化物の生成熱を推定した。これらの結果をもとに、Pd-Si-C三元系の熱力学的挙動を検討し、1800K以下ではPd-Si液相中へのCの溶解度は無視できることを示した。また、三元系状態図を、1671K以上、1343K~1671K、1343K以下の3種の場合について予測した。こうして得られた三元系状態図をもとに、SiC層のPd腐食反応について考察を加えた。Pd腐食反応は1343K(1070C)以上で盛んになり始め、1671K(約1400
C)以上で加速されると考えられる。
古川 和男; 大野 英雄
物性研究, 19(5), p.B35 - B45, 1973/05
液体の本性は、その流動性にあるといってよいが、その原因がどのような構造論的条件によって現れるかを、具体的な無機物質について考察を始め、その物性の特長をも明らかにして行こうとするのが、副題の無機液体構造化学の目的とする所である。現在までに明らかにすることができた所を単原子液体すなわち、稀ガス元素液体および純金属液体につき、まず論じ、液体合金およびイオン性液体、特にアルカリハライド液体構造研究における基本的な立場を明らかにして、今後の詳細かつ定量的な理論樹立の前提条件を明らかにした。