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報告書

高バックグラウンド放射線環境における配管内探査技術の開発(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*

JAEA-Review 2025-036, 88 Pages, 2025/11

JAEA-Review-2025-036.pdf:6.36MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東京電力」という。)福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「高バックグラウンド放射線環境における配管内探査技術の開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、東京電力へのヒアリングで配管内部観察について示された、(1)水素含有量、(2)析出物の存在、(3) $$alpha$$線/$$beta$$線の放出核種の有無の3つのニーズに対応する技術を総合的に開発することを目的に、下記の2つの研究を実施している。まず、既存の非破壊検査装置の小型化と非破壊で配管内部をイメージング可能な専用の放射線検出器の開発により、レーザ等を用いた非破壊検査により配管内の情報を取得すること及び配管内の$$alpha$$核種の有無や配管等の内部状況を明らかにすることを目的とする。また、高線量率環境下における$$alpha$$核種の可視化、$$beta$$核種の弁別判定を行う装置を開発するとともに配管内の内容物を調査する技術を開発する。開発した技術の展開は、東京電力、民間企業によって実用化されることを見込む。

論文

New material exploration to enhance neutron intensity below cold neutrons; Nanosized graphene flower aggregation

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; Yan, M.*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

Nanomaterials (Internet), 13(1), p.76_1 - 76_9, 2023/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:53.71(Chemistry, Multidisciplinary)

冷中性子以下の中性子強度を高めるため、ナノサイズグラフェンの集合体が、ナノダイヤモンドと同様に中性子のコヒーレント散乱を促進できることを提案した。さらには、グラフェンの強いsp2結合は、高い耐放射線性を有する可能性を秘める。理研の加速器駆動型小型中性子源やJ-PARCのiMATERIAを用いて、ナノサイズグラフェンの中性子全断面積測定,中性子小角散乱測定を行った。測定結果より、ナノサイズのグラフェン集合体は、コヒーレント散乱に起因すると考えられる冷中性子エネルギー領域での全断面積と小角散乱を増大させ、ナノダイヤモンドと同様に高い中性子強度をもたらすことを世界で初めて明らかにした。

報告書

Experimental and numerical study on energy separation in vortex tube with a hollow helical fin (Joint research)

呉田 昌俊; 山形 洋司*; 宮腰 賢*; 増井 達也*; 三浦 義明*; 高橋 一憲*

JAEA-Research 2022-007, 28 Pages, 2022/09

JAEA-Research-2022-007.pdf:8.17MB

ボルテックスチューブにおけるエネルギー分離を促進するために、新たに設計した中空螺旋状フィンを管内に挿入した。本報では、3種類の管を用いて、フィンがエネルギー分離に及ぼす影響を実験的に調べ、次に、数値流体力学(CFD)シミュレーションを行い、実験結果と中空螺旋状フィン付き管内の流動構造との関係を研究した。実験データから、フィンがエネルギー分離を促進し、管長を短くできることがわかった。入口空気圧が0.5MPaのとき、入口から出口までの最大温度差は62.2$$^{circ}$$Cであった。レイノルズ応力モデル(RSM)乱流モデルを組み込んだCFDコードを用いて流体解析をした結果、フィン無とフィン有の場合とで淀み点の位置が大きく変わり、流動構造が全く異なることを確認した。中空螺旋状フィンによって、低温側フィン端と淀み点との間に小さな循環渦構造を持つ強い反転渦流が形成され、乱流運動エネルギーが大きな領域が生成されることによってエネルギー分離が促進されたと考えられる。

論文

Measurement of neutron scattering cross section of nano-diamond with particle diameter of approximately 5 nm in energy range of 0.2 meV to 100 meV

勅使河原 誠; 土川 雄介*; 市川 豪*; 高田 慎一; 三島 賢二*; 原田 正英; 大井 元貴; 河村 幸彦*; 甲斐 哲也; 河村 聖子; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 929, p.113 - 120, 2019/06

 被引用回数:23 パーセンタイル:86.87(Instruments & Instrumentation)

ナノダイアモンドは、冷中性子以下のエネルギーにおける反射材として注目されている。ナノダイアモンドを用いた中性子源の高度化には、断面積データの整備が必要である。そのため、この論文では、中性子の透過率の測定から0.2meVから100meVの範囲で全断面積を測定した結果を報告する。測定した全断面積は、エネルギーが低くなるにつれて大きくなり、グラファイトと比較すると0.2meVで約2桁以上高くなることが分かった。その全断面積に占める非弾性散乱の寄与を調べるため、中性子のエネルギー1.2, 1.5, 1.9及び5.9meVで中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、測定したエネルギーにおいて、全断面積に占める非弾性散乱の寄与がほぼ無視できることも分かった。さらに、中性子小角散乱実験の結果から、全断面積の高くなる要因として、前方方向、いわゆる小角方向への散乱の寄与が高いことが示された。

論文

Development of a 100eV, high-flux ion beam acceleration system

吉田 肇; 横山 堅二; 鈴木 哲; 榎枝 幹男; 秋場 真人

Review of Scientific Instruments, 77(4), p.043502_1 - 043502_4, 2006/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

核融合炉におけるプラズマ壁相互作用の研究のため、100eV級高粒子束,大面積,定常イオン源のための新しいビーム引出し電極を開発した。この電極は、サブミリメートルオーダーの多孔3枚重ね構造を持つ、ビーム加速にプラズマシースを利用する、という2つの特徴を持つ。得られた粒子束は、エネルギーが28$$sim$$102eV/Hで、1.5$$times$$1020$$sim$$5.3$$times$$1020H/m$$^{2}$$sであった。この値は、このようにエネルギーが極端に低いにもかかわらず、既存の大電流イオン源と同程度の値である。

論文

High flux ion beam acceleration at the 100-eV level for fusion plasma facing material studies

吉田 肇; 横山 堅二; 谷口 正樹; 江里 幸一郎; 鈴木 哲; 秋場 真人

Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.361 - 366, 2006/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:16.35(Nuclear Science & Technology)

プラズマ対向材料と核融合周辺プラズマの相互作用について研究するため、100-eV級・高粒子束・大面積・定常イオンビームを開発した。新型イオン引出し電極を開発し、超低エネルギーイオン源(SLEIS)に設置し試験を行った。水素イオンビームにおいて、エネルギーが60-200eVと極端に低いにもかかわらず、既存の高粒子束イオン源と同程度の粒子束($$>$$1020H/m$$^{2}$$s)が得られた。この100-eV級イオンビーム加速は、ダイバータ部におけるプラズマ壁相互作用の研究に役立つ。

論文

CsI(Tl)/Plastic phoswich detector enhanced in low-energy $$gamma$$-ray detection

山外 功太郎; 堤 正博; 大石 哲也*; 吉澤 道夫; 吉田 真

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 550(3), p.609 - 615, 2005/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:39.91(Instruments & Instrumentation)

大面積プラスチックシンチレーション検出器の低エネルギー領域の感度を改善するため、薄板状CsI(Tl)シンチレータとプラスチックシンチレータとを組合せたホスウィッチ検出器を開発し、その実用可能性を評価した。検出限界放射能を向上するため、立ち上がり時間解析を用いたCsI(Tl)信号成分の分離抽出を行った。検出限界放射能の評価から、大面積プラスチック検出器の前面に薄板状CsI(Tl)を貼り付けることで、その検出可能エネルギー範囲を数十keVまでに拡張可能であることが明らかになった。

論文

Velocity bunchingされた電子バンチのダブルスリット法によるエミッタンスの測定

飯島 北斗; 羽島 良一; 上坂 充*; 作美 明*; 坂本 文人*; 上田 徹*

Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.501 - 503, 2005/07

エネルギー回収型超伝導リニアック(ERL)は、次世代放射光源として高輝度かつコヒーレントなX線発生を実現する技術として注目を浴びている。こうしたX線の利用方法はさまざまであるが、その1つにpump-and-probe法による超高速現象の観測が挙げられ、こうした実験では高時間分解能を必要とすることから、100fs程度の電子バンチの生成が要求される。そこでわれわれは、この極短電子バンチの生成方法としてmain linacでのvelocity bunchingを考え、PARMELAによるシミュレーションでこれを評価した。加速管はTESLA型を仮定した。これにより電荷量77pCの電子バンチが3.2psから0.17psまで圧縮できることを確認した。エミッタンスに関しては1.5$$pi$$mm.mradで、わずかな増大が確認されたが、それは許容範囲であった。今後、このシミュレーションをもとに低電荷量,低エミッタンスビームに対する圧縮の実証実験を東大18Lライナックで行う。

論文

Experimental verification of velocity bunching via shot-by-shot measurement at S-band photoinjector and linac

飯島 北斗; 上坂 充*; 坂本 文人*; 上田 徹*; 熊谷 教孝*; Serafini, L.*

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(7A), p.5249 - 5253, 2005/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:31.17(Physics, Applied)

「速度集群」と呼ばれる圧縮方法の実験的な検証を報告する。 線形圧縮に基づく速度集群は圧縮器として進行波型の加速管を使用する。 実験は東京大学の原子力工学研究施設にあるS-バンドのフォトカソードRF電子銃と線形加速器を用いて行われた。1バンチごとのバンチ長はフェムト秒ストリークカメラにより、バンチあたりの電荷量1nCに対して、平均0.5$$pm$$0.1ps(rms)と測定された。この結果はPARMELAによるシミュレーションとよく一致している。

論文

Determination of detection efficiency curves of HPGe detectors on radioactivity measurement of volume samples

三枝 純; 川崎 克也; 三原 明; 伊藤 光雄; 吉田 真

Applied Radiation and Isotopes, 61(6), p.1383 - 1390, 2004/12

 被引用回数:32 パーセンタイル:85.05(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

$$gamma$$線スペクトロメトリ法により体積試料の放射能測定を行う際、各試料に固有の効率曲線が必要となる。環境試料の放射能測定や緊急時の試料測定においては、100keV以下の低エネルギー$$gamma$$線を放出する核種の評価が重要となる。ここでは、代表点法を用いて体積試料に対するHPGe検出器の効率を評価するとともに、低エネルギー$$gamma$$線に対する効率曲線を評価するうえで重要な補正因子となる自己吸収効果について詳細に検討した。また、代表点法を種々環境試料の測定に適用し実務へ活用するうえでの基礎データとした。

論文

核融合炉システムにおけるパワーフロー

松川 誠; 飛田 健次; 力石 浩孝*; 相良 明男*; 乗松 孝好*

プラズマ・核融合学会誌, 80(7), p.559 - 562, 2004/07

核融合エネルギー開発の最終目標は、発生させた核融合パワーをおもに電力に代えて利用することである。これは、電力が伝送や変換の観点から、利用しやすいエネルギー形態であるためである。核融合発電プラントでは、その炉型によらずプラズマ加熱や電流駆動のために、大電力の所内循環電力が必要である。本文は、ITER以後に原型炉として建設される核融合発電プラントの電力フローについて、述べるものである。また、電気負荷平準化のためのエネルギー蓄積装置や、高効率変換器の重要性についても議論する。

論文

Sputtering of carbon-tungsten mixed materials by low energy deuterium

谷口 正樹; 佐藤 和義; 江里 幸一郎; 横山 堅二; 大楽 正幸; 秋場 真人

Journal of Nuclear Materials, 313-316(1-3), p.360 - 363, 2003/03

 被引用回数:10 パーセンタイル:54.80(Materials Science, Multidisciplinary)

次期核融合実験装置においては、ダイバータ用アーマ材として炭素,タングステン等複数の材料を併用することが考えられている。この場合、アーマ表面には損耗したこれらの構成元素が再付着することにより材料混合膜が形成されると考えられている。しかしながら混合膜に対する低エネルギー水素の照射効果についてはほとんど研究例がなく、ダイバータ開発に必要なデータは不足しているのが現状である。そこで炭素,タングステン電極間で重水素雰囲気下でアーク放電を生じさせ、昇華,蒸発する炭素,タングステンをモリブデン基盤上へ堆積させることにより模擬炭素-タングステン混合膜を作成し、その低エネルギー水素による損耗特性を調べた。その結果、炭素膜中にタングステンが混入することにより、損耗が大きく減少することがわかった。これは、タングステン-炭素結合の形成により水素による化学スパッタリングが抑制されたためであると考えられる。

論文

Tritium distribution in JT-60U W-shaped divertor

正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 宮坂 和孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; et al.

Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.514 - 518, 2003/03

 被引用回数:58 パーセンタイル:94.49(Materials Science, Multidisciplinary)

トリチウム残留量の評価及び吸蔵過程の解明のために、JT-60U W型ダイバータタイルにおけるトリチウム分布を、イメ-ジングプレ-ト技術(TIPT)及び燃焼法により測定した。その結果、発生したトリチウムの約10%がダイバータ領域に残留し、そのトリチウム濃度は、ドーム頂部及び外側バッフル板タイルで高く($$sim$$60 kBq/cm$$^{2}$$)、ダイバータターゲットタイルでは低かった($$sim$$2 kBq/cm$$^{2}$$)。DD反応で生成されるトリトンの粒子軌道計算の結果、第一壁及びダイバータタイルに打ち込まれるトリトンの粒子束分布は、TIPT及び燃焼法で得られたポロイダル分布結果と一致した。また、このトリチウム分布は、測定された再堆積層の分布状態との相関は認められなかった。これらの結果から、JT-60Uでのトリチウム分布は、プラズマ中におけるトリトンの粒子損失を反映していることがわかった。

論文

Utilization of bio-resources by low energy electron beam

久米 民和

Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00

放射線処理による生物資源の有効利用について報告する。キトサンなどの多糖類は、放射線分解により種々の生物活性が誘導される。放射線分解キトサンは、植物の組織培養での生育を促進することが明らかとなった。低エネルギー電子線照射システムを用いて、キトサン水溶液の照射を行い効果的に分子量を低下できることがわかった。また、メチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースと同様に、特殊な条件下で放射線橋かけをすることが明らかとなり、作成したハイドロゲルは医学や農業分野での利用が期待できる。さらに、低エネルギーの電子線を用いてダイズの照射を行ったところ、根粒菌の着生が増大し生育が良くなることがわかった。これらの結果で明らかなように、低エネルギー電子線は生物資源の有効利用に活用できる。

論文

Neutronics experiments for ITER at JAERI/FNS

今野 力; 前川 藤夫; 春日井 好己; 宇野 喜智; 金子 純一; 西谷 健夫; 和田 政行*; 池田 裕二郎; 竹内 浩

Nuclear Fusion, 41(3), p.333 - 337, 2001/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:10.45(Physics, Fluids & Plasmas)

ITERで発生する14-MeV中性子に起因するさまざまな核的問題に対処するため、原研FNSでは一連の核融合中性子工学実験をITER/EDAのR&Dタスクとして行ってきた。前回のIAEA会議では遮蔽に関してバルク遮蔽、ギャップストリーミング、核発熱及び誘導放射能実験を発表した。これらの実験を受けて、ITERのより複雑な遮蔽に対する設計精度を実証するために、ストレートダクトストリーミング実験を実施した。また、冷却材喪失事故時の安全性を担保するために、新たに崩壊熱測定実験を開始した。さらに、水の放射化を利用した信頼性の高い核融合出力モニターを開発した。本論文では、ITER/EDAのタスクとして原研FNSで新たに実施したこれらの実験の結果について報告する。

報告書

JRR-3M冷中性子実験孔C2-3における中性子スペクトル及び中性子束の測定

川端 祐司*; 海老沢 徹*; 田崎 誠司*; 鈴木 正年; 曽山 和彦

JAERI-Research 2000-019, p.20 - 0, 2000/03

JAERI-Research-2000-019.pdf:0.83MB

研究用原子炉JRR-3Mでは、従来考えられていた冷中性子よりさらに長波長中性子を利用した新しい実験が提案されるようになってきた。このような傾向に対応するため、より長波長領域までの中性子スペクトル測定及び中性子束測定を冷中性子実験孔(C2-3)において行った。中性子スペクトルは、飛行時間法と$$theta$$-2$$theta$$法を併用することにより、従来より長波長領域まで大きく延長した波長4.5nmまで測定した。その結果、この範囲では急激なスペクトル変化はなく、この領域の中性子が利用可能であることが確認された。また、金箔放射化法による中性子束絶対測定の結果は2.3$$times$$10$$^{8}$$n/cm$$^{2}$$/sとなった。約10年前のJRR-3M建設当時の特性測定の結果と比較すると、測定位置が原因と考えられる以上の差異はなく、経年劣化による影響はほとんどないことが確認された。

報告書

SPring-8における高エネルギー加速器の放射線管理の現状と問題点

宮本 幸博; 植田 久男; 原田 康典

JAERI-Tech 98-039, 44 Pages, 1998/09

JAERI-Tech-98-039.pdf:2.21MB

SPring-8における高エネルギー加速器施設の放射線管理の現状と問題点をまとめた。第3世代放射光施設であるSPring-8においては、放射線管理を行う上で、高エネルギー大型加速器特有の問題点が多い。本報告では、パルス状放射線のモニタリング技術、低エネルギー及び高エネルギー放射線のモニタリング技術について現状と問題点を記述するとともに、放射化の問題、電磁波ノイズの問題等について議論した。

論文

Energy systematics of low-lying O$$^{+}$$ states in neutron-deficient Ba nuclei

浅井 雅人*; 関根 俊明; 長 明彦; 小泉 光生; 小島 康明*; 柴田 理尋*; 山本 洋*; 河出 清*

Physical Review C, 56(6), p.3045 - 3053, 1997/12

 被引用回数:23 パーセンタイル:74.70(Physics, Nuclear)

$$^{124,126,128,130}$$Laの$$beta$$$$^{+}$$崩壊で見られるBa核の低スピン状態をTIARAのオンライン同位体分離器に設置した$$gamma$$-$$gamma$$角度相関測定装置で調べた。不確かであった第1励起O$$^{+}$$準位(O$$_{2+}$$)のスピンを確立するとともに、O$$_{3+}$$等より高い励起O$$^{+}$$準位を新たに見いだした。報告されていた$$^{124}$$BaのO$$_{2+}$$準位が誤りであることが確認された結果、中性子数の減少とともにO$$_{2+}$$準位は急激にエネルギーを下げ、中性子数72で最小になり、中性子数66に向けてゆっくり上昇することがわかった。一方、O$$_{3+}$$準位は中性子数の減少とともに単調に減することがわかり、O$$_{2+}$$とO$$_{3+}$$準位はより変形した核でエネルギー関係が逆転する可能性が示唆された。このような振舞いは、3軸非対称変形しやすい核にあるO$$_{2+}$$準位が軸対称変形核において2フォノン$$gamma$$振動状態に、O$$_{3+}$$準位が$$beta$$振動状態に変化していく過程と解釈される。

報告書

Effects of primary recoil (PKA) energy spectrum on radiation damage in FCC metals

岩田 忠夫*; 岩瀬 彰宏

JAERI-Research 97-073, 45 Pages, 1997/10

JAERI-Research-97-073.pdf:1.55MB

本報告は、核融合炉14MeV中性子による材料の照射損傷を既存の放射線源を利用した照射実験から予測するために、いわゆる照射損傷の相互比較の物理的枠組を構築することを目的としている。我々は、照射イオンの種類とエネルギーを大巾に変えて極低温イオン照射実験を行い、欧米での極低温電子線、中性子照射実験の結果も合わせて、この相互比較の物理的枠組の構築に成功した。照射粒子が異なると、反跳原子(PKA)エネルギースペクトルが異なるが、その結果生成される照射損傷を特徴づけるパラメータとしてPKAメディアンエネルギーという量を定義した。従来行われてきた照射損傷のDPA評価から出発する場合、照射粒子の相違によるDPA評価からのずれが、このPKAメディアンエネルギーを尺度として統一的に記述できる。

論文

Biological effect of penetration controlled irradiation with ion beams

田中 淳; 清水 隆志*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 山下 孝生*; 渡辺 宏

JAERI-Conf 97-003, p.323 - 326, 1997/03

イオンビームを用いた深度制御照射技術の確立と、これを用いた細胞への照射効果を調べた。タンデム加速器に接続された深度制御細胞照射装置を用いて、照射窓からの距離を変化させてイオンの打ち込み深度を制御した。RCDフィルム及びCR-39フィルムを用いた結果から、照射距離を変化させることにより、細胞中のイオン打ち込み深度を1$$mu$$m$$sim$$30$$mu$$mまで直線的に制御できることが分かった。次に、これを用いてタバコ花粉細胞への打ち込み深度を変化させて、イオンビーム照射時にのみ観察される漏出花粉頻度を調べた。その結果、打ち込み深度の浅い(3$$sim$$4$$mu$$m)照射により漏出花粉が頻度高く観察された。このことは、イオンビームの細胞への打ち込み深度を制御することにより、細胞外殻に局所的に損傷を誘発することができることを示唆している。

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