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吉川 正人; 高橋 邦方*; 大島 武; 北畠 真*; 伊藤 久義
Proceedings of 1st International Workshop on Ultra-Low-Loss Power Device Technology (UPD2000), p.199 - 200, 2000/00
近年、4H-SiC及び6H-SiC基板の面方位とこれら基板表面に形成されたMOS構造トランジスタの反転層内に誘導される電子のチャンネルモビリティの関連性が注目されている。そこで4H-SiC基板の面方位として(11-20)面と(1-100)面を選び、その表面にMOS構造キャパシタを形成して、界面準位と固定電荷の量を調べ、従来から用いられている面方位(0001)面のそれらと比較した。その結果、深部の界面準位は、(0001)面に比べ(11-20)及び(1-100)面の方がはるかに多く発生した。しかしながら、水蒸気中で850C、3時間の水蒸気中アニールを行ったところ、界面準位が1/2以下に減少した。(11-20)面は、水蒸気中アニールを行う温度を最適化すれば、界面準位の低減が可能であることがわかった。
吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*
JAERI-Conf 97-003, p.265 - 268, 1997/03
6H-SiC基板上に、水素燃焼酸化法を用いて酸化膜を作製し、Al電極を蒸着してMOS構造を形成した。このMOS構造に線を最大110MGy(SiO)まで照射し、その時の固定電荷の蓄積量の吸収線量依存性を調べた。その結果、カーボン面上に作製した酸化膜には負の電荷が蓄積することが明らかになった。この蓄積量は照射中にMOS構造に印加するバイアス極性には依存せず、Si MOS構造とは異なった挙動を示すことが明らかになった。一方、シリコン(Si)面上に作製した酸化膜はSiMOS構造ときわめて類似した照射効果を示した。6H-SiC MOS構造の照射効果は、面方位によりその特性が大きく異なることがわかった。
斎藤 一成; 吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 高橋 芳浩*; 大西 一功*
JAERI-Conf 97-003, p.243 - 248, 1997/03
傾斜エッチング法を用いて、Co-線照射前後の6H-SiC MOS構造の酸化膜中の電荷分布評価を行った。その結果、照射前の酸化膜中には、6H-SiC/SiO界面付近には、負電荷が存在しており、界面から40nm離れたところには正電荷が存在していることがわかった。また負電荷の一部は、時定数の大きな界面準位が、固定電荷として振る舞っているためであることもわかった。Co-線照射すると、照射中に印加している電圧の極性によりVmgの変化は異なり、これは、印加電圧の極性によって6H-SiC/SiO界面付近に捕獲される電荷が異なるためであることがわかり、ゲートに+10Vの電圧を印加すると界面には正電荷の蓄積が起こり、-10Vの電圧を印加すると界面には負電荷が蓄積されることがわかった。傾斜エッチング法は6H-SiC MOS構造の酸化膜中電荷分布評価に有効であることが確認された。
吉川 正人; 斎藤 一成*; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Radiation Physics and Chemistry, 50(5), p.429 - 433, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)6H-SiCシリコン面とカーボン面をそれぞれ酸化してMOS構造を作製し、正及び負の電界を印加しながら線照射を行って、6H-SiC MOS構造酸化膜中に蓄積する固定電荷の発生メカニズムを調べた。シリコン面に作製したMOS構造では、正及び負の電界を印加しても酸化膜中には正の電荷が蓄積したが、カーボン面に作製したMOS構造では、正の電界に対しては正の、負の電界に対しては負の固定電荷が蓄積した。これらのことから、線照射によって発生する固定電荷の量は、吸収線量、印加電圧の極性、そして面方位に依存し、Si MOS構造とは異なる照射効果を持っていることが明確になった。
吉川 正人; 斉藤 一成*; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 吉田 貞史*; 奥村 元*; 高橋 芳博*; 大西 一功*
Journal of Applied Physics, 80(1), p.282 - 287, 1996/07
被引用回数:22 パーセンタイル:70.64(Physics, Applied)希釈したフッ酸中でのエッチング時間を変えることにより、斜めにエッチングした酸化膜を、6H-SiC基板上に作製し、それを用いて6H-SiC MOS構造を形成した。酸化膜の関数として、ミッドギャップ条件に対応するゲート電圧の変化を調べるために、高周波C-V特性の測定を行った。その結果、負電荷が6H-SiC/SiO界面近傍に蓄積し、正電荷が界面から40nmの領域に発生することがわかった。6H-SiCのカーボン面及びシリコン面上の固定電荷の深さ方向分布を調べたが、特別な違いは認められなかった。これらトラップ電荷の原因が、酸化膜中のカーボン関連の化合物の存在と合せて議論された。
吉川 正人; 斎藤 一成*; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*
14th Symp. on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology, Hosei Univ., 0, p.159 - 165, 1996/00
照射した酸化膜を斜めにエッチングした傾斜酸化膜を用いて、膜圧の異なる6H-SiC MOS構造を作製し、そのC-V特性を用いて照射によって蓄積した固定電荷の深さ方向分布を求め(傾斜エッチング)、極めて長い緩和時間を持つ界面準位が6H-SiC/SiO界面近傍に存在する可能性を調べた。その結果、6H-SiC/SiO界面から離れた酸化膜内部には正の、6H-SiC/SiO界面近傍には負の固定電荷が蓄積していることがわかった。また界面近傍の負の固定電荷の一部は電荷のやりとりをしない極めて長い緩和時間を持つ界面準位である可能性のあることがわかった。
高橋 芳浩*; 今木 俊作*; 大西 一功*; 吉川 正人
Proceedings of IEEE 1995 International Coferece on Microelectronic Test Structures, Vol.8, p.243 - 246, 1995/03
放射線照射や電荷注入による捕獲電荷がMOS構造の酸化膜中において分布する場合、その膜中電荷分布を把握することは電荷捕獲機構や素子特性への影響などを解明する上で重要である。我々は、酸化膜厚をエッチングにより同一基板内で連続的に変化させ、各膜厚に対するMOS構造のミッドギャップ電圧により酸化膜中の電荷分布評価を行う方法を考案した。今回この方法を用いて、MOS構造の酸化膜中電荷分布に及ぼす酸化膜形成後のNH雰囲気中での高温熱処理の影響について評価した。その結果、熱処理を行っていない酸化膜中では、これまでの報告と同様にSi-SiO界面付近に正電荷が局在することが確認された。またNH雰囲気中の熱処理を施すと、界面より20nm付近に正電荷および負電荷が発生し、これらの発生量は熱処理時間に依存することがわかった。この現象は酸化膜中への窒素の拡散に起因するものと考えられる。
今木 俊作*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
平成7年度日本大学理工学部学術講演会論文集, 0, p.151 - 152, 1995/00
これまでに、MOS構造の酸化膜厚に対するミッドギャップ電圧より酸化膜中電荷分布を評価する方法を提案して、NH中で高温アニールを施した酸化膜を有するMOS構造の酸化膜中電荷分布、およびその線照射による変化を評価してきた。今回、照射による電機的特性変化のメカニズム解明を目的に、照射中のゲート電圧の違いによる電荷分布の変化について検討した。その結果、シリコン界面から10~30nm離れた酸化膜中ではNHアニールにより捕獲電荷が発生し、照射により正電圧印加時には正電荷が、負電圧印加時には負電荷がそれぞれ増加することがわかった。これらの結果より、NHアニールにより正孔、電子トラップが酸化膜中で生成され、照射により膜中で発生した電子および正孔がこれらのトラップに捕獲されること、また印加電圧依存性は発生電荷のドリフト方向の違いにより説明できることがわかった。
大西 一功*; 高橋 芳浩*; 今木 俊作*; 岡田 耕平*; 吉川 正人
Proc. of 21st Int. Symp. for Testing and Failure Analysis (ISTFA 95), 0, p.269 - 274, 1995/00
傾斜エッチング法はMOS構造の酸化膜をフッ酸で斜めにエッチングし、同一基板上に膜厚の異なるMOSチロパミタを多数作製し、それらのC-V特性の膜厚依存性からMOS構造酸化膜中の固定電荷の深さ方向分布の評価を行う手法である。今回我々はMOS構造酸化膜にアンモニアアニールをほどこした時の、酸化膜中の固定電荷の深さ方向の分布の変化を傾斜エッチング法を用いて調べた。その結果、アンモニアアニール時間が60分未満の時は、アンモニアアニールの作用により正の固定電荷が酸化膜/半導体界面に蓄積するが、180分以上のアニールでは、負の固定電荷の発生によって、見かけ上固定電荷が消失することがわかった。
岡田 耕平*; 今木 俊昨*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
電子情報通信学会技術研究報告, 93(172), p.23 - 27, 1993/07
シリコンMOS構造の放射線照射効果の1つとして、酸化膜中の正の固定電荷の蓄積がある。この固定電荷の捕獲位置は不明瞭であり、電荷捕獲機構についてもわからない点が多い。これらの点を明らかにするためには、酸化膜中の捕獲位置を明らかにする必要がある。今回我々は、フッ酸中に酸化膜を浸析させ酸化膜を傾斜エッチングする技術を開発し、これを用いて同一試料中に酸化膜厚の異なるMOS構造を作製した。各膜厚のミッドギャップ電圧を高周波C-V法を用いて測定し、MOS構造酸化膜中の固定電荷蓄積量と膜厚(膜中の固定電荷の位置)の関連性を追求した。その結果、酸化膜中ではSi/SiO界面付近に固定電荷が局在し、その量は酸化膜厚に依存しないことがわかった。また照射時の電荷量はMOS構造作製時の酸化温度に大きく依存することが明らかになった。
今木 俊作*; 岡田 耕平*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.135 - 136, 1993/00
放射線照射や電荷注入による捕獲電荷がMIS構造の絶縁膜中において分布する場合、その膜中電荷分布を把握することが電荷捕獲機構や素子特性への影響などを解明する上で重要である。そこで同一素子内で絶縁膜厚をエッチングによって変化させ、各膜厚に対するMIS構造のミッドギャップ電圧より膜中の電荷分布評価を行う方法を考案し、MOS構造についてNHアニール後および放射線照射前後での酸化膜中電荷分布を評価した。この結果NHアニールにより電極界面付近の電荷量が変化し、Si-SiO界面準位が増加することがわかった。また放射線照射前の酸化膜中ではSi-SiO界面付近に正電荷が局在し、電荷量は製作時の初期酸化膜厚には依存せず、酸化温度上昇に伴って減少すること、放射線照射後ではSi-SiO界面付近で正電荷が捕獲され、その捕獲量は酸化温度に依存することがわかった。
斉藤 一成*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.133 - 134, 1993/00
不揮発性記憶素子や高密度集積回路で注目されているMONOS構造のPOA(酸化膜成長後のアニール)処理とPNA(窒化膜堆積後のアニール)処理による、電気的特性と放射線照射効果に及ぼす影響について検討した。その結果、放射線照射前のMONOS構造はMOS,MNOS構造とは異なり、POA処理により固定正電荷密度、界面準位密度は減少せず、高温PNA処理を施したMNOS構造と同様な特性を示すことがわかった。また、MONOS構造のC-V特性における遷移領域には顕著な周波数分散がみられること、放射線照射によりミッドギャップ電圧はMNOS構造とは異なり負方向にシフトすることが確認され、これらの現象は窒化膜堆積後の高温熱処理に起因することがわかった。
根本 規生*; 吉川 正人; 梨山 勇; 吉田 貞史*; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.149 - 150, 1993/00
立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶を用いてMOS構造を作製し、その線照射によって蓄積する固定電荷(N)の熱アニール挙動を室温から400Cの温度範囲で等時アニール法で調べた。その結果、400CでもNが完全にはアニールされないことがわかった。化学反応速度式を用いてNのアニール挙動を解析すると、1次反応により消滅する活性化エネルギー0.32eVの成分と400Cでは消滅しない成分に分けられた。等時アニールされるNの活性化エネルギーは絶縁膜中をホッピング伝導するイオン、あるいは膜中の水素や水の拡散のそれに近い値であり、アニールのメカニズムとして水素関連の化合物の拡散が示唆された。残りのアニールされないNは3C-Sic/SiO界面の残留カーボンに関連した欠陥かもしれない。
吉川 正人; 森田 洋右; 伊藤 久義; 梨山 勇; 奥村 元*; 三沢 俊二*; 吉田 貞史*
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 281, p.797 - 802, 1993/00
立方晶(3C-SiC)シリコンカーバイド結晶を1100C、1h水素燃焼酸化した後試料を急冷して酸化層を作製し、MOS構造を形成した。この手法により界面準位及び固定電荷量は5.410~1.410cm及び8.410~1.110cmの範囲で発生した。界面準位はEc-0.7~Ec-1.5eVのエネルギー位置にのみ局在する。この試料を800kGy(SiO)まで照射後、100Cから50Cステップで30分間等時アニールを行なうと、固定電荷及び界面準位は熱アニールされ減少した。この減少量を1/T(絶対温度の逆数)に対しプロットするとよい直線性を示した。一方、未照射試料の熱アニールを460C、30分行った後、線照射を行なうと、界面準位及び固定電荷の発生量が抑制され、試料の耐放射線性が向上した。これらの変化は、300~450Cの範囲の熱アニールプロセスが、炭化ケイ素/SiO膜界面に変化を及ぼすことを示している。
吉川 正人; 森田 洋右; 伊藤 久義; 梨山 勇*; 三沢 俊二*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Amorphous and Crystalline Silicon Carbide IV, p.393 - 398, 1992/00
3C-SiC MOS構造の照射効果を高周波C-V特性を用いて研究した。その結果、3C-SiC/SiO界面に界面準位が発生し酸化膜中に固定電荷が蓄積した。これらの量は照射中にMOS構造のゲートに印加されるバイアス極性に依存し、無バイアス及び正バイアスでは、吸収線量の2/3乗に比例して増加した。また負バイアスではまったく増加が認められなかった。この関係はSi-MOS構造の実験結果とよく一致するが、その発生量及び蓄積量はSi-MOS構造のそれよりもはるかに少なかった。
吉川 正人; 伊藤 久義; 森田 洋右; 梨山 勇*; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Journal of Applied Physics, 70(3), p.1309 - 1312, 1991/08
被引用回数:38 パーセンタイル:85.09(Physics, Applied)3C-SiC MOS構造の照射効果を高周波C-V特性を用いて研究した。その結果、3C-SiC/SiO界面に界面準位が発生し、酸化膜中に固定電荷が蓄積した。これらの量は照射中にMOS構造のゲートに印加されるバイアスの極性に依存し、無バイアス及び正バイアスでは、吸収線量の2/3乗に比例して増加した。この関係はSiMOS構造の実験結果とよく一致するが、その発生量及び蓄積量はSiMOS構造のそれらと比べてはるかに少なかった。
吉川 正人; 森田 洋右; 伊藤 久義; 三沢 俊司*; 梨山 勇*; 吉田 貞史*
EIM-90-130, p.47 - 55, 1990/12
ドライ酸化膜を持つ3C-SiC MOSキャパシタの照射効果を高周波C-V特性を用いて評価した。照射によってC-Vカーブは負バイアス側へシフトし、傾きが変化した。この挙動はSi MOSキャパシタの照射効果と同じであった。C-V特性の解析から、3C-SiC/SiO界面及びSiO膜中に照射でトラップサイトが発生することがわかった。この発生量は照射中の正のゲートバイアスで促進され、また酸化プロセスに大きく依存した。Si MOS構造の照射で発生するトラップ量の吸収線量依存性との比較から、3C-SiC MOS構造はトラップ発生がおこりにくく、耐放射線性にすぐれることがわかった。
吉川 正人; 伊藤 久義; 森田 洋右; 川上 和市郎; 梨山 勇*
EIM-88-121, p.35 - 43, 1988/12
MOS構造の耐放射性は、電極材料が界面に発生する応力と深い関係がある。我々は蒸着金属原子が凝集して金属膜となるときの凝集エネルギーに注目し、凝集エネルギーの高いAl、Ni、MoでMOS構造を作成し、耐放射線性に与える電極材料の影響を金属原子の凝集力という新しい視点から調べた。その結果MOS構造の耐放射性と凝集力及び金属のYoung率には密接な関係があり、Pb centerやE'centerの対数値と凝集エネルギーには直線関係のあることがわかった。その結果、MOS構造の耐放射線性には顕著な電極材料依存性があり、我々が実験したAl、Ni、Mo電極MOSキャパシタはこの順に耐放射線性のあることがわかった。また、界面に発生する応力は凝集エネルギーを尺度として整理でき、MOS構造の耐放射線性をある程度推定できる可能性のあることを示した。