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論文

A Novel liquid state of trans-1,2-dichloroethylene

河西 俊一; 貴家 恒男; 武久 正昭

Journal of the Physical Society of Japan, 51(5), p.1579 - 1583, 1982/00

 被引用回数:15 パーセンタイル:74.62(Physics, Multidisciplinary)

trans-1,2-dichloroethylene(trans-DCE)とcis-DCE,1,2-dichloroethane(EDC)の、常圧下でのスピン格子緩和時間(T$$_{1}$$)の温度依存性を、各々の融点から室温までの温度範囲で測定した。その結果、cis-DCEとEDCのT$$_{1}$$は、この実験条件下では、通常の等方的な液体の温度依存性を示したが、trans-DCEは、-16$$^{circ}$$Cで、一次の液-液相転移を示す、「とび」を持った。この転移は、同時に測定した体積-圧力測定でも、「折れ」として観測された。 trans-DCEの二つの液相を、高温相をL$$_{1}$$、低温相をL$$_{2}$$と名づける。T$$_{1}$$の解析から、L$$_{1}$$は、分子運動は回転運動が中心となっている通常の等方液相であるが、L$$_{2}$$は、分子の回転運動がほとんど停止した、並進運動だけの中間相であることがわかった。cis-DCE、EDCがこの中間相を持たないことから、この中間相の形成には、trans-DCEの大きな分子四重極モーメントが大きな役割を果していることがわかった。

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