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廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-026, 72 Pages, 2025/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「マイクロ・ナノテクノロジーを利用したアルファ微粒子の溶解・凝集分散に及ぼすナノ界面現象の探求」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。安全で合理的な燃料デブリ取出しを進めるためには、デブリ加工時に発生するアルファ微粒子の溶解や変性挙動の把握は不可欠である。本研究は、金属酸化物ナノ粒子の凝集、溶解、変性挙動を熱力学的・速度論的に解明しうるマイクロ・ナノデバイスを創出すると共に、数理科学と組み合わせることで、アルファ微粒子の溶解・凝集・変性プロセスのメカニズム解明と反応モデル化を実現することを目的としている。具体的には、(1)ナノ粒子溶解特性評価、(2)溶解ダイナミクス分析、(3)凝集ダイナミクス分析、(4)表面微構造解析、(5)数理科学的モデリングの5項目を日本側・英国側で分担し、互いに有機的に連携しながら推し進める。令和5年度には、模擬燃料デブリ微粒子(UO
メカニカル微粒子、UO
ケミカル微粒子及び(U,Zr)O
微粒子)のバルク及びマイクロ溶解試験を実施し、これらナノ粒子の溶解挙動に与える粒子サイズ、反応時間、H
O
濃度の効果について解析することに成功した。特に、(U,Zr)O
デブリ微粒子では、H
O
濃度に応じてZrの触媒反応の進行度合いが異なり、H
O
濃度に依存してガス発生量とU溶解量が変化することを明らかにした。また、ナノ粒子分散液と反応溶液とを瞬時に反応させ、動的な凝集・溶解挙動の評価及び溶出したUを定量することができるマイクロ流体デバイスを構築し、マイクロ流路内でのH
O
処理によるUの凝集・溶解速度を算出した。英国側研究者と連携を密にして研究を進め、所期の目標を達成した。
入澤 恵理子; 加藤 千明
Corrosion Science, 256, p.113173_1 - 113173_16, 2025/11
被引用回数:0 パーセンタイル:58.04(Materials Science, Multidisciplinary)This study investigates the corrosion behavior of extra-high-purity Type 316 austenitic (316EHP) stainless steel with reduced impurity segregation at the grain boundaries in a liquid lead-bismuth eutectic (LBE) at 530
C to evaluate (1) the resistance of the steel to intergranular oxidation in the LBE with oxygen saturation and (2) its dissolution corrosion resistance at lower oxygen concentrations than the equilibrium oxygen potential of magnetite. Under oxygen saturation conditions in the LBE, 316EHP generated protective uniform oxide layers without severe intragranular oxidation. Compared with the case of the conventional 316L stainless steel, enhanced Cr diffusion along the grain boundaries in 316EHP considerably improved the intergranular-oxidation resistance of the steel. However, in the LBE with a low oxygen concentration, 316EHP exhibited high susceptibility to dissolution corrosion, thus undergoing a rapid intergranular attack particularly for short exposure durations, and island-like ferritic particles were formed for long exposure durations. Future studies should explore the optimal oxygen concentrations for oxide scale formation and the long-term corrosion behavior of the steel in dynamic LBE systems.
大内 卓哉; 永田 寛; 篠田 侑弥; 吉田 颯竜; 井上 修一; 茅根 麻里奈; 阿部 和幸; 井手 広史; 綿引 俊介
JAEA-Technology 2025-006, 25 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構の研究施設等から発生する放射性廃棄物は、将来的に埋設処分することを予定しており、放射能濃度評価方法の構築が必要である。そこで、大洗原子力工学研究所では、研究施設等廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討に資するため、将来、埋設処分対象となることが想定される放射性廃棄物から試料採取を行い、放射化学分析により放射性廃棄物に含まれる各核種の放射能濃度のデータ取得を行っている。本報告書は、放射能濃度のデータ取得にあたって、試料採取対象の選定の考え方を示すとともに、令和5年度及び令和6年度にJMTR原子炉施設において実施した汚染物からの試料採取内容についてまとめたものである。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-012, 96 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明及び先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチを行った。Cs分布評価の不確かさ低減については、炉内のCsの化学形態について実験と計算の双方より、酸性・塩基性酸化物の組み合わせによる安定度の評価を行い、金属表面でのCsの化学的付着形態、Cs-Fe-O系、Cs-Si-Al-O系の安定度などが示され、Csの移行経路の考慮、PCV内部コンクリート残留Csの除染の重要性が示唆された。金属デブリの酸化変質評価については、熱力学的・速度論的実験により、ジルコニウムの極めて安定な酸化物生成挙動とRPV内溶融促進挙動及びステンレス含有元素の酸化膜形成における役割が示され、固液複相流体の粘性調査も併せて、金属デブリ流下挙動及び取り出し時の留意点が示唆された。これらの知見に基づく事故進展プロセスの総合評価として、水蒸気雰囲気で表面が酸化した鋼材へのCs化学吸着形態を同定し、吸着形態が鋼材の酸化度によって変化すること及びCs
Oのトラップ化合物種と酸化物浸透深さを考慮すべきことを明らかにするとともに、固体系金属デブリは水蒸気酸化及びFe
O
反応相形成によって支配されること及び溶融金属デブリは酸化によりZrO
が優先形成し、表面と内部の酸化度の差異から固液流体の凝固プロセスでスレート状構造を作りやすいことを明らかにし、蓋然性の高い事故進展シナリオ構築に寄与した。
廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*
JAEA-Review 2025-007, 120 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データベースの高度化」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、酸化物デブリの形成条件の推定研究として、ガス浮遊法や微小な穴を持つタングステンパイプから溶融・噴出させる方法によりウランを含有する模擬燃料粒子を合成し、その生成条件と性状をまとめた。また、JAEAによりサンプリングデータに基づき作成された凝固パス図を再現し、鉄の挙動が熱力学予測と少し異なる結果などを得た。金属デブリの混合・溶融・凝固状態の評価では、溶融させた金属デブリのステンレスへの落下試験や溶融ステンレスの模擬金属デブリへの落下試験を行いその生成物を分析した。その結果ステンレス鋼温度が1000
C程度の場合は溶融金属のZr濃度に関わらず薄い反応相を形成してステンレス鋼損傷が抑制されることがわかり、またB
C及びジルカロイのステンレス鋼融体への溶出速度を定量化した。さらに、ステンレス鋼とZrの混合物の各種圧力容器部材や溶接部材との反応速度データを拡充し、大型試験体系での解析可能な簡素化反応速度式を提案した。また、圧力容器下部の材質を参照した大型試験体の実験と反応速度式より、溶融金属と圧力容器構造材との反応による圧力容器下部破損挙動や溶融物流出挙動を評価した。さらに、圧力容器下部におけるデブリ再溶融過程でのウラン化合物とステンレス鋼等の金属物質の反応試験データを拡充し、金属デブリ層へのウラン移行挙動を評価した。また、試験技術の整備として、二酸化ウランとZrと金属との半溶融模擬デブリの合成と分析、CCIM炉とガス浮遊炉を用いた少量のウランの模擬燃料デブリ合成試験の検討を行った。
伊藤 あゆみ*; 菅野 辰哉*; 岩間 崇之*; 植田 滋*; 佐藤 拓未; 永江 勇二
Annals of Nuclear Energy, 217, p.111333_1 - 111333_14, 2025/07
福島第一原子力発電所2号機では、原子炉圧力容器の破損に寄与するメカニズムとして、主にFeとZrからなる金属プールの形成が提唱されている。本研究では、炉内劣化過程の後期に金属プールが形成された炉心劣化初期の材料相互作用に着目した。まず、Fe-87ZrとFe-15Zr(at%)の2種類の組成物を液相線温度1723Kまで加熱し、より低温のSS上に滴下し、反応生成物の金属組織を調べた。その後、1723Kから1873KのFe-87Zr融体を酸化SS上に滴下し、酸化膜が劣化に及ぼす影響を評価した。この研究により、すべての金属間化合物の液相線温度が2000K以下であることが確認され、金属破片が最近のシビアアクシデント解析で予測されている「金属プールの形成」の原因となりうることがわかった。
Chauvin, N.*; Martin, P.*; 尾形 孝成*; Calabrese, R.*; Janney, D.*; 廣岡 瞬; 加藤 正人; Staicu, D.*; McClellan, K.*; White, J.*; et al.
NEA/NSC/R(2024)1 (Internet), 289 Pages, 2025/07
OECD/NEAのWorking Party on Scientific Issues of Advanced Fuel Cycles(WPFD)/Expert Group on Innovative Fuel Elementsでは、各国の核燃料研究の専門家による協力のもとで、酸化物及び金属燃料を対象とした推奨燃料物性値を取りまとめ、燃料照射挙動解析コードのベンチマークに反映する活動を行ってきた。本報告は、公開文献をベースに推奨燃料物性値を取りまとめたものであり、格子定数、融点、熱膨張、熱伝導率、比熱、弾性率、酸素ポテンシャル及び相変化について、物性値、評価式及びそれらの適用範囲を示す。
Pandian, K.*; Neikter, M.*; Ekh, M.*; Harjo, S.; 川崎 卓郎; Woracek, R.*; Hansson, T.*; Pederson, R.*
JOM, 77(4), p.1803 - 1815, 2025/04
被引用回数:1 パーセンタイル:86.34(Materials Science, Multidisciplinary)To produce dense Ti-6Al-4V components, electron beam powder bed fusion is typically followed by post-heat treatment like hot isostatic pressing (HIP). Standard HIP at 920
C/100 MPa for 2 h coarsens the microstructure and reduces yield strength, while low-temp HIP at 800
C/200 MPa for 2 h limits coarsening and retains strength comparable to as-built material. A coarser microstructure negatively affects tensile properties. Tensile tests at various temperatures suggest that thermally activated slip systems may influence elongation, requiring further study. In situ neutron time-of-flight diffraction during tensile loading enables analysis of strain evolution and slip plane activity. A two-phase elastic-plastic self-consistent model was used to compare with experiments. Results show basal slip {0002} activated at 20
C, pyramidal slip {10-11} at 350
C, and
phase carrying higher stress than
in the plastic regime.
谷口 拓海; 松本 早織; 平木 義久; 佐藤 淳也; 藤田 英樹*; 金田 由久*; 黒木 亮一郎; 大杉 武史
JAEA-Review 2024-059, 20 Pages, 2025/03
廃棄物のセメント固化で求められる基本的な性能である硬化前の流動性および硬化後の強度特性は、廃棄物に含まれる物質や成分などの化学的作用の影響を受けることが予想される。硬化前の流動性および硬化後の強度特性はセメントの硬化速度に大きく影響されることから、セメントの硬化速度に影響を与える化学物質を対象に着目して既往の知見を調査し、取りまとめを行った。本報告書ではセメントの流動性に影響を及ぼす化学物質を大きく分類し、無機物質として(1)陰イオン種、(2)重金属等金属元素、(3)セメント混和剤として用いられる無機物質および(4)セメント混和剤として用いられる有機物質の4つに整理した。調査の結果、化学物質によって硬化を促進する効果と遅延する効果に大きく分類されることが分かったが、一部の化学物質ではその添加量によって硬化に与える影響が逆転するものも見られたことから、実際に化学物質を添加し、凝結時間測定を実施した。その結果、硬化促進に寄与するメカニズムが複数あることが分かった。セメントの硬化反応を阻害する化学物質を調査し、セメント固化における混入禁忌成分を検討するための情報を整理することができた。
Sm synchrotron-radiation-based M
ssbauer spectroscopy of Sm-based heavy fermion compounds筒井 智嗣; 東中 隆二*; 水牧 仁一朗*; 小林 義男*; 中村 仁*; 伊藤 孝; 依田 芳卓*; 松田 達磨*; 青木 勇二*; 佐藤 英行*
Interactions (Internet), 245(1), p.9_1 - 9_10, 2024/12
Sm synchrotron-radiation-based M
ssbauer spectroscopy has been applied to Sm-based heavy fermion intermetallics, Sm
Al
(
= Ti, V and Cr) and SmOs
Sb
. The isomer shifts obtained demonstrate that the Sm valence states in these compounds are intermediate. Since the difference of the isomer shifts in 22.502 keV
Sm M
ssbauer effect between Sm
and Sm
state is comparable to the 2nd order Doppler shift, consideration of the 2nd order Doppler shift is required to precisely discuss Sm valence state through the shifts of the M
ssbauer spectra. In addition, the plots of the isomer shifts obtained by the M
ssbauer spectroscopy against the Sm valence states estimated from Sm L-edge X-ray absorption spectroscopy exhibit a linear correlation except for that in SmOs
Sb
. This implies that the origin of the intermediate valence state in SmOs
Sb
differs from that in Sm
Al
(
= Ti, V and Cr).
Sm synchrotron-radiation-based M
ssbauer and
SR studies of Sm
Ru
Ge
筒井 智嗣; 伊藤 孝; 中村 仁*; 吉田 実生*; 小林 義男*; 依田 芳卓*; 中村 惇平*; 幸田 章宏*; 東中 隆二*; 青木 大*; et al.
Interactions (Internet), 245(1), p.55_1 - 55_9, 2024/12
Sm SR-based M
ssbauer and muon spin relaxation (
SR) spectroscopies have been applied to Sm
Ru
Ge
. The temperature dependence of the
Sm SR-based M
ssbauer spectra in the paramagnetic state implies the presence of dynamical nuclear Zeeman and/or quadrupole interactions. The time differential
SR spectra also exhibit a marked temperature dependence in the paramagnetic state, indicating the presence of magnetic fluctuation in Sm
Ru
Ge
at least. These results in the present work infer that the dynamical hyperfine interactions observed using the mutually complementary spectroscopic methods are connected with the mechanism of the heavy fermion behavior in Sm
Ru
Ge
.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-022, 59 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「マイクロ・ナノテクノロジーを利用したアルファ微粒子の溶解・凝集分散に及ぼすナノ界面現象の探求」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。安全で合理的な燃料デブリ取出しを進めるためには、デブリ加工時に発生するアルファ微粒子の溶解や変性挙動の把握は不可欠であることに鑑み、本研究は、金属酸化物ナノ粒子の凝集、溶解、変性挙動を熱力学的・速度論的に解明し得るマイクロ・ナノデバイスを創出すると共に、数理科学と組み合わせることで、アルファ微粒子の溶解・凝集・変性プロセスのメカニズム解明と反応モデル化を実現することを目的としている。具体的には、(1)ナノ粒子溶解特性評価、(2)溶解ダイナミクス分析、(3)凝集ダイナミクス分析、(4)表面微構造解析、(5)数理科学的モデリングの5項目を日本側・英国側で分担し、互いに有機的に連携しながら推し進める。令和4年度には、マイクロ限外ろ過分離法を用いて金属酸化物ナノ粒子(TiO
、CeO
、ZrO
、ZnO)の溶解特性を調べ、これら金属酸化物ナノ粒子と反応溶媒(純水、硝酸、H
O
)との組み合わせによって、個々のナノ粒子の変性挙動は異なっており、特に、H
O
処理がナノ粒子の変性と溶解の促進を引き起こすことを見出した。また、金属酸化物ナノ粒子と反応溶媒との衝突反応を観測できるマイクロデバイスを創出し、観察画像の輝度変化からナノ粒子の凝集速度を求めることに成功した。
Journeau, C.*; Molina, D.*; Brackx, E.*; Berlemont, R.*; 坪田 陽一
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(9), p.1239 - 1247, 2024/09
被引用回数:3 パーセンタイル:69.12(Nuclear Science & Technology)CEAは、劣化ウランを使用したUO
またはHfO
を(核燃料としての)UO
の 代替物として用いて、福島第一原子力発電所の模擬燃料デブリを製造した。溶融燃料-コンクリート相互作用によって生じたEx-vessel模擬燃料デブリでは、酸化物相の密度が金属相の密度より軽くなる。それゆえ重い金属質の相が底に偏析する。これら金属相のうち3つの試料を、CEAカダラッシュ研究所でのハンドソー切断、及び同研究所のFUJISAN施設でコアボーリング装置により機械的に切断された。これらの金属ブロックのうち、2つは非常に硬く(1つはUO
試料、もう1つはHfO
試料)、最後の1つ容易に切断可能であった。これらの3つの金属ブロックの金相分析(SEM-EDSとXRD)の類似点と相違点に関して議論する。この経験は、福島第一原子力発電所の燃料デブリの切断・回収を視野に入れた場合、有益な学びとなる。
廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*
JAEA-Review 2024-014, 112 Pages, 2024/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データベースの高度化」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。酸化物デブリの逆解析では、ガス浮遊法や微小な穴を持つタングステンパイプから溶融・噴出させる方法により模擬燃料粒子の合成に成功した。さらに、サンプリングデータに基づき作成されたU1-No.15試料の凝固パス図を再現し、鉄の挙動が熱力学予測と少し異なる結果を得た。金属デブリの混合・溶融・凝固状態の評価では、溶融させた金属デブリのステンレスへの落下試験や溶融ステンレスを模擬金属デブリへの落下試験より、それぞれ溶融反応が低下するメカニズムを明らかにした。さらにステンレス鋼とジルコニウム混合物の各種圧力容器部材や溶接部材との反応速度データに基づく大型試験体系での解析可能な簡素化モデルを提示、また圧力容器下部の材質を参照した大型試験体の実験より酸化物が圧力容器破損に与える影響を評価、さらに炉心部から先行して溶融・移行したステンレス鋼等の金属物質の再溶融過程におけるウラン混入条件の評価を行った。また、試験技術の整備として、二酸化ウランとジルコニウムと金属との半溶融模擬デブリの合成、少量のウランを用いる模擬燃料デブリ合成に最適な加熱炉の検討を行った。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-010, 112 Pages, 2024/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明及び先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチを行っている。令和4年度は、3号機RPVの炉心損傷進展においてMoやIを含んだCs系化学種が気相安定条件、3号機PCVではCsとコンクリート成分の相互反応で形成する可能性のあるCs-Si-Al-O系化合物の生成条件などを整理した。Cs含有物質や金属デブリ模擬物質やコンクリートを用いた水蒸気雰囲気における熱分析試験を実施し、金属表面ではCrやFe系化合物が、酸化物表面ではSiやAlなどの成分を含む化合物が化学吸着する傾向があることが分かった。Csを含有するエアロゾルに関して、Cs
O-Fe
O
系融体の粘度測定を行い、生成浮遊機構解明を進めた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2024-007, 83 Pages, 2024/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリにおける特性の経年変化と環境劣化割れの調査」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料被覆管、制御棒シース等に由来する元素を主成分とする"金属デブリ"に着目し、事故の進展と経年化によるデブリの特性の変化及び材料の変化に由来する金属デブリの機械的特性と形状について、基礎的な知見を取得するものである。今年度が最終年度であり、三ヶ年で得られた知見は次の通りである。金属デブリには、Zr-Fe-B-C系の状態図に即した6つの相が析出する。燃料ペレットから金属デブリ側への酸素拡散による酸化は限定的だと予想される。事故直後を模擬した高温酸化状態では、表面にZr
Feを主成分とする外層皮膜が形成される。この物質は良い耐食性を持つので、外層皮膜は金属的な性質を維持している。母相の化学組成に応じた内層酸化皮膜も形成される。内層皮膜の成長は体積膨張を伴うが、ZrB
等は硬質で酸化しないので、これを起点に表面隆起や割れが生じる。軽水炉運転温度程度の水蒸気腐食環境で、金属デブリを構成する各相は耐食性を持つ。金属デブリへの水素吸収は限定的である。被覆管材が主成分の金属デブリは金属的だが、原子炉圧力容器や制御材の構成物質を多く含むなら硬くて脆くなる。金属デブリの表面には、硬さの小さな外層皮膜が存在する可能性があるが、内部の機械的特性は主要構成物質の性質による。
高梨 弘毅; 関 剛斎*
まぐね, 19(3), p.100 - 106, 2024/06
薄膜の垂直磁気異方性は、磁気記録のみならずスピントロニクスにおいても重要な役割を果たしている。本解説記事では、垂直磁気異方性に関して、磁気多層膜、規則合金膜、希土類遷移金属アモルファス合金多層膜、不均一膜やグラニュラー膜など、垂直磁化を持つ具体例を示しながら、基礎からこれまでの研究、そして最近の研究動向を概説する。それぞれの具体例について、構造対称性の破れによる界面磁気異方性、ひずみによる磁気弾性異方性、バルクの結晶磁気異方性、原子の方向性規則配列などの垂直磁気異方性の物理的起源を議論する。
関 剛斎*; 内田 健一*; 高梨 弘毅
Journal of Physics; Condensed Matter, 36(33), p.333001_1 - 333001_11, 2024/05
被引用回数:2 パーセンタイル:5.97(Physics, Condensed Matter)Spin caloritronics, a research field studying on the interconversion between a charge current (J
) and a heat current (J
) mediated by a spin current (J
) and/or magnetization (M), has attracted much attention not only for academic interest but also for practical applications. Newly discovered spin-caloritronic phenomena such as the spin Seebeck effect (SSE) have stimulated the renewed interest in the thermoelectric phenomena of a magnet, which have been known for a long time, e.g. the anomalous Nernst effect (ANE). These spin-caloritronic phenomena involving the SSE and the ANE have provided with a new direction for thermoelectric conversion exploiting J
and/or M. Importantly, the symmetry of ANE allows the thermoelectric conversion in the transverse configuration between J
and J
. Although the transverse configuration is totally different from the conventional longitudinal configuration based on the Seebeck effect and has many advantages, we are still facing several issues that need to be solved before developing practical applications. The primal issue is the improvement of conversion efficiency. In the case of ANE-based applications, a material with a large anomalous Nernst coefficient (S
) is the key for solving the issue. This review article introduces the increase of S
can be achieved by forming superlattice structures, which has been demonstrated for several kinds of materials combinations. The overall picture of studies on spin caloritronics is first surveyed. Then, we mention the pioneering work on the transverse thermoelectric conversion in superlattice structures, which was performed using Fe-based metallic superlattices, and show the recent studies for the Ni-based metallic superlattices and the ordered alloy-based metallic superlattices.
船引 雄太*; 伊與田 宗慶*; 菖蒲 敬久; 松田 朋己*; 林 雄二郎*; 佐野 智一*; 他8名*
Journal of Manufacturing Processes, 115, p.40 - 55, 2024/04
被引用回数:5 パーセンタイル:67.50(Engineering, Manufacturing)In resistance spot welding (RSW) of Fe and Al alloy, an intermetallic compound (IMC) is formed at the joining interface, and it is known that the joining strength of the joint decreases as the IMC becomes thicker. In this study, the convection behavior in the Al alloy melting zone of an Fe-Al alloy RSW was varied and the effect on the joint characteristics was investigated. For this study, focusing on the electromagnetic force generated in the Al alloy melting zone, the convection behavior in the Al alloy melting zone was changed by adding an external magnetic field using neodymium magnets. In-situ evaluation of the convection behavior using synchrotron radiation and cross-sectional macro-observation of the joint revealed that the addition of an external magnetic field causes a non-axisymmetric change in the convection behavior in the Al alloy melting zone, which results in the deflection of the Al alloy melting zone. The addition of an external magnetic field increases the driving force of convection and homogenizes the temperature field at the joining interface, suggesting that the IMC near the center is formed thin and uniform. Furthermore, from the cross tension test and the observation of the fracture surface of the joint after the test, it was clarified that the CTS of the joint with an external magnetic field was improved by the propagation of cracks into the Al alloy melting zone during the test.
Tei, C.; 大高 雅彦; 桑原 大介*
Chemical Physics Letters, 829, p.140755_1 - 140755_6, 2023/10
被引用回数:1 パーセンタイル:7.72(Chemistry, Physical)固体金属粒子の界面に付着した液体ナトリウムの核磁気共鳴(NMR)信号を初めて検出することに成功した。本研究では、液体ナトリウムと液体ナトリウム中に浮遊する金属粒子との相互作用の違いによる緩和時間の違いを確認した。その結果、微小チタン粒子表面と液体金属ナトリウムは化学的ではなく物理的に相互作用していることが明らかとなった。