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井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 24(8), p.080701_1 - 080701_5, 2017/08
被引用回数:10 パーセンタイル:49.09(Physics, Fluids & Plasmas)大域的full-fジャイロ運動論モデルに基づく電子加熱変調数値実験から、電子加熱によるイオン温度勾配駆動(ITG)乱流から捕捉電子モード(TEM)乱流への遷移が密度勾配の急峻化とプラズマ回転の変化をもたらすことを示した。回転変化時のトロイダル角運動量バランスをトロイダル角運動量保存則の直接観測によって明らかにし、イオン系の乱流応力に加え、イオン系の新古典応力、径方向電流、イオン系と電子系のトロイダル電場応力が重要となることを示した。ITGフェーズとTEMフェーズにおけるトロイダルトルクの反転はイオン系方向電流の反転によるものであり、これは粒子輸送と運動量輸送の相互作用であることを明らかにした。イオン系と電子系の径方向電流は両極性条件を満たすようにバランスし、電子系の径方向電流は電子系のトロイダル電場応力によって打ち消される。これは電子系のトロイダル電場応力が間接的にトロイダルトルクに影響していることを示す。
居田 克巳*; 三浦 幸俊; 松田 俊明; 伊藤 公孝; JFT-2Mグループ
NIFS-241, 16 Pages, 1993/08
NBI入射をCoからGあるいはCからCoに入れ変えてトロイダル回転分布の時間変化をCの不純物のCXRS測定により測定した。トロイダル回転の輸送解析を行い、C方向のトロイダル回転として現れる非拡散項が存在しているであろうという結果を得た。
平山 俊雄; 菊池 満; 白井 浩; 清水 勝宏; 矢木 雅敏; 小出 芳彦
核融合研究, 65(SPECIAL ISSUE), p.75 - 97, 1991/03
JT-60のL-モード、及び高イオン温度モードプラズマについて熱輸送解析を行い、以下の点を明らかにした:1)加熱パワーの増大に伴う閉じ込めの低下は、イオン熱輸送特性の劣化による。Iの増加によるLモードプラズマの改善は、電子、及びイオンの閉じ込めの改善による。2)高イオン温度モードでは、プラズマ中心領域のイオン熱輸送が改善された事による(/~10/=1~2)。3)イオン異常輸送の物理モデルとして、イオン温度勾配不安定性に基づく輸送理論モデルを広範な実験データと比較し、良い一致を示すことが確認された。
井戸村 泰宏
no journal, ,
本講演ではfull-fジャイロ運動論シミュレーションにおける運動量輸送の理論的理解について概説する。まず、トロイダル角運動量保存を示すことによって一次精度ジャイロ運動論に基づく現在の理論的枠組の妥当性を議論する。次に、分布シアが誘起する残留応力の理論に基いて非拡散的運動量輸送と乱流状態のモード構造の上下非対称性の関連を示す。最後に、トロイダル角運動量保存に基いて定常プラズマにおける自発回転分布を維持する機構を議論する。
井戸村 泰宏
no journal, ,
熱源駆動full-fジャイロ運動論シミュレーションと勾配駆動delta-fジャイロ運動論シミュレーションの比較をi)乱流運動量輸送、および、ii)プラズマサイズと加熱パワーに対するイオン温度勾配駆動乱流のスケーリングについて議論する。前者の問題においては、乱流輸送と新古典輸送を含む両極性条件が運動量輸送とそれによって得られるプラズマ回転分布の評価において必要不可欠である。後者の問題においては、局所的なパワーバランス条件の下での温度揺動と乱流輸送の自己無撞着な相互作用が加熱パワーに依存する閉じ込め劣化現象を引き起こす。これらの物理機構はfull-fシミュレーションに特有のものであり、プラズマ閉じ込め性能の評価に大きく影響する。
井戸村 泰宏
no journal, ,
新しいハイブリッド運動論的電子モデルによってジャイロ運動論的トロイダル5次元full-fオイラーコードGT5Dを拡張することによって、電子乱流に関連するITERの重要課題を研究できるようになった。本講演では、新しいハイブリッド運動論的電子モデルの物理的背景と数値計算特性を議論するとともに、プラズマ乱流輸送の同位体効果や電子加熱によるプラズマ回転変化といったITER重要課題へのモデル適用事例を紹介する。これらのシミュレーション研究はITERにおいて電子乱流が重要な役割を果たすこと、このため新しいハイブリッド運動論的電子モデルがITERの炉心プラズマ性能解析に必須となることを示している。
井戸村 泰宏
no journal, ,
プラズマ回転の反転あるいは変化は近年の運動量輸送トカマク実験における重要課題の一つである。本研究ではジャイロ運動論的トロイダル5次元full-fオイラーコードGT5Dを用いた数値実験に基づきこの問題を調べた。GT5Dではトロイダル角運動量保存則の直接観測によって詳細な運動量輸送機構およびそれによって形成されるプラズマ回転を解析できる。多くのトカマク装置において、運動量入力のない電子サイクロトロン共鳴加熱の印加によって回転変化が共通して観測されている。この電子加熱による回転変化を数値実験ではじめて再現し、イオン乱流と電子乱流の間で運動量の乱流輸送が変化することが重要な役割を果たすことを発見した。
井戸村 泰宏
no journal, ,
ITERのプラズマ回転を決定すると考えられている運動量の乱流輸送は国際トカマク物理活動における重要課題の一つである。特に、運動量入力のない電子サイクロトロン波による電子加熱がもたらすプラズマ回転の変化は運動量の乱流輸送の変化を示す現象として近年注目されてきたが、その物理機構は未解明であった。本研究ではジャイロ運動論的トロイダル5次元full-fオイラーコードGT5Dを用いた数値実験によりこの現象を再現することに成功した。トロイダル角運動量保存則の直接観測によって、電子加熱によって主要な乱流がイオン系乱流から電子系乱流に遷移し、運動量の乱流輸送が変化することを発見した。