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廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2025-015, 73 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、英国研究者との協力の下、高度な粒子検出及び特性評価システムとエアロゾルの分散制御を同時に組み込んだ安全なレーザー除染システムの開発を目指している。エアロゾル分散制御については、単純な機械的封じ込めフードから光学レーザーシールドに至るまでの新しい封じ込め方法を共同で調査する。日本側は、レーザー切断及び除染用途での放射線リスクを低減するため、ウォーターミストとウォータースプレーの利用に基づく放射性分散制御方法を開発する。英国側から提供されたエアロゾル粒子のデータに基づき、エアロゾルスクラビングの効率を高める可能性を調査する。また、エアロゾル粒子とウォーターミスト粒子の間の引力向上させるための電荷付与の効果を確認する。英国側は、エアロゾルのレーザー閉じ込め法を開発しており、スプレースクラビングにおいてエアロゾル粒子とミストの凝縮を改善するための実験を行う。エアロゾル除去技術と戦略の開発は、包括的な実験と計算研究によって実行される。実験はUTARTS(東京大学エアロゾル除去試験施設)で行われ、レーザー除染や切断とスプレー操作の同時作業等を検証する。また、CFDモデルのより適切な検証を実行できる高空間分解能データを取得するためエアロゾル測定を実施する。検証済みのCFDモデルは、効果的で安全な除染及び廃炉計画を作成するために、様々なレーザー操作シナリオで確認する。最終年度においては、実スケールでの作業及び除染効果を検証するため、モックアップ試験を実施し、本研究により構築した除染システムを評価検証する。
齋藤 慎平*; De Rosis, A.*; Fei, L.*; Luo, K. H.*; 海老原 健一; 金子 暁子*; 阿部 豊*
Physics of Fluids, 33(2), p.023307_1 - 023307_21, 2021/02
被引用回数:65 パーセンタイル:98.26(Mechanics)流れ場で沸騰が発生する現象は強制対流沸騰として知られている。今回、飽和条件の流れ場中の円柱上での沸騰システムを数値的に調査した。複雑な気液相変化現象に対処するために、擬ポテンシャル格子ボルツマン法(LBM)に基づく数値スキームを開発した。高いレイノルズ数の数値安定性を高めるため、衝突項を中心モーメント(CM)の空間で解いた。CMベースのLBMに適した力場スキームを採用することで簡潔でありながら堅牢なアルゴリズムとなっている。さらに、熱力学的一貫性を確保するために必要な追加項をCMの枠組みにおいて導出した。現在のスキームの有効性は、核形成,成長、および30-30000の間で変化するレイノルズ数の蒸気泡の離脱を含む一連の沸騰プロセスに対してテストされた。開発したCMベースのLBMは、初期気相などの人工的な入力なしに、核沸騰,遷移沸騰、および膜沸騰の沸騰様式を再現できる。結果からプール沸騰ではなく強制対流システムでも抜山曲線として知られる典型的な沸騰曲線が現れることが分かった。また、今回のシミュレーションは膜沸騰領域でも断続的な直接固液接触の実験的観察を支持することが分かった。
Wang, Z.; Duan, G.*; 越塚 誠一*; 山路 哲史*
Nuclear Power Plant Design and Analysis Codes, p.439 - 461, 2021/00
The Moving Particle Semi-implicit (MPS) method is one kind of particles methods which are based on Lagrangian approach. It has been developed to analyze complex thermal-hydraulic problems, including those in nuclear engineering. Since meshes are no longer used, large deformation of free surfaces or interfaces can be simulated without the problems of mesh distortion. This approach is effective in solving multiphase fluid dynamics which is subject to complex motion of free surfaces or interfaces. Since its development, MPS method has been extensively utilized for wide range of applications in nuclear engineering. In this chapter, the basic theory of the MPS method is firstly explained. Then, some examples of its application in nuclear engineering, including bubble dynamic, vapor explosion, jet breakup, multiphase flow instability, in-vessel phenomenon, molten spreading, molten core concrete interaction (MCCI) and flooding, are presented.
Wang, Z.; 岩澤 譲; 杉山 智之
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 12 Pages, 2020/08
In a hypothetical severe accident in a light water reactor (LWR) nuclear power plant, there is a possibility that molten core released from the reactor vessel gets in contact with water in the containment vessel. In this so-called fuel-coolant interactions (FCIs) process, the melt jet will breakup into fragments, which is one of the important factors for a steam explosion, as a potential threat to the integrity of the containment vessel. In order to investigate the melt-jet breakup with solidification processes, a multiphase particle method is developed in this study. Benefiting from its Lagrangian description and meshless framework, the large deformed interfaces could be directly and easily captured by the particle motions. A simple transient heat conduction test is firstly carried out. Two important multiphase instabilities, namely the Rayleigh-Taylor instability and the Kelvin-Helmholtz instability, are studied since they play important roles during the melt-jet breakup. After that, a bubble rising benchmark is performed to show the feasibility of modelling for deformation and collapse. The results achieved so far indicates that the developed particle method is capable to analyze the melt-jet breakup with solidification processes.
内堀 昭寛; 渡部 晃*; 高田 孝; 大島 宏之
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(10), p.1036 - 1045, 2017/10
被引用回数:5 パーセンタイル:35.69(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器におけるナトリウム-水反応現象を評価するため、圧縮性多成分多相流及びNa-水化学反応を対象とした数値解析コードSERAPHIMを開発している。従来のSERAPHIMコードは差分法を用いているが、本研究では、伝熱管の存在する複雑形状領域に対して解析精度を向上することを目的に非構造格子に対応した解析手法を開発した。解析手法妥当性確認の一環として不足膨張噴流実験の解析を実施した結果、解析結果における圧力分布が実験結果と一致する結果を得た。また、Na中へ水蒸気が噴出する現象を対象とした解析を実施し、実現象に対する適用性を確認した。構造格子及び非構造格子を用いた解析から、非構造格子を適用することの効果についても確認した。
酒井 幹夫; 山本 俊弘; 村崎 穣; 三好 慶典
Nuclear Technology, 149(2), p.141 - 149, 2005/02
被引用回数:3 パーセンタイル:22.93(Nuclear Science & Technology)従来から行われてきたMOX燃料粉末の混合撹拌時の臨界特性評価では、粉体混合に伴うMOX燃料粉末界面(粉末と空気の境界面)の変形や粉末の混合状態を考慮することができなかった。そこで、離散要素法と核計算を結合し、粉末界面の変形を考慮できる臨界特性評価手法を開発した。粉末界面変形及び粉末の混合状態が中性子実効増倍率に及ぼす影響を評価した。
柴本 泰照; 佐川 淳*; 久木田 豊*; 中村 秀夫
混相流, 17(2), p.171 - 179, 2003/06
水/溶融物混相流実験への適用を目的として、局所における流体相判別と温度計測を同時かつ高速で行う複合プローブを開発した。細径の露出型熱電対を用いて、温度測定と同時に、溶融金属・水・蒸気のいずれの相の温度を測定しているかを検出する。100kHzの交流信号を熱電対に印加し、熱電対と接地間の電気イピーダンスを計測することで相判別を行う。交流信号は、アンプで増幅される前にローパスフィルター(LPF)によって温度信号から分離される。初期設計段階では、熱電対が金属相に接触し、電気的に接地されるたびに温度信号に大きなノイズがでる問題が生じたが、LPFを再設計することでこれを改善した。最終設計では、水-溶融物-蒸気各々の相に対して、相表面の高速移動と温度変化の計測に成功した。
中村 秀夫; 柴本 泰照; 安濃田 良成; 久木田 豊*; 三島 嘉一郎*; 日引 俊*
Nuclear Technology, 125(2), p.213 - 224, 1999/02
被引用回数:12 パーセンタイル:61.90(Nuclear Science & Technology)高温(≦773K)で液状の鉛ビスマス合金の水中あるいは空の模擬容器への落下挙動を、高速度撮像の中性子ラジオグラフィで観察した。高速ビデオカメラ、イメージインテンシフィヤ及びJRR-3Mの高速中性子ビームにより、溶融及び固化金属と水、沸騰による水蒸気との激しい相互作用を、最高500フレーム毎秒で明瞭に可視化した。さらに、金カドミニューム合金のトレーサー粒子を混入することで、水中に落下した溶融金属の流速分布計測をPIV法を用いて実施した。以上の結果から、本可視化手法が、金属/気相/液相混合物の、高速でかつ複雑な現象の観察に適用可能なことを示した。
三島 嘉一郎*; 日引 俊*; 斎藤 泰司*; 中村 秀夫; 松林 政仁
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 424(1), p.66 - 72, 1999/00
被引用回数:23 パーセンタイル:81.85(Instruments & Instrumentation)高精度計測法としての熱中性子ラジオグラフィの確立に関連して実施した定常熱中性子ビームを用いる高速度中性子ラジオグラフィ開発の現状及び日本原子力研究所と京都大学原子炉実験所が協力して実施した混相流研究への応用をレビューした。このレビューには、高性能マイクロエレクトロニクス機器、高出力研究炉、核融合炉のプラズマ対向機器の冷却系に関連する狭間隙矩形流路及び小口径円管内の断熱空気-水二相流のボイド率測定だけでなく、高密度比の気体-溶融金属二相流、原子炉のシビアアクシデント解析に関連した溶融金属-水相互作用の可視化とボイド率計測を含めた。さらに、高転換軽水原子炉稠密炉心の模擬サブチャンネル内における断熱空気-水流のボイド率に関して新しい実験データを示した。結果として、中性子ラジオグラフィが熱水力研究において有望な可視化計測法であることが実証された。
内海 隆行*; 藤井 貞夫*
Therm. Sci. Eng., 7(1), p.21 - 30, 1999/00
X線レーザー発振方式の一つである電子衝突励起型X線レーザーでは、常温の固体ターゲットをレーザー照射して高温・高密度プラズマを生成する過程を含んでいる。このレーザー照射生成プラズマの熱力学特性は、X線レーザーの利得と重要な関係があり、シミュレーション等により正確に推定することが要求されている。超高出力超短レーザー光による物質の溶融・蒸発シミュレーションを行うために多相・多成分の流体が存在する系に適用可能なコードを開発してきた。本論文では、C-CUP法を一般化した本コードの数値解析法の定式化について述べるとともに、このコードによる多相流解析の基本検証問題、及び固体ターゲットへのレーザー照射の解析結果について記述する。
功刀 資彰
日本機械学会論文集,B, 63(609), p.88 - 96, 1997/05
本研究は、VOF(Volume of Fluid)法の特徴である質量の完全な保存性を保ちつつ、その欠点である界面こう配輸送の不正確性を克服する新しい流体率輸送法を開発し、最終的には相変化を伴う固体・液体・気体の混在する多相熱流体の統一的直接解析手法の構築を目指している。本報告では、表面張力モデルの取り扱い及び新しく開発した「界面こう配を考慮した界面輸送法」を含む多相流の直接解析手法MARS(Multi-interface Advection and Reconstruction Solver)の概要を述べるとともに、解析例として、2次元気泡塔下部オリフィスから連続的に発生する気泡及び発生した気泡同士の合一挙動、3次元気泡塔内における2つの気泡の合一挙動及び2次元容器内における沸騰・凝縮挙動シミュレーションを示す。
森山 清史; 山野 憲洋; 丸山 結; 工藤 保; 杉本 純
Proc. of ASME
JSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.903 - 915, 1996/00
原研では水蒸気爆発解析コードJASMINEの開発を行っている。本コードは(株)富士総合研究所によって開発された多次元多相流水力解析コードMISTRALをベースに開発され、現在粗混合モジュールの基本的な枠組みを完成して試計算を行っている。基礎式はもとのコードのものを用いており、冷却材、蒸気、溶融炉心の3相についての質量、運動量、エネルギー保存式を3次元オイラー系で記述したものである。相間の相互作用項と流動様式については、粗混合過程の現象をモデル化したものを組みこんだ。コード検証の第一段階として固体粒子を水中に投入した実験について解析を行い、実験結果との間で比較的良好な一致が得られた。また、コードに組みこまれているTVDスキームが溶融物の分布を精度よく捕らえるために有効であることがわかった。