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大窪 貴洋*; 武井 滉洋*; 舘 幸男; 深津 勇太; 出口 健三*; 大木 忍*; 清水 禎*
Journal of Physical Chemistry A, 127(4), p.973 - 986, 2023/02
被引用回数:0粘土鉱物へのCsの吸着サイトの特定は、環境化学の分野で研究されてきた。核磁気共鳴(NMR)実験によって、吸着されたCsの局所構造を直接観察することが可能である。固体NMR実験から得られたCsのNMRパラメータは、吸着されたCsの局所的な構造に敏感である。しかしながら、NMRデータだけからCsの吸着位置を決定することは困難であった。本研究では、機械学習と実験的に観察されたケミカルシフトを組み合わせることにより、粘土鉱物に吸着されたCsの吸着位置を特定するためのアプローチについて提示する。原子配置の記述子とNMRによるケミカルシフトの第一原理計算結果を関連付けて評価する機械学習の線形リッジ回帰モデルを構築した。これにより、原子配置の構造データから
Csのケミカルシフトを高速で計算することが可能となった。機械学習モデルによって、実験的に観察された化学シフトから逆解析を行うことにより、Cs吸着位置を導き出すことが可能になる。
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; Opletal, P.; 藤林 裕己*; 金城 克樹*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(2), p.023707_1 - 023707_5, 2022/02
被引用回数:6 パーセンタイル:95.83(Physics, Multidisciplinary)ウラン系の強磁性超伝導体で議論されてきた、「強磁性ゆらぎによるスピン三重項超伝導対の形成」および「強磁性ゆらぎを介した磁場による対形成引力の制御」というコンセプトがUTeにおいても成り立つことを期待させる。しかしその一方、
では静的な強磁性秩序は存在せず、低温の磁気状態がこれまでのウラン系強磁性超伝導体にどこまで近いのかという点については疑問を持たれていた。実際、最近の中性子散乱実験では、比較的高温側から反強磁性に近いq=0.57という波数を持った磁気ゆらぎの発達が示されている。本研究では
Te-NMR実験により低温で非常に遅いゆっくりとした揺らぎが発達する様子を捉えることに成功した。このことはこの系の低温における強い相関の発達を示唆している。
Walker, C.*
NIMS微細構造解析プラットフォーム利用報告書(Internet), 2 Pages, 2021/09
日本の放射性廃棄物地層処分では、低アルカリ性セメントであるフライアッシュ高含有量シリカフュームセメント(HFSC)の使用が検討されている。日本原子力研究開発機構では、HFSCの主成分であるカルシウムアルミニウムシリケート水和物(C-A-S-H)ゲルを合成し、その長期安定性について実験とモデル化を行っている。モデル化にあたっては、この合成サンプル中に含まれるC-A-S-Hゲル及び副鉱物の組成を決定する必要がある。本課題では、合成サンプル中のAl及び
SiのNMRスペクトルを取得し、Al及びSiの存在形態を定量した。
酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; Zhu, J.-X.*; Ronning, F.*; Thompson, J. D.*; Ramakrishna, S. K.*; Reyes, A. P.*; 鈴木 康平*; 大島 佳樹*; et al.
Physical Review B, 104(8), p.085106_1 - 085106_12, 2021/08
被引用回数:2 パーセンタイル:34.91(Materials Science, Multidisciplinary)典型的な量子臨界金属であるCeCoInは、In元素をZn元素で少量置換することで、反強磁性を誘起できることが知られており、7%Zn置換系では、超伝導も共存する。NQRおよびNMRを用いて、微視的に電子状態を調べた結果、反強磁性はZn置換子周辺で起こり、超伝導は置換子から離れた電子状態が核となって起こり、近接効果により、バルク全体に超伝導が拡がる、という不均一性を見出した。Zn置換子周辺にある局所不均一性は、磁場をかけても残存することも見出した。
吉田 章吾*; 小山 岳秀*; 山田 陽彦*; 中井 祐介*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 北川 健太郎*; 芳賀 芳範
Physical Review B, 103(15), p.155153_1 - 155153_5, 2021/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)SmS, a protopypical intermediate valence compound, has been studied by performing high-pressure nuclear magnetic resonance measurements. The observation of an additional signal at high pressure gives evidence of a magnetic phase transition. The cancellation of the hyperfined fields at the S site suggests a type-II antiferromagnetic structure.
仲嶺 元輝*; 金城 克樹*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; 徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 仲村 愛*; 清水 悠晴*; 本間 佳哉*; et al.
Physical Review B, 103(10), p.L100503_1 - L100503_5, 2021/03
被引用回数:16 パーセンタイル:93.29(Materials Science, Multidisciplinary)To investigate spin susceptibility in a superconducting (SC) state, we measured the Te-NMR Knight shifts at magnetic fields (
) up to 6.5 T along the
and
axes of single-crystal UTe
, a promising candidate for a spin-triplet superconductor. In the SC state, the Knight shifts along the
and
axes (
and
, respectively) decreased slightly, and the decrease in
was almost constant up to 6.5 T. The reduction in
decreased with increasing
, and
was unchanged through the SC transition temperature at 5.5 T, excluding the possibility of spin-singlet pairing. Our results indicate that spin susceptibilities along the
and
axes slightly decrease in the SC state in low
, and the
response of SC spin susceptibility is anisotropic on the
plane.
大窪 貴洋*; 山崎 秋雄*; 深津 勇太; 舘 幸男
Microporous and Mesoporous Materials, 313, p.110841_1 - 110841_11, 2021/01
被引用回数:1 パーセンタイル:14.6(Chemistry, Applied)Ca型モンモリロナイト中の間隙分布が、乾燥密度(0.8-1.6g/cm),間隙水塩濃度(脱イオン水、0.1及び1M CaCl
),温度(233-303K)の条件下で、
H NMR測定によって調査された。圧縮Ca型モンモリロナイト中の2層及び3層水和を含む層間間隙と層間外間隙の体積割合が、緩和時間
及び
分布の分析に基づくNMR緩和時間測定法によって定量評価され、さらに、NMR凍結間隙測定法及びX線回折法による結果と比較された。これらの分析によって、Na型モンモリロナイトと比較可能な、Ca型モンモリロナイト中の間隙分布の状態を把握することができた。圧縮Ca型及びNa型モンモリロナイト中の間隙分布に影響を及ぼす主要な因子は圧縮密度であり、間隙水塩濃度の影響は相対的に小さい結果となった。CaとNaの層間陽イオンの影響は高密度条件では小さいが、低密度ではその影響は顕著であった。
今井 正樹; 中堂 博之; 松尾 衛; 前川 禎通; 齊藤 英治
Physical Review B, 102(1), p.014407_1 - 014407_5, 2020/07
被引用回数:6 パーセンタイル:45.02(Materials Science, Multidisciplinary)The angular momentum compensation temperature of ferrimagnets has attracted much attention because of high-speed magnetic dynamics near
. We show that NMR can be used to investigate domain wall dynamics near
in ferrimagnets. We performed
Fe-NMR measurements on the ferrimagnet Ho
Fe
O
with
= 245 K. In a multi-domain state, the NMR signal is enhanced by domain wall motion. We found that the NMR signal enhancement shows a maximum at
in the multi-domain state. The NMR signal enhancement occurs due to increasing domain-wall mobility toward
. We develop the NMR signal enhancement model involves domain-wall mobility. Our study shows that NMR in multi-domain state is a powerful tool to determine
, even from a powder sample and it expands the possibility of searching for angular momentum-compensated materials.
Lessux, G. G.*; 酒井 宏典; 服部 泰佑*; 徳永 陽; 神戸 振作; Kuhns, P. L.*; Reyes, A. P.*; Thompson, J. D.*; Pagliuso, P. G.*; Urbano, R. R.*
Physical Review B, 101(16), p.165111_1 - 165111_6, 2020/04
被引用回数:6 パーセンタイル:51.79(Materials Science, Multidisciplinary)近藤格子典型物質であるCeRhInは、
=31Tの外部磁場によってフェルミ面再構成を起こし、反強磁性相内において電気伝導性が顕著な面内異方性を示すことが知られている。ゼロ磁場の反強磁性秩序状態はよく理解されているが、
の強磁場によって、どのような電子状態が微視的に現れるのかは不明のままであった。
=31Tの強磁場下において、核磁気共鳴(NMR)法によって、
Inサイトのナイトシフトが変化することを見出した。また、結晶電場の磁場依存性について計算を行い、
が、4f電子軌道が交差する特徴的な磁場であることを示した。
酒井 宏典; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 神戸 振作; Ramakrishna, S. K.*; Reyes, A. P.*; Rosa, P. F. S.*; Ronning, F.*; Thompson, J. D.*; Fisk, Z.*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 30, p.011169_1 - 011169_6, 2020/03
半金属から半導体へクロスオーバーを示すウラン二硫化物-US
について、核スピン
をもつ
S核核磁気共鳴(NMR)法を用いて研究を行った。
S核は自然存在比0.76%しかないため、このNMR実験のために50%まで濃縮した単結晶を育成した。結晶
軸方向に外部磁場をかけて、
-US
における
S核NMRスペクトルを得ることができ、サイト同定を行った。
青山 泰介*; 小手川 恒*; 木村 憲彰*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦*; 藤 秀樹*
Journal of the Physical Society of Japan, 88(6), p.064706_1 - 064706_7, 2019/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)Pt-NMR measurements under magnetic field (
) parallel to the
-axis in the vicinity of the upper critical field
have been carried out on the heavy-fermion superconductor UPt
. The quasiparticle spin susceptibility was obtained from the measurements. The field dependence of the susceptibility suggests that the
-vector freely rotates in magnetic field. It is therefore concluded that spin-orbit interaction, which confines the direction of the
-vector with respect to the crystal axis, is weak in UPt
.
Dioguardi, A. P.*; 安岡 弘志*; Thomas, S. M.*; 酒井 宏典; Cary, S. K.*; Kozimor, S. A.*; Albrecht-Schmitt, T. E.*; Choi, H. C.*; Zhu, J.-X.*; Thompson, J. D.*; et al.
Physical Review B, 99(3), p.035104_1 - 035104_6, 2019/01
被引用回数:5 パーセンタイル:34.66(Materials Science, Multidisciplinary)正方晶プルトニウムボロン化合物PuBの単結晶、および粉末試料を用いて、
Pu核核磁気共鳴(NMR)実験を行なった。この化合物は、最近になって強相関電子系のトポロジカル絶縁体候補物質と考えられている。
Pu核NMRスペクトルは、結晶内Pu位置の局所対称性を反映したものとなっており、NMRシフトとNMR緩和率の温度依存性は、エネルギーギャップをもつ非磁性状態にあることが示唆された。これは、密度汎関数理論計算結果とも矛盾しない。実際に観測された巨視的なギャップ状態は、本化合物がトポロジカル絶縁体候補であることを支持している。
神戸 振作; 徳永 陽; 酒井 宏典; 服部 泰佑; 比嘉 野乃花; 松田 達磨*; 芳賀 芳範; Walstedt, R. E.*; 播磨 尚朝*
Physical Review B, 97(23), p.235142_1 - 235142_10, 2018/06
被引用回数:17 パーセンタイル:69.48(Materials Science, Multidisciplinary)We report Si and
Ru NMR measurements on high-quality, single-crystal URu
Si
samples with a residual resistivity ratio RRR
70. Our results show that the Si and Ru sites exhibit 4-fold electronic symmetry around the
-axis in the hidden-order state. A previously observed 2-fold contribution of Si NMR linewidth is concluded to be due to extrinsic magnetic centers. Since the U and Si sites are aligned along the
-axis, we conclude further that the electronic state shows 4-fold symmetry around the U site below the hidden-order transition. From this observed local symmetry, possible space groups for the hidden-order state are
or
, based on group theoretical considerations. Since the order vector is considered to be
, the hidden-order state is then found to be
with rank 5 odd-parity, i.e. electric dotriacontapolar order.
大窪 貴洋*; 茨城 萌*; 舘 幸男; 岩舘 泰彦*
Applied Clay Science, 123, p.148 - 155, 2016/04
被引用回数:25 パーセンタイル:74.69(Chemistry, Physical)含水飽和圧縮粘土(3種類の塩濃度で含水飽和された密度0.8および1.4g/cmのNa型モンモリロナイト)中の間隙構造をNMR緩和法と凝固点降下法により評価した。4層状態までの層間水と層間外水との割合がそれぞれの緩和時間の閾値から計算された。低密度試料では、層間外水の割合が55%までの高い割合を示した。凝固点降下を利用した低温条件でのNMR測定の結果は、熱量測定から得られた約4nmのメソポアが、層間外水の閾値として評価された。凝固点降下とNMR緩和法で評価された層間外水の割合は、10%以内の差で一致した。-10
Cでの縦緩和時間(
)と横緩和時間(
)の相関性評価から、密度1.4g/cm
の条件下においても、高い移動度をもつバルクに近い水分子が存在することが示唆された。
酒井 健二; 奥 隆之; 林田 洋寿*; 吉良 弘*; 廣井 孝介; 猪野 隆*; 大山 研司*; 大河原 学*; 加倉井 和久; 篠原 武尚; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.036015_1 - 036015_6, 2015/09
Heの中性子吸収断面積が強いスピン選択性を有することを利用した偏極
Heフィルターは、ビーム調整が不要なため、ビームラインに設置すれば直ぐに使える簡便な中性子スピンフィルター(NSF)として利用できる。そのようなNSF実現のためには、NSFの
He偏極度
を定常的にモニタするための核磁気共鳴(NMR)システムの開発が不可欠である。我々は断熱高速通過型(AFP)とパルス型NMRの特徴が相補的であることに着目して2つのシステムを併用した汎用性の高いNMRシステムを開発した。更に、J-PARCの中性子実験装置(BL10)での中性子透過率測定から得られた
で校正しながら、温度、パルスNMRの振動磁場の大きさや印可時間などの測定条件を変えて、AFPとパルスNMRの信号間の相関を測定した。例えば、パルスNMR測定に起因する減偏極率を0.1%以下になるまでパルスNMRの検出感度を小さくしても、2つのNMR信号間の線形性は確認できた。これらの結果から、我々は開発したNMRシステムが
He偏極度モニタとして十分機能することを確認した。
神戸 振作; 徳永 陽; 酒井 宏典; Walstedt, R. E.*
Physical Review B, 91(3), p.035111_1 - 035111_8, 2015/01
被引用回数:14 パーセンタイル:55.18(Materials Science, Multidisciplinary)以前、PRLに出版した論文では、Si NMRを用いて、URu
Si
の隠れた秩序状態では、面内の4階対称性が破れて、2階対称になっていることを議論した。本論文では、さらに詳細な解析を進め、非常に高品質な単結晶においても、Siサイトの局所磁場には分布が有り、したがって、2階対称性の強さにも分布があることを明らかにした。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; Lapertot, G.*; 松田 達磨*; Knebel, G.*; Flouquet, J.*; Walstedt, R. E.*
Nature Physics, 10(11), p.840 - 844, 2014/11
被引用回数:18 パーセンタイル:72.76(Physics, Multidisciplinary)共存した静的なフェルミ液体および非フェルミ液体状態がYbRhSi
の中の量子相転移の重要な特徴であることを解明した。単結晶サンプルの核磁気共鳴(NMR)スピン格子緩和時間測定し、フェルミの液体および非フェルミ液体状態の共存比が磁場により変化することを突き止めた。またこの比がもつスケール則も見いだした。
Wang, X.*; Hou, Z.*; 池田 隆司; 寺倉 清之*
Journal of Physical Chemistry C, 118(25), p.13929 - 13935, 2014/06
被引用回数:10 パーセンタイル:35.45(Chemistry, Physical)グラフェンの端と欠陥での可能な窒素含有部のNMR化学シフトを第一原理計算により調べた。我々の計算結果はピリジン様窒素とグラファイト様窒素がN NMRにより容易に同定できることを示しており、これは実験と一致している。一方、ピリジニウム様窒素とピロール様窒素を識別することはこれらの
N核のNMRシグナルが重なるために困難である。しかしながら、我々はシミュレーションから
H NMRがこれらを区別するのに有用であることを示した。すなわちピリジニウム様窒素とピロール様窒素に直接結合している
HのNMR化学シフトは0.8と10.8ppmと見積もられた。我々が考慮した様々な端部の
N NMRシグナルはピリジン様窒素を除き欠陥でのものとほぼ同じであった。一方、アームチェアー端と欠陥サイトでのピリジン様窒素はその凝集の程度により敏感に
N NMRの化学シフトが変化することがわかった。
酒井 宏典; 徳永 陽; 藤本 達也; 神戸 振作; Walstedt, R. E.; 安岡 弘志; 青木 大*; 本間 佳哉*; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.50 - 52, 2006/08
最近、われわれはPuRhGaのNMR/NQR測定に成功した。PuRhGa
は
=9Kの超伝導体であり、同型のPuCoGa
は
=18Kの超伝導体である。われわれは既に、NQR緩和率
によりPuRhGa
が異方的超伝導ギャップを持つ非通常型超伝導体であることを明らかにしているが、米国のグループによりPuCoGa
も同様な異方的超伝導ギャップを有することが報告された。PuRhGa
のNMRによって決めたナイトシフト
と
は、常伝導状態において超微細結合定数やスピン揺らぎの性質が異方的であることが示唆している。講演では、PuRhGa
のナイトシフトと
測定結果の詳細について報告する。
徳永 陽; 本間 佳哉*; 神戸 振作; 青木 大*; 生嶋 健司; 酒井 宏典; 池田 修悟; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; 塩川 佳伸; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.33 - 35, 2006/08
現在、f電子の多極子自由度を起源とする新しい秩序状態に注目が集まっている。本研究でわれわれが対象としたNpOにおける低温秩序相の存在は1950代には既に知られていた。しかし比熱に大きな飛びが観測されるにもかかわらず、明確な磁気モーメントが存在しないこの奇妙な秩序相の存在は、その後半世紀以上にわたり多くの謎を投げかけてきた。最近、この秩序相が高次の八極子による秩序である可能性が議論され、その起源にあらためて注目が集まっている。そこでわれわれはこの系では初めてとなるNMR測定を実施し、微視的観点からこの秩序変数の同定を現在進めている。発表では新たに合成した単結晶試料での角度分解したNMR測定の結果を中心に報告する。