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芹澤 弘幸; 山本 春也*; 安永 和史*
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 68, 2017/03
これまでの研究で、FCCタイプのセラミックス中にヘリウムが析出すると、ガスバブルが形成され、更にガスの放出に伴い、その内圧が減少すると、負結晶ができることが分かっている。本研究では、二酸化セリウム薄膜中にヘリウムを析出させた場合の析出状況を、STEMによって観察した結果を報告する。本研究により、ガスバブルの分布状況とその形状、及びガス放出に伴い膜表面にブリスタが発生することが判明した。
花田 磨砂也
プラズマ・核融合学会誌, 78(6), p.541 - 547, 2002/06
核融合用に開発したイオンビーム技術は、材料産業に応用されている。現在は、主に正イオンが用いられており、イオンドーピングによる材料の改質や微細加工に応用されている。最近、負イオン生成技術の開発はめざましく進展し、産業への応用が期待されている。原研では、ITER用に開発したMeV級負イオン源を用いて、世界で初めて、10ミクロン厚さの単結晶シリコン板の製作に成功した。本技術により、次世代半導体基板製作の開発が促進されると期待されている。本稿では、ビームによる半導体単結晶薄板製作技術を中心に、核融合で開発したイオンビームの応用について解説する。
芹澤 弘幸
no journal, ,
本発表は、酸化物燃料中でのヘリウム挙動を研究していた際に、偶然発見した負結晶の形成及び変形について広く知らしめるための招待講演である。発表者は、UO中にヘリウムが析出するとき、予想に反してガスバブルが形成され、しかもそのガスバブルが多面体形状の負結晶になることを発見した。更に、その形状が内圧に依存して変化することも見出した。これらの研究成果を基に、同じ結晶系を持つCeO
についても研究を進めている。エピタキシャル成長させたCeO
薄膜にヘリウムイオンを注入し、その後加熱することによって析出させると、UO
と同様に、ナノサイズのイメージクリスタルを形成することが可能であることを確認した。
芹澤 弘幸
no journal, ,
照射材料工学研究グループは、セラミックス中に負結晶を作為的に発現させ、その形状を制御できることを発見した。このように形状コントロールが可能な負結晶を、イメージクリスタルと呼んでいる。これまでにFCCタイプのセラミックス中に見られたイメージクリスタルは、14面体, 38面体, 60面体の三種類である。イメージクリスタルは、HIPを使用してHeを溶解させたセラミックスを熱処理することによって形成される。発現するイメージクリスタルの形状は、He析出時の温度履歴によって変化する。表面積が大きくなる12面体のイメージクリスタルが形成されなかったことから、イメージクリスタルの形状は、内圧だけではなく、表面積にも依存することが判明した。現在我々は、ボイドからミクロンサイズまでのイメージクリスタルの成長過程を明らかにするための研究を実施している。その研究の一環として、Xe型超高温炉を用いた空気中での加熱による、バルクサイズの二酸化セリウム製造試験を開始した。二酸化セリウムは、高温では容易に還元されてしまうため、これまでに単相の単結晶を製造できたという報告はない。今後はヘリウム注入用の母材としてバルクサイズの二酸化セリウムを製造し、研究を進める。
芹澤 弘幸
no journal, ,
本発表は、Plenary Speakerの依頼を受けて講演する招待講演である。これまで、FCC型酸化物の単結晶内に発現する負結晶の形状制御に関する研究を展開してきた。本講演では、He析出によって単結晶UO内に発現する負結晶の形状制御についての報告を中心に、これまでに発表したCeO
薄膜試料中に発現する負結晶についても報告する。更に光学材料としての負結晶含有セラミックスの可能性について講演する。
芹澤 弘幸
no journal, ,
イメージクリスタルの発見から形状変化の解析に至る一連の研究成果を報告し、今後の研究計画について議論する。核燃料中のヘリウム挙動の研究を実施した際に、ヘリウムがセラミックス中に析出すると負結晶が発現することを偶然発見した。また、試料の温度履歴によって負結晶の形状が異なることから、負結晶の形状が内圧によって変化するという知見を得た。更に興味深いのは、負結晶の形状が内圧に釣り合う表面自由エネルギーだけで決まるのではなく、ステップフリーエネルギーにも依存することである。これまで、これらのエネルギーの関係は明確に定義されていなかったが、本研究により、表面自由エネルギーが平衡論でいうところの安定性を意味し、ステップフリーエネルギーは速度論でいうところの活性化エネルギーに相当することが判明した。我々はこのように形状変化可能な負結晶をイメージクリスタルと命名した。今後は、イメージクリスタル含有機能性セラミックス薄膜の開発を進めると共に、J-Park, SPring-8等の大型実験装置を用いて学術的側面からの研究を加速する。
芹澤 弘幸; 加治 芳行; 山本 春也*; 安永 和史*; 大石 佑治*; 山中 伸介*
no journal, ,
スパッタ法により、CeO薄膜(膜厚800nm)をSrTiO
(001)基板上に製膜し、マッフル炉で2時間、1000
Cでアニールした。CeO
は高温では容易に還元されてしまうため、薄膜試料のアニールは空気中で行った。高崎量子応用研究所のイオン注入装置により、薄膜試料に室温で130keVのヘリウム(3.75
10
/cm
)をイオン注入した後、大気中1500
Cで2時間アニールしてヘリウムを放出させた。薄膜表面をFIB-SEMで、薄膜断面をTEMで観察した。試料断面には、数nmオーダーのガスバブルが多数観察された。生成したガスバブルを詳細に観察した結果、薄膜表面には、ガス放出時に発生したと考えられるブリスタが多数発現していた。また、断面観察の結果、薄膜内部には、数十から100nm程度のサイズのガスバブルが多数発現していることが分かった。バブルのTEM像から、ガスバブルと思われたキャビティーは、ナノスケールの負結晶であることも判明した。
芹澤 弘幸
no journal, ,
負結晶とは、単結晶中に発生するキャビティーで、それ自体が格子面によって囲まれている実態のない結晶のことを言い、鉱物学の分野ではよく知られた存在である。我々は、UO中でのヘリウム挙動に関する実験を進めていて、ヘリウムガスバブルが、熱処理の過程でこの負結晶へと変化することに気が付いた。また、熱処理温度を変化させた試料をそれぞれ詳細に観察するうちに、負結晶の形状が3種類あり、内圧の変化によって、その形状が決まることが判明した。格子面の成長で考えられる立方八面体のキャビティーは、発見することができなかった。これは、格子面の表面積が異常に大きくなること、及びギブス・トムソン効果によるものではないかと推察される。本研究で、表面自由エネルギーの小さい
が
よりも早く成長し始めることが判った。この現象を我々はSTEP FREE ENERGY MODELによって説明した。我々は現在、静電加速器を用いてイオン注入したヘリウムを析出させることによりCeO
薄膜中に発現させる試験を実施しており、既にナノメーターサイズの負結晶を発生させることができることを確認している。
芹澤 弘幸
no journal, ,
負結晶とは、単結晶中に発生するキャビティーで、それ自体が格子面によって囲まれている実態のない結晶のことを言い、鉱物学の分野ではよく知られた存在である。我々は、UO中でのヘリウム挙動に関する実験を進めていて、ヘリウムガスバブルが、熱処理の過程でこの負結晶へと変化することを見出した。また、熱処理温度を変化させ、試料壁面に発現した負結晶の形状を詳細に観察するうちに、負結晶の形状が3種類あり、内圧の変化によって、その形状が決まることを明らかにした。格子面の成長過程で形成されるはずの立方八面体のキャビティーは、発見することができなかった。これは、格子面の表面積が異常に大きくなること、及びギブス・トムソン効果によるものではないかと推察される。本研究では、表面自由エネルギーの小さい
が
よりも早く成長し始めることがわかった。この現象をSTEP FREE ENERGY MODELによって説明した。現在、静電加速器を用いてイオン注入したヘリウムを析出させることによりCeO
薄膜中に発現させる試験を実施しており、既にナノメーターサイズの負結晶を発生させることに成功している。