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廣田 耕一; 新井 英彦; 橋本 昭司
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 73(12), p.2719 - 2724, 2000/12
被引用回数:7 パーセンタイル:38.11(Chemistry, Multidisciplinary)空気及び窒素雰囲気中で、電子線による四塩化炭素の分解率を水分有り無しの場合について調べた。その結果、四塩化炭素10ppmで水分無しの場合、両雰囲気ともに分解率はおよそ90%であった。ところが水分有りの場合、窒素雰囲気では分解率にあまり変化が見られなかったのに対し、空気雰囲気ではその値は70%となった。これには酸素が関与していることがわかった。すなわち、窒素雰囲気ではおもにeにより四塩化炭素が酸化分解を起こすが、空気雰囲気ではeは酸素分子とも反応し、Oとなる。しかし、このO
も四塩化炭素を酸化分解するため、見かけ上水なしの場合では、両雰囲気ともに分解率に大きな差は見られなかった。これに対し、水有りの場合O
は水分子と反応しクラスターイオン(O
(H
O))を形成し、O
による四塩化炭素の酸化分解を阻害するため、空気雰囲気で水分有りの場合、四塩化炭素の分解率が低下したことがわかった。