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中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(11), p.1388 - 1398, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:19.69(Nuclear Science & Technology)本研究は、放射性核種のNpを取り上げて、よく熱化された中性子場を用いて放射化法によりNpの熱中性子捕獲断面積を測定した。Npの標準溶液を、照射試料に用いた。照射位置の中性子束は、Sc, Co, Mo, TaそしてAuを、中性子束モニタに使用した。Np試料とモニタを一緒に、京都大学研究炉の黒鉛照射設備にて30分間照射した。同様の照射を2回繰り返した。照射後に、Np試料を、それと放射平衡の関係にあるPaからの312keVガンマ線を測定して定量した。Npの反応率を、生成されたNpから放出されるガンマ線の収量から求めた。Npの熱中性子捕獲断面積は、2回照射の結果の加重平均を取って173.84.4barnと導出された。この結果は、飛行時間法により測定されたデータと、誤差の範囲で一致した。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2021, P. 93, 2022/07
核廃棄物中のマイナーアクチニドの核変換の観点から、本研究はNpを選定して、その熱中性子捕獲断面積を、良く熱化された中性子場を用いて放射化法により測定した。Np標準溶液を試料に使用した。熱中性子場は、中性子束モニタSc, Co, Mo, TaとAuを用いて測定した。Np試料は、モニタと一緒に、京大炉の黒鉛照射設備にて30分間照射した。結果の再現性を確認するために、同様の照射を繰り返した。照射後、Np試料は、Npと放射平衡の関係にあるPaからの312-keVガンマ線を用いて定量した。Npの反応率は、生成されたNpから放出されるガンマ線のピークカウント,検出効率,実験条件を用いて求めた。得られた反応率を熱中性子束で割り込むことで、Npの熱中性子捕獲断面積を173.84.7 barnと導出した。この結果は、飛行時間測定法で得られた報告値と不確かさの範囲内で一致した。
入澤 恵理子; 加藤 千明; 山下 直輝; 佐野 成人
材料と環境, 71(3), p.70 - 74, 2022/03
使用済核燃料再処理溶液施設でのステンレス鋼の腐食評価として、放射性核種であるNpを含む硝酸水溶液中でのステンレス鋼R-SUS304ULC鋼の浸漬腐食試験と分極測定を行った。328K以上の温度では硝酸水溶液中よりも高い腐食電位を示し、過不動態域近傍となることがわかった。また、浸漬腐食試験により腐食量と分極抵抗との比較から換算係数として=0.018V0.025Vの値を取得し、電気化学測定からの腐食量算出が可能であるかを検討した。
Rovira Leveroni, G.; 片渕 竜也*; 登坂 健一*; 松浦 翔太*; 児玉 有*; 中野 秀仁*; 岩本 修; 木村 敦; 中村 詔司; 岩本 信之
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(1), p.110 - 122, 2022/01
被引用回数:5 パーセンタイル:56.19(Nuclear Science & Technology)Neutron capture cross-section measurements for Np have been conducted with the Accurate Neutron Nucleus Reaction Measurement Instrument (ANNRI) at the Materials and Life Science Facility (MLF) of the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC) using neutrons with energy ranging from thermal energy to 1 MeV. A Time of Flight (TOF) method using a NaI(Tl) detector was employed for these measurements and the data were analyzed based on the pulse-height weighting technique in order to derive the neutron capture cross-section. The absolute capture cross-section was determined using the whole shape of the first resonance from JENDL-4.0 together with the total neutron flux derived from a Au sample measurement in which the first resonance was completely saturated. Both normalization techniques present agreement within 2%. The present results are also compared evaluated data libraries. There is a discrepancy of 10-25% discrepancy from 0.5 to 20 keV with JENDL-4.0. Nonetheless, above this energy, the JENDL-4.0 seems to reproduce the present data better as the results agree within uncertainties up to 500 keV. The cross-section results contain errors below 4% from 0.5 to 30 keV. However, the total uncertainty increases to over 8% over that energy. Along with the cross section measurement, theoretical calculations were performed to reproduce the present results.
中村 詔司; 北谷 文人; 木村 敦; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(6), p.493 - 502, 2019/06
被引用回数:5 パーセンタイル:44.57(Nuclear Science & Technology)放射化法によりNp(n,)Np反応の熱中性子捕獲断面積()及び共鳴積分(I)を測定した。Npの0.489eVにある第一共鳴に注意を払い、カドミウム差法において、ガドリニウムフィルタを用いて、カットオフエネルギーを0.133eVに設定してを測定した。ネプツニウム237試料を、京都大学複合原子力科学研究所の研究炉にて照射した。照射位置における熱中性子束、及び熱外ウェストコット因子を決定するために、金合金線モニタ、及びコバルト合金線モニタも一緒に照射した。照射したネプツニウム237試料及びモニタ試料の生成放射能を、ガンマ線分光により測定した。ウェストコットの理論に基づき、とIを、それぞれと186.96.2 barn、及び100990 barnと導出した。
中村 詔司; 寺田 和司; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*; 佐野 忠史*; 高橋 佳之*; 堀 順一*
KURRI Progress Report 2015, P. 67, 2016/08
マイナーアクチノイド核種の断面積データの精度の向上のために、一連の中性子捕獲断面関測定を、放射化法により実施してきている。今回、マイナーアクチノイド核種のうちNp-237について放射化測定を行った。本実験では、京都大学原子炉実験所の電子線形加速器による中性子源を用いた。Np-237の中性子捕獲反応により生成されたNp-238からの線を測定して反応率を求めた。照射位置の中性子スペクトルをシミュレーション計算で求めて、Au箔の反応率を用いて規格化した。規格化した中性子スペクトルとJENDL-4.0の評価データを用いてNp-237の反応率の計算値を求めた。実験値と計算値が誤差の範囲で一致し、本実験ではJENDL-4.0を支持することが分かった。
香西 直文; 大貫 敏彦; 村岡 進
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.1021 - 1028, 1995/00
放射性廃棄物の地層処分で緩衝材として用いられるベントナイトに対するネプツニウムの吸着特性を、pH2~8の範囲でバッチ式の吸着脱離実験により調べた。特にネプツニウムはNa型スメクタイトに対し、低いpHで特異吸着し吸着量が増加することが知られているので、この点について、Na型スメクタイトとCa型スメクタイトに対するネプツニウムの吸着脱離実験結果とを比較して検討した。ベントナイトに対するネプツニウムの分配係数とpHの関係はNa型スメクタイトよりもCa型スメクタイトに対するそれらの関係と似ている。ベントナイトでは低いpH範囲でもネプツニウムの特異吸着はおきなかった。これはベントナイトに交換性陽イオンとして吸着しているカルシウムイオンの性質があらわれたためと考えられる。
入澤 恵理子; 山下 直輝; 加藤 千明; 佐野 成人
no journal, ,
原子力発電後の使用済燃料再処理施設では、燃料由来の金属イオンを含む硝酸水溶液によるステンレス鋼製機器の粒界腐食が問題となる。放射性元素であるネプツニウムは腐食への寄与が高いとされるが、取り扱いが難しいために体系的に腐食評価が行われた事例が少ない。そこで、ネプツニウム237を含む硝酸水溶液中のステンレス鋼の腐食速度に与える溶液温度やネプツニウムイオン濃度の影響を浸漬試験や分極測定により評価した。