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報告書

原子力人材育成センターの活動(令和4年度)

原子力人材育成センター

JAEA-Review 2023-034, 67 Pages, 2024/01

JAEA-Review-2023-034.pdf:2.32MB

本報告書は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「機構」という。)原子力人材育成センターにおける令和4年度の活動をまとめたものである。令和4年度は、年間計画に基づく国内研修の他、外部ニーズに対応した随時の研修、大学との連携協力、国際研修、原子力人材育成ネットワーク等に関して積極的な取組を行った。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を徹底した上で、対面形式で研修等を実施することができた。国内研修については、年間計画に基づくRI・放射線技術者、原子力エネルギー技術者、国家試験受験者向けの研修に加え、外部ニーズへの対応として、日本原子力発電株式会社等、機構外組織を対象とした出張講習等を実施した。大学等との連携協力については、東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の学生受入れを含む連携大学院方式に基づく協力や特別研究生等の受入れを行った。また、大学連携ネットワークでは、7大学との遠隔教育システムによる通年の共通講座に対応したほか、夏期集中講座や核燃料サイクル実習を行った。国際研修については、文部科学省からの受託事業「放射線利用技術等国際交流(講師育成)」として、原子炉工学等の講師育成研修及び講師育成アドバンス研修並びに放射線基礎教育等の原子力技術セミナーを対面形式で実施した。原子力人材育成ネットワークについては、共同事務局として運営を着実に推進するとともに、オンラインセミナー及び対面形式での研修や学生対象の施設見学会を積極的に開催した。人材育成コンシェルジュについては、機構内外からの人材育成に係る窓口を新規に開設し、問合せや相談に回答するなどの活動を開始した。

論文

Estimation of continuous distribution of iterated fission probability using an artificial neural network with Monte Carlo-based training data

Tuya, D.; 長家 康展

Journal of Nuclear Engineering (Internet), 4(4), p.691 - 710, 2023/11

モンテカルロ中性子輸送計算手法は、固有値や積分中性子束などの様々な量を正確に評価するために用いられる。しかし、ある分布量を求める場合、モンテカルロ法では連続的な分布が得られないのが一般的である。近年、モンテカルロ法で連続分布を得るために、関数展開法やカーネル密度推定法が開発されている。本論文では、モンテカルロ法によって得られた訓練データと人工ニューラルネットワーク(ANN)モデルを用いたある物理量に対する連続分布の推定手法を提案する。概念実証として、2つの核分裂体系における反復核分裂確率(IFP)の連続分布をANNモデルにより推定した。ANNモデルによるIFP分布を、元のデータセット及びPARTISNコードで得られた随伴角中性子束と比較した。比較の結果、一致や不一致の程度はさまざまであったが、ANNモデルはIFP分布の一般的な傾向を学習することを確認した。

論文

Modelling heterogeneous hydration behaviour of bentonite by a FracMan-Thames coupling method for the Bentonite Rock Interaction Experiment (BRIE) at $"{A}$sp$"{o}$ HRL

澤田 淳; 坂本 和彦*; 綿引 孝宜*; 今井 久*

SKB P-17-06, 154 Pages, 2023/08

An aim of Task 8, which was 8th modeling task of the SKB Task Forces on Groundwater Flow and Transport of Solutes, was to improve the knowledge of the bedrock-bentonite interface with regard to groundwater flow, mainly based on a set of data obtained by Bentonite Rock Interaction Experiment (BRIE) at $"{A}$sp$"{o}$. JAEA had developed an approach to Task 8 assuming that the discrete features dominate the delivery of groundwater to the bentonite columns emplaced into the vertically drilled boreholes from TASO tunnel floor, resulting in heterogeneous bentonite wetting behavior. This assumption was implemented as a FracMan Discrete Fracture Network (DFN) model for groundwater flow. Due to the assumption, no permeable rock matrix was implemented. The variability and uncertainty of this stochastic "HydroDFN" model was constrained by conditioning the model to match measured fracture location and orientation, and specific capacity (transmissivity) data observed at five probe boreholes. Groundwater from the HydroDFN being delivered to the bentonite columns, was modeled using Thames code with implementing a specific feature at the interface between the fractured rock mass and the bentonite. This modeling approach and the assumption of fracture dominated bentonite wetting appears to be able to provide a reasonable approximation to the observed heterogeneous bentonite wetting behavior of BRIE. We would suggest that a systematic investigation at pilot holes, including both geological mapping of the fractures and also testing of the hydraulic properties, might be required to get more practical prediction of heterogeneous wetting behavior in bentonite, as observed in BRIE.

論文

CityTransformer; A Transformer-based model for contaminant dispersion prediction in a realistic urban area

朝比 祐一; 小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 芝 隼人*; 井戸村 泰宏

Boundary-Layer Meteorology, 186(3), p.659 - 692, 2023/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:47.50(Meteorology & Atmospheric Sciences)

定点観測された風向などの時系列データおよび汚染物質放出点を入力として、汚染物質の地表面拡散分布を予測する機械学習モデルを開発した。問題設定としては、一様風が都市部へ流入し、都市部内にランダムに設置された汚染物質放出点から汚染物質が拡散するという状況を扱っている。機械学習モデルとしては、汚染物質放出点から汚染物質の拡散分布を予測するCNNモデルを用いた。風向などの時系列データは、Transformerや多層パーセプトロンによってEncodeし、CNNへと引き渡す。これによって、現実的に取得可能な定点測時系列データのみを入力とし、実用上価値の高い汚染物質の地表面拡散分布の予測を可能とした。同一のモデルを用いて定点観測時系列データから汚染物質放出点の予測が可能であることも示した。

論文

Long-term density-dependent groundwater flow analysis and its effect on nuclide migration for safety assessment of high-level radioactive waste disposal with consideration of interaction between fractures and matrix of rock formation in coastal crystalline groundwater systems

Park, Y.-J.*; 澤田 淳; 小堤 健紀*; 田中 達也*; 橋本 秀爾*; 森田 豊*

Proceedings of 3rd International Conference on Discrete Fracture Network Engineering (DFNE 2022) (Internet), 8 Pages, 2022/00

高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価には地層中の長期にわたる地下水流動と核種移行プロセスの把握が求められる。沿岸部地下環境において、地下水流動は海水起源の塩水と陸水起源の淡水の密度差による複雑な相互作用の影響を受ける。加えて、数百万年の長期においては、海進・海退に伴う海水準変動の影響を受ける。本研究では、そのような沿岸域における亀裂性の結晶質岩を対象とした処分場の地下水流動と核種移行を評価するため、塩分濃度と地下水流速などの地下水環境の長期的な変遷を評価するための広域スケールとブロックスケールを組み合わせた評価フレームを構築した。

論文

画像認識で使用する画像は適切か、オートエンコーダーによる評価

野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 山本 昌亘; 古澤 将司*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 大森 千広*; et al.

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.80 - 82, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは画像認識技術を用いることにより、ビームモニタで得たビーム進行方向の強度分布の画像から中心運動量からのずれ量が得られるようになった。今後、この得られた値を加速器の制御に使用することを考えた場合には、得られた値が信頼できるかが重要となってくる。なぜなら、画像認識技術では、データ取得に失敗した画像からも何らかの間違った値が得られてしまうからである。得られた値が信頼できるかどうかは当然その画像で決まる。そこで、今回機械学習の一種であるオートエンコーダーによる異常診断の手法を画像の診断に適用することにより、画像から得られた値が信頼できるかを示す指標を得ることができた。

論文

AMR-Net: Convolutional neural networks for multi-resolution steady flow prediction

朝比 祐一; 畑山 そら*; 下川辺 隆史*; 小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏

Proceedings of 2021 IEEE International Conference on Cluster Computing (IEEE Cluster 2021) (Internet), p.686 - 691, 2021/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:64.54(Computer Science, Hardware & Architecture)

多重解像度の定常流を予測する畳み込みニューラルネットワークを開発した。本モデルは、最先端の画像変換モデルpix2pixHDに基づき、パッチ化された符合付き距離関数から高解像度の流れ場の予測が可能である。高解像度データをパッチ化することにより、pix2pixHDと比べてメモリ使用量を削減した。

報告書

原子力人材育成センターの活動(令和元年度)

原子力人材育成センター

JAEA-Review 2021-010, 70 Pages, 2021/09

JAEA-Review-2021-010.pdf:3.53MB

本報告書は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構原子力人材育成センターにおける令和元年度の活動をまとめたものである。令和元年度は、年間計画に基づく国内研修の他、外部ニーズに対応した随時の研修、大学との連携協力、国際研修、原子力人材育成ネットワーク等に関して積極的な取組みを行った。国内研修については、年間計画に基づくRI・放射線技術者、原子力エネルギー技術者、国家試験受験向けの研修に加え、外部ニーズへの対応として、原子力規制庁の職員を対象とした研修、福島県庁を対象とした出張講習等を実施した。また、新たに、東京電力ホールディングス株式会社・福島第一原子力発電所の廃炉に関する人材育成研修を行った。大学との連携協力については、東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の学生受入れを含む連携大学院方式に基づく協力や特別研究生等の受入れを行うとともに、大学連携ネットワークでは、7大学との遠隔教育システムによる通年の共通講座に対応した他、夏期集中講座、核燃料サイクル実習及び専門科目を行った。国際研修では、文部科学省からの受託事業「放射線利用技術等国際交流(講師育成)」として、原子炉工学等の講師育成研修を実施するとともに、放射線基礎教育等の原子力技術セミナーを実施した。原子力人材育成ネットワークについては、事務局として、その運営を着実に推進するとともに、我が国で8回目となる日本-IAEA原子力エネルギーマネジメントスクールを東京及び福島県等で開催した。

論文

Data-driven derivation of partial differential equations using neural network model

小山田 耕二*; Yu, L.*; 河村 拓馬; 小西 克己*

International Journal of Modeling, Simulation, and Scientific Computing, 12(2), p.2140001_1 - 2140001_19, 2021/04

流体や気象,宇宙観測など様々な分野においてセンサー技術が向上し、そこから得られたビッグデータに対して偏微分方程式(PDE)による説明モデルを導出することは重要な課題である。本論文では、時空間的に離散した点群データを対象にして、高階の微分を含む線形のPDEを推定する技術を提案する。この技術では点群データを学習したニューラルネットワーク(NN)から時間・空間の微分値を計算し、回帰分析技術を用いてPDEの微分項を推定する。実験では、厳密解を持つPDEを対象にして、様々なメタパラメータに対して推定PDEの誤差を計算した。その結果、NNの階層を厳密解のPDEに含まれる微分項の階数に合わせて増やし、回帰分析の手法としてLASSOによるL1正則化を採用することでモデルの精度が高まると分かった。

報告書

アジア原子力安全ネットワーク緊急時対応関連グループ提案に基づく2006年-2017年国際原子力機関アジア地域ワークショップの概要

奥野 浩; 山本 一也

JAEA-Review 2020-066, 32 Pages, 2021/02

JAEA-Review-2020-066.pdf:3.01MB

国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、略称: IAEA)は、アジア原子力安全ネットワーク(Asian Nuclear Safety Network、略称: ANSN)の活動を2002年から実施している。その一環としてANSNの下に原子力あるいは放射線災害を対象とする平時の備えと緊急時への対応に関するグループ(Topical Group on Emergency Preparedness and Response、略称: EPRTG)を2006年に設立した。EPRTGの提案に基づきIAEAは2006年から2017年までの12年間に23件のアジア地域ワークショップを実施した。緊急時対応に関するテーマ分野には、原子力防災訓練,緊急時医療,原子力・放射線緊急事態後の長期的対応,国際協力,国の原子力防災体制整備などがあった。日本原子力研究開発機構は、RPRTG設立当初からコーディネータを輩出し、その活動を主導してきた。本報告書は、EPRTGの提案に基づきIAEAが2017年までに実施したアジア地域ワークショップの概要をまとめたものである。

報告書

国際原子力機関の緊急時対応援助ネットワークへの原子力機構の登録と関連活動

外川 織彦; 早川 剛; 田中 忠夫; 山本 一也; 奥野 浩

JAEA-Review 2020-017, 36 Pages, 2020/09

JAEA-Review-2020-017.pdf:2.24MB

我が国は、原子力事故または放射線緊急事態に際して、国際的支援の提供に貢献するため、2010年に国際原子力機関(IAEA)の緊急時対応援助ネットワーク(RANET)に参加した。その際に、日本原子力研究開発機構(JAEA: 原子力機構)は現地外での技術援助が可能な機関としてRANETに登録した。原子力機構の登録分野は以下の7分野であった。すなわち、(1)航空機による汚染調査、(2)放射線レベル・汚染調査、(3)環境試料の濃度測定、(4)事故評価と助言、(5)体内被ばく線量評価、(6)バイオアッセイ、(7)線量再構築であった。登録後に原子力機構は援助可能性の問合せを3回受けたが、実際に援助を行うには至らなかった。一方、RANET登録に関連してIAEAが実施する国際緊急時対応演習(ConvEx)にほぼ毎年参加してきた。本報告書では、RANETの概要、原子力機構の登録及びConvEx参加活動の概要を述べる。

論文

Optimizing long-term monitoring of radiation air-dose rates after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

Sun, D.*; Wainwright-Murakami, Haruko*; Oroza, C. A.*; 関 暁之; 三上 智; 武宮 博; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 220-221, p.106281_1 - 106281_8, 2020/09

 被引用回数:12 パーセンタイル:47.68(Environmental Sciences)

空間線量率をモニタリングする地点を最適化するための方法論を開発した。この方法では、ガウス混合モデルを使用して、標高や土地被覆のタイプなどの環境を表す複数の値をもとに代表的な場所を特定した。次に、ガウスプロセスモデルを使用して、対象領域全体の空間線量率の不均一性を推定した。この方法により、空間線量率の不均一性を最小限の数のモニタリング地点で把握することができることを示した。

報告書

原子力人材育成センターの活動(平成30年度)

原子力人材育成センター

JAEA-Review 2020-008, 74 Pages, 2020/06

JAEA-Review-2020-008.pdf:3.5MB

本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力人材育成センターにおける平成30年度の活動をまとめたものである。

報告書

原子力人材育成センターの活動(平成29年度)

原子力人材育成センター

JAEA-Review 2019-009, 65 Pages, 2019/09

JAEA-Review-2019-009.pdf:5.56MB

本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力人材育成センターにおける平成29年度の活動をまとめたものである。

報告書

原子力人材育成センターの活動(平成28年度)

原子力人材育成センター

JAEA-Review 2018-009, 69 Pages, 2018/09

JAEA-Review-2018-009.pdf:2.67MB
JAEA-Review-2018-009(errata).pdf:0.16MB

本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力人材育成センターにおける平成28年度の活動をまとめたものである。

論文

Determination of reactivity and neutron flux using modified neural network for HTGR

Subekti, M.*; 工藤 和彦*; 鍋島 邦彦; 高松 邦吉

Atom Indonesia, 43(2), p.93 - 102, 2017/08

HTTR炉心の中心制御棒を引き抜く反応度添加抜試験を評価する際、1点炉近似の動特性モデルを用いた解析手法は、最も汎用的である。一方、制御棒が引き抜かれると同時に、将来の反応度および中性子束の変化予測値を速やかに出力するには、非常に速い処理速度を持つ別の解析手法を必要とする。そこで、Time Delayed Neural Network (TDNN)とJordan Recurrent Neural Network (JordanRNN)を組み合わせ、新たにTD-Jordan RNNというニューラルネットワーク・モデルを作成し、HTTRの試験データをオフラインで十分学習させた。その結果、反応度添加試験時の反応度および中性子束の変化予測値を速やかに出力することができた。

論文

Japan-IAEA Joint原子力エネルギーマネジメントスクールHuman Networkセッション開催; 世界の原子力の若手をつなぐ人的ネットワーク構築をめざして

西山 潤*; 大釜 和也; 坂本 辰次郎*; 渡辺 凜*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 57(2), p.123 - 125, 2015/02

原子力エネルギーマネジメントスクールにおいて、新規原子力導入国を含む海外15ヵ国からの19名の研修生および12名の日本人研修生参加のもと、原子力分野で働く若手の人的ネットワーク構築のための知見共有および意見交換を目的とした特別セッションを開催した。同セッションでは、活動経験共有のための発表とともに、人的ネットワーク構築を行うための方策として、Young Generation Network(YGN)活動を例に、必要性、課題、今後活動を広めていくためにできることについて全体討論を行った。

論文

Socio-economic effects of the material science in JAERI

柳澤 和章; 高橋 祥次*

Scientometrics, 78(3), p.505 - 524, 2008/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:24.71(Computer Science, Interdisciplinary Applications)

原研物質科学につき社会経済的評価を実施した。目的は、物質科学の注力研究分野の同定と社会経済的ネットワーキングの観察にある。物質科学に関する数多くの論文を用い、前者に対して高ランクキーワードを使い、後者に対しては共著論文の数を評価に使った。得られた結果は以下の通り。(1)原研物質科学の注力研究分野は、イオン照射,アクチノイドといった原子力研究に強い関係を持つキーワードで代表された。アクチノイドを例に取ると、我が国では過去25年間に7,237論文が書かれ、原研がその25%、公的研究機関(官と学、PSと略記)が52%、民(POと略記)が17%という割合であった。JAERI-PS間のネットワーキングは、25年間の平均で3$$sim$$4%、最近の5年間では8%で成長していた。これは両機関の間で研究協力が大きく促進されたことを示唆している。(2)原研と選択5研究機関(SRB、例えば東京大学)間の注力研究分野を互いの持つトップ100キーワードで比較してみたところ、中性子や加速器といった7つのキーワードのみで研究分野が重畳していた。この重畳領域において両機関は互いに国家レベルで全体の活性化を図っていたと思われる。我が国における中性子論文は最近の5年間で2,988論文あって、原研の大きな貢献もあってJAERI-PS間のネットワーキングは16%に到達していた。

論文

Neural-net predictor for beta limit disruptions in JT-60U

芳野 隆治

Nuclear Fusion, 45(11), p.1232 - 1246, 2005/11

 被引用回数:41 パーセンタイル:76.40(Physics, Fluids & Plasmas)

トカマクプラズマにおいてベータ限界時に発生するディスラプションを予測するニューラルネットワークをJT-60Uのデータを用いて開発した。ベータ限界ディスラプションでは数10ms前に予兆現象を観測できないので、まず、2msごとに規格化ベータの限界値を出力するサブネットワークを開発した。第一段階ではこの限界値の目標値を適当に与えて訓練し、第二段階では第一段階の訓練で得た出力を用いて限界値の目標値を調整し訓練した。これにより安定放電に対する誤り警報の発生率を大きく低減した。誤り警報の発生率をさらに低減するために、上記訓練で得たネットワークから出力する規格化ベータ限界値と実際の規格化ベータ値との差をほかの11種類のデータとともに主ネットワークに入力し、プラズマの安定度を出力するようにした。この安定度がある警報レベルより低下するとディスラプションの発生を予測する。この結果、ディスラプション発生の10ms前に、80%の予測成功率を4%の誤り警報で得られることを示した。80%は、誤り警報発生率4%における従来の予測成功率10%に比べて格段の性能向上である。さらに90%の予測成功率を誤り警報の発生率12%で得られることを示した。この12%は、従来得られていた誤り警報発生率の約半分である。

論文

Development of a quake-proof information inference system by using data mining technology

Shu, Y.; 中島 憲宏

Proceedings of 11th International Conference on Human-Computer Interaction (HCI International 2005) (CD-ROM), 9 Pages, 2005/07

原研では原子力発電設備の経年変化による健全性保全などの検証や予測技術を計算科学技術の観点から、3次元仮想振動台の研究開発を行っている。われわれは、3次元仮想振動台における各種シミュレーションの入出力データの意味を解釈し、その物理的意味を明らかにする情報推論システムを開発している。本論文は人間認識モデルが含めたハイブリッドデータマイニング手法を提案し、それに基づく情報推論システムを開発する。本システムでは、解析者を模擬したマイニングコントロールエージェントが出力データを分析・検証し、データマイニングプロセスを直接的に制御する。また、本マイニングシステムの中心的構成要素となるニューラルネットワーク手法は、再学習機能と説明機能が付加された高機能なものである。われわれは、ここで提案した手法に基づく情報推論システムを試作し、実運用状態のプラント内で発生する現象を解析する際に不可欠な物理情報の意味を解釈する道具としての有効性を確認するため、複雑な耐震データを用いた検証試験を行った。

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