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Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; Ho, H. Q.; 坂本 直樹*; 奥村 啓介; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*
Fusion Engineering and Design, 164, p.112181_1 - 112181_5, 2021/03
JMTRとJRR-3Mの運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、ベリリウム中性子反射体の二段核反応によるLi(n
,
)
Hで生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。この結果から、一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためには、ベリリウム中性子反射体の表面積を小さくするか、他の材料で反跳トリチウムを遮蔽する必要がある。本報告では、ベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材の概念検討として、Al, Ti, V, Ni, Zr等の多様な材料を候補材として、障壁厚み、長期運転後の放射能、反応度への影響を評価した。この結果、Alがベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材として適した候補材になり得るとの結果を得た。
Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; 奥村 啓介; Ho, H. Q.; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.1 - 8, 2021/01
被引用回数:1 パーセンタイル:9.42(Nuclear Science & Technology)ベリリウム反射体を有するJMTRとJRR-3の一次冷却水へのトリチウム放出源と放出機構について評価した。この結果、トリチウム放出はBeの二段核反応によるものがほとんどであり、計算結果は一次冷却水のトリチウム測定の誤差範囲で良く一致した。また、ベリリウム反射体からの反跳放出を用いた簡易計算法は、ベリリウム反射体を有する試験研究炉の一次冷却水へのトリチウム放出量を予測する上で有用であることが明らかとなった。
天谷 政樹; 垣内 一雄; 三原 武
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.1048 - 1056, 2019/09
New fuel cladding alloys of which composition was changed from conventional ones have been developed by nuclear fuel vendors and utilities. Since the irradiation growth of fuel cladding is one of the most important parameters which determine the dimensional stability of fuel rod and/or fuel assembly during normal operation, the irradiation growth behavior of the improved Zr-based alloys for light-water reactor fuel cladding was investigated. The coupon specimens were prepared from fuel cladding tubes with various kinds of improved Zr-based alloys. The specimens were loaded into test rigs and had been irradiated in the Halden reactor in Norway under several coolant temperature conditions up to a fast-neutron fluence of 7.8
10
(n/cm
, E
1 MeV). Irradiation conditions such as specimen temperatures had been continuously monitored during the irradiation. During and after the irradiation, the amount of irradiation growth of each specimen was evaluated as a part of the interim and final inspections. The effect of the difference in alloy composition on the amount of irradiation growth seemed insignificant if the other conditions e.g. the final heat treatment condition at fabrication and the irradiation temperature were the same.
竹本 紀之; Romanova, N.*; 木村 伸明; Gizatulin, S.*; 斎藤 隆; Martyushov, A.*; Nakipov, D.*; 土谷 邦彦; Chakrov, P.*
JAEA-Technology 2015-021, 32 Pages, 2015/08
日本原子力研究開発機構・照射試験炉センターでは、産業利用拡大の観点からJMTRを活用した中性子核変換ドーピング(Neutron Transmutation Doping: NTD)法によるシリコン半導体製造を検討している。この検討の一環として、カザフスタン共和国核物理研究所(INP)との原子力科学分野における研究開発協力のための実施取決め(試験研究炉に関する原子力技術)のもとで、INPが有するWWR-K炉を用いたシリコンインゴット試料の照射試験を行うこととした。まず、シリコン回転装置を製作してWWR-K炉に設置するとともに、シリコンインゴット試料の照射位置における中性子照射場の評価を行うため、フルエンスモニタを用いた予備照射試験を行った。次に、予備照射試験結果に基づき、2本のシリコンインゴット試料の照射試験を行うとともに、照射後の試料の抵抗率等を測定し、試験研究炉を用いた高品位シリコン半導体製造の商用生産への適用性について評価を行った。
三輪 幸夫; 塚田 隆
Proceedings of 8th Japan-China Symposium on Materials for Advanced Energy Systems and Fission & Fusion Engineering, p.161 - 168, 2004/10
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、軽水炉の炉内構造材料の環境劣化事象の1つである。333673Kで1.1
16dpaまで照射した316(LN)鋼を用いて、IASCC感受性に及ぼす照射温度と水温の影響を調べた。573K以下で1.1
16dpaまで照射された試験片では、溶存酸素を含む高温水中においても、水温が513KであればIASCCが発生しなかった。しかし、水温が533K以上であれば、照射温度にかかわらずIASCCが発生した。照射温度は、水温が513K以下でIASCC感受性に大きな影響を与えることから、この照射温度依存性を他の照射誘起現象の温度依存性と比較した。
森岡 篤彦; 佐藤 聡; 金野 正晴*; 逆井 章; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 山内 通則*; 西谷 健夫; 神永 敦嗣; 正木 圭; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(2), p.1619 - 1623, 2004/08
被引用回数:10 パーセンタイル:55.02(Materials Science, Multidisciplinary)2.45MeVと14MeV中性子源を使用して、ボロン入り低放射化コンクリートの遮蔽性能実験と放射化特性試験を行った。熱中性子遮蔽性能は、2wt%ボロン入りコンクリートが1wt%ボロン入りコンクリートより優れているが、高速中性子遮蔽性能は両者の違いはなかった。14MeV中性子照射から30日以上経過した時点で誘導放射能を比較するとボロン入りコンクリートは、標準コンクリートに比べ約100分の1であった。一方、ボロン添加量の違いによる誘導放射能は差はなかった。以上より、ボロンを添加することにより、熱中性子遮蔽性能と放射化性能を改善できることが確認され、今後の核融合試験装置の遮蔽材料としての有用性が示された。
榎枝 幹男
JAERI-Conf 2004-012, 237 Pages, 2004/07
本報文集は、「IEA核融合炉工学に関する実施取り決め」に基づくセラミック増殖材ワークショップ及び日米核融合共同研究の一環として開催された「第11回セラミック増殖材ブランケット相互作用国際ワークショップ」の報文をまとめたものである。本ワークショップでは、欧州連合,ロシア,日本のセラミック増殖ブランケットの設計,HICU, EXOTIC-8, IVV-2Mによる照射試験の最新の成果,LiTiO
等のトリチウム放出挙動のモデリング,Li
TiO
とLi
SiO
微小球の製造技術開発と物性値研究,Li
TiO
とLi
SiO
微小球充填層の熱機械挙動測定とモデリングに関する研究,境界テーマとして、ブランケット筐体製作技術開発,核融合中性子によるブランケットモックアップの中性子工学実験,トリチウム回収システム開発、などについての研究開発の現状と今後の課題についての情報交換が行われた。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
JSME International Journal, Series A, 47(3), p.479 - 485, 2004/07
原子炉圧力容器の構造健全性評価では、シャルピー衝撃試験から得られる延性脆性遷移温度の中性子照射によるシフトが、破壊靭性のシフトと等しいと仮定している。このため、破壊靭性とシャルピー遷移温度との相関を確立する必要がある。本研究では、6種類の原子炉圧力容器用のASTM A533B-1鋼及び溶接金属について、ASTM規格に導入されたマスターカーブ法を適用して破壊靭性を評価した。中性子照射試験は、JMTRにおいて、予き裂シャルピー破壊靱性試験片及び標準シャルピー衝撃試験片に対して実施した。マスターカーブ法に基づく破壊靭性参照温度とシャルピー遷移温度に対する中性子照射効果を評価した。試験片寸法効果に関して、シャルピー型試験片と大型試験片との比較も行った。破壊靭性参照温度の中性子照射によるシフトとシャルピー衝撃試験の遷移温度シフトとの相関を確立するとともに、照射後の最適な破壊靭性試験温度及び下限破壊靭性の評価に関する検討を行った。
IFMIF国際チーム
JAERI-Tech 2003-005, 559 Pages, 2003/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)活動は1995年からIEA協力で国際的に実施されている。IFMIFは加速器を用いた重陽子-リチウム(Li)中性子源であり、核融合の候補材料の試験のため、強力な中性子場(2MW/m,鉄に対して20dpa/年)を発生する。IFMIFの重要要素の技術リスク低減のため、3年間の要素技術確証フェーズ(KEP)が2000年に開始された。KEPでは、電流250mAでエネルギー40MeVの高出力重陽子(D+)加速器、体積9m
の液体Liを循環するLiループ,温度制御された照射試験施設,照射後試験(PIE)施設及びその他の施設を運転するのに必要なIFMIF建屋及びユーティリティのシステム設計も実施されている。本タスク報告書では、3年間に実施した加速器,ターゲット,テストセル,設計統合のKEPタスク結果について記載した。
石井 敏満; 大岡 紀一; 星屋 泰二; 小林 英男*; 齋藤 順市; 新見 素二; 辻 宏和
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part.1), p.240 - 244, 2002/12
被引用回数:3 パーセンタイル:22.80(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉や核融合炉などの構造材料の照射脆化を超音波法で非破壊的に評価する試験技術の開発を進めている。本研究では、原子炉圧力容器用A533B-1鋼材,不純物Pの含有量を低く調整したA533B-1鋼材及びサブマージマーク溶接部から製作した衝撃試験片をJMTRにおいて523K又は563Kで中性子照射した後、遠隔操作による超音波測定を行い、試験片中を伝わる超音波の音速及び減衰率を求めた。その結果、照射材では、未照射材に比べて横波,縦波ともに音速が低下し、縦波の減衰率は上昇する傾向があることがわかった。音速の低下は、中性子照射による鋼材の剛性率及びヤング率の低下に起因することが推測される。また、シャルピー吸収エネルギーの41Jレベル遷移温度シフト量の照射に伴う増加に対して、超音波の音速は低下し、減衰率は上昇する特性があることを見いだした。
沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 高橋 昌史; 飛田 勉*; 林 君夫; 斎藤 隆; 鈴木 修一*; 吉牟田 秀治*; 加藤 茂*
JAERI-Research 2002-012, 39 Pages, 2002/06
本報告書は、平成7年度から開始した原研と原燃工との共同研究「連続被覆法により製造した高温工学試験研究炉用燃料の照射健全性実証試験」の結果を示すものである。HTTR初装荷燃料は日本で初めて大量生産を行った高温ガス炉燃料であり、製造過程における品質管理に加え、照射健全性を確認するための照射試験を行った。照射はJMTRの94F-9Aスィープガスキャプセルで実施した。照射試料は初装荷燃料の製造ラインから抜取った。照射開始時の核分裂生成物ガスの放出率から、照射試料には製造時の貫通破損粒子が含まれていないことがわかった。また、HTTRの最高燃焼度3.6%FIMA,最高高速中性子照射量1.510
m
,(E
0.18MeV)まで燃料は破損することなく、健全であった。さらに、これらの値の約2倍である燃焼度7.0%FIMA,高速中性子照射量3.1
10
m
まで照射を継続したが、著しい追加破損は見られなかった。
日浦 寛雄*; 山浦 高幸; 本橋 嘉信*; 小檜山 守*
日本原子力学会和文論文誌, 1(2), p.202 - 208, 2002/06
原子炉燃料中の酸素ポテンシャルの炉内測定を可能とする酸素センサの開発を行った。本センサは、CaOで安定化したジルコニア電解質の両側に標準極と測定極を接触させて酸素濃淡電池を構成し、発生する起電力から測定極となる燃料中の酸素ポテンシャルを推定する。本開発試験では、センサ標準極にNi/NiO, 測定極には燃料の代わりにFe/FeOを用いることとし、さらに長寿命化対策を考慮してセンサを設計・試作して、その起電力特性を炉外試験及びJMTRでの照射下その場試験において調べた。炉外試験では、700
1000
間の温度変化に対する起電力の温度依存性は理論値とほぼ一致し、起電力経時変化は800
一定の下で980hにわたり4%以内であった。照射下その場試験では、高速中性子(E
1 MeV)照射量8.0
10
m
(照射時間1650h)までの700
900
間の温度変化に対する起電力の温度依存性は炉外試験時に得られた結果とよく一致し、800
一定下での起電力経時変化は理論値の6%以内であった。以上のことから、中性子照射下における燃料中の酸素ポテンシャルの測定が本センサにより可能であることがわかった。
IFMIF国際チーム
JAERI-Tech 2002-022, 97 Pages, 2002/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)活動は1995年からIEA協力で国際的に実施されている。IFMIFは加速器を用いた重陽子-リチウム(Li)中性子源であり、核融合の候補材料の試験のため、強力な中性子場(2MW/m、鉄に対して20dpa/年)を発生する。IFMIFの重要要素の技術リスク低減のため、3年間の要素技術確証フェーズ(KEP)が2000年に開始された。KEPでは、電流250mAでエネルギー40MeVの高出力重陽子(D+)加速器,体積9m
の液体Liを循環するLiループ,温度制御された照射試験施設,照射後試験(PIE)施設及びその他の施設を運転するのに必要なIFMIF建屋及びユーティリティのシステム設計も実施されている。本中間報告書では加速器,ターゲット,テストセル,設計統合について記載した。KEP活動は2002年12月まで継続され、その成果がIFMIF-KEPの最終報告書としてまとめられる予定である。
長尾 美春
JAERI-Conf 2000-018, p.156 - 167, 2001/01
JMTR照射試験における中性子照射量の評価精度向上のため、従来の決定論的手法(ANISN,CITATION等)では正確な評価が難しい形状の複雑な体系についても高精度な評価が期待できるモンテカルロコードMCNPの導入を進めてきた。本報告では、これまでに行ってきたJMTR炉心の反応度計算及び中性子束計算へのMCNPの適用性の検討結果について述べると共に、中性子束計算に関して、実用上の課題となっている計算時間の短縮について検討した結果について述べる。
若井 栄一; 菱沼 章道; 宇佐美 浩二; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1180 - 1183, 2000/09
中性子照射した高純度と低純度のFe-9Cr合金の微細組織と引張及び衝撃特性が調べられた。照射はJRR-3M(Modified Japan Research Reactor-3)炉にて、255または290
で0.3dpaまで行った。照射による降伏応力の増分は高純度と低純度材料でそれぞれ225MPaと170MPaとなり、それは高純度材料の方が大きくなった。また、それらの延性の低下は高純度材で著しい低下が見られた。衝撃特性に関しては、高純度材料は低純度材料に比べて、延性脆性遷移温度の上昇が大きく、175
であった。透過型電子顕微鏡観察ではこれらのFe-9Cr合金に転位ループが形成していて、その数密度は低純度材料の方がやや高かった。また、高純度材料では、ループ上に
'相に類似した析出物が観察された。降伏応力の増加に対する転位ループの障壁力を分散型障壁物のモデルで評価すると、その強度因子は高純度材の方がやや大きいことがわかったが、これは転位ループ上に形成した析出物が起因していると考えられる。以上のような照射による機械的特性の変化は、転位ループの硬化だけでは説明できず、ループ上の析出物の形成がそれらに大きな影響を及ぼしていると考えられる。
材料試験炉部
JAERI-Conf 99-006, 434 Pages, 1999/08
第6回研究炉に関するアジアシンポジウム(ASRR-VI)が、1999年3月29日~31日まで、水戸市の三の丸ホテルで開催された。この会議は、16のセッションとパネル討論で構成され、各国の試験研究炉の現状と計画、運転経験、燃料管理、原子炉の改造、照射設備、照射研究、炉特性評価、計測技術及び中性子ビーム利用について合計58件の論文が発表され、「試験・研究炉利用の新しい動向」についてパネル討論が行われた。発表者は計183人(国外33人、国内150人)、参加者の国別では、中国、韓国、インドネシア、タイ、バングラデシュ、ベトナム、台湾、ベルギー、フランス、米国及び日本であった。また、国際原子力機関(IAEA)からの参加もあった。本論文集は、全発表論文及びパネル討論の記録を収録したものである。
西谷 健夫; 石塚 悦男; 角田 恒巳; 佐川 尚司; 大山 幸夫; 飯田 敏行*; 杉江 達夫; 野田 健治; 河村 弘; 河西 敏
Fusion Engineering and Design, 42, p.443 - 448, 1998/00
被引用回数:22 パーセンタイル:82.88(Nuclear Science & Technology)日本のホームチームが現在実施しているITER計測機器要素の照射試験において、今までに得られた結果を報告する。セラミックス絶縁材については、14MeVの中性子による放射線誘起伝導(RIC)の変化をFNSで測定した。また窓材の放射線誘起発光の絶対測定をFNSで行うと共に、JMTRにおいて窓材の透過率変化の測定を行った。更にモリブデン製の反射鏡の照射試験をJMTRにおいて実施した。その結果反射率の変化はみられなかった。JT-60タイプのボロメータの照射試験をCo照射の下で行ったが、100MGyの照射量まで正常に動作することが確認できた。
西山 裕孝; 深谷 清; 鈴木 雅秀; 衛藤 基邦
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1187 - 1192, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:38.47(Materials Science, Multidisciplinary)照射温度が290C~400
Cで、1
10
~3
10
n/m
(E
1MeV)の中性子照射を受けた2.25Cr-1Mo鋼について、引張試験、シャルピー衝撃試験及び電気化学的試験の結果から、中高温度域での中性子照射脆化の特徴について検討を行った。照射温度が400
Cの場合、照射脆化はマトリックスの硬化によって誘起されるが、この程度は極めて小さい。しかし、照射量が1
10
n/m
以上になると、非硬化性の脆化すなわち粒界脆化が生じた。一方、照射温度を約300
Cから400
Cに変えた場合、300
Cにおける照射量の大小すなわち照射硬化量に関係なく、その後の400
C照射によって照射硬化のほとんどが回復した。したがって、400
C照射による2.25Cr-1Mo鋼の脆化の主因は粒界脆化であることがわかった。また、電気化学的分極法により、その原因が不純物等の照射誘起偏析であることが推察された。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
ISIJ International, 37(8), p.821 - 828, 1997/08
被引用回数:3 パーセンタイル:35.19(Metallurgy & Metallurgical Engineering)原子炉圧力容器鋼材の照射脆化に関して、各種機械的特性の変化の相関を調べた。照射脆化に影響する鋼材中の鋼、燐及びニッケル量を変化させた7種類の鋼材を利用し、JMTRで中性子照射を行った。本鋼材は、IAEA鋼材照射協力研究用に国内鋼材メーカーが製造したものであり、国内PWR圧力容器鋼の化学成分範囲を包含するように選択した。室温での降伏強さの増加を指標とした場合、ビッカース硬さの増加及びシャルピー遷移温度のシフトには良い相関が認められた。上部棚温度領域では、延性破壊靱性の低下と降伏強さの増加に良い相関が認められ、一方でシャルピー上部棚吸収エネルギにはあまり良い相関が認められなかった。延性脆性遷移温度域での破壊靱性値は、ばらつきが大きいため、統計処理を含む最適な評価方法の確立が必要である。
島川 聡司; 小森 芳廣; 長尾 美春; 桜井 文雄
JAERI-Tech 95-023, 26 Pages, 1995/03
材料試験炉における中性子スペクトル調整照射に関する検討の一環として、一定照射量(dpa)に対する304ステンレス鋼のヘリウム生成量制御範囲に対する検討を実施した。検討にあたっては、主に熱中性子によって起こるNi(n,
)
Ni(n,
)
Fe反応を利用して制御を行うものとし、(1)可能な限り熱中性子をカットした照射、(2)標準的な照射、(3)熱中性子を増加させた照射を対象とした。これらのキャプセルを200日間照射した場合(2dpa)、304ステンレス鋼中のヘリウム生成量は、1.4appmから24appmの範囲に制御できることがわかった。このときのHe/dpaの制御範囲は0.7~12である。この検討結果から、ニッケルを含む材料に対する高度な照射試験により、異なるヘリウム生成量に対する照射データが得られ、材料試験炉を用いたヘリウム効果に注目した照射研究の可能性が明らかとなった。