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与能本 泰介; 大津 巌
Proceedings of 12th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2000), Vol.1, p.317 - 329, 2000/00
蒸気発生器(SG)二次側除熱により事故後の崩壊熱除去を行うPWRにおいては、大気圧近傍圧力での自然循環除熱挙動を明らかにすることが重要である。本論文では、ROSA/LSTF装置を用いて、これに関して行った二つの実験について述べる。いずれの実験でもSG伝熱管群で気液二相が上下に分離した伝熱管(停滞管)と凝縮を伴いつつ二相流が流れる伝熱管が共存する非一様な観測された。停滞管では熱伝達が生じないため、非一様流動は一次系からSG二次側へ実効的な伝熱面積を減少させる効果がある。現行解析コードでは、この効果をモデル化できないため、自然循環挙動を適切に予測することはできない。重力注入水中の溶存空気の影響を検討した実験では、伝熱管への溶存空気の蓄積が観測されたが、7時間に渡る実験期間中に伝熱劣化は見られなかった。これは、空気が、伝熱に寄与しない停滞管に選択的に蓄積したことによる。この結果は、SG二次側除熱と重力注入を用いて、冷却材喪失事故後の長期冷却を行うシステムの有望性を示すものである。