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中田 弘太郎*; 長崎 晋也*; 田中 知*; 坂本 義昭; 田中 忠夫; 小川 弘道
Radiochimica Acta, 90(9-11), p.665 - 669, 2002/12
被引用回数:49 パーセンタイル:93.34(Chemistry, Inorganic & Nuclear)鉄酸化物はその表面で放射性核種を吸着することにより、地層中での放射性核種の移行を遅延させることが知られている。このような吸着反応において酸化還元反応に敏感な一部の元素に対して、単なる吸着だけでなく、鉄鉱物中のFe(II)による還元反応を伴う吸着反応の可能性が指摘されてきた。そこで、本研究ではFe(II)を含むマグネタイトとFe(III)のみのヘマタイトへのNp(V)の吸着反応について、大気条件下及び低酸素条件下で調べた。その結果、マグネタイトに対しては低酸素条件下でのNp(V)の吸着量が大気条件下よりも増加するとともに、その吸着形態は大気条件下で見られたイオン交換的な吸着よりも強い結合であることが示された。しかし、ヘマタイトではこのような現象が認めらないこと、低酸素条件下でマグネタイトに吸着したNpがNp(IV)を抽出するTTAで抽出された結果から、低酸素条件下ではマグネタイトへのNp(V)の吸着がNp(IV)への還元を伴う吸着現象である可能性を示唆した。
坂本 義昭; 妹尾 宗明; 小西 正郎*; 森山 昇*
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Management and Environmental Remediation (ICEM'99)(CD-ROM), 5 Pages, 1999/00
TRU核種を含む放射性廃棄物の処分場においては、セメント系材料の使用が想定されている。セメント系材料は、時間とともに地下水等の影響により劣化することが知られている。本研究は、地下水成分の1つである炭酸による劣化(中性化)した後のセメントに対するNpの吸着と移行挙動を調べたものである。バッチ法による中性化前後のセメントへのNpの吸着挙動を調べた結果、中性化そのものよりも中性化に伴う接触溶液のpHの低下によるNpの分配係数の低下の影響が認められた。一方、カラム法によるNpの移行挙動を調べた結果では、セメント成分によるNpのコロイド形成のため、カラムからの流出液中のNpが破過しない結果が得られ、コロイド形成によるNpの移行挙動への影響が確認された。
佐々木 祐二; G.R.Choppin*
Radiochimica Acta, 80(2), p.85 - 88, 1998/00
Np(V)のN,N'-dimethyl-N,N'-dihexyl-3-oxapentanediamide(DMDHOPDA)による抽出が行われた。Np(V)はニトロベンゼンに溶解した60mMDMDHOPDA溶媒により、pH=3の0.1M NaClO水溶液から90%抽出され、これはトルエンを用いた時の2倍であることがわかった。抽出錯体はNpO
(DMDHOPDA)
とNpO
(DMDHOPDA)
と推定された。Np(V)は同じ有機相を使い抽出した後、1M HClO
溶液と振り混ぜることにより水相に逆抽出された。この逆抽出の条件でTh
,UO
,Am
Eu
は有機相に残っており、このことはNp(V)が5価以外の原子価のアクチノイド元素より分離できることを示唆している。
小西 正郎*; 坂本 義昭; 妹尾 宗明*; 森山 昇*
原子力バックエンド研究, 4(1), p.47 - 55, 1997/08
人工バリアにコンクリート系材料を用いる放射性廃棄物の処分施設では、セメントによる放射性物質の閉じ込め性能を評価する必要がある。特に、セメント系の材料は、空気中の炭酸ガスや地下水中の炭酸イオンと反応することにより中性化現象が生じ、放射性核種の閉じ込め性能に影響を及ぼすことが想定される。このような、セメントの劣化による影響を評価しておくことが重要であり、Pu(IV)と
Np(V)のセメントに接触した高アルカリ地下水中での挙動及び中性化したセメント材料への吸着をバッチ法により調べた。その結果、セメント接触液中では高アルカリと溶存イオンが多いため
Npのコロイドが生じやすいこと及び中性化にともなう接触水のpH低下により
Pu(IV)及び
Np(V)のK
値はおよそ1/1000に低下することが分かった。
新津 好伸*; 佐藤 正知*; 大橋 弘士*; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; 長尾 誠也; 村岡 進
Journal of Nuclear Materials, 248, p.328 - 332, 1997/00
被引用回数:36 パーセンタイル:91.21(Materials Science, Multidisciplinary)放射性核種の地層中での吸着挙動は、地下水組成、特に有機物の存在により影響を受ける。そこで本研究ではフミン酸がNp(V)のカオリナイトへの吸着に及ぼす影響について調べた。その結果、pH8以下ではNp(V)の分配係数はフミン酸濃度とともに増加するが、pH8以上では逆に低下することがわかった。この現象は、フミン酸がカオリナイトへ吸着することによるNp(V)-humateのカオリナイト表面での形成反応と、溶液中でのNp(V)-humateの形成によるNp(V)の吸着の低下による結果であることを明らかにし、これらの反応がpHとフミン酸濃度により大きく支配されていることを示した。
坂本 義昭; 長尾 誠也; 田中 忠夫
JAERI-Research 96-055, 14 Pages, 1996/10
放射性廃棄物の安全評価においては、地下水での放射性核種の溶存形態が重要となる。地下水に溶存しているフミン酸は放射性核種と錯形成して、放射性核種の溶存形態に影響を及ぼすことが知られている。そこで本研究では、Np(V)の溶存形態に及ぼすフミン酸の影響として、フミン酸の分子量分布の影響について検討した。フミン酸及びNp(V)-humateの分子量分布を限外ろ過フィルターにより測定した結果、フミン酸の分子量分布がイオン強度により変化してもNp(V)-humateの分子量は主に10,000~30,000daltonsの範囲にあった。更に分子量毎にNp(V)-humateの安定度定数を測定した結果、10,000~30,000daltonsの分子量にあるNp(V)-humateの値が大きく、Np(V)とフミン酸の錯形成においては、このような特性の分子量にあるフミン酸とNpの相互作用が重要であることが示唆された。
坂本 義昭
放射性廃棄物研究, 1(1), p.107 - 113, 1994/06
放射性廃棄物の地層処分においては、放射性核種の岩石、土壌への吸着挙動を調べることが重要となる。この吸着挙動は、地下水中の共存イオンにより大きな影響を受けることが知られている。本研究においては、TRU元素で重要なNpを取上げ、Np(V)の土壌への吸着に及ぼす炭酸イオンの影響について検討を行った。低濃度の炭酸イオンを含む系においては、Np(V)の吸着挙動はNpO
による陽イオン交換的な吸着とNpO
OHによる吸着に支配されているが、比較的高濃度の炭酸イオンを含む系においては、炭酸錯体の形成による影響とともに、重炭酸イオンが土壌に吸着することによる表面電荷の変化に伴う影響によりNp(V)の吸着量が減少することを明らかにした。