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目時 直人
Journal of the Physical Society of Japan, 89(2), p.025001_1 - 025001_2, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:10.62(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体NpPdAl及び同じ結晶構造を持つ関連物質の電子状態について、と-結合描像の間に良い対応関係が成り立つことがわかった。これらの物質の希土類及びアクチノイド元素は正方晶の点群の対称性をもつ強い一軸的な点電荷ポテンシャルの影響を受けている。一連の化合物は電子数()の増加に伴う系として考えられ、その電子状態の系統的な変化は結合描像によってよく表現される。一方、この電子状態の変化は、系のCePdAlの3つの軌道,及びに、の電子を個詰める-結合描像によって説明でき、両者の間に物理的な関連が認められる。
目時 直人; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 松田 雅昌*
Journal of the Physical Society of Japan, 87(11), p.114712_1 - 114712_9, 2018/11
被引用回数:3 パーセンタイル:27.72(Physics, Multidisciplinary)ウラン金属間化合物UPdAlは、四価イオンUの局在5()電子状態を伴うことを中性子散乱による結晶場スペクトルから明らかにした。この電子状態は、最近研究した電子数と結晶構造が同じ希土類参照物質PrPdAlと同一であり、c軸方向に大きな磁気モーメントを伴う平べったい形状の軌道が、縦長の体心正方晶の持つ二次元結晶場ポテンシャルによって安定化されていることがわかった。ウランの5電子が金属状態において局在的な性格を持つことは非常に珍しい発見であり、やはり、結晶構造の特殊性に起因する。ウランが四価イオンであることは、三価のNpPdAlとの間に価数転移が存在することを意味し、この価数転移が結晶格子の異常や電気抵抗の増加によって観察されることを明らかにした。また、価数が不安定な領域で超伝導や磁気転移、重い電子系状態など多体効果の存在を示す数多くの現象が生じていることがわかった。
目時 直人; 山内 宏樹; 鈴木 博之*; 北澤 英明*; 萩原 雅人*; 益田 隆嗣*; Aczel, A. A.*; Chi, S.*; Hong, T.*; 松田 雅昌*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(9), p.094704_1 - 094704_8, 2018/09
被引用回数:6 パーセンタイル:44.60(Physics, Multidisciplinary)中性子非弾性散乱実験によりPrPdAlの電子状態を明らかにした。この物質のユニークな結晶構造に起因する2次元的な結晶場ポテンシャルにより、大きなを伴う平べったい軌道が安定化し、イジング型の磁気異方性が生じることがわかった。この2次元的な結晶場ポテンシャルは同じ結晶構造を持つ希土類化合物RPdAlに共通に存在し、重い電子系超伝導体NpPdAlにおけるXY型磁気異方性への変化を系統的に説明することができる。それは、電子の局所的な性質がこの物質系の物性発現機構において非常に重要であり、NpPdAlにおける重い電子系超伝導にも関与している。