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浅山 泰; 大塚 智史
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Next Generation Nuclear Systems for Sustainable Development (FR-17) (USB Flash Drive), 15 Pages, 2017/06
本論文は日本原子力研究開発機構におけるナトリウム冷却高速炉用の炉心材料および構造材料の開発の現状について述べたものである。炉心材料については、燃料ピンにはODS鋼が、ラッパー管にはPNC-FMS鋼の開発を進めている。構造材料については、316FR鋼および改良9Cr-1Mo鋼の規格化が進んでいる。いずれの材料についても、将来炉への適用を目指してさらなるデータ取得と評価を行っている。
上平 明弘; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2000-035, 164 Pages, 2000/03
高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS鋼:0.12C-11Cr-0.5Mo-2W-0.2V-0.05Nb)は、サイクル機構が高速炉の次期炉心材料候補として開発した鋼種であり、1992年の材料強度基準(暫定案)の策定時に延性脆性遷移温度(DBTT)が評価されているが、衝撃特性において重要な特性の1つである寸法依存性、および上部棚吸収エネルギー(USE)の評価が行われていないといった課題がある。本報告では、PNC-FMS鋼および海外材のデータを用いて、USE,DBTTそれぞれにおける寸法依存性、熱時効効果、照射効果などを評価し、PNC-FMS鋼における製造時のUSEとDBTTの設計値、および熱時効効果と照射効果それぞれの設計式を策定した。得られた主な結果は次の通りである。(1)USEの寸法依存性は「(Bb)のn乗」(B:試験片の幅、b:試験片のリガメントサイズ)を用いて「USE=m(Bb)のn乗」(m,nは定数)の関係として適切に評価可能であること、およびPNC-FMS鋼の場合「n=1.4」となることを明らかにした。「(Bb)のn乗」における乗数「n」は、フルサイズ試験片のUSE(J)と関連付けられ、「n=1.3810のマイナス3乗USE+1.20」の関係式が得られた。(2)DBTTの寸法依存性は「BKt」(Kt:弾性応力集中係数)を用いて適切に評価可能であり、「DBTT=p(log10BKt)+q」(p,qは定数)の関係にあることを明らかにした。PNC-FMS鋼の場合、DBTT=119(log10BKt)-160であった。(3)製造時DBTTの設計値、および熱時効効果と照射効果それぞれの設計式を用いて、照射後のDBTTを推定した結果、350650の照射温度範囲でサブサイズ試験片(幅3mm高さ10mm)のDBTTは180以下であった。
丹野 敬嗣; 矢野 康英; 関尾 佳弘; 岡 弘; 大塚 智史; 皆藤 威二; 舘 義昭
no journal, ,
フェライト/マルテンサイト鋼は、耐スエリング性に優れ、原子力機構では11Cr鋼であるPNC-FMSを高速炉炉心材料として開発した。その炉内強度特性の実証や材料強度基準整備を進めるためには、照射データ及び熱時効効果に関するデータの蓄積が重要である。本研究では、「常陽」にて455-835Cで、最大32.5dpaまで照射されたPNC-FMSのリング引張試験と硬さ試験を実施し、熱時効後の試験結果と比較した。600C以上で照射されたPNC-FMSは室温での引張強さが製造まま材及び熱時効後よりも低下しており、硬さについても同様の傾向を示した。一方、835Cで照射されたものは、熱時効材よりも硬くなっていた。
丹野 敬嗣; 矢野 康英; 岡 弘; 関尾 佳弘; 大塚 智史; 皆藤 威二; 舘 義昭
no journal, ,
フェライト/マルテンサイト鋼は、耐スエリング性に優れ、原子力機構では11Cr耐熱鋼であるPNC-FMSを高速炉炉心材料として開発した。その炉内強度特性の実証や材料強度基準整備を進めるためには、照射データ及び熱時効効果に関するデータの蓄積が重要である。本研究では、「常陽」にて455-835Cで、最大32.5dpaまで照射されたPNC-FMSのリング引張試験と硬さ試験を実施し、熱時効後の試験結果と比較した。600C以上で照射されたPNC-FMSは室温での引張強さ及び硬さが製造まま材及び熱時効後よりも低下しており、明瞭な照射軟化を確認した。一方、835Cで照射されたものは、熱時効材よりも硬くなっており、照射中の相変態が原因と考えられた。
丹野 敬嗣; 岡 弘; 矢野 康英; 栗下 裕明*
no journal, ,
フェライトマルテンサイト鋼(FMS)が照射や熱時効を受ける場合、破壊靭性は重要な評価項目である。本研究では、照射試験片や溶接材から採取した微小試験片にも適用できるミニチュア試験技術開の開発を目標とする。第1段階として、ミニチュア3点曲げ試験の破壊靭性評価への適用性、および試験片に加工するサイドグルーブの効果を検証した。高速炉用に開発されたPNC-FMSにASTM1820に準じたミニチュア3点曲げJ試験を適用し、ラッパ管厚さに対応する厚さ5mm、幅3mm、長さ22.5mmにミニチュア化した試験片で、き裂進展を制御するサイドグルーブの曲率半径の影響を検証した。その結果、ASTM 1820の標準サイズである曲率半径0.5mmではき裂が蛇行や分岐した。一方、0.05mmとしたものはサイドグルーブに沿ってき裂を進展させることができ、破壊靭性値J=300kJ/mを得た。これにより、ミニチュア化した場合でもサイドグルーブの工夫によりPNC-FMSの破壊靭性を評価できる見込みを得た。
丹野 敬嗣; 矢野 康英; 岡 弘*; 栗下 裕明*
no journal, ,
高速炉燃料集合体のラッパ管用フェライトマルテンサイト鋼(PNC-FMS)の破壊靭性評価を行うため、ミニチュア3点曲げ試験を適用した。今回の試験で、ミニチュア試験片を用いてより確からしく、かつ保守的な破壊靭性値を得るためには、予き裂長さとサイドグルーブの開き角が重要であることが明らかとなった。これらの調整により、ラッパ管の厚さに適用できるミニチュア試験片を用いて、破壊靭性値Jを得た。
丹野 敬嗣; 藤田 江示; 矢野 康英; 栗下 裕明*
no journal, ,
高速炉燃料集合体のラッパ管用フェライトマルテンサイト鋼(PNC-FMS)の破壊靭性評価を行うため、ミニチュア3点曲げ試験を適用した。PNC-FMS板材について、形状の改良を行った試験片を用いて破壊靭性値の異方性を確認することに成功した。また、複数の形状の試験片について、再現性良くデータ取得できることを確認できた。
矢野 康英
no journal, ,
カーボンニュートラルに向けた高速炉開発の意義とその研究開発課題である炉心材料・構造材料の開発状況の進捗について、発表を行う。
皆藤 威二; 大塚 智史; 矢野 康英; 丹野 敬嗣
no journal, ,
高速炉の実用化に向けて安全性及び経済性の向上が不可欠であり、燃料集合体を構成する被覆管、ラッパ管等の炉心材料には優れた耐照射特性、高温強度及び燃料や冷却材との共存性が求められる。日本原子力研究開発機構(JAEA)が開発を進めるNa冷却高速炉では、冷却材出口温度の高温化に対応するため、通常運転時の被覆管最高温度は約700C、ラッパ管最高温度は約580Cに達する。また、燃料の高燃焼度化に対応するため、被覆管,ラッパ管ともに使用期間約9年という長期間にわたり優れた高温強度を維持するとともに、はじき出し損傷量で250dpaを超える耐照射特性が求められる。ここでは、高速炉炉心材料としてJAEAが開発してきたPNC316, PNC-FMS及びODSフェライト鋼の開発経緯や成果、実用化に向けた課題等について述べる。
丹野 敬嗣; 藤田 江示; 静川 裕太
no journal, ,
高速炉燃料集合体ラッパ管用フェライトマルテンサイト鋼(PNC-FMS)の破壊靭性評価用にミニチュア3点曲げ試験技術の開発を進めている。これまでに最適化した試験片形状を炭素鋼S45Cに適用し、手法の汎用性を確認した。1/2CT試験と比較して、ミニチュア試験による評価は大きな破壊靭性値を示す傾向であるが、再現性良くデータ取得できることを確認した。したがって、本手法により、PNC-FMS以外の鋼種についても半定量的に信頼できる破壊靭性試験を実施できると考えられる。
矢野 康英; 丹野 敬嗣; 大塚 智史; 光原 昌寿*; 中島 英治*; 外山 健*; 大沼 正人*
no journal, ,
Na冷却高速炉用燃料被覆管の候補材料として研究開発されている9Cr-ODS鋼の1000Cを超えるような超高温における組織安定性について、結晶粒成長の違いに着目した光学顕微鏡観察を11Cr-耐熱鋼(PNC-FMS)と比較し、実施した。その光学顕微鏡写真を第73回金属組織写真賞作品に応募する。
丹野 敬嗣; 静川 裕太; 藤田 江示
no journal, ,
開発を進めているミニチュア3点曲げ破壊靭性評価技術を用いて、PNC-FMSの熱時効後の破壊靭性評価を実施した。600C、6000hの熱時効を経たPNC-FMSは、シャルピー衝撃特性は劣化していたが、室温での破壊靭性は低下していないことが本試験により示された。また、試験片への疲労予き裂を熱時効の前と後に導入した場合を比較した結果、今回の熱時効条件の場合では有意な差異がないことが分かった。