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岩井 保則; 山西 敏彦; 磯部 兼嗣; 西 正孝; 八木 敏明; 玉田 正男
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.815 - 820, 2006/02
被引用回数:14 パーセンタイル:68.77(Nuclear Science & Technology)アルカリの添加なしに直接電解が可能な固体高分子電解法(SPE)は核融合で発生するトリチウム水の処理システム向け電解プロセスとして魅力的であるが、使用においては特にイオン交換膜の放射線耐久性を考慮する必要がある。市販イオン交換膜であるナフィオン膜の放射線耐久性を、原研高崎研究所のCo-60照射施設及び電子線加速器を用い、引っ張り強度,イオン交換能,電気伝導率,透過係数,単位重量あたりの溶解フッ素量等の観点から検証した。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主鎖にスルホン酸基を側鎖に有するナフィオン膜は、浸水状態における線照射時の引っ張り強度の劣化挙動がPTFEの劣化挙動と大きく異なることを見いだした。イオン交換能の照射線量依存性はナフィオンの各グレードにおいてほぼ同様であった。いずれにせよ核融合実験炉ITERにおいてイオン交換膜に求められる積算照射量530kGyまでは問題となるまでの性能低下が起こらないことを見いだした。ナフィオンの放射線耐久性はその構造式から推定されるよりも高く、温度や照射線種などの影響を検証するとともに、ラジカル反応機構から雰囲気が与える影響を考察した。
澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 寺井 隆幸*; 吉田 勝
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 30(4), p.943 - 946, 2005/12
グラフト鎖の構造の異なる架橋PTFE電解質膜を合成し、それらの温湿度制御下におけるプロトン伝導特性をACインピーダンス法によって評価した。前照射線量を15kGy(一定)としてグラフト反応を行い、鎖の密度を等しくした膜では、イオン交換容量とともにプロトン伝導度が増大した。伝導度の最大値としては、イオン交換容量2.8meq/gの膜が温度80C,相対湿度95%の環境下において0.20S/cmを示した。イオン交換容量が同程度のときは、グラフト鎖の密度が高く長さが短い方が、長い鎖が低密度に存在するときよりも、高い伝導度を示した。この結果は、プロトンの伝導経路である親水性領域の構造の違いに起因すると考えられる。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝
月刊エコインダストリー, 10(6), p.5 - 11, 2005/06
DMFC用の電解質膜にかかわる最も重要な研究課題として、メタノールクロスオーバーを抑制できる膜の開発がある。筆者らは、独自に開発した放射線照射プロセスを利用して、この課題をクリアする高性能な電解質膜の作製に成功した。高温下の線照射で架橋構造を付与したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に放射線グラフト重合を応用することにより、スルホン酸基の量を市販膜ナフィオンの3倍にまで高めた新しいフッ素系高分子電解質膜を作製し、そのプロトン伝導性が最大で2倍に達することを明らかにした。この膜のメタノール透過試験を行ったところ、30体積%という高濃度の水溶液を用いても透過係数がナフィオンの約4分の1にまで大幅に抑制されていることがわかった。PTFE主鎖への架橋導入がメタノールクロスオーバーを抑制するのに不可欠であることを示すことができた。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝
工業材料, 53(1), p.63 - 67, 2005/01
PEFC用の高分子電解質膜にかかわる重要な研究課題の一つとして、低湿度下で作動する膜の開発がある。原研では、PTFE膜に放射線で架橋構造を付与し、それに放射線グラフト重合法を応用することにより、プロトン伝導を担う官能基(スルホン酸基)の量を従来の3倍にまで高めた新しいフッ素系高分子電解質膜を作製する技術を開発した。そして、最近の研究において、スルホン酸基の量を制御した架橋PTFE電解質膜に対し、温度,相対湿度(R.H.)の制御下でプロトン伝導性を検討したところ、その指標である伝導率がR.H.を下げても大きく低下せず、低加湿の条件下であっても高伝導膜として十分に機能することがわかった。本稿では、独自開発による架橋PTFE電解質膜の作製技術とプロトン伝導性、さらには今後の課題などを紹介する。
八巻 徹也; 吉田 勝
燃料電池, 4(3), p.73 - 78, 2005/01
固体高分子形燃料電池用の電解質膜として広く使われているナフィオンでは、プロトン伝導性を維持するのに絶えず加湿して高い含水状態を保たなければならず、膜の乾燥による作動中の出力低下が問題となっている。また、高分子主鎖に架橋構造を持たないため、水や燃料として用いられるメタノールによって大きく膨潤してしまい、このことも実用化を妨げている要因の一つである。われわれは、架橋構造を付与したPTFE膜に放射線グラフト重合法を応用することにより、プロトン伝導を担うスルホン酸基の量を最大でナフィオンの3倍にまで高めた新しいフッ素系高分子電解質膜を作製し、そのプロトン伝導性が相対湿度(R.H.)を下げても大きく低下しないことを明らかにした。例えば、相対湿度70%という低加湿の下では、ナフィオンの4倍に相当する伝導度0.14S/cmを示し、実用上十分なレベルであった。親水性領域をキャピラリーに見立てたミクロなモデルで伝導機構について考察した結果、高いイオン交換容量と寸法安定性を兼ね備えていることが高伝導性の原因と考えられた。
宇田川 昂*; 池田 重利*; 八木 敏明
放射線と産業, (103), p.54 - 58, 2004/09
典型的な放射線分解型の高分子材料として知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE,テフロンの名で知られているフッ素樹脂)について、原料粉末の段階で1kGyを照射し、その後、溶融圧縮成形して得られる成型品は未照射品に比べ、破断伸びが約1.6倍、引き裂き強度が2倍、耐折性は50倍向上することが明らかとなった。また、PTFE延伸多孔質体を低線量照射することにより、多孔質膜の孔経を任意にコントロールできる技術を見いだした。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉田 勝
工業材料, 51(4), p.39 - 42, 2003/04
放射線架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に放射線グラフト重合を応用することによって高分子電解質膜を作製する技術を開発した。架橋PTFE膜は、線をアルゴンガス雰囲気,340
5
の温度で、60~320kGy照射して得た。この架橋膜に、アルゴンガス雰囲気、室温で
線を前照射することによりラジカルを生成させた後、60
でスチレンを後グラフトした。最後に、グラフトされたポリスチレン鎖をクロルスルホン酸でスルホン化し、イオン交換基(スルホン酸基)を基材に導入した。合成した電解質膜のイオン交換容量は0.7~3meq/gで、従来膜ナフィオンの0.9~1.1meq/gよりはるかに高く、しかも広範囲で変化させることが可能であった。また、アルコールに対しては、ナフィオンが大きな膨潤性を示すのとは対照的に、われわれの電解質膜では膨潤し難く安定であることが確認できた。今後は、ポリスチレンのような炭化水素からなる側鎖の代わりに、フッ素系モノマーをグラフト重合し、燃料電池膜としての耐久性の向上を狙っている。
佐藤 泰紀*; 山口 大地*; 大島 明博*; 加藤 孝則*; 池田 重利*; 青木 靖*; 田中 茂; 田畑 米穂*; 鷲尾 方一*
JAERI-Conf 2003-001, p.245 - 250, 2003/03
シンクロトロン放射(SR)を用いた直接的光エッチング法による架橋PTFEの加工を試み、高アスペクト比の微細加工が可能であることを示した。架橋PTFEのエッチング速度は、未架橋PTFEの場合の約2倍であることを見いだした。その理由として、架橋構造に由来する活発化した分子運動が原因でないかと思われる。SR照射後の材料表面をDSCとFT-IRで分析した結果、SR照射後の未架橋PTFEの表面部分(数10m)は変質し、SRにより架橋されていることが示唆された。
井上 豊; 小林 和博; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 久保田 仁*; 吉田 勝
第2回21世紀連合シンポジウム; 科学技術と人間論文集, p.257 - 260, 2003/00
本研究では、燃料電池用架橋フッ素系高分子電解質膜を合成とX線回折(XRD)分析による構造解析を行った。架橋構造を付与したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜にスチレン(St)を放射線グラフトした後、スルホン化を行った結果、Nafionを上回る高いイオン交換容量(1.32.0meqg
)を持つ電解質膜を合成できた。架橋及びStグラフト反応が進行するにつれて、PTFE膜の結晶化度は結晶子寸法の減少とともに低下した。最後に、スルホン化した膜がNafionと比べて高い結晶化度を保持していたことは非常に興味深い。
八巻 徹也; 浅野 雅春; 森田 洋右*; 諏訪 武*; 吉田 勝
Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
放射線架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜にスチレンを放射線グラフト重合した後、スルホン化することによってイオン交換膜を合成した。スチレンのグラフト率は、PTFE基材の架橋密度とグラフト反応条件によって制御可能であった。グラフト率30%以上では、スルホン酸基が内部にまで均一に分布したイオン交換膜を合成することができた。得られた膜のイオン交換容量は、ナフィオンのような市販パーフルオロスルホン酸膜の性能を大きく上回る2.9meq gという高い値であった。このことは、われわれのイオン交換膜が燃料電池膜として応用可能であることを示している。
吉田 勝; 八巻 徹也
最新燃料電池部材; その最先端技術と信頼性評価, p.82 - 92, 2003/00
最近、われわれは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に放射線で架橋構造を付与し、それに放射線グラフト重合を応用することにより、高性能の燃料電池用高分子電解質膜を作製することに成功した。すなわち、架橋PTFE膜にスチレンをグラフトした後、グラフト鎖をスルホン化したところ、従来膜ナフィオンを凌駕するイオン交換能,膨潤特性を付与することができたのである。これが世界初の「架橋」フッ素高分子電解質膜であり、しかもその作製プロセスが極めて簡便であることは特筆に値する。本稿では、はじめに本技術のポイントとなる放射線架橋の基礎を概説し、次にPTFE架橋技術と架橋PTFE膜を基材とした電解質膜の合成法について述べ、最後に新たな放射線利用にかかわる研究としてわれわれの有するイオンビーム微細加工技術とその応用について紹介する。
八巻 徹也; 吉田 勝
図解,燃料電池のすべて, p.117 - 119, 2003/00
機械的強度,耐熱性,耐薬品性に優れたフッ素樹脂を架橋すると、これらの諸特性がさらに向上するので、さまざまな用途を持つ材料として応用価値が高くなる。1990年代のはじめに、それまで放射線分解型の高分子であると信じられてきたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、結晶融点(327C)以上という特殊な環境下で放射線照射したときのみ、架橋することが発見された。架橋フッ素高分子電解質膜の合成は、この架橋PTFEのシート(厚さ50
100ミクロン)に放射線を照射して、非常に反応しやすい部位(ラジカル)を内部にまで均一につくり、これにスチレンなどの芳香族ビニル化合物を付加重合させた後にスルホン酸基をつけることで行う。得られた電解質膜のイオン交換容量は0.7
3ミリ当量/gで、現在使われているパーフルオロスルホン酸膜の0.9
1.1ミリ当量/gよりはるかに高い値である。また、アルコール-水混合液中では、架橋構造を持たない従来の電解質膜と比較して、膨潤し難く寸法安定性に優れていることが確認されている。このことから、架橋PTFEからなる電解質膜では、メタノールの透過が大幅に抑制されると考えられる。
諏訪 武
ポリマーダイジェスト, 54(3), p.17 - 26, 2002/03
現在最も注目されている燃料電池は固体高分子型燃料電池(PEFC)である。まずPEFCの原理と構造について電解質膜の役割と関連づけて紹介する。現在使用されているナフィオン等のパーフルオロスルホン酸(PFS)膜の現状、さらに高性能で低コスト化を目指した高分子電解質膜の開発状況、特に放射線グラフト法で作製された電解質膜の特徴を紹介する。本法は、架橋型の高分子膜を用いた場には優れた電解質膜を作製できる可能性を有する。最後に、われわれの進めている架橋PTFEを基材に放射線グラフト法で作製した電解質膜の特徴を紹介する。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.467 - 471, 2001/03
被引用回数:12 パーセンタイル:65.12(Chemistry, Physical)連続した炭素繊維の織布を強化繊維として複合化したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を高温(335)酸素不在下(アルゴンガス中)で電子線照射を行い、架橋させた。得られた繊維強化架橋PTFE複合材料の積層体は、従来の短繊維充填PTFE材(充填材5~20wt%)に比べ、曲げ強度などの機械特性は大幅に改善され、しかも摩擦摩耗特性については、PTFE樹脂単体の場合に比べ数千倍、架橋PTFE樹脂及び未架橋の短繊維充填材に比べ5倍改善された材料特性を示した。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Radiation Physics and Chemistry, 60(1-2), p.95 - 100, 2001/01
被引用回数:8 パーセンタイル:52.64(Chemistry, Physical)本報告は、放射線プロセスによる炭素繊維強化ポリテトラフルオロエチレンの開発について述べたものである。連続した炭素繊維を強化繊維とし、ポリテトラフルオロエチレンが均一に分散した系で含浸させた後、350で焼成した一方向のプリフォームを準備した。用意したプリフォームをArガス中で高温電子線照射を行うことで、マトリクスを架橋させて、複合材料を得た。得られた材料の諸特性を評価した結果、曲げ強度370MPa、曲げ弾性率64GPa、耐放射線性12MGyの良好な値を示した。したがって、放射線環境下で使用可能な、フッ素系複合材料を開発できた。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Proceedings of International Symposium on Prospect for Application of Radiation towards the 21st Century, p.83 - 84, 2000/00
放射線架橋ポリテトラフルオロエチレン(RX-PTFE)を繊維強化複合材料の母材とする材料を試作し、その特性を評価した。基材繊維には、東レのT-300炭素繊維の平織りの織物を用いた。得られた炭素繊維強化RX-PTFEの三点曲げ強度ならびに弾性率は、それぞれ138MPa,28.4GPaであった。
瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 57, p.367 - 371, 2000/00
被引用回数:27 パーセンタイル:83.89(Chemistry, Physical)電子線を利用して、高分子を不活性ガス中において、大線量照射する技術を開発して、SiCのファイバーを合成することに成功した。これは、酸素を含まないため、耐熱性が著しく向上し、1700Cに耐えるセラミック繊維である。また、高温でテフロンを照射することにより、架橋させることが可能となり、非晶性のテフロンが得られた。以上の2例は電子線の新しい利用法であり、照射技術を発展させることにより新材料が合成できた。
大島 明博*; 宇田川 昂; 森田 洋右
Conference Proceeding RadTech Asia'99, p.507 - 512, 1999/08
テフロンの商品名で知られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を繊維強化複合材料のマトリクスとするFRPの開発を行った。連続した炭素繊維を強化繊維として、PTFE分散媒で含浸した。その後、350Cで焼成しプリフォームを作った。プリフォームをHeガス・340
Cで電子線照射し、複合材料を得た。得られた試料について曲げ試験を実施した結果、曲げ強度で350MPa、曲げ弾性率で55GPaの材料が得られた。PTFEの放射線架橋反応を利用することで、従来、製造することができなかったフッ素系のFRPが得られることが明らかになった。
大島 明博*; 宇田川 昂; 森田 洋右
JAERI-Tech 99-012, 15 Pages, 1999/02
高分子複合材料のマトリクスとして評価するため、短繊維を充填したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の放射線架橋を検討した。PTFEは、330C~350
Cで無酸素雰囲気下において放射線照射すると架橋するが、繊維の存在が架橋反応を妨害することはなく、同じ効率で架橋することがわかった。架橋したPTFEは、繊維との界面で接着性はないが、PTFEのモルフォロジーが変化することで、繊維の補強効果が現れることがわかった。
池田 重利*; 笠井 昇; 大島 明博*; 草野 広男*; 春山 保幸; 瀬口 忠男
JAERI-Tech 99-005, 37 Pages, 1999/02
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にCo-
線を照射して架橋させる照射容器を製作し、架橋の研究を行った。
線を使用すると、厚肉の試料や複雑な形状の試料について適切な架橋が可能であった。また、照射による試料の温度上昇が小さく、試料の温度を一定に制御できた。