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古田 琢哉; 前山 拓哉*; 石川 顕一*; 福西 暢尚*; 深作 和明*; 高木 周*; 野田 茂穂*; 姫野 龍太郎*; 林 慎一郎*
Physics in Medicine & Biology, 60(16), p.6531 - 6546, 2015/08
被引用回数:23 パーセンタイル:68.33(Engineering, Biomedical)現在の粒子線がん治療の治療計画に用いられている簡易的な線量解析では、軟組織と骨の境界等の不均質な領域で線量分布の再現性が低いことが知られており、より高精度なモンテカルロ計算による治療計画の実現が求められている。そこで、現状のモンテカルロ計算による線量解析で、治療に即した状況での精度を検証することを目的として、生体物質中での線量分布を実験により比較検証した。具体的には、生体物質として骨付き鶏肉を用意し、これを挿入した容器の背後にPAGATゲル線量計を配置し、炭素線ビームを前方から照射することで、不均質な生体物質を通り抜けた炭素線によってゲル線量計内に形成される複雑な線量分布の比較を行った。シミュレーションではCTイメージから再構成された生体物質を含む実験環境を模擬し、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて炭素線の輸送を計算することで、ゲル線量計内の線量分布を導出した。その結果、実験での炭素線の飛程端が作る複雑な線量分布の構造について、シミュレーションにより2mm程度の違いの範囲でよく再現できることを示した。
中川 義信*; Pooh, K. H.*; 古林 徹*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 松村 明*; 熊田 博明
Journal of Neuro-Oncology, 62(1), p.87 - 99, 2003/04
被引用回数:134 パーセンタイル:83.59(Oncology)ホウ素中性子捕捉療法は、選択的に悪性腫瘍に集まったホウ素と中性子との反応を使って悪性腫瘍のみを破壊する治療法である。1968年から183例の脳腫瘍の患者に対してBNCTを実施され、1978年から1997年にかけて日本で実施された105例の患者に対して事後評価を行った。新しいプロトコルでは、腫瘍細胞に対して最小線量を15Gy(物理線量)照射、もしくはターゲット領域に対して18Gy照射を行った。また最大血管線量は15Gy以下とし、線量は10Gy以下とした。このプロトコルに基づいて熱-熱外中性子ビーム混合ビームを使って治療した10例の結果について報告する。
松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 中井 啓*; Zhang, T.*; 阿久津 博義*; 松下 明*; 安田 貢*; 高野 晋吾*; 能勢 忠男*; et al.
ポストシークエンス時代における脳腫瘍の研究と治療, p.427 - 435, 2002/07
新しく整備されたJRR-4号炉にて混合(熱・熱外)中性子を用いた術中中性子捕捉療法(粒子線治療)のphaseI/II臨床治験を行い、その有用性を検討し、さらに患者位置セッテイングシステムと線量評価システムの検証も行う。1999年10月よりJRR-4号炉にて混合中性子を用いてPhaseI/IIの臨床研究を開始した。対象は7例で悪性神経膠腫GradeIII)3例・神経膠芽腫(GradeIV)が4例の初発例で、治療対象は以前に放射線治療を受けていないもの,一側の脳半球に限局している,全身的な合併症や多重癌なし,年齢は18-70歳までとした。Follow up期間は2ヶ月から21ヶ月であり、平均(median生存期間は神経膠芽腫で15.7ヶ月でこれまでに1例が腫瘍の遠隔再発により死亡し、もう1例は脳以外の原因で15ヶ月目に死亡したが腫瘍再発はなかった。悪性神経膠腫は平均(median)生存期間 16.3ヶ月であり、3例中1例が脳以外の原因で死亡したが、残り2例は生存中で経過観察中である。神経膠芽腫は1年生存率が75%,悪性神経膠腫は1年生存率は100%で、全体としても1年以内の死亡は1例のみである。症例数も少なく、症例選択の問題もあり、他の成績と直接比較できないが、初期段階としては満足すべき成績と考えられる。今後さらに症例を増やして検討したい。なお、原研の本研究に対する協力は、臨床研究を補助する熱中性子及び血液中ホウ素濃度測定並びに物理線量評価,患者セッティングシステムについて行った。