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横山 賢治; 北田 孝典*
Proceedings of 2018 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2018) (CD-ROM), p.1221 - 1230, 2018/04
複数の積分実験データの情報を核データ(炉定数セット)に反映して設計予測精度向上を図る手法として、炉定数調整法(CA), 拡張炉定数調整法(EA), 最小分散不偏推定に基づく炉定数調整法(MRCA), 次元削減炉定数調整法(DRCA)がある。これらの手法をMARBLEシステムに実装し、実規模の問題に適用した。すなわち、原子力機構で整備してきた約500種類に及ぶ高速炉核設計用の積分実験データベースを使って、代表的な次世代高速炉の核設計予測精度を評価した。この結果、いずれの手法も実規模の問題に適用可能であることを確認した。EAを適用する際には、設計対象炉心の詳細な仕様を決定しておく必要があるので、設計段階に応じてCAとEAを使い分けることを推奨する。また、正規分布に従わないようなデータを利用する場合には、MRCAを使うべきである。一方で、DRCAは、実規模の問題に対しても、理論の示す通りCAとMRCAの両方の結果を再現できることを確認した。したがって、結論としては、CAを使う段階においては、DRCAを使えばよいことになる。また、DRCAにはいくつかオプションがあり、炉定数調整手法や結果を検討する目的にも利用することが可能である。
久語 輝彦; 小嶋 健介; 安藤 真樹; 岡嶋 成晃; 森 貴正; 竹田 敏一*; 北田 孝典*; 松岡 正悟*
Proceedings of 2005 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '05) (CD-ROM), 10 Pages, 2005/05
MOX燃料稠密格子水冷却炉心用に実施したFCA臨界実験を活用して、バイアス因子法に基づき、水冷却増殖炉実機炉心性能の予測誤差の低減を予備的に評価した。kに対する予測誤差は、FCA-XV-2(65V)炉心の結果を用いることにより、0.62%から0.39%に減少した。U捕獲対Pu核分裂反応率比については、実機の上部炉心及び上部ブランケットに対しては、FCA-XXII-1(95V)炉心及びFCA-XV-2(95V)炉心が適し、実機の下部炉心及び中間ブランケットに対しては、FCA-XXII-1(65V)炉心及びFCA-XV-2(65V)炉心が適していることがわかった。
柴田 靖*; 山本 和喜; 松村 明*; 山本 哲哉*; 堀 直彦; 岸 敏明; 熊田 博明; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 中井 啓*; et al.
JAERI-Research 2005-009, 41 Pages, 2005/03
ホウ素中性子捕捉療法において腫瘍及び正常組織への照射線量を正確に評価するためには照射中性子束と血液中ホウ素濃度の測定が必須であるが、中性子照射中に患者からの直接の採血をすることは困難である。したがって、初回手術時に少量のホウ素化合物BSHを投与し、経時的に血液中ホウ素濃度を測定する低量投与試験を行い、照射当日の濃度予測を行った。また、低量投与試験が行えない場合、照射当日のホウ素濃度測定のみで照射中のホウ素濃度が精度よく予測できる方法についても、Two compartment Modelを用いた方法を検討した。BSH末梢静脈内点滴投与後の血液中ホウ素濃度が予測の95%信頼区間に入っていれば、照射中の予測値と実測値の誤差は6%程度であった。投与後6または9時間後の血液中ホウ素濃度が予測の95%信頼区間に入っていない場合は、比率補正することにより誤差を12%程度に抑えることができた。また、Two compartment Modelを用いた予測方法では、最適な評価値に対して4.9%(標準偏差)の予測誤差で推定可能であった。これらの方法により、照射中の血液中ホウ素濃度は合理的に正確に予測可能であり、安全で効果的な治療を行うことができる。