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鈴木 光弘
JAERI-Tech 2002-071, 171 Pages, 2002/10
本報は大型非定常試験装置(LSTF)を用いて実施した全交流電源喪失実験の加圧器熱流体挙動を解析したものである。LSTFでは米国のAP600型原子炉をモデルとした上記実験を実施したが、その長時間の原子炉冷却・減圧過程で、一旦喪失した加圧器水位が再上昇し、蒸気配管まで満水にする特徴的事象が見られた。実験結果の分析により、これは自然循環が停留した蒸気発生器伝熱管内で冷却材が減圧沸騰を開始した条件下で、加圧器蒸気配管で蒸気凝縮が継続したことに起因するものと判断された。本報はRELAP5/MOD3コードによる解析と実験結果の分析により、蒸気配管部の凝縮減圧効果と加圧器壁の熱源効果という、2種類の構造材-冷却材熱的相互作用を定量的に解明した。また加圧器系の熱損失特性を評価した。加えて実機加圧器系との熱的特性の相違についても明らかにした。