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渡邊 立子; Nikjoo, H.*
International Journal of Radiation Biology, 78(11), p.953 - 966, 2002/11
被引用回数:39 パーセンタイル:89.54(Biology)ブロモウラシルやヨードウラシルといったハロゲン化ピリミジン(HP)をDNAに導入すると、放射線照射に対する細胞致死の感受性が増加することがよく知られている。この原因として、HPの導入によるDNA鎖切断収率の増加と修復の阻害が提唱されている。本研究の目的は、DNA鎖切断収率の増加の程度、その原因、損傷の複雑さを調べることにより、DNA損傷と細胞致死を関連付けることである。このため、X線照射によるDNA鎖切断の生成過程のモデル化にモンテカルロ法を用い、DNA鎖切断の収率と損傷のスペクトルを計算した。HPによるDNA鎖切断増加のメカニズムとしては、水和電子とHPの反応,HPの電離・励起,HP以外の塩基からHPへの電子の移動を仮定した。この結果、仮定したすべての経路によって鎖切断が増加し、HPへの電子の移動が大きく収率の増加に寄与すること、HPの導入によって切断の複雑度が増すことが示された。さらに、DNA鎖切断と細胞致死のデータの比較により、DNA二本鎖切断の細胞致死への関与が支持された。