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Efthimiopoulos, I.*; Klotz, S.*; Kunc, K.*; Baptiste, B.*; Chauvigne, P.*; 服部 高典
Physical Review B, 111(13), p.134103_1 - 134103_13, 2025/04
X線回折、中性子回折、ラマン散乱、第一原理計算を用いて、ReOの高圧力下での挙動を15GPaまで包括的に調べた。常圧
=3
構造は0.7GPaで空間群
=3の立方晶相に連続的に相転移し、その後少なくとも15GPaまで安定であることがわかった。過去この圧力領域で報告されていた単斜晶
構造や菱面体晶
=3
構造への転移は、試料に高輝度放射光X線を照射したことによる試料の劣化によるものであり、人工的なものであることが分かった。また今回、
=3相の構造の圧力依存性と正確な状態方程式および天然試料と同位体濃縮
O試料のラマン散乱データを示した。このデータから、リジッドなReO
八面体が圧力とともに回転することによって、相転移および高密度化が起こることが分かった。
勅使河原 誠; Lee, Y.*; 達本 衡輝*; Hartl, M.*; 麻生 智一; Iverson, E. B.*; 有吉 玄; 池田 裕二郎*; 長谷川 巧*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165534_1 - 165534_10, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)J-PARCの核破砕中性子源において、水酸化第二鉄触媒の機能性を評価するため、1MW運転時の積算ビーム出力9.4MWhの条件で、ラマン分光法を用いてパラ水素割合をその場測定した。その結果、1MW運転におけて触媒が十分に機能していることが分かった。また、触媒を通さないバイパスラインを用いて、中性子照射によるパラからオルソ水素への逆変換率を調べることを試みた。測定されたオルソ水素割合の増加は、500kW運転で積算ビーム出力2.4MW
hの場合に0.44%であった。しかしながら、この結果は、冷中性子モデレータ内で引き起こされた逆変換と、バイパスされた触媒容器中の温度上昇によって発生した準静的オルソ水素のメインループへの受動的滲出との合算であることが示された。
McGrady, J.; 熊谷 友多; 渡邉 雅之; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 紀室 辰伍; 石寺 孝充
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(12), p.1586 - 1594, 2023/12
被引用回数:2 パーセンタイル:51.90(Nuclear Science & Technology)Raman spectroscopy was used to investigate the effect of bicarbonate solution on the hyperstoichiometric UO surface oxide of UO
pellets. The hyperstoichiometry causes distortion of the UO
lattice, leading to the formation of defect peaks which arise in the Raman spectrum due to a loss of symmetry. By deconvolution of the defect peaks, the extent of oxygen inclusion and defect formation in the surface oxide as a function of bicarbonate concentration was investigated. Immersion in solution caused a reduction in the amount of interstitial oxygen due to dissolution U(V) and U(VI) in the UO
oxide surface. The defect concentration increased upon immersion due to the formation of an equilibrium between dissolution and reprecipitation. The bicarbonate concentration affected the defect content which was attributed to different forms of U in solution (hydrolysed UO
and UO
(CO
)
) leading to different rates of reduction and precipitation.
秋山 大輔*; 日下 良二; 熊谷 友多; 中田 正美; 渡邉 雅之; 岡本 芳浩; 永井 崇之; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
Journal of Nuclear Materials, 568, p.153847_1 - 153847_10, 2022/09
被引用回数:4 パーセンタイル:56.38(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン酸鉄,ウラン酸クロム、およびその固溶体を合成し、これらのウラン酸塩が異なる熱的安定性を示すメカニズムを研究した。熱的安定性を評価するため、ウラン酸塩試料の熱重量分析を実施した結果、ウラン酸クロムの分解温度(約1250C)に対してウラン酸鉄は低温(約800
C)で分解するが、クロムを含む固溶体では熱分解に対する安定性が高まることが分かった。この熱的安定性と結晶構造との関係性を調べるため、エックス線結晶構造解析,エックス線吸収微細構造測定,メスバウアー分光測定,ラマン分光分析による詳細な結晶構造と物性の評価を行ったが、本研究で用いたウラン酸塩試料の間に明瞭な差異は観測されなかった。そのため、熱的安定性の違いは結晶構造に起因するものではなく、鉄とクロムとの酸化還元特性の違いによるものと推定した。クロムは3価が極めて安定であるのに対して、鉄の原子価は2価と3価を取ることができる。このため、ウラン酸鉄の場合には結晶中でウランと鉄との酸化還元反応が起こり、低温での分解反応を誘起したものと考えられる。
Cantarel, V.; 山岸 功
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(7), p.888 - 897, 2022/07
被引用回数:2 パーセンタイル:31.89(Nuclear Science & Technology)Geopolymers are a class of material that could potentially be used for sealing and repair of damaged concrete structures. This application is important for both decommissioning activities and standard industrial applications. The purpose of this article is to investigate the interface between ordinary Portland cement and geopolymer. The surface microstructure of the cement is investigated by SEM, EDX, and micro-Raman after embedding in geopolymer or immersion in the activation solution of a geopolymer for various durations. It is found that immersion in the solution induces a dendritic carbonation profile into the cement structure following the CSH gel. On the contrary, embedding in the geopolymer creates a dense, impermeable interface with a thickness of a few micrometers. This interface is found to be dense and brittle and it decreases the permeability of the surface, preventing the penetration of silicates into the cement structure. However, this brittle interface is sensitive to dehydration and can rupture under intense drying. This phenomenon can be utilized to separate the geopolymer and cement but is concerning if the integrity of the material must be guaranteed under extreme conditions.
新井 陽介*; 黒田 健太*; 野本 拓也*; Tin, Z. H.*; 櫻木 俊輔*; Bareille, C.*; 明比 俊太朗*; 黒川 輝風*; 木下 雄斗*; Zhang, W.-L.*; et al.
Nature Materials, 21(4), p.410 - 415, 2022/04
被引用回数:12 パーセンタイル:75.48(Chemistry, Physical)Low-energy electronic structures of CeSb which shows multiple phase transitions known as devil's staircase were examined by combination of laser angle-resolved photoemission, Raman and neutron scattering spectroscopies. A new type of electron-boson coupling between the mobile electrons and quadrupole CEF-excitations of the 4f orbitals was found. The coupling is exceedingly strong and exhibits anomalous step-like enhancement during the devil's staircase transition, unveiling a new type of quasiparticle, named multipole polaron.
佐伯 盛久*; 蓬田 匠; 松村 大樹; 斉藤 拓巳*; 中西 隆造*; 辻 卓也; 大場 弘則*
Analytical Sciences, 36(11), p.1371 - 1378, 2020/11
被引用回数:5 パーセンタイル:16.92(Chemistry, Analytical)モリブデンイオンMoO水溶液に酸を加えると、複数のモリブデン原子が酸素を介して結合したポリモリブデン酸が形成され、さらに酸濃度に応じてポリモリブデン酸の化学形態は大きく変化する。我々は、これまで研究例の少なかった高酸性水溶液中(0.15-4.0M)でのポリモリブデン酸の化学形態を、ラマン分光法およびX線吸収微細構造(XAFS)分光法により調べ、測定したスペクトルを多変量スペクトル分解法(MCR-ALS)により解析した。MCR-ALS解析では実験データ解析により得られるスペクトルの任意性が問題になり、XAFSデータのみの解析ではこれが顕著になるが、XAFSデータとラマンデータを同時にMCR-ALS解析することで、信頼性の高い3成分のXAFSスペクトルを得ることに成功した。構造解析の結果から、硝酸濃度が高くなるにつれポリモリブデン酸の化学種が[Mo
O
(H
O)
]
[Mo
O
(H
O)
]
[HMoO
(H
O)
]
へと変化する様子を明らかにした。
Do, Thi Mai Dung*; Sujatanond, S.*; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(3), p.348 - 355, 2018/03
被引用回数:7 パーセンタイル:47.50(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント時のセシウム挙動理解のために、水素-水蒸気環境におけるCsMoO
の高温化学を調べた。Cs
MoO
-MoO
疑似二元系をRedlich-Kister型の熱化学モデルで記述した。モデルの検証のために、Cs
MoO
の蒸発損失速度を熱天秤で乾燥及び湿潤アルゴン雰囲気下で測定し、解析により正確に予測評価できることを示した。同モデルを用いて、全電源喪失によるBWR炉心損傷時のCs及びMoの気相化学種間での分配を評価した。
永井 崇之; 佐藤 修彰*; 捧 賢一
物質・デバイス領域共同研究拠点研究成果報告書(平成27年度)(CD-ROM), 2 Pages, 2016/03
使用済核燃料再処理から生じる高レベル放射性廃液は、ガラス固化プロセスでガラス原料と溶融混合され、最終処分体のガラス固化体へ加工される。ガラス固化体を製造するガラス溶融炉内では、廃液に含まれるルテニウム(Ru)が溶融ガラス中に二酸化ルテニウム(RuO)として析出する。このRuO
は溶融炉底部に堆積し、固化体容器への溶融ガラスの流下を阻害するため、溶融炉環境におけるRuの反応挙動を理解する必要がある。そこで、ランタン(La)硝酸塩とRu硝酸塩を原料に、硝酸塩の脱硝温度において生成するRu化合物を確認するとともに、Ru-La-Na混合硝酸塩にガラス原料を添加し、Ru化合物の化学形態の変化を追跡した。
池田 隆司
Journal of Chemical Physics, 141(4), p.044501_1 - 044501_8, 2014/07
被引用回数:16 パーセンタイル:51.71(Chemistry, Physical)通常水分子の変角振動によるとされている1600cm付近に現れるピークが超臨界水の偏光ラマンおよび偏光解消ラマンスペクトルでは消失することが実験により観測されている。一方赤外吸収スペクトルには対応するピークが明瞭に現れることが観測されている。本研究では第一原理分子動力学と分極理論を組み合わせることにより赤外吸収スペクトルとラマンスペクトルの解析法を構築した。我々の計算法により水の赤外・ラマンスペクトルの上記の奇妙な振る舞いが再現されることを示した。通常の水で1600cm
に観測されるラマンスペクトルのピークの起源を議論した。
鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋*; 高梨 弘毅
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.238 - 240, 2006/01
7MeV Cイオンを照射したC
薄膜をX線回折法とラマン分光法を用いて評価し、イオン照射によるC
固体のポリマー化の過程を調べた。ラマンスペクトルにおいては、照射量の増加に伴い、A
(2)モードのピーク収量の絶対値が減少するとともに、A
(2)からH
(7)にかけての低波数側の成分が相対的に顕著になった。一方、X線回折の照射量依存については、照射量の増大に伴う111, 222反射の大角度側へのシフトが観測された。これらの結果から、イオン照射に伴うC
分子の分解によってC
分子の絶対数は減少するが、同時に、分解せずに残ったC
分子のうち、ポリマー化したものの割合は増加し、照射量が3
10
/cm
以降はその割合がほとんど変化しないこと、また、1
10
/cm
照射後の(111)面の面間隔は、未照射の試料に比べるとポリマー化によって4%程度収縮していることがわかった。
鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋*; 高梨 弘毅
Fullerenes, Nanotubes, and Carbon Nanostructures, 14(2-3), p.429 - 434, 2006/00
7MeV Cイオンを照射したC
薄膜をX線回折法とラマン分光法を用いて評価し、イオン照射によるC
固体のポリマー化の過程を調べた。ラマンスペクトルにおいては、照射量の増加に伴い、A
(2)モードのピーク収量の絶対値が減少するとともに、A
(2)からH
(7)にかけての低波数側の成分が相対的に顕著になった。一方、X線回折の照射量依存については、照射量の増大に伴う111, 222, 333反射の大角度側へのシフトが観測された。これらの結果から、イオン照射に伴うC
分子の分解によってC
分子の絶対数は減少するが、同時に、分解せずに残ったC
分子のうち、ポリマー化したものの割合は増加し、1
10
/cm
照射後に残っているC
分子はほとんどがポリマー化していること、また、この時の(111)面の面間隔は、未照射の試料に比べるとポリマー化によって4%程度収縮していることがわかった。
Gordon, E. B.*; 熊田 高之; 石黒 正純; 荒殿 保幸
Journal of Experimental and Theoretical Physics, 99(4), p.776 - 783, 2004/10
固体ヘリウム中への重水素分子のドープ法の開発と、1.3K, 3Mpaの固体ヘリウム中にドープされた重水素クラスターのCARS(Coherent anti-Stokes Raman spectroscopy)法による分光研究を行った。ドープされた重水素のオルト,パラ体の含有量,クラスターサイズを関数としてスペクトルの、強度,線幅,シフト等を検討し、オルト,パラ体のラマン散乱断面積の比が、気相とは10000倍異なることなどを明らかにした。
小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 竹内 謙*; Loong, C.-K.*; Grimsditch, M.*; Weber, J. K. R.*; Tangeman, J. A.*; Key, T. S.*
Science, 303(5664), p.1649 - 1652, 2004/03
被引用回数:161 パーセンタイル:95.94(Multidisciplinary Sciences)無機ガラスは通常、共有結合性の強い構造ユニットが、長周期的な秩序を持つことなく、繋がってネットワーク構造を形成しているものである。代表的な無機ガラスであるケイ酸塩ガラス(MeO-SiO
等)においては、SiO
四面体同士が酸素の頂点共有で繋がりネットワーク構造を形成している。したがって、常識的な考えでは、アルカリ金属酸化物(Me
O)あるいはアルカリ土類金属酸化物(MeO)のオルトケイ酸塩(モル比Me
O/SiO
or MeO/SiO
=2)は、ガラス化しないと考えられる。なぜなら、オルトケイ酸塩はネットワーク構造を形成するだけの十分な量の(ネットワーク形成物質)SiO
を(SiO
四面体を)含有していないからである。しかし、われわれは、大変純粋なMgオルトケイ酸塩ガラス(Mg
SiO
)を坩堝等の容器を使用しない融解-急冷法(コンテナレス法)で作成した。そして、このガラスでは、Mg-Oが、歪んだイオン結合性のMgO
, MgO
, MgO
ユニットを形成し、それらが頂点あるいは稜を共有して新奇なネットワーク構造を形成していることを見いだした。この結果は、コンテナレスと同様の環境になっている星間からの物質中にこのMgオルトケイ酸塩ガラスに似た新奇なガラス相が見られる理由を示している。
境 誠司; 楢本 洋; Xu, Y.; Priyanto, T. H.; Lavrentiev, V.; 鳴海 一雅
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.788, p.L11.49.1 - L11.49.6, 2004/00
真空同時蒸着法によりCoとCの混合物質薄膜を作製して、Co濃度の関数として微視的構造変化と電気的特性を評価した。Coも濃度としては、CoxC
(x: C
分子当のコバルト原子数)の形で、x=0.5-700の範囲で制御した。混合による薄膜の体積膨張とC
分子振動のラマンモードの低波数側へのシフト量をCo濃度を制御して評価することにより、混合物質の構成要素としては、C
にCo原子が配位したC
よりなる基相と析出したCo超粒子であることを示した。さらに詳細な解析から、C
基相中ではCo原子からC
に1個の電子供与が生じ、x=4でこの現象は飽和することを見いだした。また混合物質の電気伝導特性は、Co濃度に依存した、異なった伝導特性を示した。すなわち低濃度から順に、x
4では、C
基相に由来すると考えられる半導体的温度依存性を示すこと、4
x
60では孤立Co粒子が関与するバリアブルレンジホッピング機構が支配的であること、さらにx
60の高濃度では、Co粒子間にパーコレーション経路が形成されることによる金属伝導機構が作用していることなどを明らかにした。
Assefa, Z.*; 矢板 毅; Haire, R. G.*; 館盛 勝一
Inorganic Chemistry, 42(23), p.7375 - 7377, 2003/11
被引用回数:12 パーセンタイル:38.89(Chemistry, Inorganic & Nuclear)6-メチル-2-(2-ピリジル)-ベンゾイミダゾール(biz)は、溶液中でアクチノイドと容易に錯形成するとともに、高効率に配位子-金属分子内エネルギー移動特性などを示すことが新しく見いだされた。エネルギー移動過程はCm(III):Biz系では、non-radiativeモードで、Am(III):Biz系ではおもにradiativeモードで進行することなどがわかった。
Xu, Y.; 楢本 洋; 鳴海 一雅; 宮下 喜好*; 神谷 富裕; 酒井 卓郎
Applied Physics Letters, 83(10), p.1968 - 1970, 2003/09
被引用回数:6 パーセンタイル:27.84(Physics, Applied)超高純度人工ダイヤモンド結晶の断面に、マイクロビーム(H)を走査して、照射量が大きく異なる直方体状の照射スポットを多数形成した。さらに、圧電駆動型の試料ステージを有する共焦点型顕微ラマン分光器上で、断面からの距離の(深さ)関数として、発光強度を測定して、格子間原子型3H色中心のクラスター量が2-3個のC原子であることと、これを高密度に形成する条件を見いだした。その結果、この3H色中心が、多光子励起ではなく、格子振動と強く相互作用した励起に基づく、アンチストークス発光をもたらすことを、実験的に検証することに成功した。
曽我 猛
Spectrochimica Acta, Part A, 59(11), p.2497 - 2510, 2003/09
ヂメチルスホオキシド((CH)
SO)溶液中のギ酸ウラニル((UO
(HCOO)
)の共鳴ラマン散乱スペクトルを、ウラニルの電子励起準位(
)に共鳴させて測定した。831cm
に観測されたウラニルの全対称伸縮振動の相対強度を10本の励起光の波長(530
450nm)に対してプロットしてその共鳴ラマンプロファイルを得た。 観測されたラマンプロファイルは電子吸収スペクトルに見られる振電子構造を持つが、これと一致していない。この共鳴ラマンプロファイルをノン-コンドンモデルで電子スペクトルの変換理論を用いて解析し、励起状態(
)でのウラニルの全対称伸縮振動数を得た。これから、電子励起(
)によるウラニルの結合距離の変化及び配位子からウラン原子に移動した電子数の知見を得た。その結果、配位子からウラニルに移行してくる電子数は、励起によるウラニルの結合距離の変化と比例関係にあった。共鳴ラマン効果の大きさは一般に種々の要素に依存するが、((CH
)
SO)-(UO
L
)(L=Cl,CH
COO,NO
or HCOO)溶液系では、おもに共鳴準位への励起によるウラニル結合の原子間距離の変化に依存した。
加藤 千明
JAERI-Research 2003-013, 143 Pages, 2003/08
本論文は核燃料再処理環境中におけるジルコニウムの応力腐食割れ(SCC)に関する研究成果をまとめたもので、全文7章から成っている。1章では背景及び目的を述べた。2章では試験装置を説明した。3章では沸騰伝熱面においては硝酸の酸化力が高まり沸騰伝熱面においてSCCが生じる可能性を示した。4章ではSSRT試験からSCC感受性は硝酸濃度と温度により大きくなり、切り欠き部でSCC感受性が大きくなることを示した。また、SCC感受性は結晶配向性に影響され、圧延方向と割れ進展面が一致する面で大きくなることを示した。5章では、溶接部のSCC感受性に関して(0002)面の存在量が多いHAZ/母材境界部にてSCC感受性は高くなることを示した。6章では、硝酸の高い酸化力発生機構に関して考察し、沸騰伝熱面における酸化還元電位の上昇は、沸騰バブル相にNO等のガス状窒素酸化物成分が移行し溶液から絶えず排除されることでHNO
の熱分解が加速されることにより生じることを明らかにした。7章では、総括を述べた。
Wei, P.; Xu, Y.; 永田 晋二*; 鳴海 一雅; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.233 - 236, 2003/05
被引用回数:6 パーセンタイル:42.70(Instruments & Instrumentation)互いに固溶しない組合せとして、炭素イオンを注入により非晶質化したGe単結晶((100)と(110))について、その熱処理による結晶化過程を、イオンビーム解析法(ラザフォード後方散乱分光法、イオンチャネリング法、及び核反応法)、ラマン分後法及び原子間力顕微鏡法により調べた。いずれの注入条件でも非晶質になるものの、その回復挙動は、イオン注入時の入射角に敏感であることを見出した。すなわち、斜入射の条件でCイオン注入したGeでは、450度までの熱処理により結晶化するとともに、注入された炭素原子は表面に拡散・析出してナノ黒鉛を形成した。一方垂直入射の場合には熱回復の挙動は異なり、注入された炭素と照射欠陥の分布変化及び回復は観測されなかった。これらの結果は、イオン注入時に生ずる欠陥密度と拡散に影響する歪勾配が関係している。