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波戸 真治*; 本間 俊充
JAERI-Data/Code 2005-006, 549 Pages, 2005/09
日本原子力研究所が開発した確率論的事故影響評価(レベル3PSA)コードOSCAARでは、国際放射線防護委員会(ICRP)の刊行物Publication 30に基づく内部被曝線量換算係数を使用して公衆の被曝線量を評価してきた。ICRPはPublication 56で幾つかの放射性同位体に関して年齢依存の体内動態モデルを示し、それ以降、新しい呼吸気道モデル,その他の放射性同位体に関する年齢依存の体内動態モデル及び尿と糞への排泄モデルを示してきた。ICRPはたくさんの放射性核種に対する年齢依存の内部被曝線量係数をICRP刊行物に示してきたが、吸入及び経口摂取に関する預託実効線量係数だけをそれら刊行物に与えていた。OSCAARは公衆の早期の健康影響及び晩発性の健康影響を評価しているので、さまざまな積分時間に対する組織や器官の内部被曝線量係数が必要となる。本報告書は、これら新しいICRPモデルに基づき、OSCAARで使用するために開発したコードDSYSについて述べるとともに、OSCAARの計算で使用する54核種の内部被曝線量係数を与える。
木名瀬 栄; 野口 宏; 坂本 幸夫; 中村 尚司*; 木村 雅哉*
Proceedings of 1st Asian and Oceanic Congress for Radiation Protection (AOCRP-1) (CD-ROM), 10 Pages, 2002/10
本研究では、原研で1988年までに開発した人体組織等価材について、光子減弱係数データベースXCOM version 3.1を用いて光子減弱係数を再評価するとともに、Basic Data Methodに基づき、ベース材に対する添加剤最適量を光子エネルギー毎に評価し光子エネルギーと添加剤最適量との関係を調べた。さらに、未開発であった歯,皮質骨等価材等に適用するための高密度組織等価材を試作し、光子透過率を実測して、実測結果と理論値とを比較した。その結果、原研で開発した人体組織等価材は、16.6keVの光子に対して、ICRP Reference Manの組織/臓器のものと同等の性能を有し、ベース材に対する添加剤最適量も適切であることを確認した。また、本研究で考案した添加剤最適量評価手法の妥当性が検証され、 試作したHA 61.80w/o添加の高密度組織等価材(=1.81g/cm)は、59.5keV光子に対し皮質骨等価材として有用であることがわかった。
外川 織彦
新呼吸気道モデル ; 概要と解説, 0, p.74 - 85, 1995/03
1993年4月に、日本保健物理学会の専門研究会の一つとして、「ICRP新呼吸気道モデル専門研究会」が設置された。この研究会の目的は、ICRPが改訂した呼吸気道モデル(ICRP Publ.66として出版)の内容を把握し、日本人に適用する場合の問題点の整理とその対応についての検討を行うことである。当研究会の活動の一環として、ICRP新呼吸気道モデルについて検討した結果を標記冊子として共同で作成することになった。この冊子の一部として、モデルで使用されている標準パラメータとデフォルト値を解説した。新しいモデルはICRP Publ.30のモデルに比べて複雑であり、より多くのパラメータを必要とする。
佐藤 信行; 早坂 寿夫; 小林 誠; 仲澤 隆; 横須賀 美幸; 長谷川 圭佑; 池沢 芳夫
Proc. of the Int. Conf. on Radiation Effects and Protection, p.440 - 445, 1992/00
材料試験施設では、PWR等の使用済み燃料の照射後試験がセル内で実施されている。試験を確実に遂行するために、定期的にセル内の各種照射後試験装置及び設備の保守点検作業が行われる。保守点検作業者の被ばくを低減するために、セル内除染作業が、前もって実施される。各セルの汚染レベル、核種組成は、照射後試験及び使用済み燃料の種類により異なるため、線量当量率の分布を把握するとともに表面汚染密度から空気中放射性物質濃度を推定し、これらのデータと作業内容を基に適切な防護方法について事前検討を行い、除染作業者の被ばく低減化を図っている。本発表では、1991年に同施設で行われたセル除染作業時の作業者の被ばく防護について、防護措置、被ばく状況等を報告する。
木内 伸幸; 池沢 芳夫
保健物理, 26, p.123 - 126, 1991/00
セル内除染作業においては、内部被ばく、身体汚染防護のために、作業者は、各種の呼吸用保護具、防護服を着用しており、これらの着用による作業負担は著しいものと予測される。この作業負担を定量的に把握するため、作業者の発汗量に着目し測定した。測定結果から、次のようなことがわかった。(1)作業者の作業負担の度合については、エアラインスーツ着用の場合と全面マスクとビニールアノラック着用の場合、浄気式加圧服着用の場合と全面マスクと不織布着用の場合が、それぞれ等価の関係であった。(2)前回(I)との測定結果の比較から、セル内温度の相達による発汗量の差が顕著であった。(3)作業負担を考慮した防護服の選択、作業環境の改善の必要性を認識した。
木内 伸幸
保健物理, 25, p.82 - 84, 1990/00
セル内除染作業においては、内部被曝、身体汚染防護として、作業者は、各種の呼吸用保護具、防護服を着用している。しかし、これらの着用による作業者の作業負担は著しいものと予測される。このため、その作業負担を定量的に把握することは、放射線作業における安全性の向上につながると考える。そこで、除染作業における作業者の発汗量に着目し測定した。その結果、以下のことが分かった。(1)除染作業における単位作業時間(1時間)当りの作業者の発汗量は、最大で2l、平均で1lあった。(2)エアラインスーツを着用した除染作業と全面マスクとビニールアノラークを着用した除染作業における作業負担は、発汗量からは、ほぼ等価であった。(3)測定結果と発汗量の適用限界から、各作業者のセル内除染作業時間は、最大2時間が目安になるだろう。
村田 幹生
保健物理, 18, p.383 - 396, 1983/00
呼吸保護具の着用時において、実際にどれだけの防護効果が得られているのかを、簡単にかつ迅速に知ることは放射線管理上きわめて重要である。本論文は、呼吸保護具着用時における漏れの概念、防護係数の測定方法と問題点、及び種々の呼吸具の防護性能について、原研で得られたデータも含めて現状を解説したものである。
村田 幹生; 池沢 芳夫; 吉田 芳和
保健物理, 14(2), p.115 - 124, 1979/00
浄気式の全面、半面マスクが実際に着用されたときに得られる防護係数(環境エアロゾル濃度/マスク内エアロゾル濃度)を測定した。試験マスクは合わせて9種類(全面3,半面6)で、いずれも放射性粉じん用マスクとして市販、あるいは試作のものである。被験者として放射線管理第1課および第2課の中から、約40名の方にご協力を頂いた。測定には塩化ナトリウムエアロゾルを用いた。本測定によって、それぞれのマスクを各被験者が着用して得られた防護係数の分布が明らかになった。この測定値に基づいて、各マクスの性能と安定性を定量的に評価した。また、代表的な動作のもとで測定を行い、動作負荷にともなう各マスクの性能変化を明らかにした。これらの結果から、比較的優れた性能を有した数種類のマスクを選び出し、実用上の防護係数について検討した。
池沢 芳夫; 村田 幹生; 吉田 芳和
セイフティダイジェスト, 22(6), p.215 - 216, 1976/06
NaCl粒子による防護マスクの総括漏洩率試験法を現場へ適用する場合の測定評価上の問題として、(1)捕集濾材の性能と漏洩率の最小検出限界との関係、(2)呼気弁の漏洩率の評価法、(3)吸着剤の性能、(4)粒子の呼吸器管内での沈着率に対する漏洩率の補正、(5)試験所要時間などについて検討した。
村田 幹生; 池沢 芳夫; 吉田 芳和
セイフティダイジェスト, 22(6), p.217 - 219, 1976/06
国内の原子力事業所等で使用されている防護マスク用のカニスタ及びカートリッジとその他の市販品、合わせて18種類について、NaClエアロゾルを用いて捕集性能を調べた。得られた結果にもとづいて、それらを実際に放射性じん挨下での作業に利用する場合の適用性について検討した。
池沢 芳夫; 村田 幹生; 吉田 芳和
保健物理, 11(1), p.45 - 50, 1976/01
防護マスクの性能は、マスク面体と顔面との気密性に起因する漏洩率に主に支配される。NaCl粒子による漏洩率試験法の実用性を調べるため、3種類の半面マスクと2種類の全面マスクを約40名の被験者に着用させ、漏洩率の測定を行なった。NaCl粒子雰囲気のフード内で、防護マスクを着用した被験者の呼気中のNaCl濃度を炎光分光光度計で測定した。その結果、この試験法は、主としてフィットネスに起因する漏洩率を比較的迅速かつ簡便に測定評価できる方法であることがわかった。試験の結果、全面マスクの漏洩率は着用者の着用経験によって大きく変化した。しかし、マスクの着用具合を調整しても、大きな漏洩率を示した者が若干存在した。