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論文

Revaporization behavior of cesium and iodine compounds from their deposits in the steam-boron atmosphere

Rizaal, M.; 三輪 周平; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 逢坂 正彦; Gou$"e$llo, M.*

ACS Omega (Internet), 6(48), p.32695 - 32708, 2021/12

This paper presents our investigation on cesium and iodine compounds revaporization from cesium iodide (CsI) deposits on the surface of stainless steel type 304L, which were initiated by boron and/or steam flow. A dedicated basic experimental facility with a thermal gradient tube (TGT) was used for simulating the phenomena. The number of deposits, the formed chemical compounds, and elemental distribution were analyzed from samples located at temperature range 1000-400 K. In the absence of boron in the gas flow, it was found that the initial deposited CsI at 850 K could be directly re-vaporized as CsI vapor/aerosol or reacted with the carrier gas and stainless steel (Cr$$_{2}$$O$$_{2}$$ layer) to form Cs$$_{2}$$CrO$$_{4}$$ on the former deposited surface. The latter mechanism consequently gave a release of gaseous iodine that was accumulated downstream. After introducing boron to the steam flow, a severe revaporization of iodine deposit at 850 K occurred (more than 70% initial deposit). This was found as a result of the formation of two kinds of cesium borates (Cs$$_{2}$$B$$_{4}$$O$$_{7}$$$$cdot$$5H$$_{2}$$O and CsB$$_{5}$$O$$_{8}$$$$cdot$$4H$$_{2}$$O) which contributed to a large release of gaseous iodine that was capable of reaching outlet of TGT ($$<$$ 400 K). In the case of nuclear severe accident, our study have demonstrated that gaseous iodine could be expected to increase in the colder region of a reactor after late release of boron or a subsequent steam flow after refloods of the reactor, thus posing its near-term risk once leaked to the environment.

報告書

動作不能からの復帰を可能とする多連結移動ロボットの半自律遠隔操作技術の確立(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 電気通信大学*

JAEA-Review 2021-025, 33 Pages, 2021/11

JAEA-Review-2021-025.pdf:1.68MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「動作不能からの復帰を可能とする多連結移動ロボットの半自律遠隔操作技術の確立」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の大目的は、多連結移動ロボット共通の課題である関節部のスタック状態からの復帰方法の確立である。この大目的に対し、本研究ではシステムの冗長性を巧みに利用することにより、多連結移動ロボットがスタック状態から復帰するための制御方法の提案を行う。さらに、提案制御則を利用するためのインタフェースとして、スタック状態を認識できるような描画インタフェース、提案制御の目標指示を行うための操作インタフェースの開発を行い、検証用実機を用いてその有効性を検証する。

報告書

「環境報告書2020」環境報告関連データのまとめ

安全・核セキュリティ統括部 安全・環境課

JAEA-Review 2021-005, 209 Pages, 2021/11

JAEA-Review-2021-005.pdf:6.92MB

日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)は、2019年度の環境配慮活動について、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」に基づき「環境報告書2020」を作成し、2020年9月に原子力機構のホームページで公表した。本報告書は、環境報告の信頼性を高めるためにその情報の検証可能性を確保し、また、原子力機構における環境配慮活動の取組を推進する手段として、環境報告書に記載した環境関連情報の根拠となる2019年度の環境報告関連データ及び他のさまざまな環境配慮活動の関連情報を取りまとめたものである。

論文

J-PARC RCS次世代LLRF制御システムの導入

田村 文彦

加速器, 18(3), p.151 - 160, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の 低電力高周波(LLRF)制御システムは大強度ビームの加速に重要な役割を果たしている。初期システムは、10年以上にわたって大きな問題もなく順調に稼働していたが、システムに搭載されている古いFPGAの陳腐化により、長期的なメンテナンスが困難となった。そこで、次世代のLLRF制御システムを開発・導入した。次世代システムは、最新のプラットフォームであるMTCA.4を基にしている。このシステムの最も重要な新機能は、マルチハーモニックベクトルRF電圧制御フィードバックであり、設計ビームパワー1MWのビーム強度において、広帯域空胴での重いビーム負荷を初期システムで用いられているフィードフォワードよりもよく補正することができた。システムの詳細、調整結果の結果を報告する。次世代システムの導入は成功であった。

論文

J-PARC RCS次世代LLRF制御システムの性能

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 沖田 英史; 大森 千広*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; et al.

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.170 - 174, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における大強度陽子ビームの安定な加速のためには高精度で安定な低電力高周波(LLRF)制御システムが不可欠である。RCSのLLRF制御システムは運転開始から10年以上大きな問題なく運転されてきたが、構成要素であるデジタル部品の陳腐化により維持することが困難となっていた。このため、2016年より次世代LLRF制御システムの開発を行い、2019年に次世代システムへの置き換えを完了した。RCSの広帯域金属磁性体空胴のビームローディングを補償するにはマルチハーモニックの補償システムが必要である。次世代システムではマルチハーモニックベクトルrf電圧制御フィードバックを採用することで、旧システムにおけるフィードフォワード法を用いた補償よりも安定な大強度ビーム加速を実現した。本発表では、次世代システムの概要、ビーム試験結果を示すとともに、更なる性能向上に向けた取り組みについて報告する。

論文

Multipacting studies for the JAEA-ADS five-cell elliptical superconducting RF cavities

Yee-Rendon, B.; 近藤 恭弘; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 田村 潤; Cicek, E.*

Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.793 - 795, 2021/08

原子力機構で検討している核変換システム(ADS)では、線形加速器(LINAC)の大強度陽子ビーム(600MeV-1.5GeV)を用いる。LINACの終段加速部では、楕円超伝導高周波空洞(SRFC)を用いる予定であり、その性能評価は重要である。加速器の信頼性向上のためには、空洞は低い電磁場ピークを持つことが望まれる。一方、経済性を考慮すると高い加速度勾配が望まれる。本検討では、この両者を達成するための検討を行い、空洞の形状を最適化した。また、ビームに起因する影響の評価として、マルチパクタリングの検討を進め、その対策法について検討した。

論文

Vacuum tube operation tuning for a high intensity beam acceleration in J-PARC RCS

山本 昌亘; 沖田 英史; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; et al.

Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.1884 - 1886, 2021/08

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、ビームを加速する高周波電圧の発生に四極真空管を用いている。これまでのところ真空管の寿命を延ばすために、真空管に印加するフィラメント電圧を定格値よりも下げて使用している。2020年に初めて、60000時間運転したところで1本の真空管が寿命を迎えた。これは真空管メーカーが推奨(もしくは保障)する運転時間よりも長いことを意味しており、フィラメント電圧を下げることが有効であることを示唆している。しかし、フィラメント電圧を下げて使用すると、電子放出が減ることになる。大強度ビームを加速するときにはビームによって誘起される電圧(ウエイク電圧)を補償するため大振幅の陽極電流が必要となるが、フィラメントからの電子放出が少ないため、それを補おうとしてコントロールグリッド回路を駆動する半導体増幅器が出力不足になる現象が発生した。そこで、実際に印加しているフィラメント電圧の定格に対する割合を85%から95%にしたところ、同じビームパワーを加速するのに必要な半導体増幅器の出力を大幅に減少させることができた。本発表では、フィラメント電圧調整の観点から、真空管のパラメーター測定の結果について述べる。

報告書

燃料挙動解析コードFEMAXI-8の燃料結晶粒内ガス移行モデル改良

宇田川 豊; 田崎 雄大

JAEA-Data/Code 2021-007, 56 Pages, 2021/07

JAEA-Data-Code-2021-007.pdf:5.05MB

FEMAXI-8は、軽水炉燃料の通常運転時及び過渡条件下の挙動解析を目的として日本原子力研究開発機構が開発・整備を進めてきたFEMAXIコードの最新バージョンとして、2019年3月に公開された。本報告では、公開以降新たに整備を進めた、燃料結晶粒内核分裂生成物(FP)ガスバブルの多群/非平衡モデルについてまとめた。結晶粒内で様々なサイズを持って分布しているFPガスバブルを単一の大きさのガスバブルにより近似していた従来のモデルに対し、このモデルでは、バブルサイズに関する2群以上の群構造と非平衡な挙動の双方を表現することが出来る。これによって、妥当なオーダーのガスバブル圧力算定が可能となるなど、主に過渡的な挙動の再現性改善が見込めると共に、粒内FPガスバブル挙動についてより厳密な記述が可能となり、FP挙動モデリング全体としての高度化余地が拡大している。今回のモデル整備では、まず、任意の群数や空間分割に対応する粒内FP挙動解析モジュールを開発した。次に、FEMAXI-8上で容易に運用可能な2群モデルとして扱うため、同モジュールとFEMAXI-8間のインタフェースを開発し、両者を接続した。これによりFEMAXI-8から利用可能となった2群モデルについては改めて検証解析を実施した。多群/非平衡モデル適用時にも一定の性能を確保できるモデルパラメータを決定し、公開パッケージ向けに整備した。

論文

Energy-dependent angular distribution of individual $$gamma$$ rays in the $$^{139}$$La($$n, gamma$$)$$^{140}$$La$$^{ast}$$ reaction

奥平 琢也*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 新實 裕大*; 酒井 健二; et al.

Physical Review C, 104(1), p.014601_1 - 014601_6, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Physics, Nuclear)

Neutron energy-dependent angular distributions were observed for individual $$gamma$$ rays from the 0.74 eV $$p$$-wave resonance of $$^{139}$$La+$$n$$ to several lower excited states of $$^{140}$$La. The $$gamma$$-ray signals were analyzed in a two dimensional histogram of the $$gamma$$-ray energy, measured with distributed germanium detectors, and neutron energy, determined with the time-of-flight of pulsed neutrons, to identify the neutron energy dependence of the angular distribution for each individual $$gamma$$ rays. The angular distribution was also found for a photopeak accompanied with a faint $$p$$-wave resonance component in the neutron energy spectrum. Our results can be interpreted as interference between $$s$$- and $$p$$-wave amplitudes which may be used to study discrete symmetries of fundamental interactions.

論文

Operation experience of Tetrode vacuum tubes in J-PARC Ring RF system

山本 昌亘; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; 島田 太平; 杉山 泰之*; 田村 文彦; 吉井 正人*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011022_1 - 011022_6, 2021/03

J-PARCリング高周波システムではThales社製四極真空管TH589を使用し、2007年の運転開始以来長いものでは5万時間を超える運用を実現している。特に3GeVシンクロトロンにおいては、初期不良を除いてこれまで寿命を迎えた真空管は無い。TH589はトリウムタングステンを使用したフィラメントを用いており、トリウムの蒸発を抑えるために製作時に炭化を実施している。真空管の運用とともに脱炭化が進むため、フィラメントの抵抗値を測定すると徐々に下がっていくのが観測される。真空管メーカーからは、脱炭化を抑えるために定格電圧よりも低い値($$sim$$10%)で運用することが推奨されている。しかし12年に及ぶ運用の経験で、電圧を低い値に固定していても抵抗値が下がるに従って電流値が増え、フィラメントの発熱が増えて脱炭化が促進されている様子が観測された。これはフィラメントの電圧だけに着目するのではなく、発熱を一定にする運用をすることが寿命を伸ばすためには必要であることを示唆しており、3GeVシンクロトロンにおいては定期的に電流値を下げる運用手法を確立した。

論文

Surface complexation of Ca and competitive sorption of divalent cations on montmorillonite under alkaline conditions

杉浦 佑樹; 石寺 孝充; 舘 幸男

Applied Clay Science, 200, p.105910_1 - 105910_10, 2021/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:0.03(Chemistry, Physical)

In the geological disposal system, increase of Ca concentration with the alteration of cementitious materials would affect the retention of other radionuclides by competitive sorption. Batch sorption experiments were performed to investigate sorption behavior of Ca and competition with other divalent cations (Sr and Ni) on the edge site of montmorillonite under alkaline conditions. Ca and Sr formed surface complexation with the edge site at higher pH region compared to Ni. Sr sorption decreased with Ca concentration in alkaline pH region, whereas Ni sorption was not affected by Ca concentration. These results indicate that Ca and Sr sorb onto the same site while Ca and Ni sorb onto different sites, and competitive sorption depends on the chemical similarity such as hydrolysis behavior. Sorption model parameters obtained from the single element batch sorption experiments successfully reproduced the results of competitive sorption experiments.

論文

表面波計測による花崗岩の音響異方性評価に関する研究

岡野 蒼*; 木本 和志*; 松井 裕哉

第15回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), p.633 - 636, 2021/01

花崗岩がマイクロクラックの配向のために音響異方性を示すこと、そのため、音響異方性の測定結果からマイクロクラックの配向性や密度を非破壊的に評価できる可能性があることはよく知られている。従来の岩石コア弾性波試験は、弾性波透過試験により音響異方性の評価が行われてきたが、この方法は現場計測や不整形な供試体への適用が難しい。そこで本研究では、表面波を使った花崗岩の音響異方性評価を試みた。具体的には、円柱状の花崗岩供試体端面に設置した超音波探触子で、供試体直径方向に伝播する表面波を励起させる。この方法により、送信方向を一定の角度で段階的に変化させたときの表面波振幅や速度、周波数の変化を見ることで、音響異方性の程度を調べた。その結果、マイクロクラックによる見かけの剛性変化に起因すると考えられる音響異方性が、表面波を計測することによって検出できることが示された。

論文

Chapter 18, Moving particle semi-implicit method

Wang, Z.; Duan, G.*; 越塚 誠一*; 山路 哲史*

Nuclear Power Plant Design and Analysis Codes, p.439 - 461, 2021/00

The Moving Particle Semi-implicit (MPS) method is one kind of particles methods which are based on Lagrangian approach. It has been developed to analyze complex thermal-hydraulic problems, including those in nuclear engineering. Since meshes are no longer used, large deformation of free surfaces or interfaces can be simulated without the problems of mesh distortion. This approach is effective in solving multiphase fluid dynamics which is subject to complex motion of free surfaces or interfaces. Since its development, MPS method has been extensively utilized for wide range of applications in nuclear engineering. In this chapter, the basic theory of the MPS method is firstly explained. Then, some examples of its application in nuclear engineering, including bubble dynamic, vapor explosion, jet breakup, multiphase flow instability, in-vessel phenomenon, molten spreading, molten core concrete interaction (MCCI) and flooding, are presented.

報告書

動作不能からの復帰を可能とする多連結移動ロボットの半自律遠隔操作技術の確立(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 電気通信大学*

JAEA-Review 2020-025, 34 Pages, 2020/12

JAEA-Review-2020-025.pdf:2.73MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「動作不能からの復帰を可能とする多連結移動ロボットの半自律遠隔操作技術の確立」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の大目的は、多連結移動ロボット共通の課題である関節部のスタック状態からの復帰方法の確立である。この大目的に対し、本研究ではシステムの冗長性を巧みに利用することにより、多連結移動ロボットがスタック状態から復帰するための制御方法の提案を行う。さらに、提案制御則を利用するためのインタフェースとして、スタック状態を認識できるような描画インタフェース、提案制御の目標指示を行うための操作インタフェースの開発を行い、検証用実機を用いてその有効性を検証する。

論文

使用済燃料直接処分における放射性核種の瞬時放出率設定手法の構築

北村 暁; 赤堀 邦晃; 長田 正信*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(2), p.83 - 93, 2020/12

使用済燃料を再処理せず深地層中に処分(直接処分)した場合、放射性核種の放出挙動はガラス固化体の地層処分とは異なると考えられる。本論文では、直接処分における核種の放出挙動評価のひとつである瞬時放出率(IRF)の設定手法を構築した。IRFの設定にあたっては、諸外国の安全評価報告書等など最新の文献情報を参考に、瞬時放出挙動を、核分裂生成ガス放出率(FGR)に比例するものと一定値をとるものとに分類した。FGRについては、わが国の使用済燃料に対して取得されたデータを収集した上で、燃料挙動計算コードFEMAXIを使用して推奨値と最大値を算出した。また、算出したFGRや既往のIRF実測値を用いて、わが国の加圧水型原子炉(PWR)使用済燃料におけるIRFの推奨値と最大値を推定した。推定した推奨値を既往の文献値と比較したところ、概ね諸外国の設定値と同程度であることが確認された。

報告書

日本原子力研究開発機構における2020年度新原子力規制検査制度に対応するための新たな保安・保全・品質管理活動体制の導入

曽野 浩樹; 助川 和弘; 野村 紀男; 奥田 英一; 保全計画検討チーム; 品質管理検討チーム; 検査制度見直し等検討会

JAEA-Technology 2020-013, 460 Pages, 2020/11

JAEA-Technology-2020-013.pdf:13.46MB

2020年4月1日施行の原子炉等規制法及び関係法令に基づき行われる新しい原子力規制検査制度(新検査制度)の導入準備として、日本原子力研究開発機構(原子力機構)所管の新検査制度対象7事業施設(研究開発段階発電用原子炉施設,再処理施設,加工施設,廃棄物管理施設,廃棄物埋設施設,試験研究用原子炉施設及び核燃料物質使用施設)を対象に、それら施設の多様性,特殊性及び類似性を考慮しつつ、原子力規制検査に対応するための運用ガイド6種「保全文書ガイド」,「独立検査ガイド」,「溶接検査ガイド」,「フリーアクセス対応ガイド」,「PI設定評価ガイド」及び「CAP対応ガイド」を策定した。また、新検査制度下での品質マネジメントシステム及び保安規定の改定案を検討し、原子力機構内で典型的な規定類のひな形として取りまとめ、新たな保安・保全・品質管理活動体制の導入を完了した。規制当局及び事業者ともに新検査制度の運用に係る細部の調整は、新検査制度本運用後(2020年4月以降)も継続していることから、今後の本運用の実施状況とその調整結果を踏まえ継続的・段階的に改善していくこととする。

報告書

アニュアルレポート「原子力機構2019」環境報告関連データのまとめ

安全・核セキュリティ統括部 安全・環境課

JAEA-Review 2020-019, 196 Pages, 2020/11

JAEA-Review-2020-019.pdf:6.21MB

日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)は、2018年度の原子力機構の活動を総合的に報告するレポートであるアニュアルレポート「原子力機構2019」を作成した。その中で2018年度の環境配慮活動について取りまとめた結果を掲載しており、この環境配慮活動報告の部分は「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」に基づき2019年9月にホームページで公表した。本報告書は、環境報告の信頼性を高めるためにその情報の検証可能性を確保し、また、原子力機構における環境配慮活動の取組を推進する手段として、アニュアルレポート「原子力機構2019」に掲載した環境報告の部分とその追加情報に記載した環境関連情報の根拠となる2018年度の環境報告関連データと、他のさまざまな環境配慮活動の関連情報を取りまとめたものである。

論文

Water distribution in Nafion thin films on hydrophilic and hydrophobic carbon substrates

伊藤 華苗; 原田 雅史*; 山田 悟史*; 工藤 憲治*; 青木 裕之; 金谷 利治*

Langmuir, 36(43), p.12830 - 12837, 2020/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.55(Chemistry, Multidisciplinary)

We performed H$$_{2}$$O and D$$_{2}$$O double contrast neutron reflectivity measurements on $$sim$$25-nm-thick Nafion thin films on hydrophilic and hydrophobic carbon in water and 80% relative humidity vapor to investigate the depth profile of the water and Nafion distribution. We found a dense Nafion layer at the air or water interface regardless of the carbon hydrophilicity. On the other hand, a water-rich Nafion dense layer was observed at the carbon interface only for hydrophilic carbon. The double contrast measurements provided quantitative information about the depth profile but simultaneously indicated that the sum of the volume occupancies of water and Nafion in the film was less than unity. We assessed the problem based on two possibilities: voids in the film or "residual water", which cannot be exchanged or is difficult to exchange with water outside.

論文

Phase-field model for crystallization in alkali disilicate glasses; Li$$_2$$O-2SiO$$_2$$, Na$$_2$$O-2SiO$$_2$$ and K$$_2$$O-2SiO$$_2$$

河口 宗道; 宇埜 正美*

Journal of the Ceramic Society of Japan, 128(10), p.832 - 838, 2020/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Ceramics)

本研究では、移動度係数($$L$$)を新しく定義することで、溶融酸化物系におけるフェーズフィールド法(PFM)の技術を開発した。一定の移動係数$$L$$を用いたPFM計算から得られた結晶成長速度($$v_0$$)は、normal growthモデルの熱力学的推進力と同程度であった。また$$L$$の温度依存性は、実験から得られた結晶成長速度と$$v_0$$から決定し、その決定した$$L$$を使って、二酸化アルカリケイ酸ガラスのLi$$_2$$O-2SiO$$_2$$, Na$$_2$$O-2SiO$$_2$$, K$$_2$$O-2SiO$$_2$$の結晶成長速度($$v$$)をシミュレーションした。$$v$$の温度依存性は定性的および定量的に非常に良く一致したため、本PFM計算は$$L$$の有効性を実証した。特に、PFM計算によって得られた$$v$$は、融点($$T_{rm m}$$)で増大し、$$T_{rm m}$$-100Kでピークを示した。さらなる温度の下降では、$$v$$は明確に0ms$$^-1$$に近づくことが分かった。この振舞いは、界面のジャンプ過程を表現する$$L$$によって$$v$$が制限されているためである。$$L$$のパラメータ$$B$$の感度についてもPFM計算を行い、$$B$$$$0$$から$$2$$まで増加すると、$$v$$のピークはより急峻に、ピーク温度は高温側にシフトすることが分かった。アルカリ金属の原子番号が増加するにつれてイオンポテンシャルは減少するので、$$L$$のパラメータ$$A$$$$B$$は、それぞれ指数関数的に増加、直線的に減少することになったと考えられる。本計算により$$L$$$$A$$$$B$$は互いに密接な関係であることが分かった。

報告書

高レベル放射性廃液ガラス固化体の表面積の増加に関する調査及び評価; 地層処分性能評価のための割れによる表面積増加比及びその根拠等

五十嵐 寛

JAEA-Review 2020-006, 261 Pages, 2020/09

JAEA-Review-2020-006.pdf:4.42MB

本調査報告では、公開情報を対象に我が国の地層処分研究開発第2次取りまとめ(H12レポート)以降の諸外国の包括的性能評価報告書を中心として、ソースタームとしての核種溶出モデルにおけるガラス固化体の割れによる表面積増加比の設定値及びその根拠・背景の視点から調査した。また、海外の知見を参考に表面積増加に関する試験の日本の報告例に対する評価を試行した。調査文献から得られた知見に基づき、ガラス固化体の直径、ガラス固化体製造時の冷却条件、ガラス固化体への衝撃、地層処分場閉鎖後の水との接触等の環境条件等が、割れによる表面積増加比(又は割れ係数)に及ぼす影響について検討した。多くの国において、ガラス固化体の割れの要因はガラス固化体の製造, 輸送, 保管, 貯蔵など処分前管理の段階及び処分後の現象又は事象に起因するとされている。その影響は地層処分の性能評価における核種溶出モデルでも考慮されている。各国の核種溶出モデルにおける表面積増加比とその根拠等を概観し、各国の間の相違点及び共通点を整理するとともに、これまでに報告された表面積増加比の測定値と測定方法との関係及び測定方法の特性について考察した。また、各国の核種溶出モデルで設定されている表面積増加比の根拠としての表面積増加比の測定に用いられた測定方法を整理した。さらに、廃棄物管理工程の流れの中でのガラス固化体の割れによる表面積増加比に影響する要因、表面積増加比の特徴等の各工程との関わりを検討した。これらの調査及び検討により、性能評価における保守的かつ現実的な表面積増加比の適用に向けた知見を拡充し、我が国の地層処分のシステムのセーフティケースの作成・更新に資することができる。

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