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西原 健司; 岩永 宏平; 山根 剛; 岡嶋 成晃
JAERI-Research 2002-030, 63 Pages, 2002/12
中性子源の存在する臨界実験装置において、定常状態から反応度を加えるなどして、他の定常状態に移行するような実験では、反応度と中性子源の変化が終息した後に中性子束が過渡変化している。この状態を解析して、その区間における反応度や中性子源強度、あるいはその両方を得る手法として、一般に逆動特性法(IK法)を用いることが出来る。しかし、従来の解法では測定された出力の誤差を考慮した、最も尤度の高い解を求めることや、得られた測定値の誤差を評価することができなかった。本研究では、最尤法を適応して、もっとも尤度の高い反応度と中性子源強度を決定し、その誤差を得る手法を開発した。また、FCAのロッドドロップ実験に対して本手法を適用し、手法の妥当性を確認した。
山下 清信; 竹内 光男; 藤本 望; 藤崎 伸吾; 中野 正明*; 野尻 直喜; 田村 誠司*
日本原子力学会誌, 41(1), p.35 - 38, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)軽水炉等では制御棒を瞬時に挿入できることから、落下法による反応度測定で制御棒の全挿入が瞬時に完了しなければならない前提条件は満たされていた。反応度事故時でも燃料温度の上昇が緩慢であり安全上、制御棒を急速に挿入する必要がない高温工学試験研究炉では、制御棒駆動機構への負荷を軽減するため挿入時間は12秒以下としている。このような原子炉に従来の落下法を適用すると制御棒の反応度価値は大幅に過小評価され測定誤差が大きくなる。そこで、反応度を連続的に測定できるIKRD法を用いて落下時間が長い制御棒の反応度価値を測定できると考え、高温ガス炉臨界実験装置(VHTRC)で確認実験を行った。実験及び解析結果の比較から、IKRD法を用いても反応度価値は、10%以下の誤差で測定できることを確認した。
金子 義彦; 中野 正文; 松浦 祥次郎
日本原子力学会誌, 19(6), p.380 - 390, 1977/06
被引用回数:2原子炉の反応度測定技術は長い歴史を有している。近年、新型炉の開発にとりくんでいる設計室や、原子炉の運転や保安に携わる現場から「反応度をもっと正確に測定できるようにすべきである」という要請がでてきた。その理由としては、原子炉の安全性、経済性さらに保守性の向上に対する反応度の重要性が強く意識されるようになったことにほかならない。この要請に対応して、内外の諸施設において、反応度測定技術に関して、着目すべき進歩がみられている。この総説では、これらの研究活動の実態について調査した結果をまとめるとともに、反応度研究の主として炉物理的問題点を整理し、今後の研究の目標について展望した。