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伊藤 啓; 田中 正暁; 大野 修司; 大島 宏之
JAEA-Research 2014-023, 34 Pages, 2014/11
ナトリウム冷却高速炉の1次冷却系には、気泡もしくは溶存ガスの形態で不活性ガスが存在する。不活性ガスは、炉心反応度擾乱やIHX伝熱性能低下を引き起こす可能性があるため、高速炉の安定運転のためには不活性ガス挙動を調査する必要がある。しかし、不透明な液体金属中の不活性ガス挙動を実験的に調べることは困難であるため、著者らは、炉内における気泡・溶存ガス濃度分布を計算できるプラント挙動解析コードSYRENAを開発している。本研究では、SYRENAコード内で用いているモデルの高度化を行って解析精度の向上を図るとともに、様々な液体金属流れ場中の気泡挙動を解析するために必要となる新たなモデルの開発を行う。開発したモデルの検証としてナトリウム冷却大型高速炉の解析を行い、炉内の複雑な気泡挙動が計算できることを確認する。
高田 孝*; 小中 祐至*; 山口 彰*; 伊藤 啓; 大野 修司; 大島 宏之
Proceedings of 9th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-9) (CD-ROM), 7 Pages, 2014/11
本研究では、高速炉炉心のエントランスノズル部における不活性ガス気泡挙動を理論および数値解析によって評価する。まず、FLUENTコードを用いて3次元流動場の計算を行い、低濃度気泡流に対して適用できるOne-way気泡追跡法による3次元気泡追跡解析を行った。その結果に基づいて、ナトリウム冷却高速炉の高圧プレナム部における気泡蓄積挙動を定量的に評価できるモデルを開発し、フローネットワークコードSYRENAによって評価を行った。さらに、気泡除去(ガス抜き)装置について検討を行うため、様々な対策構造の効果について定量的な評価を行った。
松下 健太郎; 江連 俊樹; 田中 正暁; 伊藤 啓*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構で開発整備を進めている一次冷却系統内の非凝縮性ガス挙動評価コードSYRENAを用い、タンク型炉を対象に、ホットプレナム液面部におけるカバーガス巻込みの抑制および液面揺動の防止を目的とする水平板(ディッププレート:D/P)を設置した場合の非凝縮性ガス移行挙動について解析を実施し、一次冷却系統内のガス移行挙動を調べた。解析では、D/Pの上下間の通過流量およびホットプレナム液面部におけるカバーガス巻込み量をパラメータとして変化させ、炉心入口におけるボイド率に与える影響について検討した。以上の結果、炉心入口ボイド率の観点では、D/P上下の通過流量の変化によって与えられる影響に比べ、液面部におけるガス巻込み量の変化による影響の方が大きいとの結果が得られた。このことから、D/P導入によるガス巻込み量の抑制効果は、一次冷却系統全体の非凝縮性ガスの蓄積量の抑制に効果的であるとの見通しを得た。