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中平 昌隆; 武田 信和; 浦田 一宏*
JAERI-Tech 2004-069, 55 Pages, 2004/12
本研究では、ITERコイル系振動試験体の振動特性試験を行う際に、ベースプレートに試験体の振動特性に影響を及ぼさず、かつ十分な剛性を与えるため、ベースプレートの板厚を現状の55mmから100mm, 150mm, 190mmへと増加させ4ケースの振動解析を実施し、この結果から、振動特性に影響を与えないベースプレートの改造案を検討した。系全体の1次モードで判断した場合、ベースプレート板厚を150mm超とすれば、剛体の場合の9割程度の剛性が得られることがわかった。そこで、板厚を増加させる方向で改造案を考え、板材の供給性,搬送可能性,溶接可能性から判断し、300mmが限界と考えられるので限界挙動を見るために、ベースプレート板厚を300mmとして再度解析を行った。この解析結果では、全体系の曲げ1次モードの固有値は、剛体の場合の97%にまでなった。ただし、ベースプレートをテストフロアに固定するボルト長が延長されたため、ボルトのねじれモードが発生した。総合的に判断し、150mmあるいは190mm程度で十分な剛性が得られており、これ以上板厚を増やす必要はないと結論した。
武田 信和; 中平 昌隆; 多田 栄介; 藤田 聡*; 藤田 隆史*
日本地震工学会論文集(インターネット), 4(3), p.298 - 304, 2004/04
ITERはトカマク型の国際核融合実験装置であり、主要機器は、超伝導コイル,真空容器等で、運転温度は4Kから200
Cまでと幅広い。このため、主要機器の支持構造はトーラス構造の半径方向に柔軟,鉛直方向に剛となるよう、多層板バネ構造を採用している。この結果トカマク装置の水平方向固有振動数は4Hzと低く、さらに地震に対しては国際標準のIAEAに照らし、地表加速度0.2gで標準設計しており、これを超える地震を想定する場合は免震が必要となる。これらの特殊事情により、ITERの動的特性を把握するための解析,実験を日本で実施している。動解析では、日本のサイト及び免震を考慮した地震動により装置の健全性を確認した。この裏付けデータ取得のため、縮小モデルの振動試験体の製作を開始した。最初の試験として、コイル単体及び支持脚単体の固有振動数及び剛性データを取得した。本論文では、ITER主要機器の動特性を把握する日本の解析及び実験の現状と計画を述べる。
小野塚 正紀*; 武田 信和; 中平 昌隆; 清水 克祐*; 中村 友道*
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.757 - 762, 2003/09
被引用回数:2 パーセンタイル:18.38(Nuclear Science & Technology)ITERトカマクの動的挙動について検討した。動的な事象、おもに地震時の数値解析手法検証のために、3種類の試験モデルが考えられている。振動試験のため、1998年時ITER設計ベースにて1/8サイズのトカマクモデルが製作されている。このモデルでは、静的荷重に対するトカマクの剛性,固有振動数、及び地震力に対する振動及び応答特性を把握する。減衰などの非線形の振動特性は、実寸大のモデルでしか把握できない。したがって、実寸大のコイル重力支持構造が設計されており、試験を予定している。またトカマクモデルでは真空容器が剛と仮定されている。この仮定は1/20モデルにて実証されるとしている。上述の試験モデルと試験条件は、解析及び数値計算にて評価された。例えば、静的解析及び固有値解析にて得られた静的及び動的ばね定数はよく一致した。