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上澤 伸一郎; 前島 崇宏*; 岡田 真*; 富田 洋文*; 楯 尚史*; 青木 邦知*; 平松 夏樹*; 小野 浩二*; 吉田 啓之
混相流シンポジウム2026講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2026/08
詳細二相流解析を大型モックアップ試験の代替または補完として活用するためには、流動様式の再現性に加え、瞬時かつ局所的な気液界面情報に対する定量的な妥当性確認が重要である。しかし、妥当性確認に用いられてきたワイヤメッシュセンサ(WMS)では、ワイヤ交点間よりも高い解像度でボイド率を取得することができず、気液界面情報の把握に課題があった。この課題を解決するため、WMS計測、詳細二相流解析、静電場解析および生成AIを組み合わせることで、WMS信号から高精度・高解像度のボイド率分布を推定する技術の開発を進めている。本技術では、ロッドバンドル流路を対象として、分散気泡流からチャーン流までの条件に対して詳細二相流解析と静電場解析を実施し、気液界面情報とWMS信号強度の対応データセットを構築する。さらに、これらを学習データとしてPix2Pixに基づく画像生成モデルを作成し、実機WMS信号から高解像度のボイド率分布を推定する。本報では、本推定技術の開発状況と、実験で取得した3
3ロッドバンドル流路のWMS信号に本モデルを適用した結果について報告する。
上澤 伸一郎; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 24 Pages, 2026/00
被引用回数:0ロッドバンドル流れにおける導電率型ワイヤメッシュセンサ(WMS)を用いたボイド率計測では、電極近傍に形成される電流密度の不均一性が計測精度を支配する。この不均一性により、瞬時のWMS信号は気泡の位置および形状の影響を強く受け、ロッドバンドル特有の幾何形状に起因した系統誤差が発生する。しかしながら、これらの誤差は十分に評価されていない。本研究では、これらの誤差のメカニズムと大きさを明らかにするため、三次元静電場シミュレーションを実施した。電流密度分布とWMS信号応答について、気泡位置、気泡形状、および送信・受信層間距離を変化させ、サブチャンネル、インターサブチャンネル、コーナーサブチャンネルの各領域に対して解析を行った。その結果、電流密度分布の空間的特徴はこれら3種類のチャンネル間で異なることが示された。そのためWMS信号とボイド率の相関は一意ではなく、気泡位置や形状、送信・受信層間距離に対して、その相関が各チャンネルで異なることを確認した。本研究では、これらの相関を統合することで、定量的な系統誤差を含む代表的なボイド率変換式を構築した。本研究の知見は、WMS計測の信頼性向上や、二相流CFD解析コードの検証における実験不確かさの評価に対して、定量的根拠を提供できると考えられる。
Woloszczuk, K.*; Maik, P.*; Safronov, A.*; Wieczorek, A.*; 森下 祐樹; 眞田 幸尚; Szklarski, L.*
Zeszyty Naukowe SGSP, 2(96), p.105 - 121, 2025/12
In an era of rapidly evolving Chemical, Biological, Radiological and Nuclear (CBRN) threats, integrated detection systems using real-time data fusion are increasingly essential for public safety. This article examines how sensor integration enhances the accuracy and timeliness of CBRN measurements, focusing on radiological detection as a representative case. Through literature review, prototype development and laboratory evaluations in an accredited facility, the study shows that combining multiple sensor outputs-such as dose-rate data and gamma spectra-reduces false positives and improves situational awareness for first responders. The results highlight the value of modular system architectures that unify heterogeneous sensor data into standardised formats, supporting faster decision-making at both tactical and command levels. Advanced calibration, real-time processing and peak-detection algorithms further enhance measurement reliability across a wide dose range. Providing concise, context-relevant data to on-site teams while retaining richer datasets for strategic use also helps prevent cognitive overload during emergencies. These outcomes form a basis for extending the integrated framework to other CBRN agents and for scaling to complex real-world environments.
Muhammad, I.; 永武 拓; 上澤 伸一郎; 小野 綾子
Proceedings of 21st International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-21) (Internet), 12 Pages, 2025/08
本研究は、二相流実験のデータを用いてACE-3Dを検証することを目的としている。この目的のため、4
4の非加熱模擬燃料集合体を用いて水および蒸気による二相流実験を実施した。実験では、高温高圧条件下でワイヤメッシュセンサを用いて時間平均ボイド率分布を測定した。実験結果を分析し、燃料集合体内の二相流挙動特性をよりよく理解するためにボイド率分布等のデータを可視化した。実験データは、高圧領域を含む幅広い実験条件を包含しており、熱水力学コードの検証に使用できるように整備された。最後に、ACE-3Dコードを用いて二相流実験の条件で解析を実施した。そして、計算結果を実験結果と比較し、今後のシミュレーションにおいてACE-3Dを改善するための問題点を明らかにした。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2025-004, 186 Pages, 2025/07
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、高放射線量率と高汚染のため、現場への接近性が極端に限られるような事故を経験した原子炉建屋の長期構造健全性の見通しを得るために必要な評価手法を開発しようとするものである。3ヵ年計画の最終年度目である令和5年度は、令和4年度までの成果を踏まえ、本研究の最終的な成果をまとめることを目的として、(1)地震等の外乱応答モニタリングによる建屋の振動性状・応答評価法の開発、(2)電磁波を用いたコンクリート構造物の損傷検知技術の開発、(3)損傷検知情報に基づくコンクリート材料・構造物の性能評価法の開発、(4)総合的な建屋安全性評価手法の開発と長期保全計画の提案、(5)研究推進の研究項目について試験、解析や活動を行い、3ヵ年計画の所期の目標を達成した。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 永武 拓; 山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(5), p.432 - 456, 2025/05
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ワイヤメッシュセンサ(WMS)の精度を明らかにするため、単一の球形気泡と気泡流に対してWMSの静電場シミュレーションを実施した。単一気泡の静電場シミュレーションでは、様々な気泡位置における電流密度分布と、送信ワイヤから受信ワイヤまでの電流経路を示した。その結果、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく系統的誤差があることを明らかにした。また、数値流体解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)で得られた気泡流結果に対して静電場シミュレーションを実施したところ、線形近似やMaxwellの式などの、WMS信号からボイド率への既存の変換方法では0と1の間の瞬間ボイド率の中間値を定量的に推定できなかった。また、WMS信号に対してボイド率
0.2という大きなばらつきがあり、瞬間ボイド率を定量的に計測することが困難であることがわかった。一方で、時間平均ボイド率においては、流路の中心付近のボイド率は線形近似を使用して推定でき、流路壁面近くのボイド率はMaxwellの式を使用して推定できることがわかった。
畑 浩二*; 丹生屋 純夫*; 青柳 和平
International Journal of the JSRM (Internet), 20(1), p.240104_1 - 240104_4, 2024/11
地層処分技術の信頼性向上において、長期間にわたる岩盤のモニタリングが重要な研究課題となる。そこで、2014年に、幌延深地層研究センターの350m以深の立坑周辺に、岩盤掘削時の振動(AE)、間隙水圧、温度の3種類の特性を取得できる光ファイバー式センサーを設置し、岩盤の水理・力学的な挙動のモニタリングを開始した。計測の結果、立坑の掘削中は、壁面から約1.5mの範囲でAEが頻発した。また、同領域における透水係数は、健岩部と比較して2
4桁高かった。さらに、数値解析の結果、立坑掘削時の間隙水圧の上昇が、立坑周辺の割れ目発生の主な要因であることを明らかにした。これらの計測・解析結果を基に、掘削損傷領域の概念モデルを構築した。このモデルは、地層処分において、安全評価に資する情報として活用されることが期待できる。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 山下 晋; 吉田 啓之
Proceedings of 13th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS13) (Internet), 7 Pages, 2024/11
電極間の気相と液相の導電率の違いを利用したコンダクタンス型ワイヤメッシュセンサ(WMS)は、流路断面ボイド率分布を測定する有効な手法の一つである。本研究では、WMSの計測誤差を明らかにするために、単一球形気泡と気泡流についてWMS周りにおける数値流体力学(CFD)解析と静電場解析を実施した。単一気泡における解析結果より、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく計測誤差があることが明らかにされた。ボイド率の瞬時値とWMS信号の関係は、同じ気泡であっても、WMSを通過する気泡の位置に対して一意に決まらず、従来用いられてきたWMS信号からボイド率への変換方法である線形近似やマクスウェルの式とも一致しないことが確認された。気泡流における解析結果より、瞬時ボイド率の定量的な計測は、ボイド率の偏差が
0.2程度と大きく、難しいことがわかった。一方、WMS信号を時間平均するとその偏差は減少することが確認された。このように、既存の変換方法を使用したWMSでは時間平均ボイド率を計測できるものの、瞬時ボイド率を定量的に計測することは困難であることがわかった。
4 simulated fuel bundle for validation of thermal-hydraulics simulation codes小野 綾子; 永武 拓; 上澤 伸一郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
Proceedings of Specialist Workshop on Advanced Instrumentation and Measurement Techniques for Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics and Severe Accidents (SWINTH-2024) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2024/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、軽水炉における核熱連成解析コードの開発を行っている。核熱連成コードに適用される熱流動解析コードには、中性子輸送計算に必要なボイド率分布を運転条件下で計算することが期待されているため、計算結果については高温高圧条件下でのボイド率分布データを用いて妥当性確認をする必要がある。そこで、原子力機構の高圧二相流実験ループに設置した4
4模擬燃料集合体内のボイド率分布について開発したワイヤメッシュセンサを用いて計測し、コード検証のためのデータを取得した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2023-048, 151 Pages, 2024/05
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。
畑 浩二*; 丹生屋 純夫*; 青柳 和平; 宮良 信勝*
Journal of Rock Mechanics and Geotechnical Engineering, 16(2), p.365 - 378, 2024/02
被引用回数:20 パーセンタイル:89.22(Engineering, Geological)山岳トンネルや地下備蓄基地などの地下空洞の掘削時には、応力再配分の影響により空洞周辺岩盤に損傷が生じる。このような領域では、亀裂や不連続面が発生することから、発生に伴う振動(アコースティックエミッション、AE)が生じる。本研究では、長期的な立坑周辺岩盤のモニタリングのために、光ファイバー式のAEセンサー,間隙水圧計を1つのボーリング孔に設置できるプローブを開発した。計測の結果、立坑掘削に伴ってAEの発生数が顕著となり、さらに立坑壁面から1.5mの範囲で2から4桁の透水係数の増大を確認した。さらに、数値解析の結果、間隙水圧変化と割れ目の発達領域を適切に再現できた。これらの結果を踏まえ、立坑周辺の掘削損傷領域の概念モデルを構築した。なお、この成果は、高レベル放射性廃棄物処分時の安全評価の信頼性の向上に資するものである。
廃炉環境国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2023-020, 90 Pages, 2023/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「遮蔽不要な臨界近接監視システム用ダイヤモンド中性子検出器の要素技術開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、高
線環境下(1kGy/h)で動作し、高感度中性子検出感度(数count/nv)を持つ軽量で遮蔽不要な深い未臨界モニターを実現するための要素技術開発を行った。開発要素はダイヤモンドを使用した中性子検出素子、耐放射線集積回路6種類とそれら要素を搭載するモジュール複数枚を開発し、目標性能を確認し当初の目的を達成しただけでなく、6cm径ドライチューブに挿入可能な中性子検出器のモックアップを開発し中性子測定動作実証も行い、予定通りの性能を確認した。まず我々は炉内体系が不明である場合に確実に使用可能な未臨界解析手法としてファインマン
法を選択し、"
線計測数対中性子計測数の比を1未満に抑えること"を明らかにし、この仕様を満たす中性子検出器のデザインと要素技術の研究開発を推進した。この研究開発を通して、ダイヤモンド検出素子は1kGy/h環境下でも安定動作すること、中性子感度も1cm
あたり0.015cps/nvであることを確認し、実用化可能であることを実証した。また開発した全ての信号処理用集積回路は、積分照射線量1MGyまで動作確認を行い、これらの要素技術を組み合わせ1kGy/hの
線バックグラウンド環境下での動作試験及び中性子検出試験を行い必要な性能を持っていることも確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-071, 123 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、高放射線量率と高汚染のため、現場への接近性が極端に限られるような事故を経験した原子炉建屋の長期構造健全性の見通しを得るために必要な評価手法を開発しようとするものである。3ヵ年計画の初年度である令和3年度は、(1)地震等の外乱応答モニタリングによる建屋の振動性状・応答評価法の開発、(2)電磁波を用いたコンクリート構造物の損傷検知技術の開発、(3)損傷検知情報に基づくコンクリート材料・構造物の性能評価法の開発、(4)総合的な建屋安全性評価手法の開発と長期保全計画の提案、(5)研究推進の研究項目について具体的な研究方法を明確にして研究の方向付けを行うとともに、必要な諸準備を行い、一部の試験や活動を行った。
廃炉環境国際共同研究センター; 名古屋大学*
JAEA-Review 2022-033, 80 Pages, 2022/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「一次元光ファイバ放射線センサを用いた原子炉建屋内放射線源分布計測」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究では、1Fの廃炉を進めるにあたり把握する必要がある、原子炉建屋内作業環境の放射線源の位置分布を測定するセンサとして、最も確実に汚染源の位置分布の把握を行うことができ、密着型で、かつ「点」ではなく「線」に沿った放射線源分布が把握できる、一次元光ファイバ放射線センサの開発を行った。従来型の飛行時間型光ファイバ放射線センサについて、光ファイバの材質の検討及び光ファイバ径の小口径化を行うことで、高線量率・高散乱線環境へ適用可能なセンサを見出し、光ファイバの多チャンネル化を行うことで低線量率に対しても感度を維持できるシステムの構築を行った。加えて、1F原子炉建屋内に局所的に存在するSv/hオーダーを超える環境へ適用可能であり、さらには、飛行時間法のファイバ両端での受光の必要性という課題を解決する全く新しい方式のセンサとして、光ファイバの片側から光の波長スペクトルを読み出し、光ファイバ内での光の減衰量に波長依存性が存在することを利用して、放射線入射位置を逆推定する波長分解型光ファイバ放射線センサを開発した。
廃炉環境国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2022-031, 89 Pages, 2022/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「遮蔽不要な臨界近接監視システム用ダイヤモンド中性子検出器の要素技術開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、遮蔽不要な臨界近接監視モニター用中性子検出器の要素技術を開発することを目的としている。実機は軽量かつ最大1kGy/hの高
線環境下で数cps/nvの中性子検出感度が要求される。本研究では、炉雑音解析法からの要請を基にダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性集積回路技術を用いた信号処理・データ転送用集積回路を使用した計測要素を試作し、実機開発に必要なデータを取得する。また実機の使用を想定した臨界近接評価手法の検討も行う。令和3年度は、未臨界度測定手法についてFeynman-
法により
線計数/中性子計数の割合
1の条件であれば、即発中性子減衰定数を測定できる見込みを得た。またシミュレーションにより定量評価を行い千個程度の中性子検出素子によって目標が達成されることを確認し、中性子検出素子の動作も確認した。これら検出素子の信号を高速で処理する1MGyまで動作する信号処理集積回路と512個検出素子が搭載できる基板を開発し集積回路を実装し全体の動作を確認した。1kGy/hの高
線バックグランド下で動作するダイヤモンド検出素子に関しても、ダイヤモンド膜製造プロセス、電極生成プロセス等の改良により0.864kGy/hでの動作を確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工芸大学*
JAEA-Review 2022-011, 80 Pages, 2022/07
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「被災地探査や原子力発電所建屋内情報収集のための半自律ロボットを用いたセマンティックサーベイマップ生成システムの開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究の目的は、災害時においてヒトの立ち入りが困難となった原子力発電所建屋内などの状況調査を対象に、簡単・安全・迅速に複数種類の情報(空間線量、温度、障害物等)を含んだセマンティックサーベイマップを生成する半自律移動ロボットシステムの研究・開発(カメラシステム、セマンティックSLAM、移動経路学習及び安全な経路提示システム)である。本研究では実験用レスキューロボットを開発し、複数のセンサシステムの搭載や取得したセンサ情報から局所セマンティックマップや広域セマンティックマップを生成するシステム。局所セマンティックマップを用いたロボットの走行経路学習シミュレータの開発も行った。それらのシステムを統合し、半自律移動ロボットシステムを完成させた。
廃炉環境国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2021-038, 65 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「遮蔽不要な臨界近接監視システム用ダイヤモンド中性子検出器の要素技術開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、遮蔽不要な臨界近接監視モニター用中性子検出器の要素技術を開発することを目的としている。実機は軽量かつ最大1kGy/hの高
線環境下で数cps/nvの中性子検出感度が要求される。本研究では、炉雑音解析法からの要請を基にダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性集積回路技術を用いた信号処理・データ転送用集積回路を使用した計測要素を試作し、実機開発に必要なデータを取得する。また実機の使用を想定した臨界近接評価手法の検討も行う。令和2年度は、耐放射線トランジスタの開発、臨界近接監視システムの設計、信号処理・データ転送用集積回路の設計を行い令和3年度での製作と評価に備えた。中性子検出素子に関しては中性子検出用ダイヤモンド素子の中性子検出効率および高
線環境下での動作について評価を開始した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工芸大学*
JAEA-Review 2020-062, 47 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「被災地探査や原子力発電所建屋内情報収集のための半自律ロボットを用いたセマンティックサーベイマップ生成システムの開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、災害時においてヒトの立ち入りが困難となった原子力発電所建屋内などの状況調査を対象に、簡単・安全・迅速に複数種類の情報(空間線量,温度,障害物等)を含んだセマンティックサーベイマップを生成する半自律ロボットシステムの研究・開発(カメラシステム,セマンティックSLAM,移動経路学習及び安全な経路提示システム)である。
畑 浩二*; 丹生屋 純夫*; 鵜山 雅夫*; 中岡 健一*; 深谷 正明*; 青柳 和平; 櫻井 彰孝; 棚井 憲治
JAEA-Research 2020-010, 142 Pages, 2020/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究においては、坑道掘削時に生じる掘削損傷領域(Excavation Damaged Zone、以下EDZ)が主たる放射性核種の移行経路の一つとなる可能性が示唆されている。特に堆積岩では、坑道掘削中のみならず長期的なEDZ内外の割れ目の進展といった力学的な検討は、地層処分の安全評価上重要な情報となる坑道周辺の水理的な変化を捉えるという点においても重要であり、それを長期モニタリング可能な計測ツールの開発が待たれていた。本共同研究では、新第三紀堆積岩中に建設された幌延深地層研究所東立坑の深度370m付近の3本のボーリング孔内の合計9箇所に大林組が製作したモニタリングツールを設置した。モニタリングツールは、1箇所に岩盤の力学挙動計測用の「光式AEセンサー」、地下水挙動計測用の「光式間隙水圧センサーと光式温度センサー」が1式で構成されており、立坑対象深部の掘削中および掘削後におけるAE信号波形他各種計測データを取得・分析し、岩盤の破壊に起因するAE信号波形を選別することを目的に製作された。AE信号波形をはじめとした各種計測データを分析した結果、東立坑深部掘削および掘削後に周辺岩盤に発生もしくは進展したき裂などの短期/長期的なEDZに関する情報を把握することができた。今後、これらの分析データに基づいて解析評価を行うことにより、幌延深地層研究所深部の堆積岩におけるEDZの長期的な安定性評価に資する検討を行うことができると考えられる。
青柳 和平; 櫻井 彰孝; 宮良 信勝; 杉田 裕
JAEA-Research 2020-004, 68 Pages, 2020/06
本報告書では、数km
数kmにわたる広大な範囲で施工される高レベル放射性廃棄物の地層処分場の建設の視点で、数十年にわたり長期的かつ効率的に坑道安定性をモニタリングする技術の検証を目的として、幌延深地層研究センターに設置した支保工応力計および岩盤応力計のデータを分析した。具体的には、幌延深地層研究センターの水平坑道および立坑掘削時の力学的安定性のモニタリングのために設置した光ファイバー式および従来型の電気式の計測器のデータ取得可能期間(耐久性)を分析し、長期的な岩盤および支保工のモニタリングに適した手法について検討した。結果として、幌延のような坑道掘削による変形は大きいが湧水は少ない環境においては、岩盤変位の計測には光ファイバー式の変位計の設置が適しており、コンクリート中に埋設されるコンクリート応力計や鋼製支保工応力計といった計測器については、従来型の電気式のものでも長期的な耐久性が見込めることを示した。さらに、断層部を対象とした計測では、350m東周回坑道の計測断面において、吹付けコンクリートおよび鋼製支保工応力が、ひび割れ等の発生により耐久性が損なわれる状態に相当する使用限界と定義された基準値を超過していた。しかしながら、現時点ではクラック発生等の変状は認められなかったことから、定期的な目視点検等を実施すべきであると提案した。それ以外の計測断面については、断層部付近において一部注意を要する値を逸脱する計測値はあったものの、施工時に壁面の崩落が著しかった領域や、立坑と水平坑道の取り付け部付近では、坑道は安定した構造を保っていると判断した。