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永田 寛; 大森 崇純; 前田 英太; 大塚 薫; 中野 寛子; 花川 裕規; 井手 広史
JAEA-Review 2023-033, 40 Pages, 2024/01
JMTR原子炉施設は2017年4月の「施設中長期計画」において廃止施設に位置付けられたことから、廃止措置計画認可申請書を原子力規制委員会に提出するに当たり、廃止措置計画に記載する必要がある、廃止措置の工事上の過失等があった場合に発生すると想定される原子炉施設の事故の種類、程度、影響等の評価をするため、廃止措置計画の第1段階で想定される事故について、その種類の選定と程度、一般公衆への被ばく影響の評価を行った。廃止措置計画の第1段階で想定される事故として燃料取扱事故及び廃棄物の保管中の火災を選定し、大気中に放出された放射性物質による一般公衆への被ばく線量の評価を行ったところ、最大でも1.910mSv(廃棄物の保管中の火災)であり、判断基準(5mSv)に比べて小さく、一般公衆に対して著しい放射線被ばくのリスクを与えることはないことが分かった。
廃炉環境国際共同研究センター; 慶應義塾*
JAEA-Review 2021-048, 181 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」の令和元年度と令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため2年度分の成果を取りまとめた。本研究の目的は、福島第一原子力発電所の廃炉プロセスに有用となる微生物に関係した知見を得ることにある。このため、同発電所やその敷地内外に生息する微生物群集の実態を明らかにする。1Fの敷地境界南(処理水タンク群の南)の表層土、発電所近くの海底土とその直上水、3km沖合の表層水等からサンプルを採取し、メタゲノム解析(微生物の培養を介せず、そのDNAを直接解読することで、生息する微生物の情報を得ること)を実施した。その結果、現状で、1F敷地周辺で検出される放射線量であれば、その高低にかかわらず、同じような環境を比較した場合、細菌叢の構造に大きな変化がないことが示唆された。また、1F2号機のトーラス室に由来する環境DNAの解析を行い、トーラス室では、チオ硫酸塩酸化細菌が主たる構成細菌として同定されると共に、幾つかの細菌種がバイオフィルム(微生物の集合体)を作っている可能性を示唆した。共同研究を行ったロシアのカザン大学の研究者は、日本で得られた配列データを情報学的に解析すると共に、ロシアの放射線による環境汚染に関してまとめた。これらの知見を総括し、1Fの廃炉プロセスに有用となる提言をまとめた。
廃炉環境国際共同研究センター; 慶應義塾大学*
JAEA-Review 2020-047, 63 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、福島第一原子力発電所の廃炉プロセスに有用となる微生物に関係した知見を得ることにある。このため、同発電所やその敷地内外に生息する微生物群集の実態を明らかにする。令和元年度は、敷地境界南(処理水タンク群の南)の表層土、発電所近くの海底土とその直上水、3km沖合の表層水等からサンプルを採取し、各環境DNAの取得に成功した。環境DNAの塩基配列を決定することで、主にバクテリアと微細藻類における生物群集を明らかにした。また、ロシアのカザン大学との共同研究を開始した。
目次 正一; 上野山 敦子*; 久保 純*; 宮田 真人*; 由良 敬; 河野 秀俊; 郷 信広
Biophysics, 1, p.33 - 43, 2005/05
マイコプラズマモービレの滑走メカニズムは、未知のままで残っているが、他のバクテリアのどんな以前に特定されたメカニズムとも異なっていると信じられている。マイコプラズマモービレのGli349は、ガラスの表面への付着と滑走性の両方に必須であるのが知られている。したがって、私たちは、Gli349の構造を解くためにGli349と相同タンパク質MYPU2110の配列解析を実行した。モチーフ"YxxxxxGF"がMYPU2110とGli349にそれぞれ16回と11回現れるのがわかった。さらなる解析により、Gli349がおよそ100残基長の部分配列を18回反復して含んでいて、MYPU2110が22回含むのを明らかにした。リピートは新規のものであった。キモトリプシンによるGli349のタンパク質加水分解により、切断点がリピート間にしばしば位置するのを明らかにした。
本間 俊充; 井上 佳久*; 富田 賢一*
JAERI-Research 2000-049, 101 Pages, 2000/10
本報告書は、日本原子力研究所で開発した事故影響評価コードOSCAARを国際原子力機関が主催するBIOMASS計画テーマ2のハンフォード線量再構築シナリオに適用した結果を記載したものである。このシナリオは米国ハンフォードのピュレックス化学分離施設で1963年9月25日に起きたIの大気中への事故的放出に関係するものである。この解析によって、OSCAARで用いているIの大気中拡散・沈着及び食物連鎖移行モデルを実測データを用いて検証した。排気筒高さの気象データ及び周辺地上観測所のデータを内挿して得られた風速場から計算された大気拡散・沈着の結果は一部、予測性能に限界があったが、OSCAARの食物連鎖移行モデルは比較的、精度のよい評価が可能であった。また、モンテ・カルロ法に基づくOSCAARに結合された不確実さ・感度解析手法は、このシナリオ計算を通して機能が確認され、事故影響評価に最も重要な影響を与えるパラメータの決定に有用であった。
本間 俊充; Liu, X.; 富田 賢一*
Proceedings of 5th International Conference on Probabilistic Safety Assessment and Management (PSAM-5), p.2753 - 2758, 2000/00
原子炉事故時の環境影響評価では、気象条件が事故影響の大きさを左右する。PSAではこの気象条件の変動にかかわる統計的不確かさは影響とその確率の分布関数として表現される。したがって、事故影響評価では、その分布を正確に推定するための代表的な気象シーケンスの集合を選択し、その生起確率と事故影響を評価する必要がある。この研究の目的は、原研で開発した事故影響評価コードOSCAARで用いている大気拡散モデル(流跡線モデル)に最適な気象サンプリングの方法を開発し、その統計的な変動を明らかにすることである。サイクリックサンプリングで選択された気象シーケンスの感度解析結果から、一定の距離までの飛程時間と降水量、放出時の大気安定度による層別サンプリング法を利用し、さらに放出日時の季節変動を考慮したOSCAAR用のサンプリング法を開発した。
W.Nixon*; P.J.Cooper*; C.M.Bone*; S.Acharya*; U.Baeverstam*; J.Ehrhardt*; I.Hasemann*; Steinhauer, C.*; E.G.Diaz*; J.C.Glynn*; et al.
EUR-15109, 0, 338 Pages, 1994/00
安全評価におけるリスクアセスメントの使用の増大に従い、用いられる手法の信頼性及び予測結果に付随する固有の不確かさに注目が集まるようになった。このような背景から、欧州委員会及びOECD原子力機関(NEA)は、確率論的影響評価(PCA)コードの予測結果を比較する研究に着手した。これらのコードはレベル3の確率論的安全評価(PSA)に用いられ、原子力施設の仮想的な事故による健康及び環境リスクの推定に関わっている。1980年代後半から1990年代初期にかけて数多くの新しいPCAコードが開発されたため、この比較研究の開始は時宜を得たのものであった。研究の結果は4つの報告書にまとめられ、第1のこの詳細な技術報告書は、PCAの専門家を対象としたもので、比較結果の詳細が記述されている。
与能本 泰介; 中塚 亨; 平根 伸彦; 津村 貴史
no journal, ,
高出力試験研究炉(10MW以上)の最も重要な安全施設の基準地震動は、規制基準が大きく改正された現状においても、旧原子力安全委員会が定めた審査指針を参考にし、発電用原子炉と同じ方法で定めることが求められている。また、新規制基準で新たに要求されることとなった火山噴火や竜巻に係る設計基準についても原則的に同様な規制要求がなされている。潜在的危険性が大きく異なる発電用原子炉と試験研究炉に対して、同様な設計基準を求めることは安全に係わる基本的考え方である等級別扱いに適合していない可能性があり、その適切性は、研究施設を合理的に継続利用する上で重要な検討課題といえる。本研究では安全確保の基本的考え方を明確にするとともに、発電炉と試験研究炉の潜在的危険性を定量的に示すことを狙いとし、最も過酷と考えられる事象時の放射線影響等について、解析方法と推定される結果について国内外の文献等を用いて検討する。
山根 祐一; 阿部 仁
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故後、日本の再処理施設に対する規制基準が刷新され、臨界事故などの重大事故に対する事故対策とその有効性を評価することが求められている。この論文は臨界事故影響の最適評価に関する課題をまとめ、臨界事故におけるソースタームを評価する新しい手法を提案する。公衆と作業者の被ばく量の最適評価の観点から核燃料施設の臨界事故の特徴、例えば、短半減期核種の生成などについて記述する。これらの特徴に照らして、DOEハンドブックに記載されている五因子法に基づいて臨界事故時のソースタームの評価を行う方法を提案する。