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廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2026-017, 78 Pages, 2026/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち「遮蔽不要な耐放射線性ダイヤモンド中性子計測システムのプロトタイプ開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F廃炉事業で強いニーズのある遮蔽不要な中性子計測システムのプロトタイプを開発する。本システムは、ダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性シリコン集積回路から構成され、将来的な用途としてデブリ調査用中性子検出器、臨界近接監視モニタ、圧力容器内ドライチューブ調査用中性子検出器等への適用が想定される。本開発では、5mm角相当のダイヤモンド検出素子100枚規模からなるプロトタイプを開発し、システム構築技術の獲得とシステム性能を評価する。あわせて未臨界度評価手法の開発を進める。令和6年度は、北海道大学では自立膜型ダイヤモンド検出素子の量産技術の確立が進んだ。産業技術総合研究所(AIST)ではCVD法による検出器用積層膜の成膜条件の探索が進んだ。高エネルギー加速器研究機構(KEK)では改良したASICの動作確認ができ、配線用印刷装置を使用して検出素子を信号処理回路基板に実装し、中性子の計測試験を行った。名古屋大学を中心に進めている臨界近接監視手法の開発は基本的検討が進み、近畿大学原子炉(UTR-KINKI)でのダイヤモンド中性子計測システムの評価試験を計画している。九州大学、原子力機構に関しても
線照射場、熱中性子等方場でのダイヤモンド中性子計測システムの評価が予定通り進んだ。
入江 健太; 寺田 宏明; 川村 英之; 高野 公秀
Journal of Environmental Radioactivity, 299, p.108140_1 - 108140_20, 2026/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)本研究では、爆発に伴う初期条件を大気拡散シミュレーションに明示的に導入するため、Explosive-release Particle Tracking Model(EPTM)を開発し、Worldwide version of System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information(WSPEEDI)と結合した。開発したモデルは、爆発直後の粒子挙動を解像するとともに、その後の大気輸送計算に対して物理的に妥当な初期条件を与えることを目的としている。EPTMの有効性と影響を検証するため、理想化した気象場を用いた数値実験を実施した。その結果、爆発による初期運動の影響は爆発地点近傍における濃度および地表沈着に対して顕著である一方、輸送距離の増加とともに次第に小さくなることが示された。爆発直後には、爆発ケースにおいて放射性物質の急速な鉛直再分配が生じる。この鉛直再分配により、非爆発ケースと比較して、放出源近傍では地表付近の濃度および地表沈着量が増加した。その結果、爆発地点近傍における大気中濃度の極大値や地表沈着パターンは、EPTMによって表現される爆発駆動型の初期条件に強く支配されることが分かった。一方、風下域では、爆発ケースと非爆発ケースの間の大気中濃度および地表沈着の差は小さくなった。これは、水平移流および乱流拡散が濃度分布と沈着分布を支配することで、プルームの発達に伴い初期爆発の相対的な影響が低下するためである。さらに、爆発エネルギーが増加すると、爆発地点近傍における大気中濃度および地表沈着のコントラストは増幅される一方で、風下域の濃度および沈着分布への影響は限定的であることが示された。
武田 匡樹; 大野 宏和; 伊藤 剛志*; 四辻 健治*; 深津 勇太; 佐藤 智文*; 舘 幸男
Journal of Nuclear Science and Technology, 63(9), p.1071 - 1085, 2026/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)Diffusion and sorption of radionuclides in potential host rocks are key processes controlling the safe geological disposal of radioactive waste. To set reliable parameters of diffusion and sorption relevant to safety assessment, it is necessary to understand these processes under laboratory and in situ conditions, and to confirm the consistency or the relationship of these parameters (
e and
d) between both conditions. This paper focused on comparative experiments and modeling of diffusion and sorption of Cs for both in situ and laboratory conditions in siliceous mudstone in 350 m Gallery at the Horonobe Underground Research Laboratory (URL) in northern Hokkaido, Japan. The
e values for Cs were consistent between in situ and laboratory results, indicating typical cation excess and porewater salinity effects. The effect of the diffusion direction, parallel or perpendicular to the bedding plane was not significant. The
d values for Cs were also consistent between in situ and laboratory results, indicating the porewater salinity effect. The clay-based modeling approach, which considers the major contributions of clay minerals through cation excess diffusion by electrostatic interaction at the clay surface, and the component additive cation exchange reactions, could interpret the diffusion and sorption behavior of Cs under different salinity conditions and for both in situ and laboratory conditions.
若井 隆純; 安藤 勝訓; 岡島 智史; 豊田 晃大; 石上 勝夫*; 小沼 輝充*; 高橋 亮耶*; 浅山 泰
日本機械学会論文集(インターネット), 92(961), p.26-00004_1 - 26-00004_12, 2026/09
ナトリウム冷却高速実証炉への適用を目的として、新たな材料監視技術の開発に取り組んだ。この技術は、試験体を原子炉内に挿入し、試験片を観察・評価して劣化の程度や残存寿命等の情報を得ることにより、材料劣化プロセス、すなわち疲労およびクリープ疲労損傷の把握を可能とする。この技術を確立するため、受動式クリープ疲労試験体を設計・製作し、電気炉を用いて繰返し温度変化を与える実証試験を実施した。実証試験後の観察の結果、座屈は生じておらず、また、破面観察の結果、疲労またはクリープ疲労によって破損が引き起こされたと推測され、この技術のナトリウム冷却高速実証炉への適用見通しを得ることができた。
眞田 幸尚; 須山 賢也; 飯島 和毅
日本原子力学会誌ATOMO
, 68(8), p.529 - 533, 2026/08
福島第一原子力発電所(1F)の廃炉および環境回復は、作業対象や作業環境に関する情報取得が高線量等により制約される中で進められる、極めて不確実性の高い長期的事業である。このため、廃炉の各段階において求められるのは、不確実性を完全に解消することではなく、不確実性が残る状況を前提として、将来の工程選択肢を狭めないための技術基盤をあらかじめ整備しておくことである。CLADSでは、燃料デブリや放射性廃棄物の性状把握、分析・処理・保管・処分に関する基礎・基盤研究を通じて、多様な技術オプションを幅広く準備・維持することを研究戦略の中核としてきた。本稿では、廃炉全体工程に内在する判断点を俯瞰的に整理した上で、CLADS研究のうち、現状把握や戦略検討に直接関与する研究を判断・意思決定との関係から位置づけるとともに、その他の工程において将来の選択肢を確保するための研究の役割を整理する。これにより、CLADSの基礎・基盤研究を、高い不確実性を前提とした研究基盤として捉え直し、1F廃炉・1F周辺の環境回復における研究の意義と今後の展望を示す。
福島廃炉安全工学研究所*
JAEA-Evaluation 2026-004, 29 Pages, 2026/07
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)及びこの大綱的指針を受けて作成された「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成29年4月1日文部科学大臣決定)、並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」(平成17年10月1日制定、令和2年4月22日改正)等に基づき、令和8年3月2日に「東京電力福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発」に関する中間評価を福島研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、福島研究開発・評価委員会は、委員会において定められた評価方法に従い、原子力機構から提出された令和4年度
令和7年度までに実施された研究開発について評価を実施した。本報告書は、福島研究開発・評価委員会より提出された中間評価の内容をとりまとめたものである。
Hg region; Derivative analysis approachKattikat Melcom, D. T.*; Tsekhanovich, I.*; Guezet, F.*; Andreyev, A.*; 西尾 勝久
Physical Review C, 114(1), p.014627_1 - 014627_8, 2026/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)Existence of several fission modes (paths) comes from the nuclear structure of fissiong system, and it has been discussed from the measurement of fission-fragment mass (FFMD) and total kinetic energy (TKE) distributions. For some cases, especially fission from highly excited states, the obtained FFMDs are in general structureless, which makes the identification of fission modes ambiguous and analysis dependent. It has been thus desired to develop a robust analysis approach aiming at identification of a number of major fission modes in FFMDs. For this purpose, we propose a method to calculate the second derivative of FFMD. Number of detected minima on the second derivative curve is relevant to the number of fission modes and thus determines the structure of the fit function to be used for the FFMD and TKE data description. This approach was adopted to the high-energy fission of
Hg, populated by the
Ar+
Sm fusion reaction at the JAEA tandem facility. Compared to the previous analysis assuming only single asymmetric fission mode, the current approach shows also the signature of symmetric fission mode.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2026-007, 65 Pages, 2026/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「高線量かつ不可視環境下での炉内可視化を可能とするレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ切り出し作業の安全性を最大限保証するため、作業中におけるダストおよび濁水環境下での炉内構造物/燃料デブリ形状および飛散物の可視化を数メートルオーダーの距離で可能とし、ロボットや作業アームへの搭載を鑑みて、小型かつ可搬性に優れた超音波装置を用いたレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発を目的としている。令和6年度は、超音波イメージングシステムのイメージング性能評価および高度化/高速化検討、数値シミュレーション、システム試作と実スケール検証、耐放射線性検証、超音波サブミリ測距システムの構築、LIBSへの超音波サブミリ測距システムの適用、計測システムのバッテリ駆動遠隔化などを行い、本報告書に取りまとめた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2026-003, 173 Pages, 2026/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ研究とSEEM学構築を基軸とした研究人材育成」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、不確実な苛酷環境下でのより合理的な意思決定を可能とする『シビアエンジニアリングマネジメント学(SEEM学)』の構築に資することを主眼とし、あわせて1F廃炉における中心課題である燃料デブリの取り出し・長期保管および処理・処分の学術基盤を支える研究人材の育成を図るため、令和6年度から令和10年度までの予定で異分野の専門家が有機的連携のもとで複数の研究ならびに人材育成タスクを推進するものである。初年度である令和6年度は、最終的な研究成果を得るために設定した【SEEM学分野】【専門分野1
2】および【共通工学分野1
3】において、具体的な研究方法を明確にして研究の方向付けを行うとともに、必要な試験・解析等を実施するための諸準備を行い、本格的な研究を行うための諸条件を整える必要があった。また、人材育成面においては、原子炉廃止措置に関する教育プログラムの運営およびSEEM学関連科目の企画検討を進める必要があった。このため、具体的な研究方法の検討や必要な試験などを実施するための諸準備を行い、本格的な研究を行えるよう諸条件を整えるとともに、一部の計測システム構築および解析、人材育成面の検討等を実施し、所定の成果を挙げることを目的とした。この目的のもとに、令和6年度の成果目標および実施方法を業務計画として定め、計画通り実施し、各技術分野および教育・人材育成活動においてそれぞれ目標とした成果を挙げることができた。
堀 順一*; 木村 敦; 寺田 和司*
JAEA-Conf 2026-001, 165 Pages, 2026/06
2024年度核データ研究会は、2024年11月14日
15日に、大阪府熊取町にある「熊取交流センターすまいるズ煉瓦館」にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会および京都大学複合原子力科学研究所が主催、日本原子力学会「シグマ」調査専門委員会、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センター、高エネルギー加速器研究機構が共催した。研究会では、6つの口頭発表のセッションとポスターセッションが開催され、17件の講演と29件のポスターが発表された。参加者数は80名で、それぞれの口頭発表およびポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会における口頭発表8件、ポスター発表19件の合計27件の論文を掲載している。
相馬 康孝; 小松 篤史; 五十嵐 誉廣
Corrosion Science, 265, p.113182_1 - 113182_13, 2026/06
被引用回数:1 パーセンタイル:71.18(Materials Science, Multidisciplinary)This study investigates the ion enrichment behavior inside stainless steel crevices in a very dilute solution (water containing 10~ppb Cl
), under conditions where no localized corrosion occurred. In~situ measurements of the crevice potential (
) and solution conductivity (
) were performed and analyzed using a finite element model. In crevices with sufficiently large depth-to-gap ratios (
), an initial decrease in
increased the potential difference between the crevice interior and the external surface (
), thereby promoting an increase in
due to chloride accumulation. At later stages,
increased owing to a decrease in pH and a reduction in the IR drop, causing
to peak and subsequently decrease. Larger
ratios resulted in lower
and higher
. For the largest
condition investigated (
~mm,
m),
and
reached 0.218~V and 195.3~
S
cm
, respectively, after
~s, corresponding to an estimated chloride enrichment factor exceeding
. These results indicate that a driving force for chloride enrichment can be sustained for long durations even in passive crevices.
Zr(n,
)
Zr and
Zr(n,
)
Zr reactions at JRR-3中村 詔司; 木村 敦; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.; 芝原 雄司*
Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.653 - 666, 2026/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)Decommissioning of nuclear facilities generates a wide variety of wastes in large quantities. To make matters more complicated, they are radioactive wastes due to neutron activation. Thus, the neutron capture cross-sections of decommissioned nuclides are required to evaluate the produced radioactivity. This study selected
Zr and
Zr nuclides from the nuclides targeted for decommissioning, and aimed to measure the thermal-neutron capture cross-sections of
Zr and
Zr, which contribute to the production of
Zr and
Zr, respectively. Considering the relatively small cross-sections of Zr isotopes, measurements were performed by a neutron activation method using the pneumatic tube PN-3 of the Japan Research Reactor-3 (JRR-3) because its thermal-neutron flux is 250 times larger than that of the graphite thermal column of the Kyoto University Research Reactor. A natural Zr foil was irradiated in the PN-3 and subjected to
-ray spectrometry. The thermal-neutron capture cross-sections were derived according to Westcott's convention to be 50.9
0.6 millibarns for the
Zr(n,
)
Zr reaction, and 21.9
0.3 millibarns for the
Zr(n,
)
Zr reaction. These results are consistent with recent evaluation and experimental data. It was demonstrated that the thermal-neutron capture cross-section of the order of millibarns could be straightforwardly measured by using the PN-3 of JRR-3.
中村 詔司; 芝原 雄司*; 木村 敦; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.
KURNS Progress Report 2025, P. 101, 2026/06
本研究は、生成放射能を評価するために、廃止措置で問題となる核種について熱中性子捕獲断面積を測定するものである。本件では、対象核種の中から
Wを選定し、京大原子炉にて放射化法によりその熱中性子捕獲断面積を測定した。今回、結果の再現性を確認するために2回の断面積測定を行い、
W(n,
)
W反応について43.5
1.2 barns、43.1
1.3 barnsを得た。従来の評価値38.1
0.5 barnsは、1.4%ほど過小評価されている可能性がある。得られた断面積の結果の確かさを検証するために、Wを中性子束モニタとして使用した照射実験を1回実施した。今回得られた断面積の結果は、AuやCoモニタで求められる中性子束の結果と整合性のある中性子束を与えることを確認できた。
バックエンド技術部
JAEA-Review 2026-008, 39 Pages, 2026/05
本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所バックエンド技術部における2024年度の活動を報告するものである。所掌する施設の運転・管理、放射性廃棄物の処理・管理、施設の廃止措置に関する業務、これらに関連する技術開発業務の概要をとりまとめた。2024年度の放射性廃棄物の処理実績は、可燃性固体廃棄物が約165m
、不燃性固体廃棄物が約185m
、液体廃棄物が約232m
であった。2024年度末の累積保管廃棄本数(200Lドラム缶換算)は前年度から937本増の119,601本となった。また、放射性廃棄物処理場の新規制基準対応を進めた。廃止措置に関しては、再処理特別研究棟及びプルトニウム研究1棟において、機器の撤去等を実施した。また、技術開発においては、廃棄物放射能評価法の構築に向けた廃棄物試料の放射能データの取得や環境省及び東海村の要請により福島第一原子力発電所事故に伴い発生した除去土壌の埋立処分に関する実証事業に取り組んだ。
Batsaikhan, M.; 大場 弘則*; 狩野 貴宏; 赤岡 克昭; 若井田 育夫*; 岩田 圭弘; 坂本 寛*
Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 41(4), p.1324 - 1335, 2026/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)This study presents the development and application of a fiber optic laser-induced breakdown spectroscopy system designed for remote, in situ analysis of nuclear fuel debris at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS). The system was deployed for the first time in a hot cell under high radiation to analyse an actual Boiling Water Reactors spent fuel sample as an exemplar of FDNPS fuel debris. The system successfully identified the main fuel components along with several long lived fission products and related markers such as Sr, Cs, Mo, Ba, and Rb. The emission intensity of the Ba, Rb, and Cs near the periphery region was slightly higher than at the center of the fuel. This indicates a higher concentration of these elements in that area.
広田 憲亮
JAEA-Review 2025-054, 132 Pages, 2026/03
近年、カーボンニュートラル実現のため、各国で原子力発電所の運転延長や新設が議論されている。日本では、2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所事故後、新規制基準を満たした軽水炉のみが再稼働を果たしているが、想定以上に審査に時間を要している。特に再稼働した軽水炉の多くは加圧水型軽水炉(PWR)であり、福島第一原子力発電所の炉型である沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働は遅れている。ところで、原子力発電所での応力腐食割れ(SCC)は、これら原子力発電所の安全性を脅かす問題であり、材料や環境条件によってその影響が異なる。特に、SUS304やSUS316等のステンレス鋼は酸化皮膜や残留応力の存在により、クラックが発生しやすい。これまでの対策として、材料組成の改良や圧縮残留応力を付与するレーザピーニング等が試みられてきたが、高温環境下で長期間圧縮残留応力を保持していられるか否かはいまだ不透明である。そこで、本研究では、SCC抑制の新たなアプローチとして、結晶粒微細化加工技術に注目し、ステンレス鋼の結晶粒微細化を可能とする創製プロセスを確立した。次に、この創製されたステンレス鋼を用いて、原子炉運転環境下でのSCCによるクラック発生に及ぼす結晶粒微細化の影響を系統的に分析し、SCC発生抑制効果について、そのメカニズムを調査した。さらに、実用的な観点で、表層部のみに結晶粒微細化プロセスを適用する方法を提案し、そのSCC抑制効果を評価した。これらの結果は、原子力発電所の長期運転時のSCC抑制に大きく貢献するとともに、シュラウド構造部材の長寿命化に重要な役割を果たす技術であると期待される。
宇佐美 博士; 伊藤 倫太郎; 眞田 幸尚
JAEA-Review 2025-050, 57 Pages, 2026/02
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃止措置は、長期にわたるプロジェクトであり、このようなプロジェクトを遂行していくには、今後の廃止措置を担う若い技術者や研究者の育成が必要かつ喫緊の課題となっている。この課題に対し、福島廃炉安全工学研究所廃炉環境国際共同研究センターでは、廃炉研究に取り組んでいる学生のための「次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス(Conference for R&D Initiative on Nuclear Decommissioning Technology by the Next Generation: NDEC)」を2016年から継続的に開催してきている。NDECは、人材育成と若手研究者ネットワーク形成を目的とした学生の研究成果発表の場であり、廃止措置に関係する若者が互いに成果を発表し、切磋琢磨することで研究活動に対するモチベーションを高めることを目的として実施している。第10回目となるNDEC-10を、2025年2月26日(水)-27日(木)の2日間にわたり、福井県敦賀市の文化交流センター「プラザ萬象」で開催した。本報告集は、これらの発表内容をまとめ、NDECの活動を広く周知するために公開するものである。
Kam, D. H.*; Grabaskas, D.*; 岡野 靖; 内堀 昭寛; Starkus, T.*
Nuclear Technology, 212(2), p.347 - 364, 2026/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)In sodium-cooled fast reactors, iodine gas may be retained during bubble transport through the sodium pool. Data was collected from past experimentation and used for model validation, and considered for validation includes various parametric conditions regarding the sodium pool and injected gas mixture. According to the assessment, the approach with bubble sizes from past experimentation leads to underestimates of iodine removal. The predictability of iodine removal is improved in sodium-cooled fast reactors, which supports the impact of small-sized bubbles that promotes a mass transfer through the enlarged surface area.
中嶋 瞭太; 酒井 達弥; 谷 陸; 半田 雄一; 砂押 瑞穂*; 井上 秀毅*; 山田 悟志; 清水 修
JAEA-Technology 2025-012, 39 Pages, 2026/01
再処理特別研究棟は1996年から廃止措置に移行し、施設内の設備・機器の解体作業を実施してきた。2022年10月からのグローブボックス等の解体撤去作業では、埋設施設へ処分する際に要求される技術上の基準に適合する廃棄体を作製することを目的として、「解体物分別マニュアル」を作成し、発生した解体廃棄物の分別・仕分け作業を実施した。本報告は、「解体物分別マニュアル」に従い実施したグローブボックス等の解体撤去作業で発生した解体廃棄物の分別・仕分けの結果及び得られた知見についてまとめたものである。
Pu
Am
O
Vauchy, R.; 堀井 雄太; 廣岡 瞬; 赤司 雅俊; 砂押 剛雄*; 中道 晋哉; 齋藤 浩介
Proceedings of 34th Nuclear Energy for New Europe (NENE2025) , p.232 - 238, 2026/01
The oxygen chemical diffusion of fast neutron reactor MOX U
Pu
Am
O
was investigated by thermogravimetric analysis between 1773 and 1923 K, using an innovative experimental procedure. At a given temperature, the oxygen chemical diffusion coefficients were shown to decrease when the Oxygen/Metal ratio decreases (in hypo-stoichiometry). The variations of the oxygen chemical diffusion coefficients as a function of temperature and oxygen partial pressure (hence oxygen stoichiometry) were paralleled to a defect chemistry model.