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論文

ダイナミクス解析装置DNAの実用化; 背面反射結晶アナライザー型高エネルギー分解能中性子分光器の系譜

柴田 薫

波紋, 28(1), p.26 - 28, 2018/02

背面散乱中性子分光器の系譜とダイナミクス解析装置DNAの仕様を簡単に紹介する。DNA分光器は大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF)のパルス中性子源に設置されたSi結晶アナライザーを用いた飛行時間型(TOF)背面散乱分光器(n-BSS)である。DNA分光器と同系の、世界中で稼働中もしくは稼働していた主な研究用原子炉線源設置型およびパルス線源設置型の背面反射結晶アナライザー型高エネルギー分解能中性子分光器の概要を説明し、その中でのDNA分光器の特徴について解説した。

論文

The Evaluation of the 0.07 mm and 3 mm dose equivalent with a portable beta spectrometer

星 勝也; 吉田 忠義; 辻村 憲雄; 岡田 和彦

JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.070009_1 - 070009_6, 2016/11

市販のスペクトロメータを使用して、いくつかのベータ核種についてスペクトルを測定した。得られたスペクトルの形状は理論値とよく一致した。パルス波高分布にエネルギーごとのICRP74の換算係数を乗じて、任意の深さの線量当量を評価した。スペクトルから評価した線量当量は線量率基準とよく一致した。

報告書

レーザー誘起ブレークダウン発光分光法によるウランスペクトルの測定; 高分解能分光スペクトル(470-670nm)

赤岡 克昭; 大場 正規; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫

JAEA-Research 2016-005, 40 Pages, 2016/05

JAEA-Research-2016-005.pdf:1.82MB

$$gamma$$線・中性子線の影響が排除できない低除染マイナーアクチノイド含有混合酸化物燃料、あるいは高い放射線場に存在する東京電力福島第一原子力発電所事故で生成された燃料デブリの分析には、迅速かつ簡便な遠隔分析手法の開発が求められている。非接触で迅速かつ直接に元素分析できるレーザー誘起ブレークダウン発光分光法(LIBS)は、これらの分析に適用可能な方法の一つとして考えられる。LIBSを用いた核燃料物質の組成・不純物分析においては、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)等の複雑でスペクトル密度が高い核燃料物質の発光スペクトルと不純物のスペクトルとを明確に区別する必要がある。そのためには、これら核燃料物質のLIBSによる発光スペクトルを明らかにしなければならない。そこで、波長分解能が$$lambda$$/50000の高分解能Echelle型分光器を用いて、470-670nmの波長域の天然ウランの発光スペクトルを測定した。測定スペクトルに対し分光器の感度及び波長の較正を行うことにより、分析に使用可能と思われるスペクトルを同定し、LIBS用データとしてまとめた。また、エネルギー準位、振動子強度を明らかにするとともに、測定したスペクトルの波長及び振動子強度の評価値が公表されている値と矛盾なく一致することを示し、本データの信頼性を確認した。更に、新たなウランのスペクトルの同定を可能とする測定波長と絶対波長の相関及び測定振動子強度と既知の振動子強度の相関を求めた。

報告書

レーザー誘起ブレークダウン発光分光法によるウランスペクトルの測定; 高分解能分光スペクトル(350-470nm)

赤岡 克昭; 大場 正規; 宮部 昌文; 音部 治幹; 若井田 育夫

JAEA-Research 2015-012, 48 Pages, 2015/10

JAEA-Research-2015-012.pdf:2.22MB

低除染のマイナーアクチノイド含有混合酸化物燃料や福島第一原子力発電所事故で生成された燃料デブリの分析等では、迅速かつ簡便な遠隔分析手法の開発が不可欠である。レーザー誘起ブレークダウン発光分光法(LIBS)は非接触で直接しかも迅速に分析が可能な方法の一つであり、これらの分析への適用が重要視されている。LIBSを用いた核燃料物質の組成・不純物分析においては、ウランやプルトニウム等の複雑で密度が高い発光スペクトルを明らかにすることにより、不純物のスペクトルと区別することが重要である。そこで、波長分解能が$$lambda$$/50000の高分解能Echelle型分光器を用いて、350-470nmの波長域の天然ウランの発光スペクトルを測定し、感度及び波長の較正を行い、分析に使用可能と思われるスペクトルを同定し、LIBS用データとしてまとめた。また、エネルギー準位、振動子強度を明らかにするとともに、測定したスペクトルの波長及び振動子強度等が公表されている値と矛盾なく一致することを示し、本データの信頼性を確認した。更に、新たなウランのスペクトルの同定に必要な測定波長と絶対波長の相関及び振動子強度の測定値と既知の値の相関を求めた。

論文

Minor actinide neutron capture cross-section measurements with a 4$$pi$$ Ge spectrometer

小泉 光生; 長 明彦; 藤 暢輔; 木村 敦; 水本 元治; 大島 真澄; 井頭 政之*; 大崎 敏郎*; 原田 秀郎*; 古高 和禎*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.767 - 770, 2006/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:44.98(Instruments & Instrumentation)

原子核科学研究グループにおいては、文部科学省公募型特会事業において、マイナーアクチニドの中性子捕獲断面積を測ることを目的として、4$$pi$$Geスペクトロメータを使った実験装置の準備を行っている。実験は、京大炉の電子LINAC施設で行う予定で、TOF中性子ビームラインの整備はほぼ完了している。4$$pi$$Geスペクトロメータの建設は進行中である。並行して、デジタル処理テクニックに基づく新しいデータ収集システムの開発を行った。以上この事業の現状について紹介する。

論文

Mechanism of state-specific enhancement in photon-stimulated desorption as studied using a polarization-dependent technique

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Wu, G.*; 北島 義典*

Surface Science, 593(1-3), p.310 - 317, 2005/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.11(Chemistry, Physical)

回転型飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)を用いて、分子固体表面最上層で起こる結合解離と脱離過程における分子配向効果を研究した。凝縮塩化ベンゼンの質量スペクトル,電子収量法,イオン収量法による高分解能NEXAFSスペクトルの偏光角度依存性を報告する。凝集分子ではCl 2s$$rightarrow$$$$sigma$$*$$_{C-Cl}$$共鳴励起でCl$$^{+}$$イオン収量が増加する現象に関して顕著な配向効果が観測された。下層による緩和に表面上の分子の結合方向が大きく影響を受けることから、この配向効果には電荷中性化緩和が重要な役割を果たしている。$$pi$$*$$_{C=C}$$共鳴励起では偏光依存性を全く示さなかった。このことから離れた原子を内殻励起しても「遠い」結合には直接解離が起こらず、おもに2次電子により解離が引き起こされるものと考察する。

論文

Direct and indirect processes in photon-stimulated ion desorption from condensed formamide

池浦 広美*; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 今村 元泰*; 松林 信行*; 島田 広道*

Surface Science, 593(1-3), p.303 - 309, 2005/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:26.95(Chemistry, Physical)

われわれが近年開発した脱離イオン種をプローブとする(XAFS)分光法の基礎データ拡充のため、ホルムアミド分子の凝縮系試料の実験を行った。分子内のC, N, O元素におけるXAFS測定が可能でありC-H, N-H結合を区別して最表面の配向構造分析することが可能であることが示された。さまざまなX線励起エネルギー,生成物種,励起偏光角度について測定した飛行時間質量スペクトルから生成物が放出される際の初期運動エネルギーを求め、イオン脱離機構を調べた。運動エネルギーは発生メカニズム(直接解離/間接解離機構)を大きく反映すること、また多成分存在することが示された。

論文

Design of a single moderator-type neutron spectrometer with enhanced energy resolution in energy range from a few to 100 keV

谷村 嘉彦; 三枝 純; 吉澤 道夫; 吉田 真

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 547(2-3), p.592 - 600, 2005/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:50.2(Instruments & Instrumentation)

最適な中性子スペクトロメータの減速材構造をMCNP-4Bを用いて設計した。当該スペクトロメータは、円筒状の減速材及び位置検出型熱中性子検出器で構成されており、減速材軸上の熱中性子束分布から入射中性子のエネルギー分布を得ることができる。入射側減速材の一部に低水素密度材を用い、熱中性子の拡散を抑制する熱中性子吸収材を設置することにより、数10から100keVの低エネルギー中性子に対するエネルギー分解能を改善した。設計したスペクトロメータは、数keVから20MeVまでの範囲で中性子エネルギー分布の測定に適用できる。

報告書

RI・研究所等廃棄物のクリアランスレベル確認のための非破壊$$gamma$$線測定要素技術の開発

堤 正博; 大石 哲也*; 山外 功太郎; 吉田 真

JAERI-Research 2004-021, 43 Pages, 2004/12

JAERI-Research-2004-021.pdf:8.55MB

微弱放射線モニタリング技術の開発の一環として、RI・研究所等廃棄物に対するクリアランス確認測定システムの設計及び開発を行った。本研究では、非破壊$$gamma$$線測定技術を高度化することにより、200リットルドラム缶やコンテナ中に含まれる放射性核種を定量することをねらった。しかしながら、RI使用施設や研究所から発生する廃棄物では、原子炉施設からの廃棄物とは異なり、多種多様な核種が対象となる,また核種の存在比も一定ではない,偏在した放射能分布を想定しなければならないなど、解決すべき課題が多い。これらに対処するために、それぞれの課題ごとに機能向上を図った、3つの$$gamma$$線測定装置(ユニット)を開発した。開発した測定ユニットは、(1)核種同定型検出ユニット,(2)位置情報型検出ユニット,(3)高効率型検出ユニットである。本報告書では、クリアランスレベル確認測定に向けた全体の設計方針及び開発した個々の$$gamma$$線測定ユニットの設計とその性能について考察する。

論文

高エネルギー粒子輸送解析のための中性子計測

西谷 健夫; 長壁 正樹*; 篠原 孝司; 石川 正男

プラズマ・核融合学会誌, 80(10), p.860 - 869, 2004/10

DTまたはDD燃焼を行うプラズマにおける高速イオン挙動の研究手段として中性子計測は非常に有効である。これらの燃焼プラズマにおける中性子発生過程と中性子計測法を手短かに説する。さらに中性子計測を利用した高速イオン挙動の研究の例として、JT-60の中性粒子(NB)加熱プラズマにおける中性子発生量測定を用いた中性子発生過程解析,短パルスNB入射後の中性子発生量応答を利用した高速粒子閉じ込め研究,トリトン燃焼による3MeVトリトンの閉じ込め研究,アルフベン固有モード時の高速イオン吐き出し効果研究及び$$alpha$$粒子ノックオン高エネルギーテイル測定による$$alpha$$粒子密度測定について紹介する。

論文

High efficiency indirect geometory crystal analyzer TOF spectrometer; DYANA dedicated to biology, planning in JSNS

柴田 薫; 田村 格良; 曽山 和彦; 新井 正敏; Middendorf, H. D.*; 新村 信雄

Proceedings of ICANS-XVI, Volume 1, p.351 - 354, 2003/07

生体高分子,生体物質及び関連するソフトマターの動的構造を研究することを主たる目的として計画,設計されている生物用非弾性散乱装置DYANAの最適化デザインの検討結果について述べる。本装置は、日本原子力研究所東海研究所において建設が進められている大強度陽子加速器施設プロジェクトのなかの物質・生命科学実験施設パルス中性子源に設置することが提案されている。DYANA分光器は逆転配置型結晶解析分光器でカバーするエネルギー・運動量範囲はそれぞれ数$$mu$$eV$$sim$$数meV, 0.1$$AA ^{-1}$$$$sim$$$$AA ^{-1}$$になる。これらの分光器の仕様により、蛋白質分子の運動を解析が可能になることが期待される。

論文

Creation of new McStas components of moderators of JSNS for developing new pulse spectrometer

田村 格良; 相澤 一也; 原田 正英; 柴田 薫; 前川 藤夫; 曽山 和彦; 新井 正敏

Proceedings of ICANS-XVI, Volume 1, p.529 - 539, 2003/07

大強度陽子加速器計画における物質・生命科学実験施設に設置されるパルス中性子分光器の設計のため、McStasを用いたシミュレーションのコンポーネントの作成を行った。物質・生命実験施設には3種類のモデレーターが設置される。大強度用には「結合型水素モデレーター」が使用され、高分解用には「非結合型水素モデレーター」と「非結合型ポイゾンド水素モデレーター」が使用される。モデレーターから発生する中性子は分光器の性能に大きく影響を与えるので、モンテカルロ・シミュレーションにおいては線源の正確な記述が重要になる。McStasは正確な記述が可能である。NMTC/JAERI97とMCNP4aを使用して得られたモデレーターの強度のエネルギー分布,時間分布を表現する関数を作成して変数の決定を行った。本稿では「結合型水素モデレーター」を見るport16のコンポーネント作成と「非結合型水素モデレーター」を見るport11のコンポーネント作成の報告を行う。

論文

飛行時間型質量分析計への画像検出法導入による同位体比測定におけるダイナミックレンジの向上

片山 淳; 古川 勝敏; 渡部 和男

分析化学, 52(6), p.461 - 467, 2003/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)

飛行時間形質量分析計(TOFMS)を用いた元素の同位体比測定におけるダイナミックレンジの拡大を目指し、イオンの画像検出法の導入を検討した。TOFMSのイオン検出器として位置検出型の蛍光板つきマイクロチャンネルプレート(MCP)を使用し、イオンを光としてカメラで計測した。レーザー共鳴イオン化したイオンビームが質量弁別された後、時間依存の電場へ入射させてMCP上に掃引した。CCDカメラで記録した光点群を解析し質量スペクトルを得た。開発した方法をカルシウムの同位体比測定に適用し、5桁以上のダイナミックレンジが得られた。

論文

Orientation effect on phot-fragmentation and ion-desorption from the topmost layers of molecular solids

関口 哲弘; 池浦 広美*; 馬場 祐治

Surface Science, 532-535(1-3), p.1079 - 1084, 2003/06

最近開発された回転型飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)と直線偏光放射光を用いて、分子固体表面最上層で起こる結合解離と脱離過程における分子配向効果を研究した。講演では凝縮ギ酸,ホルムアミド,ベンゼンの質量スペクトル,電子収量法,イオン収量法による高分解能NEXAFSスペクトルの偏光角度依存性を報告する。凝集ホルムアミド分子ではC1s$$rightarrow$$ $$sigma$$*$$_{C-H}$$共鳴励起でH$$^{+}$$イオン収量が増加する現象に関して顕著な配向効果が観測された。下層からの励起緩和には表面上の分子の結合方向が大きく影響を受けることから、この配向効果には内殻軌道励起による直接解離過程と電荷中性化緩和の両方が起こっていることが重要な役割を果たしていると結論された。また、あるイオン種は偏光依存性を全く示さなかった。例えば、HCOND$$_{2}$$においてC1s励起によるD$$^{+}$$イオン収量がそうであった。このことから内殻電子励起しても励起された原子から「遠い」結合には必ずしも直接的な解離は起こらず、解離が起こるとすれば2次電子により引き起こされるものと結論した。

報告書

大強度陽子加速器計画における中性子分光器開発のためのシミュレーション,1; モデレーター・コンポーネント作成

田村 格良; 相澤 一也; 原田 正英; 柴田 薫; 前川 藤夫; 曽山 和彦; 新井 正敏

JAERI-Research 2003-008, 34 Pages, 2003/03

JAERI-Research-2003-008.pdf:1.62MB

大強度陽子加速器計画における物質・生命科学実験施設に設置するパルス中性子分光器の開発のためモンテカルロ・シミュレーションを行っている。物質・生命科学実験施設に設置されるパルス中性子源には「結合型水素モデレーター」,「非結合型水素モデレーター」と「非結合型ポイゾンド水素モデレーター」の3種類のモデレーターが設置される。 パルス分光器では線源の特徴が分光器の性能に強い影響を与える。そのため実際に得られるスペクトルを正確に記述した線源のコンポーネントを作成しなければ詳細なシミュレーションを行うことができない。NMTC/JAERI97とMCNP4Aのコードを用いて各ビームポートごとに得られた72点のパルスシェイプをもとに、各ビームポートにおけるモンテカルロ・シミュレーションMcStas用の線源のコンポーネントを作成した。「結合型水素モデレータ」を線源とするビーム取り出し口ポート16と「非結合型水素モデレータ」を線源とするビーム取り出し口ポート11のそれぞれ1つのコンポーネントを作成した。

報告書

生物用非弾性散乱装置DYANAの概念設計

柴田 薫; 田村 格良; 曽山 和彦; 新井 正敏; 新村 信雄

JAERI-Research 2002-036, 30 Pages, 2003/03

JAERI-Research-2002-036.pdf:1.79MB

生体高分子,生体物質及び関連するソフトマターの動的構造を研究することを主たる目的として計画,設計されている生物用非弾性散乱装置DYANAの最適化デザインの検討結果について述べる。本装置は、日本原子力研究所東海研究所において建設が進められている大強度陽子加速器施設プロジェクトのなかの物質・生命科学実験施設パルス中性子源に設置することが提案されている。DYANA分光器は逆転配置型結晶解析分光器でカバーするエネルギー・運動量範囲はそれぞれ数$$mu$$eV $$sim$$ 数meV, 0.1 $$AA ^{-1}$$ $$sim$$$$AA ^{-1}$$になる。これらの分光器の仕様により、蛋白質分子の運動を解析が可能になることが期待される。

論文

Design of an anti-compton spectrometer for low-level radioactive wastes using Monte Carlo techniques

堤 正博; 大石 哲也; 木内 伸幸; 坂本 隆一; 吉田 真

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(9), p.957 - 963, 2002/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:24.08(Nuclear Science & Technology)

低レベルのRI・研究所廃棄物からの微弱な$$gamma$$線を計測するために、2$$pi$$ジオメトリーにコンプトン抑制を配したアンチコンプトンスペクトロメーターを設計した。対象とする試料は重くて大きいために、計測システムは試料側に対して前面開放型となる。本報告では、コンプトン抑制及び自然放射性核種に起源するバックグラウンド成分の低減に関する本システムの特性や特徴について、モンテカルロシミュレーションにより評価した。その結果、アンチコンプトン手法は高エネルギー$$gamma$$線によるバックグラウンドの抑制だけでなく、周囲のバックグラウンド自然放射線の低減に極めて有効な手段であることがわかった。

論文

Simulation of the background for $$gamma$$ detection system in the indoor environments of concrete buildings

堤 正博; 大石 哲也; 木内 伸幸; 坂本 隆一; 吉田 真

Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1109 - 1114, 2001/12

$$gamma$$線検出システムの屋内バックグラウンドスペクトルを評価するために、コンクリート建家内の$$gamma$$線放射線場についてモンテカルロ法による検討を行った。モデル化では、壁厚、部屋の形及び大きさを考慮し、屋内線源ジオメトリーについては、容易かつ効率的な計算ができるように球殻モデルを仮定した。このモデルをGe検出器が単独の場合とGe検出器をもっと複雑なシステムに組み込んだ場合とについてそれぞれ適用した。その結果、コンクリート厚を25cm、コンクリート中にU系列、Th系列、Kの自然3成分の均一分布を仮定することにより、屋内の放射線場をよく推定できることがわかった。ここで開発したモデルは、$$gamma$$線検出システムやその遮蔽における設計や最適化に有用である。

論文

Neutronics experiments for ITER at JAERI/FNS

今野 力; 前川 藤夫; 春日井 好己; 宇野 喜智; 金子 純一; 西谷 健夫; 和田 政行*; 池田 裕二郎; 竹内 浩

Nuclear Fusion, 41(3), p.333 - 337, 2001/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:11.47(Physics, Fluids & Plasmas)

ITERで発生する14-MeV中性子に起因するさまざまな核的問題に対処するため、原研FNSでは一連の核融合中性子工学実験をITER/EDAのR&Dタスクとして行ってきた。前回のIAEA会議では遮蔽に関してバルク遮蔽、ギャップストリーミング、核発熱及び誘導放射能実験を発表した。これらの実験を受けて、ITERのより複雑な遮蔽に対する設計精度を実証するために、ストレートダクトストリーミング実験を実施した。また、冷却材喪失事故時の安全性を担保するために、新たに崩壊熱測定実験を開始した。さらに、水の放射化を利用した信頼性の高い核融合出力モニターを開発した。本論文では、ITER/EDAのタスクとして原研FNSで新たに実施したこれらの実験の結果について報告する。

論文

Decay heat experiment featuring low-energy neutron induced tungsten-187 production in ITER baffle plates and its analysis

前川 藤夫; 和田 政行*; 今野 力; 春日井 好己; 池田 裕二郎

Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.809 - 814, 2000/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:43.65(Nuclear Science & Technology)

原研FNSにおいてITERバッフル板の崩壊熱測定実験を行った。バッフル板を模擬した12.6mm厚のタングステン板内に22枚の5$$mu$$mのタングステン箔を挿入してITER模擬中性子場で照射し、箔に生成した放射能による崩壊熱及び$$^{187}$$Wの放射能を測定した。また、MCNPコードによりタングステン板中における平均中性子束スペクトルと実効$$^{186}$$W(n,$$gamma$$)$$^{187}$$W反応断面積を計算し、これらを用いてACT4コードによりタングステン板中における崩壊熱を計算した。その結果、用いる放射化断面積の出展の違いにより計算結果は最大で50%も異なった。FENDL/A-2.0の放射化断面積を用いた計算値は実験値と約10%以内で一致し、最も良い結果を与えた。また、中性子束の自己遮蔽効果に考慮しない$$^{186}$$W(n,$$gamma$$)$$^{187}$$W反応断面積を用いた場合には崩壊熱を30%過大評価することがわかった。

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