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武田 全康; 壬生 攻*; 新庄 輝也*; 遠藤 康夫*; 鈴木 淳市
Physical Review B, 70(10), p.104408_1 - 104408_9, 2004/09
被引用回数:8 パーセンタイル:40.46(Materials Science, Multidisciplinary)中性子回折とメスバウアー分光を使って単原子層の非磁性Snを周期的に挿入したCr(001)/Sn多層膜のCrのスピン密度波(SDW)の構造について詳細に調べた。240nmの厚さのCr薄膜を基本構造として、全体の層厚を240nmに保ったまま、Sn層にはさまれたCr層の厚さを4.0nmから16.0nmになるように試料を作成した。すべての試料で、300KではバルクのCrで見られるSDW構造が観測されずに単純な反強磁性構造(CAF)を示すことがわかった。低温にすると、バルクでのSDWの波長よりも短いCr層厚を持つ4.0nmの試料では、このCAF構造はそのまま保たれているが、それよりも長いCr層厚を持つ試料では、低温でSDW構造に変わったが、その磁気構造はSn層できられたCr層の厚さによって大きく変化した。特に、Cr層厚が10.0nmの試料では温度領域によって、SDWの波長が非連続的に変化するのが観測された。これは、SDWを作ろうとするフェルミ面のネスティング効果で決まる波長とSnを挿入したことで導入された人工的な周期ポテンシャルによる競合の結果であると解釈される。
慈幸 範洋*; Almokhtar, M.*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 新庄 輝也*; 壬生 攻*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(Part2), p.1233 - 1234, 2004/05
Cr/Sn及びFe/Cr/Sn/Cr多層膜の磁性のエピタキシャル成長方向依存性を調べた。Fe/Sr/Sn/Cr多層膜では、(011)と(001)方向に成長させた多層膜において、Cr磁気モーメントが縮むことがわかった。また、(011)の方が(001)よりも影響を大きく受けることがわかった。80のCr層厚を持つCr/Sn多層膜では、(011)に成長した膜ではバルクで観測されるスピン密度波ではなく、単純な反強磁性構造が現れるが、(001)の場合には、膜面に垂直な波数ベクトルを持つスピン密度波が低温で観測された。
久保園 芳博*; 三村 和江*; 高林 康裕*; 前田 裕宣*; 柏野 節夫*; 江村 修一*; 西畑 保雄; 宇留賀 朋哉*; 田中 庸裕*; 高橋 昌男*
Journal of Synchrotron Radiation, 6(Part3), p.564 - 566, 1999/05
擬一次元系ポリマーであるRbCの約50Kでの金属-絶縁体相転移の起源を明らかにするために、RbC安定相のRb-K吸収端でのXAFSが、14.6から210Kの温度範囲で測定された。XAFSによって決められたRbとCの原子間距離と平均自乗変位は50Kで異常を示さず、その金属-絶縁体相転移はSDW不安定性を起源としていることが示唆される。