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藤原 理賀; 岡部 博孝*; 幸田 章宏*
Interactions (Internet), 245(1), p.13_1 - 13_6, 2024/12
量子状態を実験的に観測することは難しい。さらに、エキゾチックな量子状態が実現すると予測されている格子系の中には、理想的なモデル物質が見つかっていない系も存在する。銅鉱物の中には、未研究の低次元量子磁性体がまだまだ多く存在し、その数は年々増加している。我々は、銅鉱物が発見された自然環境を模倣することで7種類の銅鉱物の人工合成に成功し、さらにその量子状態を報告した。パルスミュオンの特性は、人工銅鉱物のスピン状態の調査に大変適している。その有用性を、fedotoviteのSR測定の結果を示しながら、紹介する。
柳澤 宏司; 梅田 幹; 求 惟子; 村尾 裕之
JAEA-Conf 2024-001, 10 Pages, 2024/07
国際臨界安全ベンチマーク評価プロジェクト(ICSBEP)ハンドブックのIEU-COMP-THERM-013(ICT-013)のTRIGA原子炉について、MVPコード第3版を用いたベンチマーク解析をJENDL-5を含む日米欧の核データライブラリにより実施した。中性子実効増倍率(k)に関する解析は、ICT-013と同様にICT-003で定義された別のTRIGA原子炉に対しても実施した。その結果、計算されたkはライブラリによって0.8%の範囲で変わることが確認された。またICT-013では、計算されたkに未知のバイアスが含まれていることが示唆された。ICT-013の制御棒価値に関する解析では、制御棒価値のライブラリ間の差異はkの差異よりも小さくなることが確認された。制御棒価値は二種類のkの逆数の差として得られるため、kの誤差の多くは相殺されると考えられる。ICT-013で定義された制御棒価値のベンチマーク計算方法と代替計算方法の違いについて、これらの方法による水平方向の中性子束分布の違いの観点から検討することを試みた。その結果、遅発臨界状態で全引き抜き状態の2本のシム制御棒については、制御棒価値の違いを上記の試みにより良く理解することができたが、一方遅発臨界を達成するために部分挿入された調整用制御棒については、その違いが十分に説明できないことが分かった。
江村 優軌; 高井 俊秀; 菊地 晋; 神山 健司; 山野 秀将; 横山 博紀*; 坂本 寛*
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(7), p.911 - 920, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)Boron carbide (BC)- stainless steel (SS) eutectic reaction behavior is one of the most important issues in the core disruptive accidents (CDAs) of sodium-cooled fast reactors (SFRs). In this study, the immersion experiments using BC pellets with molten SS were conducted to evaluate the CDA sequences such as contact event of solid BC with degraded core materials including SS at very high temperature. The immersion experiment aims at understanding the kinetic behavior of solid BC-liquid SS reaction based on the reduced thickness of BC pellet after the experiment in the temperature ranges from 1763 to 1943 K, which is higher than the temperature of solid BC-solid SS reaction. Based on the kinetic consideration of the reaction rate constants for solid BC-liquid SS reaction, it was found that similar temperature dependency was identified between solid BC-liquid SS and solid BC-solid SS. Besides, the reaction rate constants of solid BC-liquid SS were smaller than those of solid BC-solid SS extrapolated in higher temperature region by two or more orders of magnitude due to two different evaluation method for BC side/SS side. It was confirmed that this difference was reasonable through the consideration of previous reaction tests in solid-solid contact for BC side/SS side.
石田 真也; 内堀 昭寛; 岡野 靖
第28回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 4 Pages, 2024/06
本研究では、炉心損傷事故の起因過程から遷移過程までの一貫解析も可能な炉心損傷挙動評価モジュールの開発を行い、ナトリウム冷却高速炉のシビアアクシデント時の原子炉全体の挙動を一貫して評価する解析コードSPECTRAに導入した。本モジュールを含むSPECTRAの統合的な妥当性確認の一環として、混合酸化物(MOX)燃料炉心における炉心流量喪失時原子炉停止機能喪失事象(ULOF)を対象とした解析を実施し、冷却材の沸騰から燃料ピンの破損、損傷領域の拡大に至るまでの高速炉の炉心損傷事故を評価するための機能がSPECTRAに備わっていることを確認した。
石田 真也; 深野 義隆; 飛田 吉春; 岡野 靖
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(5), p.582 - 594, 2024/05
被引用回数:1 パーセンタイル:63.33(Nuclear Science & Technology)To improve the safety of future SFRs, the development of SFRs with low void reactivity has been promoted. Small SFRs can have a negative void coefficient of reactivity, so the analysis of the CDA event sequence in small SFRs is valuable for the investigation of the reactor characteristics for the future research and development of SFRs. In this study, the typical initiating events of a CDA in small SFRs were evaluated with the computational code, SAS4A. The event progression of ULOF and UTOP in the low void reactivity reactor is found to be slow due to the effective operation of the negative reactivity feedback and the absence of significant positive reactivity insertion. No power excursion occurs in the initiating phase. In ULOF, the cladding melt and relocation behavior becomes more important for the evaluation of the event progression due to its positive reactivity.
Deng, Y.*; 渡辺 幸信*; 真鍋 征也*; Liao, W.*; 橋本 昌宜*; 安部 晋一郎; 反保 元伸*; 三宅 康博*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 71(4, Part 2), p.912 - 920, 2024/04
半導体の微細化・省電力化に伴い、地上環境で生じるシングルイベントアップセット(SEU)へのミューオンの寄与に対する関心が高まっている。中性子起因SEUに関しては、半導体への照射方向がSEU断面積へ影響を及ぼすことが報告されている。そこで、ミューオン起因SEUにおける照射方向の影響について、実験およびシミュレーションによる研究を行った。その結果、パッケージ側照射で得らSEU断面積は、基板側照射で得たSEU断面積と比べて2倍程度高いことがわかった。また両者の差は、エネルギー分散に起因する透過深さの揺らぎ幅が、照射方向に応じて異なることが原因であることを明らかにした。
本多 真紀; Martschini, M.*; Marchhart, O.*; Steier, P.*; Golser, R.*; 坂口 綾*
放射線(インターネット), 48(4), p.130 - 136, 2024/02
ストロンチウム90(Sr、28.9年)は、体内では骨や歯に蓄積して健康障害を引き起こすため、内部被ばく線量評価において重要な核分裂生成物核種である。そのため、環境中のSrの分布やその経時変化(生物相におけるSrの濃縮)を知ることが不可欠である。Srの経年変化を調査するためには多くの環境試料を効率的に分析する必要がある。本稿ではSr AMSの実用化に向けて、オーストリア共和国ウィーン大学の3MV AMS施設(VERA: Vienna Environmental Research Accelerator)と共に実施した、Sr濃度既知の環境試料の分析成果に関して解説する。本研究では、Sr濃度が既知の環境試料(IAEA-447, IAEA-A-12, IAEA-TEL-2015-03 sample 5:各1 dry-g)を分析することでAMS法の妥当性を示した。本研究で開発した化学分離にかかる時間は約2日であり、従来の線検出法よりシンプルな手法である。Srの測定は、加速したイオンとレーザーの相互作用を利用した質量分析装置(ILIAMS)と組み合わせたAMSシステムで実施した。AMS法はSrの検出限界0.1mBq (1.310 atoms)を達成し、これは一般的な線検出の1/30である。この低い検出限界を達成した結果、AMS法はより少ないサンプル量でSrの定量が可能になり、例えばSr濃度が4 mBq/Lの日本の淡水試料では、5リットルの試料量で分析可能である。
小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 寺島 元基
KEK Proceedings 2023-2, p.155 - 160, 2023/11
本発表では、DGA resinを用いたY分離法のヒト歯や海水魚骨中のSr測定への適用結果を報告する。
小荒井 一真
放射化学, (47), p.24 - 27, 2023/03
歯や骨は硬組織と呼ばれ、形成時期のみに組織の基質が沈着し、形成後には組織が入れ替わらないという特徴をもつ。この特徴を活用することで、ウシの歯のSr測定から福島第一原子力発電所(1F)事故による環境中のSrの汚染の変化があったことを明らかにした。この成果などにより申請者が日本放射化学会奨励賞を受賞したことに伴い、本記事ではこれまでの研究成果について解説する。
柳澤 宏司; 梅田 幹; 求 惟子; 村尾 裕之
JAEA-Technology 2022-030, 80 Pages, 2023/02
連続エネルギーモンテカルロコードMVPと評価済み核データライブラリJENDL-5によって、ウラン水素化ジルコニウム燃料棒を用いるTRIGA型原子炉体系の臨界ベンチマーク解析を行った。解析対象は、国際臨界安全ベンチマークプロジェクト(ICSBEP)のハンドブックに掲載されているIEU-COMP-THERM-003とIEU-COMP-THERM-013の二種類のデータであり、中性子実効増倍率、制御棒等の反応度価値について旧バーションのJENDLを使用した結果と比較した。その結果、JENDL-5による中性子実効増倍率はJENDL-4.0よりも0.4から0.6%大きく、制御棒等の反応度価値は、JENDL-5とJENDL-4.0との有意な差は無いことが分かった。これらの解析結果は今後予定しているNSRRの制御棒反応度価値等の解析において、計算精度の確認の参考になるものと考えられる。
藤原 理賀; 萩原 雅人; 森田 克洋*; 村井 直樹; 幸田 章宏*; 岡部 博孝*; 満田 節生*
Physical Review B, 107(5), p.054435_1 - 054435_8, 2023/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)= 1/2ハイゼンベルグ直線鎖反強磁性体は、最も単純なスピンモデルであるが、様々な量子多体現象のプラットフォームを提供する。この論文では、準一次元反強磁性体KCuPOHOの磁性を報告した。 = 11.7(1) Kにおいて、格子整合な長距離反強磁性秩序が形成され、その磁気モーメントの大きさは0.31(1) である事がわかった。また鎖内相互作用と鎖間相互作用の大きさはそれぞれ172Kと4.25(4) Kと見積もられ、/の比は0.0247(3)である。中性子非弾性散乱実験により、より高温では、一次元ハイゼンベルグ量子スピン鎖の特徴である連続体励起スペクトルが観測され、より低温では、分散励起にスピンギャップが観測された。これらの結果は、弱く結合した = 1/2ハイゼンベルグスピン鎖系で観測される性質と一致する。
Zhang, T.*; 守田 幸路*; Liu, X.*; Liu, W.*; 神山 健司
Annals of Nuclear Energy, 179, p.109389_1 - 109389_10, 2022/12
被引用回数:1 パーセンタイル:27.23(Nuclear Science & Technology)The ID1 test was the final target test of the EAGLE experimental framework program. It was used to verify that during a core disruptive accident, the molten fuel could be discharged via wall failure of an inner duct in FAIDUS, a design concept for the sodium-cooled fast reactor. The ID1 results revealed that the wall failure behavior owed to the large heat flow from the surrounding fuel/steel mixture. The present study numerically investigated the heat transfer mechanisms in the test using the finite volume particle method in the three-dimensional domain. The thermal hydraulic behaviors during wall failure were reproduced reasonably. The present three-dimensional simulation mitigated inherent defects of our previous two-dimensional calculation and clarified that the solid fuel and liquid steel close to the outer surface of the duct can expose the duct to high thermal loads, resulting in the wall failure.
本多 真紀
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan, 70(4), p.282 - 283, 2022/12
加速器質量分析(AMS)における計測技術と化学分離技術の発展によって、AMSでPu (半減期8.110年)、Fe (半減期2.6210年)、Sr (半減期28.9年)の高感度分析が可能になった。これによって、例えば海底堆積物の一種である鉄・マンガンクラスト中のPuを分析した研究では、これまでは核実験由来のPuに埋もれていた、太陽系外から飛来したPuの定量に成功した。更に、Puは中性子星合体などで生成されることを明らかにする等、重元素の起源となる天体サイト(生成場)の解明に繋がる研究成果を得た。本トピックスではPu,Fe,Srについて、AMSを活用した研究の最前線を紹介する。
藤原 理賀; Jeschke, H. O.*; 森田 克洋*; 桑井 智彦*; 幸田 章宏*; 岡部 博孝*; 松尾 晶*; 金道 浩一*; 満田 節生*
Physical Review Materials (Internet), 6(11), p.114408_1 - 114408_8, 2022/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)= 1/2ハイゼンベルグ-反強磁性鎖は、エキゾチックなスピン状態の発現が予想されており、広く研究されている。この論文では、birchiteと呼ばれる銅鉱物、化学式CdCu(PO)SO5HOの磁気挙動とその有効スピンモデルについて報告する。帯磁率,磁化,比熱,SR測定による実験的研究から、0.4Kまで長距離秩序を示さないことがわかった。理論研究から、birchiteは-反強磁性鎖のモデル化合物であり、鎖内相互作用、は反強磁性的で、その大きさは鎖間相互作用の約100倍であることがわかった。の大きさはの大きさの23倍であるため、スピンギャップはの数%に過ぎないと予想される。比熱の温度依存性は約1Kでブロードなピーク( 0.036)を示し、スピンギャップの存在が示唆された。
高塚 大地*; 守田 幸路*; Liu, W.*; Zhang, T.*; 中村 武志*; 神山 健司
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 10 Pages, 2022/10
A 3D particle-based simulation code was developed to analyze jet impingement behavior, and the physical models for thermal-hydraulic interactions between molten jets and solid plates used in the code was validated by simulating existing jet impingement experiments. In addition, particle-based simulations were conducted to understand the impingement characteristics of molten MOX fuel jets on SS plates, and the erosion rate of the SS plate was evaluated. The results showed that fuel crusts formed on the plate potentially provide thermal protection and confirmed the effect of the plate erosion rate on the jet diameter under conditions where crust formation is dominant.
伊藤 孝
めそん, (56), p.21 - 26, 2022/09
近年、水素原子・イオン打ち込み技術の発展に伴い、熱力学的固溶限を超えて大量の水素を固体材料の格子間隙に強制的に導入できるようになってきた。これにより、絶縁体のホストを金属化するなどの振り幅の大きい物性制御が可能になりつつある。それとともに、低濃度ドープでは認知されなかった余剰電子の奇妙な振る舞いが明かになってきた。本稿では、代表的な電子材料の1つであるSrTiOを水素照射により金属化した際に、遍歴電子とともに局在電子が存在する痕跡が観測されたという事実に注目し、この局在電子の起源についてSR実験と密度汎関数理論(DFT)計算の結果に基づいて議論する。
松下 肇希*; 小林 蓮*; 堺 公明*; 加藤 慎也; 松場 賢一; 神山 健司
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-13) (Internet), 9 Pages, 2022/09
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故では、溶融炉心物質が制御棒案内管などの流路を通って炉心領域下の炉心入口プレナムに流れ込む。溶融炉心物質は、ナトリウム冷却材中で入口プレナムの水平板に衝突しながら冷却・固化されると見込まれる。しかし、水平構造物に衝突した溶融炉心物質の固化・冷却挙動は、これまで十分に研究されていなかった。これはナトリウム冷却高速炉の安全性向上の観点から解明が必要な重要な現象である。そこで、カザフスタン共和国国立原子力センターの実験施設において、模擬溶融炉心物質(アルミナ: AlO)を水平構造物上のナトリウム冷却材中に放出する一連の実験が実施された。本研究では、高速炉安全性評価コードSIMMER-IIIを用いたナトリウム試験に関する解析を実施した。解析結果と実験データの比較により、解析手法の妥当性を確認した。また、ジェット衝突時の冷却・固化挙動を評価した。その結果、溶融炉心物質が水平板への衝突により破砕され、周辺部へ飛散することがわかった。さらに、模擬溶融炉心物質がナトリウムによって冷却され、その後、固化することを確認した。
石田 真也; 深野 義隆
日本機械学会論文集(インターネット), 88(911), p.21-00304_1 - 21-00304_11, 2022/07
炉心損傷事故(CDA)の初期の段階である起因過程の評価に係る解析コードSAS4Aに関しては、これまでにCDAの代表的な事象である流量喪失時炉停止失敗事象(ULOF)に対してPIRT手法を適用し、評価手法の信頼性向上が図られている。本研究では、PIRT手法を用いてUTOPの分析を行って物理現象を抽出するとともに、それらの物理現象にランク付けを行って8つの重要現象を抽出し、ULOFとの違いを明らかにした。さらに、抽出した重要現象に対して評価マトリクスを作成し、評価マトリクスに沿って妥当性確認を行った。評価マトリクスの作成においては、UTOPの重要現象に対してULOFの評価マトリクスで網羅されていない部分に対して妥当性確認を行った。本研究によって、SAS4Aをより広範な事故事象へ適用することが可能となり、当該コードの信頼性を大きく向上させることができた。
神山 健司; 松場 賢一; 加藤 慎也; 今泉 悠也; Mukhamedov, N.*; Akayev, A.*; Pakhnits, A.*; Vurim, A.*; Baklanov, V.*
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Sustainable Clean Energy for the Future (FR22) (Internet), 9 Pages, 2022/04
To achieve in-vessel retention for mitigating the consequences of core disruptive accidents (CDAs) of sodium-cooled fast reactors, controlled material relocation (CMR) has been proposed as an effective safety concept. CMR is not only aiming at eliminating the potential for exceeding prompt criticality events that affect the integrity of the reactor vessel, but also enhancing the potential for the in-vessel cooling of degraded core materials during CDAs. Based on this concept several design measures have been studied, and, to evaluate their effectiveness, experimental evidences to show relocation of molten-core material were required. With this background, a series of experimental program called EAGLE (Experimental Acquisition of Generalized Logic to Eliminate re-criticalities) has been carried out collaboratively over 20 years between Japan Atomic Energy Agency and National Nuclear Center of the Republic of Kazakhstan (NNC/RK) using an out-of-pile and in-pile test facilities of NNC/RK. The EAGLE program is divided into three phases, they are called EAGLE-1, EAGLE-2 and EAGLE-3, to cover whole phase after core-melting begins. The subject for EAGLE-1 and the first half of EAGLE-2 is CMR in the early phase of CDA in which the core melting progresses rapidly driven by positive reactivity insertions. The subject for the latter half of EAGLE-2 and whole EAGLE-3 is CMR in the later phase of CDA in which the gradual core melting by decay heat and relocation and cooling of degraded core materials occurs. In the paper, the major achievement of the EAGLE program and future plans are presented.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2021-077, 217 Pages, 2022/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「アパタイトセラミックスによるALPS沈殿系廃棄物の安定固化技術の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、福島第一原子力発電所において大量に発生している水処理2次廃棄物のうち、長期的な安定化措置が求められている多核種除去設備(ALPS)沈殿系廃棄物中の放射性物質をアパタイトセラミックスに安定固定化する技術の確立を目的としている。令和2年度においては、大規模なアパタイト固化体製造が可能な方法として沈殿法を選び、模擬ALPS沈殿系廃棄物からのアパタイト・リン酸塩固化体の合成・成型条件を探査し、合成物や成型体の組成、構造、諸物性との相関を明らかにした。また、アパタイト固化体製造プロセスの確立のため、小規模及び工学規模のアパタイト固化体の製造試験を行い、合成・洗浄・加熱・固化の各工程での最適条件及び物質収支を明らかするとともに、実規模製造プロセスの基本設計における課題抽出及び装置設計条件をまとめた。さらに、固化体からの水素発生試験を行い、セメント固化体よりも水素発生が大幅に抑制されることを確認した。