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目時 直人; 金子 耕士; 松田 達磨; Galatanu, A.; 竹内 徹也*; 橋本 信*; 植田 泰輝*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦; Bernhoeft, N.*
Journal of Physics; Condensed Matter, 16(15), p.L207 - L212, 2004/04
被引用回数:92 パーセンタイル:93.38(Physics, Condensed Matter)反強磁性と超伝導の共存が期待される重い電子系超伝導体CePtSiの中性子散乱による研究を行った。面に平行かつ強磁性的に配列したCeの磁気モーメントが軸方向に反強磁性的に積層した磁気構造を示すことを明らかにした。磁気モーメントは0.3と近藤効果のためかなり縮んでいる。この磁気構造はスピン一重項及び三重項状態が共存しているとする主張と矛盾しない。1.4meV及び24meVに明確な結晶場励起を観察し、この物質が4f電子の局存的性格と、重い電子系超伝導が共存する非常に興味深い系であることを明らかにした。帯磁率の異方性と合わせて考えると、結晶場準位は基底状態,, が第一及び第二励起状態であると決定された。このうち基底状態と第一励起状態は立方晶四重項が弱い正方晶対称性によって1.4meVとわずかに分裂したと理解される。
長壁 豊隆; 曽山 和彦; 鈴木 浩二*; 三代 達也*
波紋, 14(1), p.84 - 87, 2004/01
超高圧や強磁場など極限環境下の中性子散乱実験では、実験装置の制約から試料が極小なものになってしまうが、これを補うため、NiC/Ti製の3Q仕様の中性子スーパーミラーを使用した熱中性子集光デバイスの開発を行った。この集光デバイスは、全長400mm程度のコンパクトなもので、全18枚の円形状ミラーを持つ。中性子散乱装置の第2コリメータから出て集光デバイスに入射した中性子は、円形状ミラーの内側で数回、等角度で反射を起こし、試料までの600mm程度の非常に短い距離で試料位置に集光するというものである。性能試験の結果、2.36の熱中性子に対して、試料位置の中性子積分強度で少なくとも2倍以上の利得があることが明らかになった。
金子 耕士; 目時 直人; Bernhoeft, N.*; Lander, G. H.; 石井 慶信; 池田 修悟; 常磐 欣文; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physical Review B, 68(21), p.214419_1 - 214419_9, 2003/12
被引用回数:59 パーセンタイル:88.50(Materials Science, Multidisciplinary)UTGa(T=Ni, Pd, Pt)は、強い遍歴性を示す反強磁性体である。この内Ni, Ptでは常磁性状態において、ほぼ同じ結晶構造を持ち、電子構造も酷似しているにもかかわらず、c底面内の最隣接間相互作用の符号が異なっている点は興味深い。粉末中性子回折実験による詳細な結晶構造解析の結果、構造の一部を成すUGaブロックの局所的な歪みにT=Ni, Pd, Ptで系統性があることを明らかにした。またTで磁歪の存在を見出し、それが3者の磁気構造の違いに対応した系統性を示している事を明らかにした。T=Ni, Ptについては、単結晶中性子回折実験から磁気形状因子を明らかにし、軌道磁気モーメントの大きな寄与の存在を明らかにするとともに、その凍結の度合いが、帯磁率における遍歴性と対応して、両者で大きく異なっている事を明らかにした。以上の結果から、UTGaにおけるUGaブロックの局所的な歪みが、最隣接間相互作用の符号に加え、磁歪,軌道磁気モーメントの凍結,遍歴性に密接に関与しているとともに、5fの遍歴系において軌道が重要な役割を演じる事を示唆している。