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小野 綾子; 上出 英樹; 小林 順; 堂田 哲広; 渡辺 収*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(9), p.1385 - 1396, 2016/09
被引用回数:15 パーセンタイル:74.16(Nuclear Science & Technology)自然循環方式崩壊熱除去系は全電源喪失時の高速炉における受動的安全性として重要である。日本で設計がすすめられているループ型高速炉の崩壊熱除去系は、DRACSおよびPRACSより構成される。自然循環状態のプラント内熱流動現象を把握することは信頼性の高い完全自然循環方式崩壊熱除去系を開発するために必要である。本研究では、プラントにおける自然循環を考慮した熱流動現象を理解するためにプラント過渡応答試験施設を用いたナトリウム試験を実施した。スクラム過渡を模擬したナトリウム試験はPRACSが自然循環条件でスムーズに起動すること、スクラム後に模擬炉心が安定に冷却されることを示した。さらに、ループの圧力損失係数を変化させた実験からは外乱事象に対するPRACSのロバスト性を示した。
小野 綾子; 小野島 貴光; 堂田 哲広; 三宅 康洋*; 上出 英樹
Proceedings of 2016 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2016) (CD-ROM), p.2183 - 2192, 2016/04
ナトリウム高速冷却炉において崩壊熱を除去するいくつかの補助冷却系が検討されている。そのうちの二つがPRACSとDRACSである。本研究では、炉心溶融を引き起こすようなシビアアクシデントを仮定した状況下においてPRACSとDRACSの適用性を確かめるために、模擬炉心やPRACS, DRACSが備え付けられているプラント過渡応答試験装置を用いてナトリウム試験を実施した。炉心溶融は集合体の入口をバルブで閉止することで模擬した。実験結果は、部分破損および全体破損をした炉心においても長期的に安定した冷却がPRACSやDRACSにより可能であることを示した。
竹田 武司; 浅香 英明; 鈴木 光弘; 中村 秀夫
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05
制御棒駆動装置貫通ノズルの周方向のクラックは、PWRの小破断LOCAを引き起こす可能性がある。しかし、原子炉容器上部ヘッド小破断LOCAに関する実験的及び解析的研究は少ない。このため、LSTFを用いて、破断サイズ0.5%の上部ヘッド小破断LOCA模擬実験を行った。実験において、上部ヘッドにおける蓄水が、破断流量を制御する現象となることを見いだした。制御棒案内管の貫通孔近傍が蒸気中に露出するまで、制御棒案内管を介して、上部プレナム内の冷却材は上部ヘッドに流入した。また、二相流放出過程において、上部ヘッドコラプスト水位の振動現象が見られた。RELAP5/MOD3コードは、二相流放出過程における破断流量を過大評価し、実験より早く炉心のボイルオフが開始した。そこで、二相流放出過程における放出係数を破断流量の測定値と比較し補正することにより、上部プレナムと炉心のコラプスト水位は実験結果とよく一致した。この二相流放出係数を用いて、高圧注入系不作動条件下で破断面積が炉心冷却に与える影響を調べた。破断面積が1.5
2.5%の場合、1次系圧力が蓄圧注入系の作動圧力まで低下することにより、炉心の温度上昇が抑制される可能性があることを示した。
井口 正; 柴本 泰照; 浅香 英明; 中村 秀夫
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-10), 16 Pages, 2003/10
BWR炉心では、核動特性と熱水力特性は常に相互に影響し合い、これを核熱結合と呼ぶ。従来は、炉外での核熱結合模擬は困難であった。これは、主として核動特性のリアルタイム模擬と高温・高圧でのボイド率のリアルタイム計測が困難であったことによる。著者らは、核動特性のリアルタイム模擬の手法を提案するとともに、リアルタイム計測が可能なボイド率計測手法を確立し、炉外での核熱結合模擬に成功した。この模擬手法を用いて、核熱結合条件でのチャンネル安定性データをTHYNCにより取得した。実験は、圧力2-7MPa,サブクーリング10-40K,質量流束270-667kg/m
sの範囲で行った。THYNCデータでは、核熱結合効果により、チャンネル安定限界は低下した。今回のTHYNC実験では実機の場合よりも核熱結合の影響が顕著となる条件設定であったが、非核熱結合条件の場合に比べて安定限界低下率は、圧力7MPaで10%以内であった。
高瀬 和之; 功刀 資彰
プラズマ・核融合学会誌, 73(8), p.781 - 785, 1997/08
核融合炉の真空容器内冷却材侵入事象ICE(Ingress of Coolant Event)及び真空境界破断事象LOVA(Loss of Vacuum Event)に関する予備実験を、国際熱核融合実験炉ITERのタスクとして1995年2月より3年間の予定で行っている。ICE予備実験は、核融合炉プラズマ対向機器内の冷却配管が破損して高温高圧水が真空容器中に噴出した場合の容器内の圧力上昇挙動、沸騰熱伝達特性等を調べる実験である。一方、LOVA予備実験は、真空容器貫通部分等が破損して真空境界が壊れた際に破断部分に生ずる密度差駆動型置換流の熱流動特性を調べる実験である。現在までに、ICE予備実験では系統内の減圧サプレッションタンクが有効に作用することを実験的に確認した。また、LOVA予備実験では破断位置と置換流量の関係を定量的に明らかにした。これらの実験結果は、ITERの熱流動安全性評価に用いられている解析コード(MELCOR,INTRA,TRAC等)の検証データとして利用されている。本報では、ICE及びLOVA予備実験の現状について解説的に報告する。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 奥村 啓介
Transactions of the American Nuclear Society, 71, p.527 - 529, 1995/00
原研では、原子炉の運転保守のために質の高いマンパワーをできるだけ必要としない受動的安全炉概念JPSRの開発を進めている。本論文では、受動的余熱除去系の改良、均圧型受動的冷却材注入系のための炉心補給水タンクの機能についての解析、主冷却材循環ポンプとしてのキャンドポンプの慣性の決定のための解析、並びに、均圧型受動的冷却材注入系の現象論的理解のための実験について述べる。受動的余熱除去系は、一次系の余熱を一時大容量の水プールに蓄え、小容量の放熱系で除熱する方式とした。また、このプールを圧力抑制、格納容器空気冷却、常用系の冷熱源として供用する設計とした。また、大破断冷却材喪失時の炉心補給水タンクの機能、並びに、ポンプの慣性を十分小さくできることの確認を行うとともに、炉心補給水タンク周りの現象を明らかにした。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 奥村 啓介
10th Proc. of Nuclear Thermal Hydraulics, 0, p.3 - 12, 1994/00
原研では、原子炉の運転保守のために質の高いマンパワーをできるだけ必要としない受動的安全炉概念JPSRの開発を進めている。本論文では、受動的余熱除去系の改良、均圧型受動的冷却材注入系のための炉心補給水タンクの機能についての解析、主冷却材循環ポンプとしてのキャンドポンプの慣性の決定のための解析、並びに、均圧型受動的冷却材注入系の現象論的理解のための実験について述べる。受動的余熱除去系は、一次系の余熱を一時大容量の水プールに蓄え、小容量の放熱系で除熱する方式とした。また、このプールを圧力抑制、格納容器空気冷却、常用系の冷熱源として供用する設計とした。また、大破断冷却材喪失時の炉心補給水タンクの機能、並びに、ポンプの慣性を十分小さくできることの確認を行うとともに、炉心補給水タンク周りの現象を明らかにした。
田坂 完二*; 今井 聡*; 正岡 久和*; I.D.Irianto*; 纐纈 英年*; 正置 昌義*; 安濃田 良成; 村田 秀男; 久木田 豊
Proc. of the Int. Conf. on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants,Vol. 2, p.17.6-1 - 17.6-6, 1992/00
固有安全軽水炉の一種であるPIUS炉は、1次系全体が低温のボロン水タンク内に納められており、上下2箇所のハニカムを境界として、1次系とボロン水が接している。通常運転時には、ボロン水と1次系水との水頭差と炉心流動抵抗とか釣合っている。事故時には、このバランスの崩れボロン水が水頭差によって1次系内に流入し、炉が停止する。この炉停止機能は、静的安全性という点で優れているものの、安定性に問題がある。本報は、下部ハニカム内の密度境界を安定化させる方法として、下部ハニカム中央温度をハニカム上下温度の平均値になる様に、主循環ポンプの回転数制御を行う平段を提案し、その有効性を、原子炉スタートアップ時、出力変化時について実験的に確認した。また、給水喪失時に、この制御が本来の固有安全性を失なうものではないことを確認した。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 秋本 肇; 岡崎 元昭; 井口 正
Proc. of the Int. Conf. on Design and Safety of Advanced Nuclear Power Plants,Vol. 3, p.24.1_1 - 24.1_10, 1992/00
従来型軽水炉についての大型再冠水試験等により、事故時の多次元効果が明らかになってきた。これらの知識は1次元又は多チャンネル1次元コードのモデル改良又は入力データの修正に使われ、従来型軽水炉の解析に役立てられてきた。一方、TRACコードのような多次元コードが開発され、原研では、多次元効果をTRACに組込み、REFLA/TRACコードを開発した。本コードによる高転換軽水炉、受動安全炉の解析を行ったところ、多次元効果が解析的に見い出された。すなわち、炉心及びその上、下部での自然循環による流体温度の均一化、一次系水とボロン水との混合が、1次元解析と大きく異なることが分かった。大型試験等の行われていない新型軽水炉の性能評価のためには、3次元熱水力コードを使用し、多次元効果を調べる必要があり、このことに同コードの重要性がある。