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中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(3), p.300 - 307, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)As nuclear facilities are dismantled in decommissioning, large amount of various waste is generated. Even more inconveniently, waste is radioactive due to neutron activation. Thus, the neutron capture cross-sections of nuclides targeted in decommissioning are required to evaluate the radioactivity produced. In this work, Fe nuclide was selected among objective nuclides for decommissioning, and its thermal-neutron capture cross-section was measured by a neutron activation method at the graphite thermal column of Kyoto University Research Reactor in 5-MW operation. The thermal-neutron capture cross-section was derived using
s convention. The present work obtained 1.36
0.03 barns for the
Fe(n,
)
Fe reaction. The present result supports the JENDL-5 evaluation within 2
. If updated with currently recommended nuclear data, some of the reported past data would support the present result.
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 14 Pages, 2025/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)In the decommissioning of nuclear facilities, large amounts of radioactive waste are generated due to neutron activation. In that case, neutron capture cross-sections of nuclides targeted in decommissioning are required to evaluate their radioactivities produced. The present study selected two nuclides, Er and
Hf, among objective ones for decommissioning, and thermal-neutron capture cross-sections for their parent nuclides were measured by the neutron activation method at the Kyoto University Research Reactor under 1-MW operation. The thermal-neutron capture cross-sections were derived on the basis of Westcott's convention. The present study obtained the results as follows: 8.19
0.35 barns for the
Er(n,
)
Er reaction and 13.57
0.14 barns for the
Hf(n,
)
Hf reaction. As a by-product, the measurements of the Hf sample also yielded 0.427
0.006 barns for the
Hf(n,
)
Hf reaction. This study revealed that some experimental and data evaluations differ from the present results by more than the experimental uncertainties.
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1361 - 1371, 2023/11
被引用回数:3 パーセンタイル:67.98(Nuclear Science & Technology)廃止措置の対象核種の中からNbについて、熱中性子捕獲断面積(
)および共鳴積分(I
)を放射化法により測定した。また、
Nbの半減期を質量分析により測定した。ニオブ93試料は、京都大学複合原子力科学研究所の研究炉に整備されている水圧輸送艦を用いて照射した。金-アルミ合金線、およびコバルト-アルミ合金線を用いて、照射位置における中性子束成分を測定した。厚さ25
mのガドリニウム箔を用いた照射も行って、熱および熱外中性子による反応率の寄与をより分けた。ガドリニウムの厚さから、カットオフ・エネルギーは0.133eVに設定した。ニオブ試料中に含まれている不純物により生成される
Taの放射能を減衰させるために、約2年間ニオブ試料を冷却した。
線スペクトロスコピーにより照射されたニオブ試料およびモニタの生成放射能を測定した。Westcottコンベンションに基づいて解析を行い、
およびI
を、それぞれ1.11
0.04barnおよび10.5
0.6barnと導出することができた。
線測定の後に、ニオブ試料の質量分析を行い、反応率を導出した。
線スペクトロスコピーと質量分析で得られたデータを組み合わせることにより、
Nbの半減期を、(2.00
0.15)
10
年と導出することができた。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(11), p.1388 - 1398, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:16.36(Nuclear Science & Technology)本研究は、放射性核種のNpを取り上げて、よく熱化された中性子場を用いて放射化法により
Npの熱中性子捕獲断面積を測定した。
Npの標準溶液を、照射試料に用いた。照射位置の中性子束は、
Sc,
Co,
Mo,
Taそして
Auを、中性子束モニタに使用した。
Np試料とモニタを一緒に、京都大学研究炉の黒鉛照射設備にて30分間照射した。同様の照射を2回繰り返した。照射後に、
Np試料を、それと放射平衡の関係にある
Paからの312keVガンマ線を測定して定量した。
Npの反応率を、生成された
Npから放出されるガンマ線の収量から求めた。
Npの熱中性子捕獲断面積は、2回照射の結果の加重平均を取って173.8
4.4barnと導出された。この結果は、飛行時間法により測定されたデータと、誤差の範囲で一致した。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2021, P. 93, 2022/07
核廃棄物中のマイナーアクチニドの核変換の観点から、本研究はNpを選定して、その熱中性子捕獲断面積を、良く熱化された中性子場を用いて放射化法により測定した。
Np標準溶液を試料に使用した。熱中性子場は、中性子束モニタ
Sc,
Co,
Mo,
Taと
Auを用いて測定した。
Np試料は、モニタと一緒に、京大炉の黒鉛照射設備にて30分間照射した。結果の再現性を確認するために、同様の照射を繰り返した。照射後、
Np試料は、
Npと放射平衡の関係にある
Paからの312-keVガンマ線を用いて定量した。
Npの反応率は、生成された
Npから放出されるガンマ線のピークカウント,検出効率,実験条件を用いて求めた。得られた反応率を熱中性子束で割り込むことで、
Npの熱中性子捕獲断面積を173.8
4.7 barnと導出した。この結果は、飛行時間測定法で得られた報告値と不確かさの範囲内で一致した。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(10), p.1061 - 1070, 2021/10
被引用回数:9 パーセンタイル:73.48(Nuclear Science & Technology)良く熱化された中性子場では、原理的には熱外中性子による寄与を考えることなく熱中性子捕獲断面積を導出することができる。このことを、京都大学原子炉の黒鉛照射設備にて放射化法を用いて示した。最初に、黒鉛照射設備が良く熱化された中性子場であることを確認するために、中性子束モニタ: Au,
Co,
Sc,
Cu, and
Moの照射を行った。Westcottのコンヴェンションに基づき、黒鉛照射設備が非常に熱化されていることを確認した。次に、実証としてこの照射場を用いて
Ta(n,
)
Ta反応の熱中性子捕獲断面積の測定を行い、20.5
0.4 barnを導出した。この結果は、評価値20.4
0.3 barnを支持した。また、
Ta核種は、
Auと
Moモニタの間の感度を補間する中性子モニタとして使えることが分かった。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 遠藤 駿典; 木村 敦
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(3), p.259 - 277, 2021/03
被引用回数:5 パーセンタイル:44.39(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイド核種の一つであるAmの中性子捕獲反応断面積の精度向上に係る研究開発を行った。先ず、崩壊ガンマ線の放出率を高い精度で整備して、
Amの原子炉中性子照射による
Amの基底状準位
Amの生成量をガンマ線測定で調べた。次に、アイソマーと基底準位を合わせた
Amの生成量を、
Cmへ崩壊させてアルファ線測定で調べた。照射した
Am試料量、生成された
Amと
Amの収量、及び中性子束の情報から
Am(n,
)
Amと
Am(n,
)
Am反応の熱中性子捕獲断面積、および共鳴積分を導出することができた。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2019, P. 132, 2020/08
マイナーアクチノイド核種の一つであるAmの中性子捕獲反応断面積の精度向上に係る研究開発を行った。まず、崩壊ガンマ線の放出率を高い精度で整備して、
Amの原子炉中性子照射による
Amの基底状準位
Amの生成量をガンマ線測定で調べた。次に、アイソマーと基底準位を合わせた
Amの生成量を、
Cmへ崩壊させてアルファ線測定で調べた。
Am生成、及び
Am生成の熱中性子捕獲断面積、及び共鳴積分を測定した。
芝原 雄司*; 中村 詔司; 上原 章寛*; 藤井 俊行*; 福谷 哲*; 木村 敦; 岩本 修
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 325(1), p.155 - 165, 2020/07
被引用回数:12 パーセンタイル:70.35(Chemistry, Analytical)Csの断面積を測定するために用いる放射性Cs試料について、熱イオン化マススペクトロメトリーによって同位体比を測定した。分析において高強度、および安定ビームを得るために、Cs試料に加える添加剤の効果を調べた。本研究で、シリコンタングステンが、添加剤の中で一番高いイオン化効率を示したが、一方で多原子イオンの高い同重体干渉も示した。
Cs/
Cs比の測定で要求される精度を達成するのに、添加剤:酸化タンタルないしグルコースを用いた場合で、僅か2
10
gのCs試料で十分達成できることを実証した。バリウム核種による干渉効果などの分析条件を調べた後、2種類の放射性Cs試料の同位体比測定を行い、同位体比によりどのくらい
Csの中性子捕獲断面積に影響を及ぼすかを議論した。
中村 詔司; 芝原 雄司*; 木村 敦; 岩本 修; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(4), p.388 - 400, 2020/04
被引用回数:3 パーセンタイル:26.93(Nuclear Science & Technology)Cs(n,
)
Cs反応の熱中性子捕獲断面積(
)及び共鳴積分(I
)を、ガンマ線及びマススペクトロメトリーにより測定した。我々は、
Cs標準溶液に不純物として含まれている
Csを利用した。
Cs溶液中の
Csを定量するために、
Csと
Csの同位対比をマススぺクトロメトリーにより求めた。分析した
Cs試料を、京都大学複合原子力科学研究所の研究炉の水圧輸送管を用いて中性子照射を行った。照射位置の中性子成分を求めるために、Co/AlとAu/Alモニタも一緒に照射した。
を求めるために、Gdフィルターを用いて、中性子カットオフエネルギーを0.133eVに設定した。
Cs,
Csとモニタの放射能をガンマ線スペクトロメトリーにより測定した。Westcottコンベンションに基づき、
とI
を、それぞれ8.57
0.25barn及び45.3
3.2barnと導出した。今回得られた
は、過去の測定値8.3
0.3barnと誤差の範囲で一致した。
中村 詔司; 木村 敦; 岩本 修; 芝原 雄司*; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
KURNS Progress Report 2018, P. 106, 2019/08
核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減化、資源化を目指した革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)において、長寿命核分裂生成核種Csの中性子捕獲断面積測定研究を京都大学複合原子力科学研究所にて行った。本論文は、京大原子炉(KUR)を用いた
Csの熱中性子捕獲断面積の測定について報告するものである。
中村 詔司; 北谷 文人; 木村 敦; 上原 章寛*; 藤井 俊行*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(6), p.493 - 502, 2019/06
被引用回数:5 パーセンタイル:42.35(Nuclear Science & Technology)放射化法によりNp(n,
)
Np反応の熱中性子捕獲断面積(
)及び共鳴積分(I
)を測定した。
Npの0.489eVにある第一共鳴に注意を払い、カドミウム差法において、ガドリニウムフィルタを用いて、カットオフエネルギーを0.133eVに設定して
を測定した。ネプツニウム237試料を、京都大学複合原子力科学研究所の研究炉にて照射した。照射位置における熱中性子束、及び熱外ウェストコット因子を決定するために、金合金線モニタ、及びコバルト合金線モニタも一緒に照射した。照射したネプツニウム237試料及びモニタ試料の生成放射能を、ガンマ線分光により測定した。ウェストコットの理論に基づき、
とI
を、それぞれと186.9
6.2 barn、及び1009
90 barnと導出した。
浅野 芳裕; 杉田 武志*; 広瀬 秀幸; 須崎 武則
Nuclear Science and Engineering, 151(2), p.251 - 259, 2005/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)近年、経済的な観点から加速器などの遮蔽設計にますます厳密さが求められている。また、放射性廃棄物の区分を円滑に進めるために放射化物の強度分布を正確に評価する必要がある。そのためには重遮蔽における中性子及び捕獲線分布を精度よく評価する必要がある。そこで、最近公開された核データと従来より使用されている核データライブラリーを用いて熱領域で大きく異なる2種類の郡構造を持つ断面積データを作成し、SN法による比較計算を実施した。また、コンクリート内での熱中性子分布測定結果及び
線線量分布測定結果と比較することにより計算手法の確認を行った。
山本 和喜; 熊田 博明; 山本 哲哉*; 松村 明*
日本原子力学会和文論文誌, 3(2), p.193 - 199, 2004/06
本研究は、忠実に頭の形を再現した写実体ファントムを用いた実験的手法による線量評価の可能性を調べることを目的とし、患者の写実体ファントムの製造及び実際の医療照射条件の再現について検討した。われわれはコンピューター断層撮影(CT)画像から写実体ファントムを製作するために、光造形技術を選択した。製作されたファントムは、当該患者の臨床照射と同じ条件下で照射され、脳表面上の熱中性子分布が詳細に測定された。写実体ファントムの製作において、材料及びデータ変換上の幾つかの課題について指摘した。写実体ファントムを使用して、医療照射を再現した結果、脳表面の最大熱中性子束は、実際の脳の表面より約22%低い値になった。本論文中で指摘した課題が解決されれば、線量評価システムを検証することが可能となるものと期待できる。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Radiation Research, 160(1), p.70 - 76, 2003/07
被引用回数:17 パーセンタイル:44.88(Biology)ホウ素中性子捕捉治療(BNCT)において生成される線量成分に対する生存率曲線及びRBEは、JRR-4の中性子ビームに対して別々に決定された。10Bを添加又は添加しないV79細胞の生存率は、熱外中性子ビーム(ENB),熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)及び熱中性子ビーム(TNB-2)を利用して得られた。10Bの有無で中性子ビームの殺細胞効果は、使用する中性子ビームに高く依存し、ビーム中の熱外中性子及び高速中性子に依存している。ENB,TNB-1及びTNB-2に対してホウ素捕獲反応のRBEはそれぞれ4.07,2.98及び1.42であり、水素の反跳及び窒素の捕獲反応に基づく、高LET線量成分のRBEはそれぞれ、2.50,2.34及び2.17であった。RBEの実験的決定のアプローチは、中性子ビームの各線量成分に対するRBE-荷重線量を与え、BNCT臨床試験を実施中及び計画している異なる設備間の正確な中性子ビームの相互比較に寄与するものである。
熊田 博明; 鳥居 義也
JAERI-Data/Code 2002-018, 158 Pages, 2002/09
熱外中性子ビームを使ったホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、脳内の深部にある悪性脳腫瘍の治療に効果があると期待されている。この熱外中性子を用いたBNCTを実施するためには、患者への照射線量を事前に評価することが不可欠である。これを踏まえ、頭部内の線量分布を計算によって求めるBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行った。JCDSは、医療画像であるCT,MRIデータを基に患者の頭部モデルを作成し、頭部内の中性子及び線の線束分布をモンテカルロ・コード:MCNPで計算するための入力データを自動作成して線量計算を行うソフトウェアである。さらにMCNPで計算した結果を再び読込み、線量分布を表示させるものである。JCDSの特徴として、(1)CTデータとMRIデータの両方を取り扱うことにより、患者の正確な頭部モデルを簡便に作成する機能,(2)日本で実施されている開頭手術を伴ったBNCTに対応し、頭部モデルの形状を編集する機能,(3)計算によって導かれた照射位置に患者を正確にセッティングするための情報を出力する機能などを有している。本報告書は、JCDS(Ver.1.0)の基本設計と線量評価手順,操作方法と各処理のデータ構造,ライブライリー構造等について記述したものである。
松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 中井 敬*; Zhang, T.*; 松下 明*; 高野 晋吾*; 遠藤 聖*; 阿久津 博義*; 山本 和喜; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1073 - 1078, 2002/09
原研のJRR-4の中性子ビーム設備を使って、1999年から2002にかけて9例の患者に対して熱-熱外混合ビームによる術中ホウ素中性子捕捉療法(IO-BNCT)を実施した。グリオブラストーマの生存中央値は、9.8カ月であり星細胞腫は、16.8カ月であった。熱-熱外混合ビームによる術中BNCTは、従来の治療法に比べ初期の放射線効果は良好であった。これらのフェーズI/IIの臨床試験は局所の腫瘍コントロールで有効でした。今後、IO-BNCTの有効性を証明するするため、革新的な手法を伴った臨床試験を継続して実施していくものである。これまで実施した臨床試験の結果を紹介するとともに、今後の展望について記述する。
松下 明*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也; 樫村 隆則*; 大竹 真一*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.141 - 143, 2002/09
1998年よりJRR-4で実施されてきた熱/熱外混合中性子ビームである熱中性子モードIをホウ素中性子捕捉療法に11回使用してきた。より深い腫瘍の治療のため、次の術中BNCTより熱外中性子を使用することを検討している。本研究では熱中性子モードIのカドミニウムシャッタを挿入することによって作られる熱外中性子モード(Epi-12モード)の医療への適用性と安全性を調査した。その結果、Epi-12モードの速中性子混入率の減少は、BNCT、特に術中BNCTに対して優位性があることがわかった。なぜなら、速中性子は正常組織に直接作用するため、BNCTの制限値の1つであるからである。さらに、Th-12とEpi-12モードを混合させることで、線量分布に変化させることができることがわかった。これは個々の腫瘍に対して最適な線量分布に制御する新しい方法として期待される。
熊田 博明; 岸 敏明; 堀 直彦; 山本 和喜; 鳥居 義也
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.115 - 119, 2002/09
現在実施されている熱中性子ビームによるBNCTでは、患者頭部の照射領域外の正常組織に対する照射線量を抑えるため、濃縮リチウム入り熱可塑性プラスチック(リチウムヘルメット)をターゲット領域周辺に取り付け、照射領域を絞って照射を行っている。しかし、将来実施が期待されている熱外中性子ビームを用いたBNCTにおいては、このリチウムヘルメットでは熱外~高速中性子ビームに対して十分な遮へい効果が期待できないため、これに代わる技術が必要であった。そこで、ビーム孔部のコリメータを板厚6mm幅108.5mm
奥行き60mmのフッ化リチウム入ポリエチレンのスライドを多数重ね合わせ(左右30枚ずつ)、任意のビーム孔形状を設定可能なマルチリーフコリメーターの開発を行った。このマルチリーフコリメータをBNCTに適用することにより、患部外の正常組織への線量を抑え、ターゲット領域に対して適切な線量を与えるBNCT照射の実施が可能となる。このマルチリーフコリメータの検証結果と性能について報告を行う。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Physics in Medicine & Biology, 47(14), p.2387 - 2396, 2002/07
被引用回数:28 パーセンタイル:59.46(Engineering, Biomedical)この研究は術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)用の中性子ビームに対するファントム内熱中性子分布を明らかにすることを目的としている。内部に円筒形の発泡スチロールを取り付けた円筒水ファントム(Void-inファントム)と取り付けていない円筒水ファントム(標準ファントム)に中性子計測用の金線を配置し、JRR-4の熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)と熱外中性子ビーム(ENB)で、これらを照射した。Void-inファントム内の分布ではENBとTNB-1のどちらの中性子ビームに対しても、熱中性子分布が改善されていることを確認し、Void側面に2つの高線量領域が形成されることを明らかにした。ENBとVoid-inファントムの組合せによってVoid周りの熱中性子分布の平坦化が観察される。浸潤している周辺組織に対してENBが線量分布を平均化し、線量を増強できるという臨床的優位性を実験データは示している。将来、ENBとIOBNCTの結合は脳腫瘍のための臨床成績を改善することになるであろう。