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論文

流体力学的不安定性と拡散・熱的不安定性に起因する三次元セル状予混合火炎(未燃ガス温度と熱損失の効果)

門脇 敏; 野上 雅人*; Thwe Thwe, A.; 勝身 俊之*; 山崎 渉*; 小林 秀昭*

日本機械学会論文集(インターネット), 85(879), p.19-00274_1 - 19-00274_13, 2019/11

本研究では、流体力学的不安定性と拡散・熱的不安定性に起因する三次元セル状予混合火炎に及ぼす未燃ガス温度と熱損失の効果を調べるため、三次元圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式を採用して三次元の反応流れの数値計算を実行した。未燃ガス温度が下降し熱損失が増大するとともに、火炎の増幅率は小さくなり、不安定領域は狭くなる。これは、主として平面火炎の燃焼速度の低下によるものである。その増幅率と波数を平面火炎の燃焼速度と質量流束密度で標準化すると、未燃ガス温度の下降とともに、標準化した増幅率は大きくなり、不安定領域は広くなる。これは、主に、既燃ガスと未燃ガスの温度比の増加によって熱膨張の効果が強くなること、並びに、ゼルドヴィッチ数の増大に伴う凹凸の火炎面における局所的燃焼速度の変化が顕著になることによるものである。最大増幅率に対応する特性波長をもつ擾乱を平面火炎に加えると、それは固有不安定性により発達し、セル状の火炎面が形成される。標準化したセル状火炎の燃焼速度は、未燃ガス温度の下降とともに増加する。また、熱損失が増大するとセル状火炎の燃焼速度は増加する。これは、熱損失が拡散・熱的不安定性において重要であることを示している。

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