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中村 博文; 西 正孝; 森田 健治*
JAERI-Research 2003-016, 32 Pages, 2003/08
核融合炉材料からのトリチウム除去回収に関する研究の一環として、核融合炉のトリチウム回収システムへの応用研究が進められているストロンチウム-セリウム(Sr-Ce)系酸化物セラミックスプロトン導電体にトリチウムを注入し、酸化物試料中のトリチウムの存在状態を等速昇温脱離法により調査した。その結果、Sr-Ce系酸化物中でのトリチウムは、主として水酸基の状態で存在しているため、その除去には1300K以上での加熱放出が必要なことを明らかにした。また、トリチウムを注入した試料を水蒸気濃度が異なる空気中に曝露し、その際のトリチウム放出量及び放出化学形の水蒸気濃度依存性を測定することにより、トリチウム除去機構について検討した。その結果、空気曝露によるトリチウム除去率は小さく、そのほとんどが、試料表層のOT基と水蒸気との同位体交換反応により水状として放出されるトリチウムであることを明らかにした。また、酸化物中の溶解トリチウムと酸素欠損への酸素の引き抜き現象に起因する水蒸気曝露による水素状でのトリチウム放出もわずかではあるが確認できた。以上の結果、酸化物中におけるトリチウムの存在状態の違いによる空気曝露時のトリチウム除去機構の違いを明らかにし、トリチウム除去法の最適化のための基礎データを得た。
森田 健治*; 鈴木 宏規*; 曽田 一雄*; 岩原 弘育*; 中村 博文; 林 巧; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1461 - 1465, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:15.85(Materials Science, Multidisciplinary)原研と名古屋大学との協力研究に基づいて実施された酸化物セラミックス中に注入したトリチウムと大気中水蒸気の軽水素との同位体交換反応について報告する。実験は、まず、原研のイオン源により1試料あたり約7.4GBqの純トリチウムを注入した。トリチウム注入した試料を3グループに分け、それぞれ、大気(水分濃度約9000ppm),窒素ガス(水分濃度約100ppm),乾燥窒素(水分濃度0.01ppm以下)の環境に24時間曝露した後、0.5K/sec,1273Kまでの等速昇温脱離試験を実施した。試験の結果、水蒸気中の軽水素と材料表面に存在するトリチウムとの同位体交換反応が観察されるとともに、酸化物セラミックス中に打ち込まれたトリチウムは酸化物中の酸素原子と結合していることが明らかとなった。これらの結果をもとに、名古屋大学で考案された固体内水-水素同位体交換反応モデルに基づく解析を実施し、観察されたトリチウムの放出挙動との良い一致を得た。
牛草 健吉; 関 正美; 菅沼 和明; 豊島 昇; 池田 佳隆
Fusion Engineering and Design, 45(2), p.137 - 144, 1999/05
被引用回数:20 パーセンタイル:78.63(Nuclear Science & Technology)第1壁が炭素タイルで覆われたJT-60Uにおいて、2GHzの低域混成波加熱・電流駆動システムを用いて、電子サイクロトロン波による放電洗浄を行った。電流駆動用アンナテから、高周波電力125kW,パルス幅
60秒の高周波をトロイダル磁場0.06Tを印加した真空容器内に繰返し入射し放電洗浄プラズマを生成した。電子サイクロトロン波による放電洗浄は、グラファイト壁のリサイクリング率を増大するとともに、壁から水分子を顕著に放出することが判明した。さらに、重水素実験により第一壁の蓄積されているトリチウムを効果的に放出していることを明らかにした。これは、電子サイクロトロン波放電洗浄を利用したトカマク炉内のトカマクインベントリー低減化を示唆している。
平林 孝圀; 佐伯 正克; 立川 圓造
J. Nucl. Mater., 126, p.38 - 43, 1984/00
被引用回数:39 パーセンタイル:94.34(Materials Science, Multidisciplinary)ガス状トリチウム(HT-ガス)とステンレス鋼(SUS316)表面との相互作用について、昇温脱離法による研究を行なった。ステンレス鋼表面に収着したトリチウムの昇温脱離スペクトル中には4つのピークが、430(HT-I),540(HTO),750(HT-II)および970K(HT-III)付近に現われ、トリチウムは少なくとも、4つの異なる状態で収着されていること、また、各収着状態からのトリチウムの脱離に要する活性化エネルギーは、20
4(HT-I),27
7(HTO),55
9kJ/mol(HT-II)であることが見いだされた。これらの結果から、次のような結論を得た。収着トリチウムの約90%は収着過程でOT
イオンを形成しており、このOT
イオンは脱離過程で表面酸化物の触媒作用によりHTOになる。収着トリチウムの約10%はHTの形で脱離する。その内の約1/2は解離して収着されており、完全に脱離するには、970K以上に加熱する必要があるのに対し、残りの約1/2は解離せずに収着しており、きわめて容易に脱離する。
佐伯 正克; 平林 孝圀
Radioisotopes, 33(11), p.775 - 779, 1984/00
37GBq(1Ci)の無担体トリチウムガスを封入したパイレックスガラス内表面に吸着したトリチウムの脱離挙動を、フッ酸エッチング法及び等速昇加熱法で調べた。内表面には封入量の約10%に当る(3.9
0.7)GBqのトリチウムが吸着していた。吸着したトリチウムは、水素状(HT,T
)としてより、水(T
O,HTO)化学形で脱離する成分の方が約1桁多かった。水成分の脱離速度は、アンプル全体では35KBq/minに達した。使用済アンプルの処理法を前もって良く考慮しておくことが必要であろう。