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大平 博昭*; 田中 正暁; 吉川 龍志; 江連 俊樹
Annals of Nuclear Energy, 172, p.109075_1 - 109075_10, 2022/07
被引用回数:1 パーセンタイル:45.11(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉(SFR)のカバーガス領域におけるミスト挙動を高精度で評価するため、混合気体のレイリー・ベナール対流(RBC)に対する乱流モデルを選定するとともに、ミストに対するレイノルズ平均数密度とミストの運動量方程式を開発し、OpenFOAMコードに組み込んだ。最初に、単純な並列チャネルのRBCを、Favre平均k-SSTモデルを使用して計算した。その結果、平均温度と流量特性はDNS, LES、および実験の結果とよく一致した。次に、本乱流モデルと新しく開発したミストモデルを用いて、SFRのカバーガス領域を模擬した熱伝達試験装置を計算した。その結果、計算された高さ方向の平均温度分布とミスト質量濃度が試験結果とよく一致した。本研究により、SFRのカバーガス領域において乱流RBC環境でのミスト挙動を高精度にシミュレートできる手法を開発した。
安部 諭; Studer, E.*; 石垣 将宏; 柴本 泰照; 与能本 泰介
Nuclear Engineering and Design, 368, p.110785_1 - 110785_14, 2020/11
被引用回数:7 パーセンタイル:71.48(Nuclear Science & Technology)The hydrogen behavior in a nuclear containment vessel is one of the significant issues raised when discussing the potential of hydrogen combustion during a severe accident. Computational Fluid Dynamics (CFD) is a powerful tool for better understanding the turbulence transport behavior of a gas mixture, including hydrogen. Reynolds-averaged Navier-Stokes (RANS) is a practical-use approach for simulating the averaged gaseous behavior in a large and complicated geometry, such as a nuclear containment vessel; however, some improvements are required. We implemented the dynamic modeling for based on the previous studies into the OpenFOAM ver 2.3.1 package. The experimental data obtained by using a small scale test apparatus at Japan Atomic Energy Agency (JAEA) was used to validate the RANS methodology. Moreover, Large-Eddy Simulation (LES) was performed to phenomenologically discuss the interaction behavior. The comparison study indicated that the turbulence production ratio by shear stress and buoyancy force predicted by the RANS with the dynamic modeling for
was a better agreement with the LES result, and the gradual decay of the turbulence fluctuation in the stratification was predicted accurately. The time transient of the helium molar fraction in the case with the dynamic modeling was very closed to the VIMES experimental data. The improvement on the RANS accuracy was produced by the accurate prediction of the turbulent mixing region, which was explained with the turbulent helium mass flux in the interaction region. Moreover, the parametric study on the jet velocity indicates the good performance of the RANS with the dynamic modeling for
on the slower erosive process. This study concludes that the dynamic modeling for
is a useful and practical approach to improve the prediction accuracy.
高田 昌二; Ngarayana, I. W.*; 中津留 幸裕*; 寺田 敦彦; 村上 健太*; 沢 和弘*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00536_1 - 19-00536_12, 2020/06
高温工学試験研究炉(HTTR)を使った炉心冷却喪失試験では、財産保護上の観点から、炉容器冷却設備(VCS)において自然対流により加熱される構造物の温度分布の評価精度向上を課題としている。伝熱流動数値解析コードFLUENTをHTTRのVCSに適用するために、予測精度を維持しつつ計算資源を節約できる合理的な2次元モデルの構築を始めた。本評価モデルの検証のため、HTTR用VCSの1/6スケールモデルによる構造物の温度に関する試験結果を使用し、解析による計算結果と比較した。本試験データは、圧力容器の温度を200C前後に設定することで、全除熱量における自然対流伝熱の割合を20%前後と有意なレベルの伝熱現象として測定したものである。自然対流による上昇流の影響で高温となる圧力容器上部の伝熱流動特性の評価精度向上のためには、実形状の模擬および自然対流に適した乱流モデルの選定が重要となる。乱流モデルとして、剥離,再付着及び遷移流れを考慮できる
-
-SSTモデルを選定し、従来の
-
モデルでは再現されなかった圧力容器の温度分布の試験結果とよく一致していることを確認した。この結果、圧力容器上部にホットスポットがなく、模擬炉心により加熱された高温のヘリウムガスが乱流によりよく混合され圧力容器上部を均一に加熱する様子を適切に評価した。
Wan, T.; 斎藤 滋
Metals, 8(8), p.627_1 - 627_22, 2018/08
被引用回数:12 パーセンタイル:56.84(Materials Science, Multidisciplinary)In this study, an LBE loop referred to as JLBL-1 was used to experimentally study the behavior of 316L SS when subjected to FAC for 3000 h under non-isothermal conditions. An orifice tube specimen, consisting of a straight tube that abruptly narrows and widens at each end, was installed in the loop. The specimen temperature was 450 centigrade, and a temperature difference between the hottest and coldest legs of the loop was 100 centigrade. The oxygen concentration in the LBE was less than 10 wt.%. The Reynolds number in the test specimen was approximately 5.3
10
. The effects of various hydrodynamic parameters on FAC behavior were studied with the assistance of computational fluid dynamics (CFD) analyses, and then a mass transfer study was performed by integrating a corrosion model into the CFD analyses. The results show that the local turbulence level affects the mass concentration distribution in the near-wall region and therefore the mass transfer coefficient across the solid/liquid interface. The corrosion depth was predicted on the basis of the mass transfer coefficient obtained in the numerical simulation and was compared with that obtained in the loop; the two results agreed well.
中山 浩成; 永井 晴康
JAEA-Data/Code 2015-026, 37 Pages, 2016/03
数km四方の局所域スケールにおいて詳細に大気拡散計算を行える数値シミュレーションモデル、局所域高分解能大気拡散モデルを開発した。このモデルは、非定常挙動予測に優れたLarge-Eddy Simulation乱流モデルに基づき設計されている。基本方程式は、連続の式、流体運動方程式、空気中濃度の輸送方程式により構成されている。建造物や局所地形は数m程度の高分解能計算格子で精緻に解像され、それらの乱流効果は境界埋め込み法によって表現されている。大気乱流場の再現にあたっては、主解析領域の上流側に乱流駆動領域を設け、リサイクリング手法によって境界層乱流を作り出している。この乱流変動風を主解析領域に時々刻々与えることで、計算対象領域における大気乱流および拡散挙動を詳細に評価できるようになっている。
永島 芳彦*; 星野 克道; 江尻 晶*; 篠原 孝司; 高瀬 雄一*; 都筑 和泰; 上原 和也; 川島 寿人; 小川 宏明; 井戸 毅*; et al.
Physical Review Letters, 95(9), p.095002_1 - 095002_4, 2005/08
被引用回数:100 パーセンタイル:92.7(Physics, Multidisciplinary)JFT-2Mトカマクのオーム加熱プラズマの周辺部で、高速駆動静電プローブにより、ポテンシャル揺動スペクトルを測定した。その結果、二種類のコヒーレントな静電揺動(約1kHzと10-15kHz)を初めて見いだした。これらのモードは、最外殻磁気面の内側に存在する。このうちの高周波のモードは測地的音波(GAM)の特徴を有する。しかし低周波のモードは測地的音波かどうか不明である。バイスペクトル解析により、これらの静電揺動と背景乱流揺動にはパラメトリック変調的な非線形結合がみられることがわかった。すなわち、高周波のGAMモードや背景乱流はこの低周波のモードで変調を受けている(さらに背景乱流はGAMモードからも変調されている)ことを初めて見いだし、この低周波モード(周波数約1kHz)が非線形的に乱流輸送に影響を与えていると推定されることを初めて示した。
井戸村 泰宏
プラズマ・核融合学会誌, 81(8), p.581 - 592, 2005/08
ジャイロ運動論的粒子シミュレーションはトカマクプラズマの微視的乱流を研究するための有効な手段である。ジャイロ運動論的粒子シミュレーションにおける標準的な手法となっている法は、粒子ノイズの低減により粒子シミュレーションの効率を大幅に向上させ、完全トーラス配位の乱流シミュレーションを可能にした。本稿では
法を概説し、完全トーラス配位のジャイロ運動論的粒子シミュレーションにおける問題点を議論する。
服部 博文*; 佐藤 博; 長野 靖尚*
日本機械学会論文集,B, 70(696), p.1919 - 1926, 2004/08
衝突噴流はよどみ点近傍で高い熱及び物質伝達率が得られるため工業上の広い分野で多用されている。また、衝突噴流は物質・生命科学実験施設に設置される減速材容器の冷却に使用される。そのため、その流動及び伝熱特性を明らかにすることは各種機器の性能を向上させるために重要である。本研究では、平面衝突噴流熱伝達場に着目し、高精度差分法による直接数値シミュレーションを行った。熱伝達場に最も影響する衝突距離をパラメータとして計算を行い、特に局所熱伝達場の第2極大値の出現に対する熱輸送機構を精査した。
Li, J.; 岸本 泰明
Physics of Plasmas, 11(4), p.1493 - 1510, 2004/04
被引用回数:58 パーセンタイル:85.69(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクプラズマにおける電子温度勾配(ETG)駆動乱流が、断熱イオン応答を仮定した3次元ジャイロ流体モデルに基づいて解析された。論文ではおもに、ETG乱流が生成する帯状流のダイナミックスとそれに伴う電子の熱輸送が議論されている。高い電子のエネルギー閉じ込めが弱磁気シア領域において見いだされ、それらは、弱磁気シアに伴うETG乱流の抑制効果よりも、帯状流形成に伴う乱流の自己形成の結果であることを示している。特に、弱磁気シアはETG乱流における帯状流成分の増大により有利であることが示された。
岸本 泰明; 井戸村 泰宏; Li, J.
プラズマ・核融合学会誌, 79(5), p.478 - 488, 2003/05
本稿では、時空間スケールを限定した単一の物理階層のみならず、階層間の相互作用が本質的役割を果たす現象の一つである「プラズマ中に発生する乱流と層流」に話題を限定し、多階層・複合概念が核融合プラズマの高性能に果たす役割の一端を紹介する。また、今後の構造形成に準拠した高性能の核融合研究を推進する上で、幅広い時空間スケールを包含する多階層シミュレーション研究の重要性について考察する。
丸山 結*; 森山 清史; 中村 秀夫; 平野 雅司; 中島 研吾*
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(1), p.12 - 21, 2003/01
被引用回数:6 パーセンタイル:42.05(Nuclear Science & Technology)デブリと下部ヘッドとの境界におけるギャップを満たす水のデブリ冷却効果を、実炉規模の定常計算に基づいて概略的に評価した。本計算では、狭隘流路における限界熱流束及び内部発熱流体の自然対流熱伝達に関する相関式を用い、ギャップ幅に依存する下部プレナム内冷却可能最大デブリ堆積深さを算出した。計算結果は、TMI-2事故の条件下では1mmから2mmの幅を有するギャップによりデブリを冷却可能なこと、より多量のデブリを冷却するためにはギャップ幅の大幅な増大が必要であることを示唆した。定常計算と併せて、過渡挙動の重要性を明確にするため、ギャップの成長及びギャップ内浸水に関するモデルを構築し、低レイノルズ数型二方程式モデルに分類されるYinらの乱流自然対流モデルとともにCAMPコードに組み込んだ。乱流モデルはUCLAで実施された内部発熱流体自然対流実験の解析により検証し、容器壁面における局所熱伝達係数の分布を精度良く予測することを確認した。ギャップ冷却に関するモデルの検証は、原研で実施した、水で満たした半球容器に溶融アルミナを注いだ圧力容器内デブリ冷却性実験の解析を通して行った。構築したギャップ冷却モデルを用いることにより、CAMPコードが容器壁の温度履歴を再現可能であることを明らかにした。
Li, J.; 岸本 泰明
Physical Review Letters, 89(11), p.115002_1 - 115002_4, 2002/09
被引用回数:31 パーセンタイル:77.5(Physics, Multidisciplinary)微視的な帯状流と巨視的乱流間の相互作用に関して議論されている。鍵となる物理機構は半径方向のモード間結合として同定された。揺らぎのエネルギーは不安定な長波長領域から安定もしくは減衰する短波長モード領域に非局所的に輸送される。その結果、乱流スペクトルは大きく変形を受けるとともに非線形のパワー則から変位する。三次元のジャイロ流体イオン温度勾配モードシミュレーションを実施し、間欠的もしくはバースト的なイオン輸送挙動が観測され、トカマクプラズマにおけるITG生成帯状流に関係したスペクトル変形に関係していることが示された。
麻生 智一; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
可視化情報学会誌, 22(Suppl.1), p.127 - 130, 2002/07
原研とKEKが共同で進めている大強度陽子加速器計画で中核となる中性子散乱実験施設において、その中性子性能は中性子源である核破砕ターゲットシステムに設置する冷減速材に大きく依存している。特に、冷減速材容器内の液体水素の温度上昇が中性子性能に大きく影響を及ぼすことから、これまで実機構造の扁平型容器についてPIVを用いた流動実験及び解析を通して設計を進め、工学的に成立する見通しを得た。その後、多岐の利用者に冷中性子を供給可能な円筒型容器が提案され、この模擬試験体を製作して容器内流動場を把握するための可視化実験及び解析を実施した。PIVを用いた可視化実験と併せて、衝突噴流部の熱伝達率を測定するとともに、熱流動解析を行って実機減速材における温度分布を評価した。講演ではこれらの実験及び解析結果について報告する
大貫 晃; 秋本 肇
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1074 - 1080, 2001/12
計算資源の拡大に伴い、受動的安全システムや自然循環型原子炉といった新たな原子力システムの二相流解析も多次元で行うことが期待されるようになってきた。しかしながら、既存の多次元解析用構成方程式は小規模な体系で評価されてきたものであり、実際の体系への適用性については十分検討されていない。特に流路スケールの影響に対する検討が不足している。本研究では、内径38mmと200mmのデータを使い多次元二流体モデルにより流路スケール効果を解析し、同効果をモデル化するのに必要なパラメータを同定するとともに流路スケールの相分布に及ぼす影響を予測できるモデルを開発した。流路スケールの影響は気泡径dbと渦スケールlTの相対関係で整理できる。lTよりdbが小さい場合に気泡により誘起される乱れが増大し、lTがdbの約3倍以上でボイド率が高くなると気泡の合体が分裂よりも増大する。これらより、気泡の乱流拡散並びに気泡径に対する新たなモデルを構築した。構築したモデルを内径38mmと200mmの異なる流量条件やさらに大規模な内径480mmの助走域での流動で評価し、口径の影響を予測できることがわかった。
大貫 晃; 秋本 肇
Proceedings of the 8th International Symposium on Flow Modeling and Turbulence Measurements (FMTM2001) (CD-ROM), 7 Pages, 2001/12
計算資源の拡大に伴い、気液二相流の形状効果を多次元で解析することが期待されるようになってきたが、構成方程式の検証は十分ではない。著者らは多次元二流体モデルにより相分布を予測するため、気泡の乱流拡散並びに気泡径に対するモデルを近年開発した。本研究ではこのモデルの検証を行う。検証は幅広い条件(流路直径;9mmから155mm,圧力;大気圧から4.9MPa,流量;気相見かけ流速=0.01m/sから5.5m/s,液相見かけ流速=0m/sから4.3m/s,流体; 空気-水,蒸気-水)でのデータベースにより行った。検証解析を通じ、開発したモデルは流路直径の影響を含め広い流動条件に適用できることがわかった。相分布の形並びに流路全体の平均ボイド率を定性的及び定量的によく予測した。本モデルは気泡径と渦スケールの比を重要なパラメータとして採用しており、このパラメータが多次元二流体モデルの構成方程式を構築する上で重要であることがわかった。
大貫 晃; 中村 秀夫; 安濃田 良成
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.258 - 263, 2000/00
BWRの静的格納容器冷却系(PCCS)として横型熱交換器を用いることが検討されている。横型PCCSの除熱性能を規定するものの一つに2次側水プール内での熱伝達特性がある。特に伝熱管の熱流束の高い領域では蒸気で覆われ、熱流束が低下する蒸気ブランケット効果が懸念された。本報では、原研で開発した多次元二相流モデルコードACE-3Dにより2次側水プール内の熱流動解析を行い、蒸気ブランケット効果の影響を評価した。解析に先立ち、乱流プラントル数を水プール中での蒸気噴流の実験データにより最適化した。解析の結果、定常的に蒸気で覆われる領域はなく、蒸気ブランケット効果による伝熱管熱流束の極端な低下は起こらないことがわかった。
佐竹 信一*; 功刀 資彰
日本機械学会論文集,B, 64(617), p.65 - 70, 1998/01
円筒座標系の乱流直接数値シミュレーションコードを開発した。本コードの特徴は、円筒座標系で特異点である中心軸上(r=0)の物理量を用いないように、系方向の運動量フラックス(q=r
u
)を変数としたスタガード格子のコントロール・ボリューム法で離散化されている点にある。本コードの妥当性を検証するため、発達した円管内乱流についての直接数値シミュレーションを実施した。その結果、円管中心でのレイノルズせん断応力及び乱流強度は従来の解析結果と比較して良い一致を得た。また、レイノルズ応力の収支式に連続の式及び運動方程式と整合の取れる定式化を行った結果、乱流諸量の収支残差がほぼゼロの良質な乱流統計量分布が得られた。本解析結果は、乱流モデル構築や検証のための直接シミュレーションデータベースとして提供する予定である。
大貫 晃; 清宮 正人*; 秋本 肇
混相流シンポジウム'98講演論文集, p.221 - 222, 1998/00
本報では、気液二相流の詳細な多次元流動モデルの確立を目指す研究の一環として、気泡流相分布に及ぼす流路スケール効果を実験的に調べた。内径20cmの大口径垂直管における相分布及び気泡径を測定すると共に、水及び気泡の各流速分布を測定し、Liuらの小口径管(内径3.8cm)データとの比較から流路スケール効果を検討した。検討の結果、大口径管での径方向液流速勾配が小口径管より低いこと、及び気泡が誘起する液相乱流エネルギーの高いことが大口径管での相分布が小口径管より平坦となる理由として考えられた。
大貫 晃; 秋本 肇
Proc. of 1st European-Japanese Two-phase Flow Group Meeting, p.1 - 8, 1998/00
本報では、気液二相流の多次元解析手法を確立する上で不可欠な大口径管での流動特性を調べた。内径48cm及び内径20cmの大口径垂直管における流動様式及び相分布を測定し、流動特性を実験的に調べるとともに、原研で開発した多次元二流体モデルコードACE-3Dによる解析を交え、流路スケール効果を分析した。その結果、大口径管では小口径管より流動の乱れが大きく、流動様式及び相分布に小口径管とは異なる特性のあることがわかった。大きな渦や壁面付近で逆流の見られる乱れた気泡流が見られ、合体泡が間欠的に流れる流動様式では合体泡と壁面の間の液膜に多数の小気泡を含有していた。ボイド率のピークが壁面付近に現れる流量の範囲は小口径管より狭かった。
大貫 晃; 秋本 肇
Proc. of 3rd Int. Conf. on Multiphase Flow (ICMF'98), p.1 - 6, 1998/00
将来型原子炉システムの設計に最適化するには、その解析ツールの妥当性を検定する必要がある。本研究ではこの検定を多次元二流体モデルによる詳細解析で行うことを想定し、そこで必要となる揚力モデル及び乱流拡散モデルの流路スケールに対する適用性の評価を行った。小口径管のデータベースとしてはLiuらのもの(内径約4cm)を用い、大口径管は筆者らが新たに取得したもの(内径20cm)を用いた。気泡径がほぼ等しい状態での気泡流データを筆者らが開発した多次元二流体モデルコードACE-3Dで解析した。解析の結果、乱流拡散モデルに問題のあることが分かり、気泡径と流路スケールの相対関係に依存する新たなモデルを提案した。