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高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 秋本 肇
WIT Transactions on Engineering Sciences, Vol.50, p.183 - 192, 2005/00
原子炉熱設計に必要である炉心内水-蒸気系二相流構造の詳細を大規模シミュレーションによって明らかにする研究を行っている。従来の熱設計手法ではサブチャンネル解析コードに代表されるように実験データに基づく構成式や経験式を必要とするが、新型炉に関しては熱流動に関する実験データが十分ではないため、従来手法による熱設計では高精度の予測は困難である。そこで、著者らは、シミュレーションを主体とした先進的な熱設計手法を開発し、これに従来手法を組合せることによって効率的な新型炉開発の実現を目指している。本論文では、次世代型水冷却炉を対象にして気泡流や液膜流に関する大規模な気液二相流シミュレーションを行い、燃料棒が3角ピッチ状に稠密に配置され、流れ方向にスペ-サを有する燃料集合体内における複雑な水と蒸気の3次元分布を定量的に明らかにした結果を示す。
馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; Nath, K. G.
Applied Surface Science, 234(1-4), p.246 - 250, 2004/07
被引用回数:10 パーセンタイル:46.03(Chemistry, Physical)炭化ケイ素(SiC)は耐熱性,化学的安定性を持つワイドギャップ半導体としての応用が期待されている材料である。しかしSiC結晶はsp結合でできており固体表面では3次元的に成長するため、数原子層以下の薄膜化は難しい。しかし最近、sp
結合でできたグラファイト状の構造を持つSiC単原子層が安定に存在するという理論計算が報告された。本研究はこれを実験的に確かめるため、グラファイト単結晶表面にイオンビーム蒸着法で作成した単原子層以下のSiCの構造をX線光電子分光法(XPS),X線吸収微細構造法(XANES)などの放射光を用いた内殻分光法で調べた。その結果、XPSの化学シフト及びXANESのピークエネルギーなどから、バルクのSiCと異なる構造を持つ二次元状SiCの存在を示唆する結果が得られた。また、XANESスペクトルの偏光依存性から、この二次元相がグラファイトと類似の構造を持つことが明らかとなった。
山岸 秀志; 中村 龍也; 曽山 和彦; 正岡 聖; 相澤 一也
Review of Scientific Instruments, 75(7), p.2340 - 2345, 2004/07
被引用回数:9 パーセンタイル:45.30(Instruments & Instrumentation)ヘリウム-3(He)ガスを用いた高位置分解能二次元中性子検出器(2D-ND)の開発のため、二次粒子を識別する機能を有した新しい計測システム(InSPaD)の検討を行った。InSPaDは各信号チャンネルに特定の弁別レベルを単に設定することによって、
He(
,
)
反応で発生したプロトンとトリトンのトラックを識別することができる。そして、そのシステムは高い位置検出分解能,高計数率,低バックグラウンド及び安定性を実現する。InSPaDを用いた2D-NDのシミュレーションを行い、
Heに10%のC
H
を混合し、圧力0.3MPaで封入したガス条件で、0.46mmの位置分解能が得られることを示した。また、MSGCを用いた中性子計測実験により、二次粒子の飛程及び出力パルス波高分布を測定し、シミュレーション結果と測定結果がよく合っていることを確認した。以上の検討及び実験結果からInSPaDの実現の見通しが得られた。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 玉井 秀定
JSME International Journal, Series B, 47(2), p.323 - 331, 2004/05
軽水炉の冷却材流路には燃料棒間のギャップ幅を一定に保つためにスペーサ等の突起がしばしば設置される。狭隘流路内のスペーサ周辺の熱流動に関する定量的な研究は、単相流では数多く見られるが、二相流ではほとんど見られない。そこで、狭隘流路に存在するスペーサ等の物体が二相流挙動に及ぼす影響を数値的に調べた。解析体系は3次元流路とスペーサを簡略模擬した矩形突起から成る。解析では、流路入口に液膜厚さとその流速及び蒸気流速を与え、時間方向に進展する液膜流挙動を非加熱等温流条件に対して定量的に検討した。本研究の成果は次のとおりである。(1)気液界面に作用するせん断応力によって界面不安定性が起こり、気相と液相の相対速度とあいまって波立ち発生へと現象が進行することを数値的に確認した。(2)突起後端から発生するはく離線に沿ってウエークが形成され、ここでは強い乱れによって液膜が排除されることがわかった。
正岡 聖; 中村 龍也; 山岸 秀志; 曽山 和彦
JAERI-Research 2003-012, 14 Pages, 2003/06
大強度陽子加速器施設での中性子散乱実験用の高速・高効率・高位置分解能の2次元中性子検出器として、マイクロストリップガスチェンバー(Micro-strip Gas Chamber: MSGC)の開発を行っている。今回FPGA(Field-Programmable Gate Array)を搭載したエンコードボードを開発した。FPGAは、そのロジックをプログラミングすることによって、MSGCからの信号をデジタル処理することができ、プロトンとトリトンが形成するトラックの情報を読み出すことができる。したがって、我々は、一連のデータ処理システムを使って近似的にトラックの中点を中性子核反応位置として表示する方法で位置情報を得ることができる。実際の中性子照射実験を想定してシミュレーションを行った結果、現在のデータ処理システムで1.6mm以下の位置分解能が得られることがわかった。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 藤 健太郎; 高橋 浩之*; 中澤 正治*; 近藤 泰洋*
Applied Physics A, 74(Suppl.1), p.S1589 - S1591, 2002/12
被引用回数:30 パーセンタイル:71.28(Materials Science, Multidisciplinary)パルス中性子の2次元イメージング用蛍光体としてSrBPO:Eu
蛍光体の特性を調べた。われわれは本蛍光体が、Gdのような中性子有感物質を添加しなくても、中性子照射後、635nmのレーザー光を照射することによって輝尽性蛍光特性を有することを発見した。単位中性子束あたりの輝尽性蛍光の強度は中性子エネルギーの-0.5乗に比例することがわかった。中性子感度は母体中のホウ素をホウ素-10に濃縮することによって増大することを確認した。
線感度と中性子感度の比は市販の中性子イメージングプレートより10倍優れていることも確認した。
馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 194(1), p.41 - 46, 2002/07
被引用回数:4 パーセンタイル:29.11(Instruments & Instrumentation)炭化ケイ素(SiC)にはいくつかの安定層があるが、いずれもsp3結合で構成された結晶構造をもつ。最近、第一原理計算により、sp2結合から構成される二次元グラファイト構造をもつSiCが安定に存在する可能性が報告された。本研究はこれを実験的に検証するため、グラファイト単結晶に低エネルギーシリコンイオンを注入し、シリコン原子周囲の電子状態と構造をX光電子分光法(XPS)と直線偏光した放射光を用いたX線吸収端微細構造法(XANES)により調べた。Si/C比が0.01の試料におけるSi K-吸収端のXANESスペクトルには、sp2結合の軌道への遷移と思われる低エネルギーピークが観測されるとともに、このピーク強度に顕著な偏光依存性が認められた。偏光解析の結果、
軌道はグラファイト面に垂直に近いことが明らかとなった。このことから、シリコン濃度の小さい範囲においては、グラファイト構造をもつSixC層が存在し得ることが明らかとなった。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Physics in Medicine & Biology, 47(14), p.2387 - 2396, 2002/07
被引用回数:28 パーセンタイル:59.46(Engineering, Biomedical)この研究は術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)用の中性子ビームに対するファントム内熱中性子分布を明らかにすることを目的としている。内部に円筒形の発泡スチロールを取り付けた円筒水ファントム(Void-inファントム)と取り付けていない円筒水ファントム(標準ファントム)に中性子計測用の金線を配置し、JRR-4の熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)と熱外中性子ビーム(ENB)で、これらを照射した。Void-inファントム内の分布ではENBとTNB-1のどちらの中性子ビームに対しても、熱中性子分布が改善されていることを確認し、Void側面に2つの高線量領域が形成されることを明らかにした。ENBとVoid-inファントムの組合せによってVoid周りの熱中性子分布の平坦化が観察される。浸潤している周辺組織に対してENBが線量分布を平均化し、線量を増強できるという臨床的優位性を実験データは示している。将来、ENBとIOBNCTの結合は脳腫瘍のための臨床成績を改善することになるであろう。
原子炉熱流動解析コード高度化専門部会
JAERI-Review 98-006, 194 Pages, 1998/03
国内外で進められている受動的安全設備を有する次世代軽水炉熱流動解析について、その現状と課題を日本原子力研究所原子力コード委員会原子炉熱流動解析コード高度化専門部会での調査内容及び議論をもとにまとめた。本調査は今後の原子炉熱流動解析コードの高度化研究に資する目的で進められた。最初に、今までに提案された種々の炉型に対し、そのシステム解析及び各種受動的安全系の性能評価の現状と課題をまとめた。次に、摘出された課題の中で特に重要と考えられた多次元二相流解析手法の現状と課題をレビューすると共に、各手法の評価・検証用に必要となるデータベースを気泡流及び環状噴霧流に対して調査した。本報告書でまとめられた内容は軽水炉熱流動解析の最前線、及び近年進展の著しい多次元二相流解析の最新の知見を含んだものであり、今後原子炉熱流動解析コードの高度化を図る上で極めて貴重な情報を提供するものと考えられる。
中村 秀夫; 伊藤 和宏*; 久木田 豊*; 井田 瑞穂*; 加藤 義夫; 前川 洋
Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 3, p.1268 - 1275, 1997/00
IFMIF装置の液体リチウムターゲットを水流で模擬し、その凹面壁を流下する高速の板状噴流の安定性を、約17m/s以下の流速で調べた。今回新たに採用した直列2段の2次元レデューサノズルは、内壁で剥離を生ずること無く、安定で均一な流速分布の噴流を生成した。噴流の表面には長さに沿って2次元、3次元の界面波が生じたが、全長130mmに渡り、大きさの変化は小さかった。噴流内の流速分布は、ノズル出口付近で自由渦の流速分布(半径に反比例)に変化し、この結果噴流の厚さが増加した。1次元運動方程式を用いた厚さ予測は、この変化を考慮に入れることで実験結果を良く予測した。
G.R.Noghrehkar*; 川路 正裕*; A.M.C.Chan*; 中村 秀夫; 久木田 豊
J. Fluids Eng., 117, p.1 - 9, 1995/03
Furuya&Maekawaらの1次元2相流ポンプモデルを改良し、カナダのオンタリオハイドロ社で実施した実機ポンプ及び小型ポンプを用いた高温高圧の水/蒸気二相流試験結果につき、解析を行った。モデルの改良は、二相流時の解析安定性を向上する為、インペラ内での蒸発/凝縮率の予測項に含まれる仮想質量の気相密度を液相密度に換えることにより行った。LOCA時等に生じる二相流中でのポンプ水頭は、サクションボイド率がある値を越えると急速に劣化するが、実験では、実機ポンプは小型ポンプに比べ、高ボイド率で劣化が生じることが観察された。この、水頭劣化に対するポンプサイズの影響を、改良ポンプモデルを用いたパラメータ計算により調べ、大型のインペラ内では、気泡流からチャーン流への流動様式遷移がより大きなボイド率で生じると仮定することにより、劣化を生じるボイド率変化をよく予測できることがわかった。
村尾 良夫; 井口 正; 秋本 肇; 岩村 公道
Nucl. Eng. Des., 145, p.85 - 95, 1993/00
被引用回数:4 パーセンタイル:44.62(Nuclear Science & Technology)PWRの冷却材喪失事故時再冠水過程に関する従来の1次元的な試験装置による試験からの知見と、半径方向に110万kw級PWRの約1/4の寸法の3次元的圧力容器を有する円筒炉心試験装置ならびに、奥行きは浅いが、幅が実炉の半径に等しい2次元的圧力容器を有する平板炉心試験装置による試験結果とを比較して、次の多次元熱水力挙動を明らかにした。1)炉心内に蓄積された水の量が1次元の実験より多く、炉心冷却が1次元のものより良いこと。2)半径方向の出力が最大の炉心部分でも、その蓄積水量は平均出力の炉心部分のそれとほぼ等しいこと。3)横流れにより炉心内に循環流が形成され、出力が最大の炉心部分での上向きの流量を増加させ、炉心冷却を促進させること。1)、2)は、開発した計算コードにより予測できた。
与能本 泰介; 久木田 豊; 小川 益郎; 功刀 資彰; 関 泰; 岡崎 隆司*; 高津 英幸
Proc. of the 6th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics,Vol. 2, p.807 - 814, 1993/00
核融合実験炉ITERのダイバータ冷却系における冷却材喪失事故(LOCA)時の熱水力挙動をRELAP5/MOD3コードと二次元熱伝導計算コードを用いて解析した。事故条件として、コールドレグにおけるギロチン破断及び1%破断(レグ断面積を100%とする)を想定しプラズマ停止の失敗を仮定した。RELAP5による解析結果より、大破断LOCA条件ではダイバータのホットスポットにおいて破断直後に沸騰遷移(DNB)が生じ、小破断LOCA条件では破断後30秒以内にはDNBが生じない事が明らかになった。より詳細な二次元熱伝導解析においても大破断LOCA条件では熱流束が15MW/m、水流速が9m/sの場合、熱伝達が2倍に促進されても破断直後のDNBは避けられない事が示された。
野村 靖; 染谷 博之; 伊藤 治彦
JAERI-M 92-163, 66 Pages, 1992/11
JMTRでの照射キャプセルの構造は、照射試料を中心に配置する同心円であり、試料を取り巻くキャプセル構造材の間隙には、気体あるいは液体が充填されている。このようなキャプセルの熱計算には、米国のオークリッジ国立研究所で開発された1次元熱計算コードGENGTCが用いられている。しかし、キャプセルを設計するためには、キャプセル構成部材、寸法等を変えたパラメータ計算を必要とし、多くの時間と労力を要する。また、短尺燃料のようなキャプセル軸方向への熱流が有意なものについては、2次元の熱計算が必要となる。本報告書は、1次元熱計算コードGENGTCの改良および2次元熱計算コードGENGTC-2の整備の内容とそれぞれのコードの取扱いについて述べたものである。
岩村 公道; 刑部 真弘*; 数土 幸夫; 傍島 眞; 大貫 晃; 阿部 豊; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-093, 89 Pages, 1991/06
PWR大破断LOCA時再冠水過程の熱水力学的挙動に及ぼす半径方向出力分布の効果を、平板炉心試験装置(SCTF)を用いて調べた。実際のPWRでは周辺バンドルでは中心バンドルよりも出力が低くなっているので、半径方向出力分布に起因するいわゆるチムニー効果のため、高出力バンドルでの冷却を促進することが期待される。SCTFはPWRの半径方向長さを模擬しており、半径方向出力分布効果が調べられる。SCTF第1次炉心における4種類の強制注入試験(S1-01,S1-06,S1-08,S1-11)の試験結果より、以下の点が明らかになった。1)半径方向出力分布により炉心内に二次元的な流れが生じた。横流れの方向はクエントフロント上方では中心の高出力部より周辺の低出力部に向い、クエントフロントの下方では横流れ方向が逆転した。2)総出力が同一の場合の最高出力バンドルにおいては、より急峻な出力分布の方が平坦出力分布の場合より熱伝達率は大きくなる。
大貫 晃; 傍島 眞; 岩村 公道; 安達 公道*; 大久保 努; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 91-001, 125 Pages, 1991/02
平板炉心試験では、圧力や炉心入口サブクーリングといったパラメータの効果を調べる際、ECC水注入方法として強制冠水モードを採用している。これは、実炉でのコールドレグ注入の重力冠水モードではパラメータの変化により炉心境界条件が変化するためである。しかしながら、強制冠水モードのかたいシステムは圧力容器内の熱水力学的挙動に影響を及ぼすことが考えられ、強制冠水モードの妥当性を確かめる必要があった。そこで本報ではECC水注入モードの違いによる効果を、重力冠水試験及び強制冠水試験のデータの比較及びREFLAコードによる解析により明らかにした。主な結論として、炉心境界条件が両注入モードで同等であれば、モードの違いは2次元挙動を含む圧力容器内の熱水力学的挙動に影響しないことがわかった。
安達 公道*; 岩村 公道; 傍島 眞; 大貫 晃; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 90-130, 77 Pages, 1990/08
平板炉心試験装置(SCTF)は、PWR-LOCA時の、主として再冠水過程における炉心内の2次元的な熱水力学的挙動を解明することを目的として建設された。SCTF試験計画では3体の模擬炉心を使用する予定であり、それぞれの炉心の設計が少しづつ異なるので、異なる炉心を用いて得た試験データを直接比較して良いかどうかを再現性試験によって明らかにしておく必要がある。本報では、共に強制冠水条件下で行われた、第2次炉心使用の試験S2-13(Run618)と第1次炉心使用の試験S1-05(Run511)とのデータの比較を行なった。システムの熱水力学的挙動においても、炉心の2次元挙動においても、これらの2つの試験はきわめて類似のものであった。しかし、被覆管温度が最高値に達した後の時間帯において、上部プレナムの蓄水挙動や、炉心下部から上方へのクエンチフロントの進行状況等の2次元的な炉心冷却挙動に有意な違いが見られた。
安達 公道; 岩村 公道; 傍島 眞; 刑部 真弘; 大貫 晃; 阿部 豊; 村尾 良夫
JAERI-M 90-129, 179 Pages, 1990/08
本報告書では、一定系圧力条件下で行われた平板炉心試験装置(SCTF)第1次炉心コールドレグ注入再冠水試験S1-14(Run520)、S1-15(521)、S1-16(522)、S1-17(523)、S1-20(530)、S1-21(531)、S1-23(536)、S1-24(537)において観察されたシステム挙動について紹介する。主な検討項目は、(1)蒸気バインィディング、(2)U字管振動、(3)ECC水のバイパス、(4)炉心冷却挙動、(5)ベント弁の効果、および(6)試験パラメータの影響である。ここに紹介する結果は、再冠水挙動について極めて有用な情報や示唆を与えるものである。
安達 公道; 岩村 公道; 傍島 眞; 大貫 晃; 阿部 豊; 大久保 努; 村尾 良夫
JAERI-M 90-107, 146 Pages, 1990/07
平板炉心試験装置(SCTF)第1次炉心コールドレグ注入試験シリーズにおいては、蓄圧注入系注入期間中およびその後のある時間にわたって、炉心とダウンカマの間でU字管振動が観察された。また、同時期に、非常に良好な炉心冷却が観察された。これら2種類の現象の間には、何らかの関連があるものと思われる。U字管振動は、蓄圧注入から低圧注入への切換え時における炉心条件に大きな不確実性を与える。この切り換え時炉心条件は、炉心2次元熱水力挙動が主として発達する低圧注入期間に対する初期条件となるものであるから、平板2次炉心コールドレグ注入パラメトリック試験の主要な試験からは、上記U字管振動を除去することが望ましい。そこで、検収試験S2-AC1(Run 601)、S2-AC2(Run 602)及びS2-AC3(603)を実施することにより、U字管振動を除去する適当な試験手法を開発した。
刑部 真弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(6), p.498 - 500, 1987/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ロッドバンドル中における単相斜交流の特性は、原子炉の炉心や蒸気発生器チューブバンドルにおける2次元的な流れの理解及び、特に高速増殖炉(FBR)のIHXとして注目されているジグザグ型コンパクト熱交換器の設計上重要である。流れがロッド軸に対し異なる迎え角を持つ斜交流の圧力損失を計測した。この結果、斜交流の圧力損失は、直交流の圧力損失よりも比較的小さいことが判明した。これは、流れがロッドを斜めに横切ることにより、フォームロスが減少するためと考えられた。また、この実験データと従来行なわれているロッドバンドル内2次元流の計算方法による予測と比較検討した。この結果、この従来法による予測値は、ほぼ実験結果と一致するが、正確な計算のためには、さらに改良検討すべきことが判明した。