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吉田 一雄; 桧山 美奈*; 玉置 等史
JAEA-Research 2025-003, 24 Pages, 2025/06
再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(RuO)の揮発性の化学種が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。揮発性Ruは施設内を移行する過程で床面に停留するプール水中の亜硝酸によって化学吸収が促進されることが想定され、施設内の硝酸-水混合蒸気の凝縮水量がRuの施設内での移行に重要な役割を担う。当該事故の施設内の熱流動解析では、水の熱流動を解析対象とするMELCORコードを用いている。解析では、凝縮の支配因子である蒸発潜熱が、事故時での施設内の温度帯域で同程度であることから硝酸をモル数が等しい水として扱っている。本報では、この解析モデルの妥当性を確認するために、MELCORの制御関数機能を用いて硝酸-水混合蒸気を水蒸気で近似することによって生じる誤差を補正する解析モデルを作成し解析を実施し補正効果を比較することで従来の解析モデルの妥当性を確認した。その結果、補正解析モデルの適用によって各区画のプール水量の分布は変化するものの施設内のプール水量の総和には影響しないことを確認した。
三浦 泰人*; 宮本 慎太郎*; 丸山 一平*; Aili, A.*; 佐藤 拓未; 永江 勇二; 五十嵐 豪*
Case Studies in Construction Materials, 21, p.e03571_1 - e03571_14, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Construction & Building Technology)In this study, the expansion behavior of cement materials after high-temperature heating and water immersion was observed experimentally. Two experiments were conducted using mortar specimens with different sand-to-cement ratios subjected to different high-temperature histories up to 1000C. In Case 1, the specimens were immersed in water after high-temperature heating and then cooled naturally; in Case 2, the specimens were immersed in water at high temperatures without the cooling process. Based on the results, it was confirmed that lime expansion due to the rehydration of CaO by heating occurred in Case 1. In contrast, dynamic continuous explosive spalling occurred in Case 2 because of water penetration into the specimen at a high temperature. The explosive spalling in water observed in Case 2 is a phenomenon that has not been reported to date. Possible failure mechanisms for lime expansion and continuous expansive spalling in water are suggested.
結城 光平*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 結城 和久*
Proceedings of 31st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE31) (Internet), 4 Pages, 2024/11
福島第一原子力発電所の燃料デブリは浸漬状態で冷却されている。しかし、予期せぬ水位低下が発生した場合、冷却水が多孔質構造を持つ高温の燃料デブリに接触する。このような場合、燃料デブリを早急に冷やす必要があるが、固液接触時の毛細管現象といった熱挙動は不明である。本論文では、基礎研究として、1mm以下の小孔を有する金属多孔体に接触した後の液滴蒸発特性を評価した。実験では、液滴のライフタイム曲線を得るために、孔径1, 40, 100umのブロンズまたはステンレス多孔体を用いた。実験結果から、発生した蒸気が小孔から排出されることで、多孔質体表面ではライデンフロスト現象が抑制されることがわかった。さらに、ブロンズ多孔質体では多孔質体の温度上昇と共に毛細管現象が観察され、これは微細な構造を持つ酸化膜が生成されたためであった。一方、ステンレス多孔体では低い濡れ性のため、毛細管現象は起こらず、液滴が小孔に吸い込まれて広がることはなかった。このことから、燃料デブリがステンレス多孔体と同じ特性を持つ場合には、毛細管現象による急冷を期待できないことが示された。
吉田 一雄; 桧山 美奈*; 玉置 等史
JAEA-Research 2024-007, 24 Pages, 2024/08
再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種(RuO)が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。RuO
の発生現象には、廃液の溶媒である硝酸の放射線分解で発生する亜硝酸が沸騰段階でのRuO
の発生を抑制することが実験的に示されている。この現象を解析的に取り扱うには、廃液の当該事故時の硝酸及び亜硝酸を含めた窒素化合物の化学変化の解析が必要となる。廃液貯槽沸騰模擬コード:SHAWEDでは、硝酸-水-FP硝酸塩系での気液平衡の仮定に基づき廃液の温度上昇、硝酸及び水の蒸発量、気泡破裂に伴う飛沫生成量を計算する。現状の解析では、廃液中の亜硝酸濃度等の変化を模擬できない。より現象に即した模擬を可能にするため当該事故時の施設内の化学的な挙動を解析するSCHERNをSHAWEDと結合させ、放射線分解による亜硝酸の生成も考慮した廃液貯槽内の熱流動挙動解析及び化学挙動解析を同時に可能とするよう改良した。本報では、両計算コードを結合した計算の流れ、両者間でのデータの授受を概説し模擬結果の一例を示す。
三浦 隆智; 工藤 淳也; 小山 大輔; 大部 智行; 佐本 寛孝
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10
東海再処理施設では、1977年から2007年までに、商業用発電炉(BWR,PWR)や新型転換炉ふげん等の使用済燃料を約1,140トン再処理した。廃止措置に移行した2018年から、リスク低減のため施設に保有する高放射性廃液(HALW)のガラス固化処理を最優先に取り組んできている。使用済燃料の再処理に伴い発生したHALWには、核分裂生成物(FP)等に加え、極微量のウランやプルトニウムを含む不溶解性残渣(スラッジ)が存在している。通常時ではHALW中のU, Puの濃度が非常に低いため、HALWが臨界に至ることは考え難い。また、事故時にHALWの冷却機能が喪失し、蒸発乾固に至る過程を考慮した場合においても、中性子吸収効果の高いFPが共存しているため、HALWが臨界に至ることは考え難い。これらを定量的に確認するために、HALWの蒸発によりU, Pu濃度が上昇し、乾固に至るまでの過程における臨界安全評価を実施した。本評価では、HALWを溶液系とスラッジ系、それぞれ無限体系モデルで、U, Pu, FPの存在比を分析データやORIGEN計算結果に基づき保守的に設定し、蒸発乾固に伴う溶液の濃縮による濃度変化に対して、無限増倍率を計算し、臨界未満の状態が維持されることを確認した。また、溶液系,スラッジ系の両系を考慮した2層の無限平板モデルでも、未臨界状態が維持されることを確認した。これにより、東海再処理施設においては、高放射性廃液の蒸発乾固の過程における臨界は想定されないことを確認した。
吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*
JAEA-Research 2023-001, 26 Pages, 2023/05
再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。再処理施設のリスク評価の精度向上に資するため、計算プログラムを用いて当該事故時でのソースタームを解析的に評価する手法の整備を進めている。提案する解析手法では、まず廃液貯槽の沸騰をSHAWEDで模擬する。模擬結果の蒸気発生量等を境界条件としてMELCORにより施設内の蒸気等の流れに沿って各区画内の熱流動状態を模擬する。さらに各区画内の熱流動状態を境界条件としてSCHERNを用いてRuを含む硝酸、NO等の化学挙動を模擬し、施設外への放射性物質の移行量(ソースターム)を求める。本報では、仮想の実規模施設での当該事故を想定して、これら3つの計算プログラム間でのデータの授受を含めて解析事例を示す。
吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*
JAEA-Research 2022-011, 37 Pages, 2022/12
再処理施設の過酷事故の一つとして高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故が想定される。再処理廃液の沸騰段階での放射性物質の気相部への移行のメカニズムは、沸騰によって生成される飛沫のうち比較的小さい粒径の液滴のエアロゾル化と、揮発性化学種の温度上昇に伴う気化である。気相に移行した放射性物質は、沸騰により発生する硝酸-水混合蒸気や硝酸塩の熱分解による脱硝反応で生じるNOなどとともに貯槽から流出し、施設内を移行し一部は施設外に放出されると想定される。当該事故で生じるこれらの諸事象は、すべて貯槽内の廃液の沸騰を起源とするため、それによって生じるリスクを精度良く評価するには、汎用性のある計算プログラムを用いた貯槽内の熱水力的及び化学的挙動の定量的な模擬が不可欠である。これを目的として再処理廃液の沸騰を模擬する計算プログラム: SHAWED (
imulation of
igh-level radio
ctive
aste
vaporation and
ryness)を開発した。本報では、当該事故のリスク評価に資するために、模擬対象とする事象の特徴をもとに沸騰及びそれに伴う諸事象の模擬に必要な主要な解析モデルを説明するとともに、具体的な模擬事例を示す。
山口 晃範*; 横塚 宗之*; 古田 昌代*; 久保田 和雄*; 藤根 幸雄*; 森 憲治*; 吉田 尚生; 天野 祐希; 阿部 仁
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 21(4), p.173 - 182, 2022/09
確率論的リスク評価(PRA)から得られるリスク情報は、原子力施設におけるシビアアクシデント対策の有効性を評価するために有用である。再処理施設に対するPRA手法は原子力発電所のそれと比べて未成熟と考えられ、本手法を成熟させるためには事故シナリオの不確実性を低減することが重要となる。本論文では、再処理施設におけるシビアアクシデントである高レベル廃液の沸騰による蒸発乾固への事象進展と、それに伴う放射性物質の移動挙動に関する文献調査の結果をまとめた。Ruの重要な特徴の一つは、事象進展の過程で揮発性化合物を形成することであり、本稿ではその移動挙動を温度に基づいて4段階に分類した。高温まで至った乾固物からはRuは放出されない一方、Csのような他の揮発性元素が放出される可能性がある。実験データは未だに不十分な状態であり、放射性物質の移行挙動の温度依存性を明らかにすることが求められる。
吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*
JAEA-Research 2021-013, 20 Pages, 2022/01
再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。そのための事故対処策の一つとして貯槽から発生する混合蒸気を積極的に凝縮する凝縮器の設置案が示されている。この事故対策では、硝酸蒸気の拡散防止、Ruの除去率の向上などが期待できる。本報では、実規模の仮想的な再処理施設を対象に凝縮器を設けて施設内での蒸気及びRuの移行挙動の模擬を試行した。模擬解析では、MELCORを用いて施設内の熱流動解析を行い、得られた熱流動状態を境界条件として硝酸、窒素酸化物等の化学挙動を解析するSCHERNコードを用いてRuの定量的な移行挙動を模擬した。解析から、凝縮器による蒸気拡散防止及びRuの除去効率の向上効果を定量的に分析するとともに、凝縮器の解析モデル上の課題を明らかにすることができた。
吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*
JAEA-Research 2021-005, 25 Pages, 2021/08
再処理施設の過酷事故の一つである高レベル放射性廃液貯槽の冷却機能喪失による蒸発乾固事故では、沸騰により廃液貯槽から発生する硝酸-水混合蒸気とともにルテニウム(Ru)の揮発性の化学種が放出される。このためリスク評価の観点からは、Ruの定量的な放出量の評価が重要な課題である。課題解決に向け当該施設での蒸気凝縮を伴う環境でのRuの移行挙動に係る小規模実験のデータ分析の結果から気液界面でのRuの物質移行係数の相関式を導出した。この相関式を用いて実規模の仮想的な再処理施設を対象に施設内でのRuの移行挙動の模擬を試行した。解析では、窒素酸化物の化学挙動を解析するSCHERNコードにこの相関式を組み込み、施設内の熱流動解析で得られた条件を境界条件としてRuの定量的な移行挙動を模擬し、その有効性を確認した。
吉田 一雄; 玉置 等史; 桧山 美奈*
JAEA-Data/Code 2021-008, 35 Pages, 2021/08
再処理施設で想定される重大事故の一つに高レベル廃液貯槽の蒸発乾固事故がある。高レベル廃液には、再処理の過程で取り除かれた核分裂生成物の硝酸塩が含まれ、それらの崩壊熱で発熱するため常時冷却する必要がある。このため全電源の喪失などにより冷却機能が全喪失した状態が継続した場合、廃液が沸騰しいずれ乾固する。この間、ルテニウムの揮発性化学種が硝酸-水混合蒸気とともに気相へ移行し、施設外へ放出される可能性がある。乾固時には、廃液に含まれる硝酸塩の熱分解による脱硝反応が進行しNOガスが発生する。NO
はルテニウムの施設内での移行挙動に影響することが実験的に確認されており、硝酸及び水が共存する環境では気液各相で複雑に化学変化することが知られている。そこで建屋区画内での熱流動条件を境界条件としてRuを含む各化学種の濃度変化を解析する計算プログラム: SCHERNの開発を進めている。本報は、SCHERN-V2として新たに整備した解析モデルを含め、当該プログラムが解析対象とする事故の概要、解析モデル、連立微分方程式、使い方等を説明する解説書である。
佐藤 一憲; 荒井 雄太*; 吉川 信治
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.434 - 460, 2021/04
被引用回数:7 パーセンタイル:61.36(Nuclear Science & Technology)The vapor formation within the reactor pressure vessel (RPV) is regarded to represent heat removal from core materials to the coolant, while the hydrogen generation within the RPV is regarded to represent heat generation by metal oxidation. Based on this understanding, the history of the vapor/hydrogen generation in the in-vessel phase of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 3 was evaluated based on the comparison of the observed pressure data and the GOTHIC code analysis results. The resultant vapor/hydrogen generation histories were then converted to heat removal by coolant and heat generation by oxidation. The effects of the decay power and the heat transfer to the structures on the core material energy were also evaluated. The core materials are suggested to be significantly cooled by water within the RPV, especially when the core materials are relocated to the lower plenum.
吉田 涼一朗; 天野 祐希; 吉田 尚生; 阿部 仁
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(2), p.145 - 150, 2021/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.49(Nuclear Science & Technology)日本の再処理施設における重大事故の一つである「冷却機能喪失による蒸発乾固」においては、他の元素に比べて多量の揮発性ルテニウムが環境中に放出されうる。これは飛沫同伴での放出に加え、ガス状の物質として揮発性ルテニウム化合物が高レベル濃縮廃液から放出されるためと考えられる。この揮発性ルテニウム化合物の放出は共存する亜硝酸イオンの還元力により抑制される可能性が予想される。揮発性ルテニウム化合物の放出挙動に対する亜硝酸イオンの効果を確認するため、亜硝酸イオン濃度をパラメータとした模擬廃液を加熱する4試験を実施した。亜硝酸イオン源として亜硝酸ナトリウムを添加することにより、揮発性ルテニウム化合物の放出が抑制される結果がみられた。本成果は冷却機能喪失による蒸発乾固におけるソースターム解析の進展に貢献することが期待される。
勝身 俊之; 吉田 康人*; 中川 燎*; 矢澤 慎也*; 熊田 正志*; 佐藤 大輔*; Thwe Thwe, A.; Chaumeix, N.*; 門脇 敏
Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.21-00044_1 - 21-00044_13, 2021/00
被引用回数:9 パーセンタイル:37.40(Thermodynamics)水素/空気予混合火炎の動的挙動の特性に及ぼす二酸化炭素と水蒸気の添加の影響を実験的に解明した。シュリーレン画像により、火炎面の凹凸が低い当量比で明瞭に観察された。火炎半径が大きくなると共に伝播速度は単調に増加し、火炎面の凹凸の形成に起因する火炎加速が生じた。不活性ガスの添加量を増やすと、特にCO添加の場合、伝播速度が低下した。さらに、マークスタインの長さと凹凸係数が減少した。これは、CO
またはH
Oの添加が水素火炎の不安定な動きを促進したことを示してあり、拡散熱効果の強化が原因であると考えられる。水素火炎の動的挙動の特性に基づいて、火炎加速を含む伝播速度の数学モデルで使用されるパラメータが得られ、その後、さまざまな条件下での火炎伝播速度が予測された。
桧山 美奈*; 玉置 等史; 吉田 一雄
JAEA-Data/Code 2019-006, 17 Pages, 2019/07
再処理施設で想定される重大事故の一つに高レベル廃液貯槽の蒸発乾固事故がある。高レベル廃液には、再処理の過程で取り除かれた核分裂生成物の硝酸塩が含まれ、それらの崩壊熱で発熱するため常時冷却する必要がある。このため全電源の喪失などにより冷却機能が全喪失した状態が継続した場合、廃液が沸騰しいずれ乾固する。この間、ルテニウムの揮発性化学種が硝酸-水混合蒸気とともに気相へ移行し、施設外へ放出される可能性がある。乾固時には、廃液に含まれる硝酸塩の熱分解による脱硝反応が進行しNOxガスが発生する。NOxはルテニウムの施設内での移行挙動に大きく影響することが実験的に確認されており、硝酸及び水が共存する環境では気液各相で複雑に化学変化することが知られている。そこで建屋区画内での熱流動条件を境界条件として各化学種の濃度変化を解析する計算プログラムを開発した。
植田 祥平; 相原 純; 水田 直紀; 後藤 実; 深谷 裕司; 橘 幸男; 岡本 孝司*
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2018/10
プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。2017年度に実施した模擬のCeO
-YSZ粒子への臭化物化学蒸着法に基づくZrC被覆試験の結果、粒子装荷量100gの条件において被覆層厚さ約3から18
mのZrC層の被覆に成功した。
Do, Thi Mai Dung*; Sujatanond, S.*; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(3), p.348 - 355, 2018/03
被引用回数:7 パーセンタイル:51.69(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント時のセシウム挙動理解のために、水素-水蒸気環境におけるCsMoO
の高温化学を調べた。Cs
MoO
-MoO
疑似二元系をRedlich-Kister型の熱化学モデルで記述した。モデルの検証のために、Cs
MoO
の蒸発損失速度を熱天秤で乾燥及び湿潤アルゴン雰囲気下で測定し、解析により正確に予測評価できることを示した。同モデルを用いて、全電源喪失によるBWR炉心損傷時のCs及びMoの気相化学種間での分配を評価した。
吉田 一雄; 玉置 等史; 吉田 尚生; 天野 祐希; 阿部 仁
JAEA-Research 2017-015, 18 Pages, 2018/01
再処理施設では、重大な事故の一つとして貯槽中の高レベル放射性廃液が沸騰し、乾固に至る事故(蒸発乾固事故)が想定される。廃液の沸騰により硝酸及び水が蒸発することで濃縮が進むと気体状ルテニウム(Ru)が発生し、硝酸-水混合蒸気(以下、混合蒸気という)の凝縮に伴い凝縮液中に移行することが、実験で確認されている。貯槽から流出した混合蒸気は建屋内の構造物壁面で除熱され凝縮する。この際に気体状Ruは凝縮水に移行することが想定され、建屋内でのRuの移行量を定量化する上で、混合蒸気の凝縮過程でのRuの移行の定量的な模擬が重要である。このような観点から、気体状のRuを含む混合蒸気の凝縮に伴い気体状Ruの凝縮水への移行量を測定する実験が実施されている。本報では、この実験で得られたデータを基に、実測不能な実験装置内の蒸気流速等を熱流動解析結果から推定し、気体状Ruの凝縮水への移行速度に係る相関式を導出した結果について述べる。さらに、同相関式を実機規模の事故解析結果に適用し、Ruの凝縮水への移行量の評価を試みた。
Myagmarjav, O.; 田中 伸幸; 野村 幹弘*; 久保 真治
International Journal of Hydrogen Energy, 42(49), p.29091 - 29100, 2017/12
被引用回数:24 パーセンタイル:53.01(Chemistry, Physical)熱化学水素製造法ISプロセスにおいて水素生成する反応であるHI分解反応の分解率を向上させるため、水素分離膜を用いた膜反応器の適用を検討している。本研究では、高性能な水素分離膜を開発するため、HTMOSをシリカ源に用い-アルミナ基材上に対向拡散CVD法を用いて製膜したシリカ膜の性能を調べた。
-アルミナに直接製膜した膜よりも
-アルミナをコーティングした
-アルミナ基材上に製膜した膜の方が、高い水素透過性を示すこと、および、450
Cの製膜条件で高い水素選択性ならびに水素透過性が得られることを見い出した。さらに、製膜した膜を適用した膜反応器において、HI分解反応を行い、平衡分解率(20%)を超える0.48の水素転化率を得ることができた。
Di Lemma, F. G.; 中島 邦久; 山下 真一郎; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Materials, 484, p.174 - 182, 2017/02
被引用回数:24 パーセンタイル:88.63(Materials Science, Multidisciplinary)シビアアクシデント(SA)時における化学吸着現象は、原子炉反応容器内でのFPの沈着挙動に影響すると予想される。本論文では、Cs化学吸着に対するモリブデンの影響について研究した結果を報告する。モリブデンは、SUS316の構成元素のひとつである。SUS316を用いた実験では、SUS304で見つかったCsFeSiOのほかにCs-Mo化合物が生成することが分かった。さらに、化学吸着物の高温安定性を調べるための試験では、Cs-Mo化合物が再蒸発することが分かった。そのため、このCs-Mo化合物については、SA時のソースターム評価において、放射性物質の遅発的な放出源になりうると考えられた。