検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 712 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

New insight on the thermal impact on cementitious materials due to high-temperature with water supply; Continuous expansive spalling in water

三浦 泰人*; 宮本 慎太郎*; 丸山 一平*; Aili, A.*; 佐藤 拓未; 永江 勇二; 五十嵐 豪*

Case Studies in Construction Materials, 21, p.e03571_1 - e03571_14, 2024/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Construction & Building Technology)

In this study, the expansion behavior of cement materials after high-temperature heating and water immersion was observed experimentally. Two experiments were conducted using mortar specimens with different sand-to-cement ratios subjected to different high-temperature histories up to 1000$$^{circ}$$C. In Case 1, the specimens were immersed in water after high-temperature heating and then cooled naturally; in Case 2, the specimens were immersed in water at high temperatures without the cooling process. Based on the results, it was confirmed that lime expansion due to the rehydration of CaO by heating occurred in Case 1. In contrast, dynamic continuous explosive spalling occurred in Case 2 because of water penetration into the specimen at a high temperature. The explosive spalling in water observed in Case 2 is a phenomenon that has not been reported to date. Possible failure mechanisms for lime expansion and continuous expansive spalling in water are suggested.

報告書

ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究(委託研究); 令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2024-021, 126 Pages, 2024/11

JAEA-Review-2024-021.pdf:6.51MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、PCV底部の止水及び補修を目的として、改良したジオポリマーや超重泥水によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を提案する。また、堆積状況など未解明な状況にある現場施工の選択肢を増やすため、止水・補修材の対象部位周辺への局所的施工のみならず、ペデスタル外の広範囲にわたる施工についても検討し、最新の熱流動シミュレーション法により、工法実現性を評価する。広範囲に施工する場合には、ペデスタル外に流出した燃料デブリや堆積物は止水・補修材で被覆されて廃棄体となる。このため、燃料デブリの成層化状態等性状を実験及び解析により把握した上で、廃棄体を安定化する方策を検討するとともに、核種浸出性を含めた廃棄体の長期寿命を評価する。

報告書

無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発(委託研究); 令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*

JAEA-Review 2024-020, 77 Pages, 2024/09

JAEA-Review-2024-020.pdf:3.34MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指したものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行った。日本側が担当した燃料デブリマッピングツールの開発では、1)高耐放射線小型高効率中性子センサの開発、2)UUVプラットホームの開発、3)放射線環境シミュレーション及び積算中性子線量計の特性評価を実施した。実施項目1)ではシリコン半導体検出器に微細構造を施して中性子の感度を上げ、ガンマ線の感度を下げたMSNDの特性評価と専用集積回路を開発し、小型高効率中性子センサを実現した。実施項目2)では、燃料デブリマッピングツール構成要素(中性子センサ、水中カメラ、ソナー、LiDAR)が連動するための通信制御系とUUVプラットホームとのインターフェースを完成させた。

論文

Retention of hydrogen bubbles generated from water radiolysis in carbonate slurry

伊藤 辰也; 永石 隆二; 桑野 涼*

Nuclear Technology, 210(8), p.1427 - 1443, 2024/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所の多核種除去設備における凝集沈殿(共沈)プロセスから排出される放射性廃棄物のような強アルカリ条件下で、水の放射線分解によって発生した水素(H$$_{2}$$)気泡の保持を、マグネシウムとカルシウムの混合沈殿物である懸濁物固体(SS)からなる炭酸塩スラリーの高粘度懸濁液中で定量的に研究した。親水性の異なる2種類の炭酸塩スラリー、親水性の「現行型」と疎水性の「返送型」についてH$$_{2}$$保持特性を評価し、それらの特性を別の懸濁液であるベントナイトの粘土懸濁液の特性と比較した。SS粒子表面の化学吸着量とスラリー中のH$$_{2}$$Oの量の比較から、SS粒子間でH$$_{2}$$O分子が共有されている必要があり、この共有により粘土懸濁液中で微細な粘土鉱物間の静電的な結合が形成する粘性とは異なる構造粘性が形成されることが確認された。スラリー中のH$$_{2}$$気泡の保持は、$$^{60}$$Co$$gamma$$線照射後のスラリーの撹拌前後で観測されたH$$_{2}$$発生量の差から評価した。親水性スラリー、疎水性スラリー、粘土懸濁液、処理水の保持特性の比較から、親水性スラリー中のH$$_{2}$$気泡は構造粘性だけでなく立体障害によっても保持されると示唆された。

報告書

ゼオライトカラム吸着挙動解析コードZACの開発

山岸 功; 波戸 真治*; 西原 健司; 津幡 靖宏; 佐川 祐介*

JAEA-Data/Code 2024-002, 63 Pages, 2024/07

JAEA-Data-Code-2024-002.pdf:2.91MB
JAEA-Data-Code-2024-002-appendix(CD-ROM).zip:9.42MB

福島第一原子力発電所事故で発生した放射性セシウムを含む汚染水処理にゼオライトを充填した吸着塔が使用されている。汚染水処理が進むにつれて吸着塔内の放射性セシウムは高濃度となり、吸着塔は高い放射線源となる。吸着塔内の崩壊熱や水素発生量を評価するには、吸着塔内の放射性セシウム濃度が必要となるが、測定では評価することが容易ではないためシミュレーションによって推定される。本研究では、ゼオライトを充填した吸着塔(カラム)に放射性セシウムなどの放射性物質を注入したときの吸着塔内の濃度を算出できるゼオライトカラム吸着挙動解析(ZAC)コードを開発した。本コードの妥当性は、既存コードによる計算結果との比較および小カラム試験の実験結果との比較により確認した。本稿は開発したコードに関するモデルの詳細、コードの取扱い方および結果の妥当性を提示するものである。

論文

2023年秋の大会福島特別プロジェクトセッション(保健物理・環境科学部会共催) ALPS処理水海洋放出に関する経緯とその理解

寺阪 祐太; 飯本 武志*; 三倉 通孝*; 藤田 玲子*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 66(4), p.203 - 207, 2024/04

本報告は、日本原子力学会2023年秋の年会で開催した福島特別プロジェクト企画セッション(保健物理・環境科学部会共催)のとりまとめである。本企画セッションは「ALPS処理水海洋放出に関する経緯とその理解」と題して、資源エネルギー庁および環境省の担当官にALPS処理水の扱いに関する経緯と取組み、海域環境モニタリング等についての講演をいただくとともに、福島特別プロジェクトより海洋放出に関する世論調査(2022年秋)の結果を紹介した。講演後の会場全体での議論を通じて、処理水海洋放出の事実関係が学会関係者間で共有された。

報告書

放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 茨城大学*

JAEA-Review 2023-021, 112 Pages, 2024/02

JAEA-Review-2023-021.pdf:7.1MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、平成30年度に採択された研究課題のうち、「放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献」の平成30年度から令和3年度分の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本研究は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故で環境へ放出された放射性セシウム(Cs)を高濃度に含有する、不溶性の性状を持つシリカ(SiO$$_{2}$$)主材微粒子の基礎的な物性(粒径、組成、同位体組成、静電特性、光学特性)や$$alpha$$放射体の濃度等について、一定の成果をもつ我が国の放射化学、分析化学、エアロゾルの科学者らが英知を集め英国側と協力して更に研究を進め、炉内事故事象の解明、生成要因の解明を行い、廃炉手順の確立、溶融燃料等の回収、作業員、現場・周辺環境の安全確保等の達成に寄与することをねらいとした。

論文

An Analytical model to decompose mass transfer and chemical process contributions to molecular iodine release from aqueous phase under severe accident conditions

Zablackaite, G.; 塩津 弘之; 城戸 健太朗; 杉山 智之

Nuclear Engineering and Technology, 56(2), p.536 - 545, 2024/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

Radioactive iodine is a representative fission product to be quantified for the safety assessment of nuclear facilities. In integral severe accident analysis codes, the iodine behavior is usually described by a multi-physical model of iodine chemistry in aqueous phase under radiation field and mass transfer through gas-liquid interface. The focus of studies on iodine source term evaluations using the combination approach is usually put on the chemical aspect, but each contribution to the iodine amount released to the environment has not been decomposed so far. In this study, we attempted the decomposition by revising the two-film theory of molecular-iodine mass transfer. The model involves an effective overall mass transfer coefficient to consider the iodine chemistry. The decomposition was performed by regarding the coefficient as a product of two functions of pH and the overall mass transfer coefficient for molecular iodine. The procedure was applied to the EPICUR experiment and suppression chamber in BWR.

論文

Effect of dissolved oxygen concentration on dynamic strain aging and stress corrosion cracking of SUS304 stainless steel under high temperature pressurized water

広田 憲亮; 中野 寛子; 藤田 善貴; 武内 伴照; 土谷 邦彦; 出村 雅彦*; 小林 能直*

The IV International Scientific Forum "Nuclear Science and Technologies"; AIP Conference Proceedings 3020, p.030007_1 - 030007_6, 2024/01

沸騰水型原子炉を模擬した高温高圧水中環境下では、溶存酸素量(DO)の変化により動的ひずみ時効(DSA)と粒界型応力腐食割れ(粒界SCC)がそれぞれ発生する。これらの現象の違いを明確に理解するために、その発生メカニズムを整理した。その結果、SUS304ステンレス鋼では、DOが1ppb未満の低濃度では粒内割れによるDSAが発生し、DOが100$$sim$$8500ppbでは表面の酸化膜形成によりDSAは抑制されることがわかった。一方、DOが20000ppbまで上昇すると、皮膜が母材から剥離し、母材の結晶粒界に酸素元素が拡散し、粒界SCCが発生した。これらの結果から、DSAや粒界SCCによるクラック発生を抑制するためには、最適なDO濃度を調整する必要があることが示唆された。

論文

福島第一原子力発電所廃炉作業効率化とソースターム予測精度向上への貢献に向けたFP挙動に関する技術調査; 本専門委員会の2年間の活動報告

勝村 庸介*; 高木 純一*; 細見 憲治*; 宮原 直哉*; 駒 義和; 井元 純平; 唐澤 英年; 三輪 周平; 塩津 弘之; 日高 昭秀*; et al.

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(11), p.674 - 679, 2023/11

本委員会では、東京電力ホールディングス株式会社(東電)福島第一原子力発電所(1F)事故後の 核分裂生成物(FP)挙動を予測可能な技術に高めて廃炉作業に貢献することと、1F事故進展事象の把握で得られた情報をソースターム(ST)の予測技術の向上に反映させ、原子炉安全の一層の向上に繋げることを目標とした活動を実施している。この2年間では、これまでの12年間の1F実機調査や1F関連研究で得られた情報を調査し、1F廃炉における燃料デブリやFP挙動の予測、及びST予測精度向上に必要な課題として「FPの量・物質収支と化学形態」「サンプリング目的とデータ活用」「環境への移行経路」を摘出した。今後、これらの課題の解決に向けた道筋の議論を進める。

報告書

HFB-1孔調査データ集

宮川 和也; 早野 明; 佐藤 菜央美; 中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*

JAEA-Data/Code 2023-009, 103 Pages, 2023/09

JAEA-Data-Code-2023-009.pdf:9.29MB
JAEA-Data-Code-2023-009-appendix1(DVD-ROM).zip:271.51MB
JAEA-Data-Code-2023-009-appendix2(DVD-ROM).zip:883.78MB
JAEA-Data-Code-2023-009-appendix3(DVD-ROM).zip:10.29MB

本ボーリング調査は、経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和3年度および令和4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597) (岩盤中地下水流動評価技術高度化開発)」の一環として、令和2年度に実施した物理探査などのデータに基づき推定した地下深部の低流動域分布の妥当性を確認することを目的としたものである。ボーリング孔名はHoronobeFossilseawaterBoring-1であり、HFB-1孔と称す。HFB-1孔は幌延深地層研究センターの隣接地に掘削された垂直孔であり、令和3年度に地表から深度200mまで掘削され、令和4年度に深度200mから深度500mまで掘削されたものである。本稿は、令和2年度以降の幌延深地層研究計画に示された研究課題の1つである地下水の流れが非常に遅い領域を調査・評価する技術の高度化に必要な基礎データとして、HFB-1孔の掘削に関わる情報およびボーリング調査から得られた各種データ(岩芯記載、物理検層、化学分析など)を取りまとめたものである。

論文

A Coupled analyses of water radiolysis and ECP for evaluation of the corrosive conditions in BWRs and PWRs

端 邦樹; 内田 俊介; 塙 悟史; 知見 康弘; 佐藤 智徳

Proceedings of 21st International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors (Internet), 14 Pages, 2023/08

The coupled code of water radiolysis and electrochemical corrosion potential (ECP) calculations (WRAC-JAEA) has been proposed for evaluating ECP both for boiling water reactor (BWR) and pressurized water reactor (PWR) systems. In the present study, some updates, such as pH control based on boron (B) and lithium (Li) concentration, were carried out. The calculated ECP were compared with the measured results in the INCA in-pile loop in the Studsvik R2 reactor for validation of the code. It was confirmed that the calculated ECP agreed with the measured ones in the INCA loop. The suitable rate constant set for water radiolysis calculation is also discussed. In particular, the rate constants for the chemical reaction of hydroxyl radical and molecular hydrogen and its backward reactions were carefully examined to evaluate the effects of pH and hydrogen concentration on hydrogen peroxide concentration. Moreover, the polarization curves were calculated, and the effects of Li$$^{+}$$ and the other species on ECP were estimated. In order to apply the code for both type of reactor systems, verification and validation (V&V) procedures of the code are proposed.

論文

Radio-tellurium released into the environment during the complete oxidation of fuel cladding, containment venting and reactor building failure of the Fukushima accident

日高 昭秀; 川島 茂人*; 梶野 瑞王*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(7), p.743 - 758, 2023/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:65.72(Nuclear Science & Technology)

福島事故時に放出された放射性物質量の推定は、原子炉の事故進展や環境影響の評価にとって不可欠である。そこで、ヨウ素,Csに次いで放出量が多いTeについて、単位放出量を想定したメソスケール気象モデル計算で得られた時間ごとの沈着量に基づいて沈着量分布を重み付けする、単位放出回帰推定法を用いて検討した。前回の検討では、この手法の適用性確認に主眼を置き、発生源について暫定的な結果を得ることができた。しかし、その後の検討で、放出があったと思われる期間の一部が放出推定期間から欠落していると、ソースターム計算全体に歪みが生じることが判明した。このため、本研究では、推定期間を延長し、主要な放出を全て含むように再計算を行った。その結果、これまで特定されなかった放出事象が明らかになり、炉内事象との対応も確認できた。また、炉心注水時のZr被覆管完全酸化による$$^{rm 129m}$$Te放出事象を考慮することにより、土壌汚染マップにおける$$^{rm 129m}$$Te/$$^{137}$$Cs比の地域依存性を説明することができた。さらに、本検討に基づき、WSPEEDI逆計算では予測できなかった3月11日夜,13日,14日早朝にヨウ素とCsの放出が増加した可能性を指摘した。

報告書

地質環境特性調査における衛星リモートセンシング技術の応用; 温暖湿潤地域における植生を指標とした高地下水面地点の推定手法の開発

小出 馨

JAEA-Research 2023-003, 101 Pages, 2023/06

JAEA-Research-2023-003.pdf:14.08MB

東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)として広域地下水流動研究(1992$$sim$$2019年度)を実施してきた。本研究はその一環として、広域を対象とした地質環境特性調査において、特に重要と考えられる地下水の地表への流動経路となりうる地層境界や断層破砕帯等の存在を推定する調査手法の構築を目標に、従来、地質分野での適用が困難とされてきた日本のような温暖湿潤地域の森林域を対象に、衛星リモートセンシングによる地下水流出点等の高地下水面地点の推定手法の開発に取り組んだ。開発に当たり、「地下水からの水分供給を受けている樹木は、干ばつ等による水分ストレスの程度が小さく、水分供給を受けていない樹木と比べ成長度が高い」及び「樹木の生育に関する影響因子の状態が同一の場合、同様な生育状態を示すとすれば、地下水以外の影響因子の状態が同じ環境下で生育状態が異なる場合、その原因は地下水の状態差にある」との作業仮説を設定した。これに基づき、地下水からの水分供給に起因する樹木の生育状態の差異を検出するため、NDVI (Normalized Difference Vegetation Index)等の既存の植生指標に比べ、植被率等の植生物理量に対する応答の直線性・耐飽和性に優れ、植生の水分ストレスにも感度を持つ新たな植生指標(AgbNDVI: Added green band NDVI)を考案した。また、対象領域を樹木の生育に関する影響因子(標高・斜面傾斜角・斜面方位角・林相)の組み合わせによって区分した微小領域(セグメント)ごとに植生指標値の統計量から林分の平均的な生育状態(植生指標値)を求め、それを上回る地点を植生指標値の異常点(高植生指標地点)として抽出するセグメント解析手法を考案した。本手法の妥当性を検証するため、岐阜県東濃地域の約5km四方の範囲を研究対象に、衛星データ(SPOT HRV)を用いて本手法を適用した。その結果、研究対象領域を555のセグメントに区分し、AgbNDVI画像(57600画素)から3768画素の高植生指標地点を抽出した。高植生指標地点における樹木の生育状態及び地形・地質状況を確認した結果、樹木(アカマツ: ${it Pinus densiflora}$)は他の地点に比べ成長度が高いこと、また、高植生指標地点は地下水流出が発生しやすい斜面の傾斜変換点や地質境界付近及び既知の湧水点の近傍や地下水面の高い地点に分布していることが明らかになった。

論文

Study on borehole sealing corresponding to hydrogeological structures by groundwater flow analysis

澤口 拓磨; 高井 静霞; 笹川 剛; 打越 絵美子*; 嶋 洋佑*; 武田 聖司

MRS Advances (Internet), 8(6), p.243 - 249, 2023/06

放射性廃棄物の中深度処分では、モニタリング用のボーリング孔内が適切に閉塞されているかを確認するための手法を事前に整備しておく必要がある。そこで本研究では、堆積岩地域を想定し、どのような埋戻し設計条件であればボーリング孔内が有意な移行経路とならないかを把握し、ボーリング孔閉塞に係る確認ポイントを明らかにするため、埋戻されたボーリング孔を有する水理地質構造に対する地下水流動解析を実施した。その結果、ボーリング孔や掘削損傷領域(BDZ)が移行経路とならないための条件として、ベントナイト系材料の透水係数を母岩と同等以下にすること、BDZにグラウトを充填することなどが示された。

論文

Dynamic probabilistic risk assessment of seismic-induced flooding in pressurized water reactor by seismic, flooding, and thermal-hydraulics simulations

久保 光太郎; Jang, S.*; 高田 孝*; 山口 彰*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.359 - 373, 2023/04

 被引用回数:8 パーセンタイル:83.23(Nuclear Science & Technology)

確率論的リスク評価(PRA)は、原子力発電所の安全性を向上させるための重要なアプローチである。しかし、この手法では、複合ハザードのモデル化は困難である。地震に起因した溢水シナリオでは、地震による炉心損傷、溢水による炉心損傷、地震と溢水が組み合わさった炉心損傷といった複数の炉心損傷シーケンスを含んでいる。溢水に係るフラジリティは、溢水がタンクなどの水源から区画に伝播するため、時間依存性を有している。そのため、現実的なリスク評価及び定量化を行うためには、動的リスク評価を用いる必要がある。本研究では、地震,溢水,熱水力シミュレーションを連成させ、複数ハザード間の依存関係を明示的に考慮し、地震起因溢水のリスク評価を行った。特に、福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全性向上対策に注目し、システムの耐力に関する感度解析と可搬型ポンプを用いた蒸気発生器代替注水の効果を評価した。我々は、シミュレーションに基づく動的PRA手法の複合ハザード起因のリスクの評価への使用を実証した。

論文

Double diffusive dissolution model of UO$$_{2}$$ pellet in molten Zr cladding

伊藤 あゆみ*; 山下 晋; 田崎 雄大; 垣内 一雄; 小林 能直*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.450 - 459, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

The rapid dissolution of UO$$_{2}$$ in molten Zr that could occur during fuel-cladding liquefaction at high temperatures and its kinetics were reformulated considering the convective mass transfer and the chemical effect at the UO$$_{2}$$/Zr interface. The mass transfer coefficient of U was obtained as a correlation including the aspect ratio term by CFD analysis. To explain the gap between the rapid dissolution rate observed in the experiments and the density-driven convective mass transfer, we introduced an idea in which the eutectic melting at the UO$$_{2}$$/Zr interface promotes the grain detachment owing to infiltration of the U-Zr-O liquid into the UO$$_{2}$$ grain boundaries. The developed model was validated with UO$$_{2}$$-Zr crucible experiments at 2273 and 2373 K. The calculated mass percentage ratios of U/Zr agreed with the measurements and the transition times from rapid saturation to precipitation were consistent with the metallographic observations.

論文

Iron-induced association between selenium and humic substances in groundwater from deep sedimentary formations

寺島 元基; 遠藤 貴志*; 紀室 辰伍; 別部 光里*; 根本 一昭*; 天野 由記

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.374 - 384, 2023/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:38.50(Nuclear Science & Technology)

For better understanding of impact of natural organic matters (NOM) on facilitating migration of $$^{79}$$Se in underground environments, association mechanism between Se and humic substance (HS) in groundwater was investigated by incubation experiments using groundwater sample under abiotic and biotic conditions and speciation analyses by an isolation technique with DAX-8 resin and a size exclusion chromatography coupled on-line to UV-Vis and ICP-MS detection (SEC-UV-ICP-MS). Selenite added into the groundwater was reduced to elemental Se only when microbial activity was stimulated by a nutrient. The speciation analysis by the isolation technique showed the presence of Se associated with HS and that proportion of the associate to total dissolved Se is highest in the reducing condition. The SEC-UV-ICP-MS analyses of alkaline extracts from the DAX-8 resin showed that Se was coeluted with Fe as well as HS, regardless of microbial activity and redox conditions. Logarithmic peak areas of Se and Fe coeluted with HS in the SEC chromatograms was linearly correlated in the moderately oxidizing condition (r = 0.947, p $$leq$$ 0.01 with addition of Se; r = 0.995, p $$<$$ 0.01 without the addition of Se). The SEC chromatogram of Se coeluted with HS in the reducing condition was well matched with those of Se-Fe-HS ternary complex in the moderately oxidizing condition. Therefore, these suggest that the association between Se and HS in groundwaters can be dominated by a formation of Se-Fe-HS ternary complex.

論文

Evaluation of hydrogen behavior in sodium for sodium-water reaction detection of sodium-cooled fast reactor

山本 智彦; 加藤 篤志; 早川 雅人; 下山 一仁; 荒 邦章; 畠山 望*; 山内 和*; 江田 優平*; 由井 正弘*

Proceedings of 2023 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2023) (Internet), 6 Pages, 2023/04

In the secondary cooling system of sodium-cooled fast reactor (SFR), a rapid detection of hydrogen explosion due to sodium-water reaction by water leakage from heat exchanger tube is steam generator (SG) is important in terms of safety and property protection. For the hydrogen detection, Ni-membrane hydrogen detectors using atomic transmission phenomenon were used in Japanese proto-type sodium-cooled fast reactor "Monju". However, during the plant operation, many alarms of water leakage were occurred without sodium-water reaction in relation to temperature up and down. The authors focus on the difference in composition of hydrogen and the difference between the background hydrogen under normal operation and the hydrogen generated by the sodium-water reaction and theoretically estimate the hydrogen behavior in liquid sodium by using ultra-accelerated quantum chemical molecular dynamics (UA-QCMD). As the results of theoretical estimation, dissolved H or NaH, rather than H$$_{2}$$, is the predominant form of the background hydrogen in liquid sodium, and hydrogen produced in large amounts by sodium-water reaction can exist stably as fine bubbles with a NaH layer on their surface. Currently, the authors study the new hydrogen detector system focusing on the difference between the background hydrogen (dissolved H) and the hydrogen by sodium-water reaction (fine bubbles H$$_{2}$$). This paper describes the comparison between the theoretical estimation and experimental results based on hydrogen form in sodium.

報告書

無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発(委託研究); 令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*

JAEA-Review 2022-070, 70 Pages, 2023/03

JAEA-Review-2022-070.pdf:5.27MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。

712 件中 1件目~20件目を表示