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櫻井 武尊; 井口 将秀; 中平 昌隆; 齊藤 徹; 小泉 徳潔
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 26(4), p.4204705_1 - 4204705_5, 2016/06
原子力機構は、ITER計画において、9個のトロイダル磁場コイル(TFコイル)と19個のTFコイル構造物の調達を担当している(予備1個を含む)。TFコイル構造物は、D型形状の超伝導巻線部を格納する高さ16.5m、幅9mの超大型で複雑な形状の構造物体である。TFコイル構造物は、運転条件である極低温(4K)において強力な電磁力に耐える必要があるため、高マンガン・ステンレス鋼JJ1及び高窒素添加型316LN鋼といった、高降伏応力、高破壊靭性を有するオーステナイト系ステンレス鋼が用いられる。これらの材料をFMYJJ1と呼ばれる溶接ワイヤでTIG溶接することでTFコイル構造物は製作される。一般的に、溶接継手の機械特性は、溶接方法や溶接姿勢等の溶接条件に依存するが、これまで200mm以上の溶接厚さを有する実機TFコイル構造物を模擬した溶接継手の4K機械試験データの取得は限られていた。本研究では、実機と同様の溶接厚さ(最大320mm)で、溶接方法や溶接姿勢、母材との組み合わせを模擬した溶接継手を製作し、4Kにおける引張試験や破壊靱性試験を含む機械特性を取得した。その結果、全ての溶接継手が要求性能である降伏応力(900MPa)と破壊靭性(180MPam
)を満足した。実機TFコイル構造物で採用する溶接条件の範囲では、機械特性は溶接方法や溶接姿勢よりも、母材との組み合わせに依存することが確認できた。以上により実機相当溶接継手の4K機械特性データ・ベースの構築に寄与した。